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フランスガストロノミー界最新情報:元三つ星シェフ、ローラン・プティ氏新店情報

またしばらく御無沙汰になってしまいました。仕事で慶事がありました。詳しくは書けませんが、色々とばたばたしていました。

さて、元三つ星シェフとは、昔三つ星をとったシェフの方ではなく、まさに三つ星をもったままお店を他人に譲ったシェフのお話です。

アヌシー「ル・クロ・デ・サンス」で三つ星をとられたローラン・プティ氏の新店計画がいよいよ始動というお話です。

何度も書いていますが、星はシェフに与えられるもの。アヌシーのお店は既に星が消えています。一方で、三つ星をとられたほどのシェフはまた三つ星をとるだろう、とって欲しいと人々が期待しますので、自ずとその動向に注目が集まるわけです。ローラン・プティ氏はお店を譲った時もまだまだ現役ばりばりのシェフでしたから、新店に対する注目、期待もやはり大きいと思われます。

そんなローラン・プティ氏の新店は、シェフの生まれ故郷であるオートマルヌ県の都市ラングルにて来年夏に開業予定とのことで、店名は「ル・クロ・ヴォーダン(Le Clos Vaudan)」と既に決まっています。

2軒開業が予定されているお店のうち、おまかせコースのみを提供するガストロノミーレストランの規模は10から15席で、二つ星獲得が目標とのことです。シェフはアヌシーで既に三つ星になっていますので、ここは比較的簡単に超えてくると予想されます。こちらには8室のスイートルームからなるプール付きホテルも開業予定です。

また、もう1軒のセカンドラインのお店では、ビブグルマンとグリーンスターの両取りを狙うとのことです。

さらには、シェフの家を改装して4室からなる民宿も開業予定と聞いています。

新店開業はしばらく先のことなのでまだまだはっきりしないことが多いですが、現在は来年夏の開業に向けて改装工事中とのことです。

また開業前に記事にできればと思います。





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レストラン訪問記:京都・嵐山「ムニ・ラ・テラス」(★)

アラン・デュカス氏の京都の新規店舗ということで、桜×嵐山という観光的には最高のシチュエーションでこちらに伺ってきました。2022年のミシュラン京都・大阪+和歌山で、地階にあるメインダイニング「ムニ・アラン・デュカス」と共に新規一つ星店として初掲載されています。

ブログ記事消化が追いついておらず、こちらの訪問は昨年の4月になります。記事内容等その当時の社会的意識の下で記していますので、その点どうか御了解ください。

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テーブルセッティング


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カウンターからの眺め

写真を御覧頂ければ分かりますが、カジュアルラインのこちらのお店は渡月橋を臨む絶好のロケーションで、嵐山と大堰川、渡月橋のパノラマを目の前に見ながら本場仕込みのフランス料理が堪能できます。

シェフはフランス人の方で、食材の使い方や料理などにそうしたシェフの個性が表れていたように思います。日本人シェフが日本でやるお店、仔羊の各種部位を使ったお料理はまず出てこないでしょう。リゾットして出てきたモリーユ茸などもこの季節を象徴する食材で、こういうところもフランス人シェフの面目躍如という感じがしました。


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この日のコース内容はこんな感じでした。この日お願いしておいたのが真ん中の7700円のコースということで、メニュー表に記載がないお皿がいくつか出てきて楽しかったです。

最後支配人の方とおしゃべりする機会がありましたが、とてもきちっとされていて、こちらが迷惑をかけた場面があったのですが、色々と御配慮していただいて、この方のサービスのおかげもあって、また伺いたいと思わせていただきました。

ただ、お店の構造の問題なのか、この日店にいた4人組くらいの水商売系の女性グループが大声でしゃべり倒していてうるさいのなんの、外れの日に当たってしまったようで、そこは大変残念でした。店員さんに注意してもらいましたが、注意も眼中にないようで、最初から最後まで同じテンションでひたすら大声でしゃべり続けていました。彼女たちにとっては世界には自分達しか存在していないのでしょう。ある意味恐ろしい人達でした。

また、悪いことは続くようで、食事の最後の方に入店してきた外国人女性の一人客が私の座っていたカウンターのすぐ右隣でノーマスクで携帯電話で大声でしゃべり始め、丁度メインを食べている頃で、食事にもあまり集中できずそれもまた大変残念な思い出でした。

それでもこのロケーションには抜群の魅力があり、お料理もガストロノミーではなく、どちらかというと洗練されたビストロあるいはブラッスリの料理ではあるものの、季節の美味しいものが食べられるのは間違いなく、嵐山に行く機会があればおのずと候補になるお店だとは思います。



(頂いたもの)

ランチコース7700円


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グラスシャンパン:シャルル・ドゥ・カザノーヴ テットドゥキュベ(一番搾り)
冷たさやや足りないですが、ほんのり甘味あり、濃厚さもありバランス取れた良いお味美味しかったです。


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昆布茶 微炭酸
酸味、甘味があり淡いフレーバーウォーターのようでした。温度はぬるめでした。



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パン:バゲット、米粉のパン オートミール 雑穀米入り
いずれも冷めたままの提供です。ねっとりとした食感は流行りでしょうか。米粉パンの方は外に塩気を感じました。バターは濃厚な風味で塩気も十分で美味しいです。


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アミューズ:鯛 柑橘 ひよこ豆のクリーム
鯛は美味しく柑橘の香りが立っています。素朴な一品でした。
クリームは普通でした。中にまるのままの豆が入っていました。辛子が、かけられていたせいか、後でのどが焼ける感じがありました。


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牛肉のタルタル キャビア オーロラソース
肉の食べ応えがあって、かつなめらかで口にやさしく、美味しい一品でした。素朴なブラッスリー料理を洗練させた感じでしょうか。感謝でした。


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前菜:フランス産ホワイトアスパラガス ヘーゼルナッツとベーコン
火入れはアルデンテでした。アスパラガスの優しい香りが良かったです。オランデーズソースをその場で仕上げる趣向で、玉子が濃厚でソースが美味しかったです。


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押し麦のリゾット グリーンピース フレッシュモリーユ茸
リゾットは押し麦で歯応えがあります。グリーンピースはアルデンテの火入れでした。グラタンのようでこくがあり美味しいです。モリーユ茸はあまり香りません。グリーンピースを楽しむ一皿だったように思います。旬の食材を堪能しました。


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メイン:フランスピレネー産仔羊のロティ 茄子とディアーブル・ソース
柔らかく、仔羊の各部位が楽しめる料理でとても良かったです。しかし既に述べたようにノーマスク外国人女性の携帯通話により食事に集中できず、あまり楽しみきれなかったのが残念でした。


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デセール:いちご 弓削牧場のフォンテーヌブロー(ジャージー牛のヨーグルトのデセール) 練乳のアイス
皿が冷たく提供されていました。軽いですが、好きなものだけなのでうれしかったです。甘さは控えめです。神戸・弓削牧場のチーズを使ったデセールは軽くて良いです。苺は、奈良の古都華のコンフィチュールでした。


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食後のお茶:ドライミントティー
小菓子:シュートンカ豆のクリーム オレンジソース






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フランスガストロノミー界最新情報:リッツメインダイニング「レスパドン」新シェフ着任

既にその他メディアで知り、御存知の方もいらっしゃるかと思いますが、前任のニコラ・サル氏が離任し、2021年3月以来2年以上顔となるシェフが不在だったパリの名門ホテルリッツ内メインダイニング「レスパドン」の新シェフ就任が決まりました。

新シェフは現在40歳の女性シェフ、ユジェニ・ベジア(Eugénie Béziat)氏で、
ミシェル・ゲラール氏の三つ星店やトゥルーズの元二つ星「ミシェル・サラン」で修業をされた後、コルシカ島サン-フロランの一つ星店「ラ・ロワヤ」で料理長を務め、その後ヴィルヌーヴ・ルーベの「ラ・フリビュスト(La Fribuste)」で料理長として一つ星を獲得されています。

経営陣としての期待は当然二つ星以上でしょうが、さてどうなるでしょうか。

着任日は今年の9月26日ということで、パリの名門なだけに着任後しばらくは注目を集めそうです。





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レストラン訪問記:博多「鮨さかい」(★★★)

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店の入口(ビル2階)

三つ星の寿司店には初めて訪問しました。ミシュランに寿司など分かるのかと正直疑問がありましたが、少なくともこちらのお店について言えば、これまで行った数は多くはない寿司店との比較で、全てではないにせよつまみの質も、握りの質も圧倒的な違いを感じさせられることがあり、これが三つ星と言われれば、そうなのね、と(経験が少なく)分からないなりにも一応納得させられた、そんな体験でした。

もちろん再訪したいと思いましたが、すぐにという立地でも、価格設定でもなく、この日客全員が次回予約を聞かれていましたが、パスするしかありませんでした。しかしまた伺いたいと、食べ終えたその日には思っていました。

つまみも寿司も素晴らしいですが、全てを決める大将の堺さんの人間力がすごいです。

移動の交通機関の関係でほんの少し遅れることは予定どおりで、その旨も店には事前に伝えて了解を得ていましたが、遅れて伺うことになった私に、店主はまずお詫びを述べました。もちろん事情がありました。

その日は熊本からバスで移動していて、当初想定では一斉スタートの時間に少し遅れることが分かっていました。その旨電話で伝えてあったのですが、上手く伝達ができていなかったようで、店を目指す途中で店から電話がありました。店に着くすぐ手前のタイミングでした。バスが想定より早く着いたため、遅刻時間は少なくて済みました。なんとか店を見つけて店内へ入りました。店内はもちろん既に満員です。ここで店主の堺さんから御挨拶がありました。

ようこそ、の前に、こちらの方で連絡が不行き届きで、(私が)遅れるという連絡を把握できておらず、先ほど電話を掛けてしまってすみませんでしたという内容でした。こういうことを大将が言われる時点で、このお店すごいとなりました。スタートが違います。安心して食事ができると、何も食べる前から安心でき、店や大将に対する評価はうなぎ登りでした。こちらがむしろ申し訳なくなりました。

また、カウンターの向こうで仕事をされている皆さん、お弟子さんですが、皆さんに対しても、大将はさん付けで呼ばれていました。今時普通なのでしょうか。このことだけでもすごいと思いました。

サービスについても配慮があって、トイレにはお香が焚かれています。そして、トイレから戻るとおしぼりが用意されていました。サービスの意識がとても高いです。形はもちろんですが、それだけではなくそこに心があることがこちらにもしっかり伝わってきました。

食事は一斉スタートですが、店内は適度な賑わいがあって、みなそれぞれに食事やおしゃべりを楽しまれていて、とても居心地が良い空間でした。これもひとえに大将の意識の高さゆえでしょう。

そしてその後の食事はその期待を裏切ることなく、素晴らしい質のつまみや握りで、大将のおもてなしの心も随所に感じられて、素晴らしい体験になりました。これも大切なことでしょうが、握りは大将の堺さんが一人一人に対して自分で握って出してくれていました。

大将は食事中もお客さんに対してつまみやネタについて結構説明をしてくれるのですが、色々と教えていただきたい方なので、個人的にはそれがすごくマッチしました。食後、エレベーターのところまで大将がわざわざお見送りくださって、その際にも結構色々なことを話してくれて、勉強になりました。おそらく全員に対してお見送りをされているのだろうと思いました。

お会計ですが、訪問当時の昨年3月末には今回頂いたおまかせコースの価格は3万3000円でした。ただ、現在はおまかせコースが3万8500円になっています。こちらのお店は志が高いところにあるので、昨今の情勢からすると仕方ない値上げでしょうね。

お寿司もすごいですが、お酒もシャンパンがグラスで3種類用意されていました。フランス料理店のグランドメゾンでも、日本ではなかなかないことでしょう。個人的にはワインとお寿司はどうなのか未知数なので、今回も日本酒を頂きましたが、ソムリエもいらっしゃるので、ワインと合わせる楽しみを見つけることもできるお店だと思います。そう考えると幅広く楽しめる素晴らしいお店だと改めて思います。


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卓上の様子

さて、今回のお食事ですが、食事のスタートは食前酒選びからでした。せっかくグラスシャンパンが3種類もありますので、一番スタンダードなグラスシャンパンをお願いしました。まず頂いたのは、ルイロデレールのコレクションでした。写真は割愛しています。3種のグラシャンがあるのが驚きです。他の2種は、クリューグ、ゴセのロゼでした。

そうこうするうちつまみが運ばれてきました。


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◯熊本筍 木の芽味噌

量が少な目で、味が分かりにくかったのは残念でしたが、普通に美味しかったです。

◎真鯛の白子 おひたし

優しい味付けでとろけました。繊細な一品でした。山葵が良い香りです。


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◯富山湾ほたるいか 
◎唐津の鮑 


ほたるいかは炙ってありほんのり温かいです。味は悪くないのですが、少し小さい印象でした。
鮑 山葵と合うとのことでした。温かいです。驚きの柔らかさで、ふにゃふにゃ感がありました。ここまで仕上げるのに色々な手間がかかるのだろうと想像します。


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◯長崎大村湾紫ウニ フランスオシェトラキャビア 塩
みょうばんなしにウニです。味に広がりがあるとのことでしたが、確かに上品で甘いです。塩をつけるとより甘さが引き立ちました。


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◎苫小牧のホッキ貝炙り

ひたすら甘くてびっくりでした。火を入れると甘くなるとのことです。素材の見極めが良いのでしょう。


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日本酒 而今 純米吟醸 無濾過生

安定の美味しさで満足しました。美味しいお酒で、最高のつまみがさらに楽しめます。


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★萩産甘鯛若狭焼き 

ねっとりほぐれました。お酒をかけて焼く分旨味がすごいです。ここまで上品になるか、という味です。感動の一品で甘鯛は美味しかったのですが、骨が一本残っていたのは残念でした。


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◎からすみ

炙りで良い香りがしていました。素敵です。


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◎余市のあん肝 奈良漬

柚子の香りがしていて素敵です。しっかりと仕事を施されていますね。奈良漬も繊細でした。合わすと味変でさらに美味いです。奈良漬は外のものとのことでした。


〈ここから握り〉


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がり


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◯平目 

1日寝かせたものでした。山葵との相性が良いとのことでした。厚みがありすごいです。初めての厚み。ほんのり温かかったです。山葵は分かりにくかったです。


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◎五島のアオリイカ


イカにも、脂が乗るという表現があるとのこと。甘みがあることをそう言うとのことです。ひたすらねっとりしていて、口の中にまとわりついていく感じがすごいです。ここまで口の中に広がる感じは初めてかもしれません。


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◯天草の小肌

酢飯に負けないちょうど良い味がある時期とのこと。締め具合は浅めです。小肌自体の旨味を味わう感じがありました。


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日本酒 山形正宗 稲造
香り穏やかで繊細で良かったです。15度なのに甘味すら感じました。


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この日の鮪:須崎(静岡) 延縄 248㎏


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★鮪 赤身

大当たりの鮪赤身でした。大将自身もなかなか出会えないレベルのものとおっしゃっていました。延々と続く旨味がすごかったです。口の中を制覇していく感じがありました。これに出会えて良かったと心から思えたネタでした。


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◯鮪 中トロ

乳酸が回ってきているとのことでした。金目鯛食べているため甘いとのことでした。確かに静岡産だからそういうことかと納得です。もちろん美味しいのですが、脂は控えめでした。赤身の方が美味しく感じる不思議がありました。


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◎鮪 大トロ ジャバラ

筋が柔らかくて美味いとのことでした。びっくりするくらいの脂の旨味、広がりでした。厚めで美味しさが堪能できて素晴らしかったです。それでも赤身の方が上でした。


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◎増毛の牡丹海老

糖度が高いため温度低めで出すとのことでした。温度が高いと嫌な香りが出るとのことでした。口の中に広がるねっとり感がすごいです。


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◎ノドグロ炙り 紅葉おろし入り

温かいです。脂がすごいね。分かりやすい美味しさでした。山葵もほんのり香り美味です。


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◯牡丹海老とノドグロの頭の出汁の味噌汁 お茶


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◎根室バフンウニ軍艦 有明海苔

有明海苔の使用は2年ぶりとのことでした。ウニの香り良く、甘味がありました。海苔の甘味に乗っかるとのことでした。ただ余韻が短いです。


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グラスシャンパン:ゴセのロゼ

鮪の赤身のタンニンと合うとのことで、素敵なマリアージュでした。


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◎中落ち軍艦 べったら漬け

甘みが強いです。脂と赤身の旨さの調和が素晴らしかったです。そして海苔の旨さも感じられました。


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◎千葉九十九里のはまぐり 

握りの締めがはまぐりでした。穴子がシーズンオフで、出さないとのことではまぐりが締めを務めていました。6月で交代とのことです。

優しい甘さで柔らかかったです。充実したふっくら加減ですごいボリュームでした。江戸前の素敵なお仕事をされているのこ印象に残りました。


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△芝エビと大和芋の玉子焼き

お弟子さんの仕事でしょうか。少しぱさつきがあり残念でした。


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◯干瓢巻き

有明海苔が主役の巻物でした。香りが良いため使っているとのことです。甘みと塩味のバランス良くて美味しいです。一つだけだったので、正直なところもう少し欲しかったです。






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レストラン訪問記:熊本市「瑠璃紺」(★★)

まだまだ大した経験もない中ですが、個人的には地方でミシュラン二つ星になっている和食店との相性が良くないようです。

新潟でも三重でも良い思いをしませんでした。そして今回熊本でしたが、三度目の正直とはならず、二度あることは三度あるとなってしまいました。こちら熊本の二つ星店の訪問は昨年の3月下旬でした。


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店の外観

入店すると店内は店員すらおらず、御覧のとおりギャランドゥーの状態で、この夜はそれなりの広さがある店内で一人貸切状態での夕食となりました。食べ進むうち、その理由が段々と分かっていきました。


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店内の様子

正直2度と行くことはありませんので長々書くのも野暮ですが、ブログ読者様の今後の参考にでもなればと備忘の記録を残す趣旨で記事にします。

料理もたいがいでしたが、サービスがまた酷い。サービスの女性が自分中心にものを運ぼうとして窮屈でしたし、愉快ではありませんでした。サービスとは何か考えたことがないのでしょう。

また、お値段が正直高いです。良いものであれば、高いお値段でも納得して満足して店を出られますが、物価が比較的安い九州にあってあり得ないパフォーマンスでした。これでは誰も来ないよ、とつぶやいて店内がらんどうの理由を自ら発掘してしまっていました。

また、2度ほどとんちんかんな説教が店主からありましたが、客が嫌な思いになるだけです。予約時間の変更を前もってお願いしていたのに、それが通じていなくて、遅刻して来たように捉えられていたようで、遅刻に対する説教がまずありました。遅刻していないです。時間をきちんと伝えていました。また、写真撮影について了解を頂いて撮っていましたが、この点についても後から文句を言ってきてまさかのダメ出しをされました。驚きでした。

最近ポジティブな投稿がなくて恐縮です。次回は博多の三つ星寿司店の記事を書く予定で、今回よりははるかに前向きな内容になるはずですのでどうか御期待ください。


(頂いたもの)

ディナーコース11,770円
(確か3種類あるコースのうちの一番高いコースでした。)


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生ビール アサヒスーパードライ
(美しい泡のビールでレベルは高いですが、味はやはり好みではないアサヒです。エビスやプレミアムモルツでもおけば良いのにと思います。一応二つ星というこのお店の格にはミスマッチな気がします。今時居酒屋でもプレモル生を出してくれます。)


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先付け:晩白柚の白和え
(晩白柚は熊本特産の柑橘でこれも熊本産でした。甘い味付けの突き出しが地方の味だと思わせます。晩白柚の甘み、苦味などを白和えで楽しめました。)


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炊き合わせ:キャベツのつぼみ、エゴマ、油揚げ
(温かくて美味しいのですが、普通のおばんざいです。小料理屋でも普通に出てくるでしょう。連続で普通の食材のお料理となるとちょっとがっかりな気持ちになります。)


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お造り:天草産石鯛、サヨリの昆布締め
(石鯛は食べ応えある厚みで良かったです。サヨリの昆布締めはしっかり味が入っていて美味でした。石鯛も脂あり美味しいです。薬味は混ざっていて、味が複雑で楽しく、いいアクセントでした。ただ、お造りの種類が少ないですし、華やかさもゼロでした。これは残念でした。)


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日本酒 秋鹿 純米吟醸 生原酒
(生らしい美味しいお酒でした。しっかり酸があり良い香りが鼻に抜けていきました。)


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お椀:山菜(鱈の目、うど、わらび、菜の花、木の芽)
(山の恵みの季節とはいえ、あっさりしすぎでしょう。お魚などの具材がないとただのベジタリアンに感じてしまいます。センスを感じないですし、満足度が低すぎます。真薯や季節の魚を入れて欲しかったです。予算的にカットされている印象しかなく、安くあげられていると感じました。)


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焼き物:甘鯛 蕗味噌 筍 いずれも熊本県産
(甘鯛は繊細で熱々で良いです。蕗味噌の独特な香りが合ってもいました。ただ季節柄、丁度熊本産が旬だった筍はせっかくなので主役として出して欲しかったです。また、筍はあまり味付けがされていなくてそこも残念でした。)

日本酒 黒龍 春しぼり


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毛蟹 焼きセロリ
(この時期に毛蟹しかも熊本でと疑問になりました。私の勉強が足りていないだけでしょうか。ただ、味は強く美味しいです。しかしながら処理が甘く、骨がところどころにありました。自己中サービスが、前のお料理を私がまだ食べ終えていない段階でフライングで毛蟹を持ってきて、そのまましれっと置いていこうとしたので、呆れて抗議し、一度下げてもらいました。ここは居酒屋か。)


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穴子の蓮蒸し
(焼いた穴子と蓮根のすりおろしを和えたものです。銀餡がかかっていていかにも和食でした。季節感あるそら豆が添えられているのは嬉しいです。熱々で美味しいのですが、これも骨の処理が甘く、いくつも骨が口に当たり、残すことになりました。)


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食事:白ご飯 味噌汁 香の物
(それなりのお値段で最後の食事が白ご飯でがっかりです。白米は柔らかいだけで大して美味しくもありません。香の物は季節ものですが、キャベツの塩気が多すぎました。また香の物は白、黒、茶と彩がなく地味すぎです。

食後のお茶:番茶 
(スモーキーすぎでした。)


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甘味:百合根のきんとん 緑茶
(やや粘り気があり、風味は抹茶のようでした。ただ、甘みが足りない感じで、個人的な味覚からすると失敗作でした。この季節ですから水菓子として苺が欲しかったです。また、最後の飲み物であった緑茶はカルキ臭がして、あまりいい匂いがしませんでした。)






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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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