FC2ブログ

2019年秋フランスレストラン訪問記(9/9)(2):ヴァランス「ピック」(★★★)

またしばらく日が開いてしまいましたが、昨年秋フランスを訪ねた際の最後の写真をお届けいたします。

個人的には訪れた中で一番良い評価だったヴァランスの「ピック」の料理写真になります。

前半の記事についてはこちらからご覧下さい。


まずパンについてですが、エポートル(スペルト小麦)、フィーグ(イチジク)、セーグル(ライ麦)の三種類がありました。また、バターは煎った胡椒を練り込んだバターです。

IMG_0335s335.jpg

ここでも練り込み系のバターでした。香りがあり、食事が楽しくなりますね。ただし、人の好みによっては食事の妨げになると思われる方もいるかもしれません。その点冒険かもしれません。

シャンパンスナックは5つありました。

IMG_0329s_329.jpg

花のタルトレット シトロンキャビアの香り


IMG_0330s330.jpg

そば茶のチュイル


IMG_0327s327.jpg

セップクリームのタルトレット レモンとラベンダー(左)
人参、フロマージュブランのゴフレット フロマージュブラン 削ったミモレット(右)


IMG_0328s328.jpg

緑の真珠 柚子 コーヒー

細かいところまでは把握できていなくて申し訳ありませんが、少しは参考になるかと思いますので聞き取れた単語だけでも書いておきたいと思います。

とても繊細な作りで凝っていて、日本の食材も色々使われていて好みのシャンパンスナックでした。


IMG_0336s336.jpg

アミューズ:きゅうりのジュレ ほうじ茶のムース インドネシアの胡椒かけ

こちらでも日本食材が使われていて、シェフの日本への敬意を感じてとても嬉しかったです。ただ、ほうじ茶の香りは正直分かりにくかったです。シェフは日本の食文化にアンテナを張っていらっしゃるようですので、今後、日本の色々な食材や食文化をシェフにご紹介できればと思ったりしました。


IMG_00340s340.jpg

LE CERFEUIL TUBEREUX
jaune d’œuf confit
crémeux de maïs à la reine des près
チャービル
玉子の黄身のコンフィ
トウモロコシのクリーム セイヨウナツユキソウの香り

前菜はやや甘口なお料理でした。レーヌドゥプレ(セイヨウナツユキソウ)のおかげで野草の香りして、野原にいる感じになりました。

注がれたのはセルフイユのコンソメ、加えたのはレーヌドゥプレのクリームでした。自然な香りの競演がとても素敵です。野菜や野草だけでもこれだけの一皿が作れるのがやはり三つ星たる所以でしょうか。高級とはいえない食材だけで上品な品を作る志が好ましいです。


IMG_0343s343.jpg

LA LOTTE RÔTIE A LA CAMOMILLE
consommé de choux et cédrat
pomme de terre délicatesse confite
鮟鱇のロースト カモミール風味
キャベツと仏手柑のコンソメスープ
やさしくコンフィしたじゃがいも

メインのアンコウ料理は人生で一番のアンコウでした。焼き加減の上手さが際立っています。身には美しい螺鈿の輝きが見えます。しっとりした身の食感で、外側の薄茶の部分はやや塩気強めでした。


IMG_0345s345.jpg

チーズはコースには含まれていませんが注文しました。


IMG_0346s346.jpg

左から、ボフォールラ・コンテス・ドゥ・ヴィシドワドゥマヌ(コートダジュール)、トメテエルチャ(ミディピレネ)になります。

アラカルトで注文して32ユーロと安くはないですが、さすがの品揃えです。シャリオ(ワゴン)から自分の好みで4種類いただきました。一緒に添えられたジャマイカ産グランクリュのラムのジュレやウィスキー響風味のオレンジといった自家製ジャムが繊細な作りで、かつ独特の風味があってとても素敵です。こういう細やかなところへの配慮を感じるたびに自分の中では評価が高まります。


IMG_0347s347.jpg

プレデセールはシナモンのべが上にはられていて、下にムース状のものが入っています。このベを上に張るのも流行りのようです。


IMG_0348s348.jpg

IMG_0350s350.jpg

LA POMME, LE GERANIUM ROSAT ET LA BAIE DES BATAKS
déclinaison de pomme et crémeux au géranium rosat
glace royale à la baie des Bataks
林檎、ニオイテンジクアオイ、バタクの実
林檎尽くし ニオイテンジクアオイの香るクリーム
バタクの実のアイシング

メインのデセールりんご尽くしの一皿です。旬のりんごを様々な形状にして異なる食感、香り、温度で楽しむはかない一皿です。一つ一つの小さな要素を盛り込みつつ、全体として美しく美味しい一皿に仕上げていて素敵でした。


小菓子も多彩です。

IMG_0351s351.jpg


IMG_0352s352.jpg

エストラゴン、ウィスキーのチュイル


IMG_0353s353.jpg

くるみチョコ


IMG_0354s354.jpg

栗とカカオ、レモンのチョコ

クラシックなものより、新しいこういうプレゼンテーションの方が好みです。プレゼンテーションの仕方にピックの個性が出ているという印象でした。


IMG_0355s355.jpg

食後のお茶

お茶は自分の中では定番のミントのフレッシュハーブティーです。味はもちろんよく出ていて良いのですが、取手つきのタスではなく、日本風のお茶碗でいただくのがグランドメゾンクラスのお店では珍しい体験でした。大きさといい、形といい可愛らしくて素敵です。帰りの電車の時間の関係で最後まで飲みきれなかったのが残念でした。

食事の最後の方にアンヌ−ソフィ・ピックシェフがテーブルにまわってこられて、御挨拶して、厨房にまで案内していただいて一緒に写真も撮って下さいました。

気持ち良くおもてなしいただいて、お料理もそうですが、サービス含めて感じる所があったので是非また再訪したいと思って、とても幸せな気持ちでお店を後にしたことを覚えています。


(いただいたもの)

ランチコース(チーズ、お茶は追加料金で)120€

L’AMUSE BOUCHE
アミューズブーシュ:きゅうりのジュレ ほうじ茶のムース インドネシアの胡椒かけ

LE CERFEUIL TUBEREUX
jaune d’œuf confit
crémeux de maïs à la reine des près
チャービル
玉子の黄身のコンフィ
トウモロコシのクリーム セイヨウナツユキソウの香り

LA LOTTE RÔTIE A LA CAMOMILLE
consommé de choux et cédrat
pomme de terre délicatesse confite
鮟鱇のロースト カモミール風味
キャベツと仏手柑のコンソメスープ
やさしくコンフィしたじゃがいも

FROMAGE FRAIS ET AFFINÉS
各種チーズ

プレデセール

LA POMME, LE GERANIUM ROSAT ET LA BAIE DES BATAKS
déclinaison de pomme et crémeux au géranium rosat
glace royale à la baie des Bataks
林檎、ニオイテンジクアオイ、バタクの実
林檎尽くし ニオイテンジクアオイの香るクリーム
バタクの実のアイシング

MIGNARDISES
小菓子

INFUSION
フレッシュハーブティー(ミント)


飲物(お酒はいずれもグラスで)

食前酒:
Apéritif Maison
「ピック」特製食前酒

白ワイン:
Condrieu domaine BOTT 2018
コンドリユー ドメーヌ・ボット 2018年

白ワイン(甘口):
Condrieu « Candice » S. Montez 2016
コンドリユー “カンディス” エス・モンテズ 2016年

水(Vittel)




テーマ : グルメ情報!!
ジャンル : グルメ

2019年秋フランスレストラン訪問記(9/9)(1):ヴァランス「ピック」(★★★)

約1年前にフランスを旅行した際の記録ですが、ようやく今回で最後のレストランとなります。忙しさにかまけて最初の記事からここまでとても時間がかかってしまい、お待たせした方々には申し訳なく思います。

この旅行では9軒の星付き店を訪れました。記事は評価の低い順から掲載してきました。振り返ると以下のような並びになります。

パリ「プロポ」(★)

パリ「ピエール・ガニエール」(★★★)

アメルシュヴィール「ジュリアン・ビンツ」(★)

ランス「フォッシュ」(★)

ランス「ラシエットシャンプノワーズ」(★★★)

オベルネ「ラ・フルシェット・デ・デュック」(★★)

カイゼルクベルク「オリヴィエ・ナスティ」(★★)

ヴァンジャン・シュル・モデ「ヴィラ・ルネ・ラリック」(★★)(1)
ヴァンジャン・シュル・モデ「ヴィラ・ルネ・ラリック」(★★)(2)

ヴァランス「ピック」(★★★)

必ずしも星の数と評価の高低が一致しないのがお分かりいただけると思います。あくまで私の主観による評価ですので、お気に召さない方がいらっしゃるのも重々承知です。ご了解下さい。

ひとまずこの順位付けは私だけの極めて個人的な評価として受け取って下さればと思います。記事をお読みいただけましたら何故低いあるいは高い評価をしているのかは、共感されなくとも一応御理解していただけるのではと思います。

前置きが長くなりました。本題の「ピック」ですが、言わずとしれたフランスの老舗レストランの中でも名門中の名門といえるお店です。現在のオーナーシェフ、アンヌ−ソフィ・ピック氏の祖父、父ともに同店のオーナーシェフとしてミシュラン三つ星の栄に浴しています。

フランスには築年数でいうと数百年ともなるような歴史的建造物をレストランに転用している場所がいくつもあり、外国から訪れる客からするとそうした建物が醸し出す独特の味わいにはやはり一つ大きな価値を感じます。

ただ三世代に渡って三つ星をとって今なお三つ星レストランとして営業しているお店はここ「ピック」くらいしか思い当たりません。これはこれでとても大きな価値であり、三つ星シェフの稀少さからいうと、歴史的建物が現存している以上に価値あることのように思えます。

ただもしトロワグロエーベルランといった代々同じ家のシェフが引き継いで三つ星を獲得してきた地方の老舗レストラン(エーベルランのお店は現在は二つ星に降格)に比べて知名度が劣るとしたら、おそらく祖父から父、そして父からアンヌ−ソフィ氏という各世代間に三つ星を獲得できなかった谷間のような時代があって、連続して三つ星を獲得し続けたわけではなかった点に理由があるかもしれません。

とはいえ「ピック」伝来の名物料理というのは現在も色々と提供されているようですので、そうした料理を頂けば店の歴史の一端を体感することができるのではないかと思います。

1995年のミシュランで三つ星を失って以降、アンヌ−ソフィ・ピック氏がシェフとして厨房を仕切るようになってからしばらく二つ星の時代が続いていましたが、2007年のミシュランで三つ星に到達して、それ以来その評価を現在まで維持し続けています。

代々家族経営でやってきた老舗レストランの星付き店となると、開拓者であった偉大な先代が得た大きな評価を維持できない下の世代という印象があるのですが(ブラスエーベルランなど)、アンヌ−ソフィ氏が三つ星シェフだった先代の父を亡くされたのはまだ自身が子供の頃だったはずで、ある意味たたき上げでここまでいらした方ですので、上の見方は必ずしも当てはまらないかと思います。

IMG_2032s2032.jpg

レストラン・ホテル共通のエントランス


この入口を入って右手にあるレセプションは店の格や規模からすると少し小さい感じがしますが、奥に行くにつれて余裕あるスペース広がっていてくつろげるようになっています。

またレストランのサルに向かう廊下は別世界の入口のような独特な雰囲気があって、これから始まる食事への期待が高まる仕掛けになっているように感じました。以下の三枚の写真を見ていただいてイメージできるでしょうか。一枚目、二枚目の写真の奥を見ると次の間の模様だったり色合いだったりがほのかに見えているのがお分かりになると思います。少しずつサルに向かって奥に進んでいますが、写真のように少しずつ見える景色が変わっていきます。

IMG_2046s2046.jpg


IMG_2047.jpg


IMG_2049.jpg


最後の写真の間を抜けるとそこが不規則な形のサルになっています。

この日はランチでの訪問で当然一人客としてそこにいましたが、奥のサルの隅にひっそりとした席を設けてもらっていて、人の往来がまあまああるのですが、落ち着いて食事できる環境で不満はありませんでした。

IMG_2033s2033.jpg

この日は平日でしたがランチはほぼ満卓でした。世界中からお客さんがやって来ている印象ですね。


IMG_0325s325.jpg

卓上の光景(ランチコースを記載した紙片と食前酒、水のグラス)


ランチのコースをお願いすることにして、ここにチーズを追加しました。

三つ星のランチともなるとそれ相応の値段ではありますが、内容が充実しているため、食後には得した気分になれました。

IMG_0324s324.jpg

卓上のお花


サービスの方々は皆様親切であり、的確なサービスをして下さいました。若い女性のサービスの方もとてもしっかりしていたように思います。

また日本人のソムリエの方もいらして、お相手下さいました。少し余裕がない印象もあり、サービスマンとしてはどうだろうと思うところがなきにしもあらずでしたが、不快な印象はありませんでした。まあ異国の地で仕事をされるのは色々と大変でしょう。

飲物ですが、水はヴィッテルで、お酒はいずれもグラスで頂きました。

IMG_2037s2037.jpg

ワインリストと食前酒のある卓上風景


グラスワインが結構充実していて、一人客でも十二分に楽しめるようになっていますね。

IMG_02035s2035.jpg

グラスワインリスト(左ページ)


シャトーグリエもリストにありますね。一杯100ユーロは妥当な値付けでしょうか。

IMG_02036s2036.jpg

グラスワインリスト(右ページ)


食前酒、白、赤だけではなく日本酒(松本酒造(京都)・守破離(五百万石)、小野酒造(広島)・5年熟成秘蔵老亀(八反錦))、各種デザートワイン(ミュスカやマデイラ、ポートなど)まで一通り以上に揃っています。食後酒はまた別のリストがあるのでしょうか。

食前酒はピックのアペリティフメゾン(特製カクテル)があるとのことでしたのでお願いします。アペリティフメゾンは特に置いていないお店も多いですが、もしあればお勧めに従って注文するようにしています。間違いなくそこでしか頂けない味なはずですから。

IMG_0323s323.jpg

Apéritif Maison
(食前酒)「ピック」特製食前酒
(ラム酒、レモンシロップ、蜂蜜シロップとシャンパンを使用したカクテル)

苦味を若干感じるものの、甘味や蜂蜜の自然な風味も感じられる素敵な一杯でした。大人の食前酒という風格があります。

IMG_0338s338.jpg

Condrieu domaine BOTT 2018
(白ワイン)コンドリユー ドメーヌ・ボット 2018年


まだ浅いのですが華やかな香りがあり、微かな蜜を感じさせるコンドリユーらしい素敵なワインでした。常温での提供に近かったのですが、個人的な好みではもう少し冷やしておいて欲しかったです。

IMG_0344s344.jpg

Condrieu « Candice » S. Montez 2016
(白ワイン(甘口))コンドリユー “カンディス” エス・モンテズ 2016年


日本人ソムリエの方によるとローヌのワインは2016年が当たり年とのことでした。気持ち良い甘みやコンドリユーらしい華やかな香りもあってこちらも大変気に入りました。

後半はお料理について書きたいと思います。


(いただいたもの)

ランチコース(チーズ、お茶は追加料金で)120€

L’AMUSE BOUCHE
アミューズブーシュ

LE CERFEUIL TUBEREUX
jaune d’œuf confit
crémeux de maïs à la reine des près
チャービル
玉子の黄身のコンフィ
トウモロコシのクリーム セイヨウナツユキソウの香り

LA LOTTE RÔTIE A LA CAMOMILLE
consommé de choux et cédrat
pomme de terre délicatesse confite
鮟鱇のロースト カモミール風味
キャベツと仏手柑のコンソメスープ
やさしくコンフィしたじゃがいも

FROMAGE FRAIS ET AFFINÉS
各種チーズ

プレデセール

LA POMME, LE GERANIUM ROSAT ET LA BAIE DES BATAKS
déclinaison de pomme et crémeux au géranium rosat
glace royale à la baie des Bataks
林檎、ニオイテンジクアオイ、バタクの実
林檎尽くし ニオイテンジクアオイの香るクリーム
バタクの実のアイシング

MIGNARDISES
小菓子

INFUSION
フレッシュハーブティー(ミント)


飲物(お酒はいずれもグラスで)

食前酒:
Apéritif Maison
「ピック」特製食前酒

白ワイン:
Condrieu domaine BOTT 2018
コンドリユー ドメーヌ・ボット 2018年

白ワイン(甘口):
Condrieu « Candice » S. Montez 2016
コンドリユー “カンディス” エス・モンテズ 2016年

水(Vittel)





テーマ : グルメ情報!!
ジャンル : グルメ

2019年秋フランスレストラン訪問記(8/9)(2):ヴァンジャン−シュル−モデ「ヴィラ・ルネ・ラリック」(★★)

前回に続いて、アルザス地方ヴァンジャン−シュル−モデにある二つ星店「ヴィラ・ルネ・ラリック」の写真をお届けいたします。

前回は外観や内装、しつらえ、サービスなどについて書きました。こちらからご覧下さい。

今回の記事ではお料理を中心に書きたいと思います。


IMG_0390s390.jpg

パンは3種類あって、カンパーニュ、雑穀ともう一種類でした。前の二つを頂きましたが、もう一種類のものは失念してしまいました。いずれのパンも大きなパンから切り分けて提供されていたように思います。

IMG_0394s394.jpg

パンについてくるバターもラリックらしい幾何学模様が施されていて、そんな細かいことでもラリックファンとしては気持ちが上がります。おそらくレストランのあるヴィラの形象と思われます。

さてお料理ですが、食前酒をより楽しむためのほんの導入であるシャンパンスナックから始まります。しかしさすが三つ星を志すシェフだけあって、単に焼いただけのものではなく、それぞれにとても細やかなお仕事が施されています。

IMG_0392s392.jpg

Eveil des Papilles
シャンパンスナック:(手前から奥へ)
タルティフレット、マンステールチーズ、鰻の燻製

タルティフレットはジャガイモとチーズを使ったサヴォワ地方の郷土料理です。一口に仕立てられていますが、しっかりとした味がしました。
マンステールチーズ牛乳から作るウォッシュタイプの、アルザス地方を代表する有名なチーズですね。クリーミーで濃厚な味でした。はじめは何故か柴漬けの香りがしてから、ウニのような濃厚な味がしました。
鰻の燻製は肝心の鰻の味を今一つ感じられず残念でしたが、小さかったので仕方ないのでしょうか。いずれにせよ、シャンバールでオリヴィエ・ナスティ氏の鰻料理を食べる前で良かったと思います。


IMG_0395s395.jpg

IMG_2127s2127.jpg

ミニトースト

L’Œuf parfait « Tosazu »
玉子のパフェ“土佐酢”風味 ミニトースト

今やアミューズの定番料理になっている観がある玉子料理ですが、これを始めたのは「アルページュ」のアラン・パッサール氏あるいはその師匠でしょうか。こちらのシェフの独創性は玉子の上の模様(バターにあったものと同じ模様)と脇に添えられた花や青物で彩られたミニトーストにあるといえるでしょう。

肝心の中味ですが、玉子の酸味、甘み、塩味の味付けのバランスが絶妙で、料理名にあるように日本料理の“土佐酢”が使われているのだと思いますが、その使い方が素晴らしいと思いました。サラダトーストの趣のミニトーストは塩味がしっかり効いています。


IMG_0401s401.jpg

Déclinaison de Potimarron et Saumon de Fontaine
ポティマロン尽くし 川鱒

タジンの方は川鱒とわかりにくかったため、タジン(タジン鍋として有名な北アフリカのお料理)と料理名にありながらも印象に残りにくい一皿でした。


IMG_0402s402.jpg

冷たいヨーグルトムース

こちらはとても地味な見た目ですが、温度管理が素晴らしく、美味しくいただけました。入っている豆がまた食感、味の点で良いアクセントになっています。


IMG_0405s405.jpg

IMG_0404s404.jpg

IMG_0403s403.jpg

フォワグラには定番のブリオッシュ

Terrine de Foie gras d’Oie, Envolée de Champignons de Paris, Crème de Citron
フォワグラのテリーヌ マッシュルーム レモンクリーム

アルザス地方はフォワグラが有名で、こちらのお店でもおそらくアラカルトに2,3品はフォワグラ料理を用意されていたようです。

このお料理は奇抜な見た目にまず目と心を奪われますが、フォアグラの質が滑らかで素晴らしく、ぺろりと食べられました。マッシュルームの質も抜群で、単なる装飾では終わっていません。

ガチョウ型のレモンチャツネですが、バターと考えてしまい、一緒に食べることをせずそこだけが残念でした。自分のミスなので致し方ないですね。

お腹がふくれてしまうとは思いつつ、あまりに美味しくて定番のブリオッシュも全て食べ切ってしまいました。

これまでのさほど多くはないフォワグラ料理の体験の中で、プラ氏に承継される前の「ラムロワーズ」のフォアグラが一番でしたが、それに並ぶ質と思いました。


IMG_0406s406.jpg

IMG_0407s407.jpg

Emulsion de Pomme de Terre et Truffes
ジャガイモとトリュフのエミュルシオン(追加料金あり)

写真では分かりませんが、ジャガイモのムースの上にトリュフの薄切りがこれでもかと皿を覆うように敷き詰められています。食べるなりトリュフの香りが口の中で爆発します。トリュフを食べたと存分に感じられる一皿で幸せでした。

シェフのスペシャリテで、この日も後ほど頂くことになったトリュフ入りのカプチーノがあるのですが、サービスの方がそのカプチーノとの比較で、こちらの料理の方がより“ノーブル(高貴)”という表現をされていたのが印象的でした。


IMG_0409s409.jpg

IMG_0411s411.jpg

スピッツェル ピジョンとミュスカードのブイヨン

スピッツェルはドイツ文化におけるショートパスタという紹介で正しいでしょうか。味付けは良質で優しかったですが、塩気が結構ありました。ただ、食べやすくて美味しいので食欲が進みました。ブイヨンが独特の香りがしていて、またそれでいて繊細で良かったです。


IMG_0414s414.jpg

IMG_0415s415.jpg

ピニャコラーダの入ったさじ

IMG_0416s416.jpg

リゾットクレムー

Chartreuse de Homard bleu « Piña Colada »
青オマール海老のシャルトルーズ ピニャコラーダ

右上はパイナップルのチャツネです。リゾットクレムーが抜群の美味しさで、お腹いっぱいでも食べたくなりました。塩気はやや強めですが、チーズの力でしょうか。

まず左のピニャコラーダが入ったさじから食べるよう言われました。甘くて、ピニャコラーダのココナッツの香りで口と鼻腔が満たされます。

オマール海老の火入れは完璧でうっとりする美味しさです。泡がアニスの風味(シャルトルーズの風味)で、これも最近のオマール海老の一つ定番の味の組み合わせなのかと思いました。


IMG_0418s418.jpg

Intermezzo
箸休め:トリュフのカプチーノ

先ほどのトリュフ料理のところでも紹介したお料理です。同じシェフの前のお店、当時三つ星がついていた「ラーンスブール」でも出会った思い出の品です。

かつては磁器製のカプチーノカップに入っていたことを思い出ました。トリュフの薄切りがない分高貴さはやや劣るかもしれませんが、先ほどのトリュフ料理と同じようにトリュフは十分に香っているのでこれでも満足できました。


IMG_0421s421.jpg

Prélude gourmand
口直し(プレデセール):イチジク

イチジクの葉のアイスとイチジクのジャムです。一つの食材をテーマに異なる料理を複数構成するするこういうお料理の方向性は嫌いではありません。


IMG_0424s424.jpg

La Quetsche : Variation autour de La Quetsche, Crème glacée à l’Alma Mater
クエチ(すもも)のデセール アイスクリーム母校風

プレゼンテーションは新しい感じで攻めていますね。しかし結局は味が全てと思います。味は一定のレベル以上でしたが、この形はあまり好きになれませんでした。


IMG_2134s2134.jpg

Signature Sucrée
小菓子(一番奥から反時計回りに):
ピエモンテのノワゼット
チョコ
カラマンシー
サクランボとギモーブ
ゆずのメレンゲ
フィナンシエ

シャンパンスナック以上にコンパクトかつ多彩な、ありきたりではない新しい感じの食後の小菓子に魅了されました。ここを楽しむためだけでも食事に行く意味があるとさえ思えました。どこかで見たことがある、いつでも出てくるという感じの小菓子ではないからです。

つれ合いがいたらまたここで話が弾むのだろうなと思います。


IMG_0431s431.jpg

食後のお茶(フレッシュハーブティー)

食後のお茶も充実していて、いつも通りのルーチンでフレッシュハーブティーを頂きます。今や珍しくなくなった南部鉄瓶での提供でした。

食後、タクシーをお願いしていて、タクシーが来ましたよなんて言われて外に出てみると、先ほどサルを仕切っていたメートルドテルのパトリックさんが運転席にいる車でした。駅まで彼が送ってくれるとのこと。

ここでは特別なサービスということではないようで、駅から電話をすれば迎えにも来てくれると言っていました。彼としても仕事終わりでお疲れだろうに車を出してくれて、なんと親切なんだろうと感激しました。

さらに短い駅までの道のりで少しだけ遠回りをしてラリック社の工房があった場所なども少し車から案内してくれたりして、言葉遣いにも職人さんへの敬意や配慮が感じられたりもして、良い方なんだなとしみじみ思いました。

そんなわけで美味しいお料理もさることながら、こうした気持ちのこもったおもてなしをしていただける場所ということでここのファンになりました。

フランスに行くたびにこちらに伺う機会があることを願っています。


(いただいたもの)

MENU CREATION (3 plats)
創造コース(3皿)

Eveil des Papilles
シャンパンスナック

L’Œuf parfait « Tosazu »
玉子のアミューズ

Déclinaison de Potimarron et Saumon de Fontaine
ポティマロン尽くし 川鱒

冷たいヨーグルトムース

Terrine de Foie gras d’Oie, Envolée de Champignons de Paris, Crème de Citron
フォワグラのテリーヌ マッシュルーム レモンクリーム

Emulsion de Pomme de Terre et Truffes
ジャガイモとトリュフのエミュルシオン(追加料金あり)

スピッツェル ピジョンとミュスカードのブイヨン

Chartreuse de Homard bleu « Piña Colada »
青オマール海老のシャルトルーズ ピニャコラーダ

Intermezzo
箸休め:トリュフのカプチーノ

Prélude gourmand
口直し(プレデセール):イチジク

La Quetsche : Variation autour de La Quetsche, Crème glacée à l’Alma Mater
クエチ(すもも)のデセール アイスクリーム母校風

Signature Sucrée
小菓子

食後のお茶(フレッシュハーブティー)





テーマ : グルメ情報!!
ジャンル : グルメ

2019年秋フランスレストラン訪問記(8/9)(1):ヴァンジャン−シュル−モデ「ヴィラ・ルネ・ラリック」(★★)

昨秋フランスに伺った際の記録を本当にゆっくりと掲載しています。読者様からも早く続きが読みたいとの激励を頂いております。遅れていて申し訳ありません。

すでに書いていますように、今回の旅で伺った星付き店について評価の良くないお店から掲載しています。今回のお店は9軒中8番目ということで個人的には今回の旅で2番目に良い評価のお店になります。

今回書くお店は記事が長くなりますので2回に分けて掲載することにしました。今回は主にお料理以外の点について書き、次回はお料理を中心に書くことにいたします。

さて、ピエール・ガニエール氏を尊敬し、かつてアルザス地方北方のバーレンタルの「ランスブール」にて三つ星を獲得されたこともあるジャン−ジョルジュ・クライン氏の新しいレストランがこちらのホテル・レストランです。

個人的にルネ・ラリックのガラス工芸作品が好きだったこともあって、ラリックの名を冠したこちらのレストランのシェフとしてクライン氏が迎え入れられたという話を聞いた時からずっと伺ってみたいと思っていました。

レストランのあるヴァンジャン−シュル−モデはアルザス地方の中心都市ストラスブールから電車で数十分移動した場所にあり、アクセス自体はさほど悪くはありません。ただ駅前には何もなく、駅からレストランまでは歩くと比較的距離があります。

レストランに伺う前段としてやはりラリック美術館訪問は必須であると思い、重い荷物を引きずりつつまずは美術館を目指しました。

美術館自体は正直日本にあるような大型のガラス工芸作品は少なく、どちらかというと香水の瓶であったり、あるいは小さな細工物が多かったことから満足感は高くなかったのですが、世界観にどっぷりと漬かれて充実した時間を過ごすことが出来満足でした。

美術館からレストランまでも歩きましたが、多少の上りはあるものの駅ほど離れてはいませんので苦痛ではありませんでした。

IMG_0385s385.jpg

クリスマス前ということで飾りがクリスマスを意識したものとなっています。

IMG_2113s2113.jpg

正面入口を入ると早速ラリックの世界観に則ったきれいなガラス製品で美しく飾られていて感嘆します。

IMG_2136s2136.jpg

受付の脇を下りて行くとトイレになっていて、脇にはモダンかつ広大なカーブがあり圧巻です。

IMG_2135s2135.jpg

入口を入って右手に位置する、奥に人が見える空間全体がサルになっています。

IMG_0434s434.jpg

私が到着した時は全てのテーブルにお客さんがいて、すでに賑やかな雰囲気ができあがっていました。

サルは高台にあるヴィラ(別荘)にあって全面ガラス張りですので外の眺望がきれいに見えると同時に外からの光がサルに沢山入ってくるようになっています。そして結構な広さがあるサルの床はふかふかの絨毯が敷き詰められていて、美しい自然を望む空間でありながらグランドメゾンの豪奢も兼ね備えた素敵な空間です。

IMG_2139s2139.jpg

サルの奥右手に一人用の空間を用意しておいて下さいました。一人でも気後れしないように絶妙な配置をして下さっているのかと思いました。

IMG_02114s2114.jpg


席の方向が外の眺望に対してではなく内のサルの方を向いているために眺望は楽しめませんが、室内の賑わいを感じることができるので、これもまた良いと思いました。

卓上にはラリックの作風を感じられる小物が配されていて、ファンとしてはわくわくしてしまいます。

IMG_0386s386.jpg

IMG_0393s393.jpg

飾り皿上のいるかの置物であったり、塩胡椒入れであったり、一つ一つに独特の世界観が見て取れます。

さて本題のお料理ですが、シェフが三つ星をとられた当時のお店に伺ったことがあり個人的には好きなお料理でしたので、どういうお料理を出すかは大体想像することが出来、今回やはり期待して伺いました。

「ルネ・ラリック」のオーナーの意向もあるせいなのかメニュー作りがかつてシェフが勤め三つ星を獲得された「ラーンスブール」とはまた違う雰囲気でした。ただ、スペシャリテとして出されるお料理はかつてお目に掛かったことのあるものもあったりして、お料理の本質自体は変わっていないと感じました。

ガニエール氏を尊敬されているだけあって、クラシックというよりは現代風のお料理で、軽やかに、素材の味を活かして調理する感じですね。

IMG_2119s2119.jpg

今回は色々と選べて多彩な印象だったMENU CREATION(ムニュ・クレアション)にしました。

IMG_2120s2120.jpg

写真を見ていただけるとお分かりかと思いますが、アラカルト表にはメニューに追加できるシェフのスペシャリテがいくつか掲載されていて、いずれも重たい料理ではないので、手軽にシェフの味を色々とお試しできるように工夫されています。

こういうところなどは「ラーンスブール」にはなかった試みで、よりお客さんが楽しめる工夫としてとても良いと感じました。

今回はMENU CREATIONの3皿のコースをお願いしてスペシャリテのトリュフ料理を追加注文いたしました。また、デザート前の小皿についてもトリュフ入りのジャガイモのカプチーノに変更してもらいましたので、今回はトリュフの香りが最後まで続いているような食事になりました。

サービスはまだお若い支配人のパトリック・マイヤー氏を筆頭に丁寧なサービスをしていただきました。

グランドメゾンですが、田舎の大らかさや優しさを感じる場面が最後にあり、そういう意味でもこのお店のファンになりました。



(いただいたもの)

MENU CREATION (3 plats)
創造コース(3皿)

Eveil des Papilles
シャンパンスナック

L’Œuf parfait « Tosazu »
玉子のアミューズ

Déclinaison de Potimarron et Saumon de Fontaine
ポティマロン尽くし 川鱒

Terrine de Foie gras d’Oie, Envolée de Champignons de Paris, Crème de Citron
フォワグラのテリーヌ マッシュルーム レモンクリーム

Emulsion de Pomme de Terre et Truffes
ジャガイモとトリュフのエミュルシオン(追加料金あり)

Chartreuse de Homard bleu « Piña Colada »
青オマール海老のシャルトルーズ ピニャコラーダ

Intermezzo
箸休め

Prélude gourmand
口直し

La Quetsche : Variation autour de La Quetsche, Crème glacée à l’Alma Mater
クエチ(すもも)のデセール アイスクリーム母校風

Signature Sucrée
小菓子

食後のお茶(フレッシュハーブティー)


飲物:

IMG_2115s2115.jpg

IMG_0389s389.jpg

(食前酒グラスシャンパン)Verre Champagne Villa René Lalique Deutz N.M.


IMG_2128s2128.jpg

IMG_0400s400.jpg

(グラス白ワイン)Verre Kaefferkopf « H » Gewurytraminer Schoech 2017


IMG_2129s2129.jpg

IMG_0408s408.jpg

(グラス赤ワイン)Verre Beaune 1er Cru 100 Vignes Domaine Arnoux 2013

水:エビアン


テーマ : グルメ情報!!
ジャンル : グルメ

星つきシェフイベント訪問記:二つ星シェフ、パスカル・バルデ氏賞味会

今はなき品川プリンスホテルにて行われた二つ星シェフ(当時)、ステファン・カラード氏の賞味会以来久しぶりに賞味会にうかがってきました。今回来日されたパスカル・バルデ氏は、世界でも指折りの名レストランである「ルイ・キャンズ」でシェフまで務められていた方なので技術への信頼や期待もありましたし、懐かしい思いもありました。

IMG_7067s7067.jpg

ただ、厨房とお客さんをつなぐサービス陣が普段シェフの料理を運んでいる方々ではない点や長旅の末の慣れない厨房での調理からくる仕事の質の低下などが少し気がかりなところではありました。

プリンスホテルは正直にいうと業界でも一流とまではいえない位置にあるかと思うのですが、サービスもそれに見合ったそこそこなものでした。ただ大きく外したことはなく、最終的には色々な要素があって気持ちよくお店をあとにすることができました。

例えば後輩男性を君呼びする女性サービスの言葉遣いであったり、客一人一人に配られているメニューをやたらべたべたと触ってくる若いソムリエ氏など、個人的な資質や経験(不足)の問題が大きいのでしょうが、ちょっとおかしいなと思いました。このソムリエの方はお願いしたシャンパンをしっかり間違えて提供しようとしてくれました(もちろん途中で制止して変えてもらいました)。

また、運営をやりやすくするためとはいえ、客席近くにお会計票をまとめて置いておくなど、客から見た美観への意識に乏しい点など、グランドメゾンの自覚はないものと思わずにはいられませんでした。

また細かいですが、塗りがはげた椅子はおそらく30年以上前のスタイルのものでしょう。今回のシェフとは何の関係もないのですが、プリンスホテルにとって会場となった「ル・トリアノン」への意識はこの程度のものかと思わずにはいられませんでした。

それでも最終的に満足して帰れたのは、美味しいお料理もさることながら、チーフソムリエの方とワインについておしゃべりして色々と教えていただけたこと、お勧めのレストランを教えていただいたこと、シェフとごあいさつさせていただいたことなど、楽しい時間を過ごすことができた面があったからでした。

このチーフソムリエの方は、常温に近い温度で提供されたジュランソンセックやデキャンタされたカオールなどから、ワインを楽しむ文化を改めて思い出させてもらいました。お勧めされたレストランには是非近いうちにうかがいたいと思います。

IMG_7068s7068.jpg

さて、お料理は厨房とサルに距離があったようで、またサービス陣が少しのんびりしていたせいもあって基本的にお料理が冷めてしまっていたのがとても残念でした。これで美味しさも半減していたでしょう。少しは覚悟していたこととはいえそこはやはりちょっと不満でした。

出されたお料理全てが素晴らしいということはなく、味のピントがぼやけていたり、量が少なすぎて満足できなかった皿もありました。

それでもシェフが自ら選んだフランスの食材で丁寧に調理されたお料理をそれなりの品数楽しむことができて総じて楽しい体験でした。この季節定番のアスパラは大きいものを2本まるまるモリーユ茸とともにいただけましたし、仔羊のお料理の火入れ加減と脂の美味しさが絶妙でよかったです。

IMG_7089s7089.jpg

パスカル・バルデ

食後、お会計を済ませてお店を出る際にはシェフが出入り口のところにいらしてお客さん全員にあいさつしてくれていました。バルデ氏が「ルイ・キャンズ」にいらしたのは2007年からとのことでそれ以前にうかがっていた私は直接かぶることはなかったようですが、色々おしゃべりが楽しめて、最後にはお写真も撮らせていただいてとてもいい機会になりました。

機会がありましたら是非シェフの地元のお店にもうかがってみたいものだと思うのでした。


(いただいたもの)

パスカル・バルデの特選料理(ランチコース) 

*飲み物は別注文(水はアクアパンナを注文)。
*パン三種(カンパーニュ、バゲット、くるみ)とバターつき。


 食前酒(グラスシャンパン):マイイ グラン・クリュ エクストラ ブリュット
(→最初は生のフルーツを使ったカクテルを模索しましたが、桃がないとのことで断念し、普通にシャンパンをいただきました。)


IMG_7069s7069.jpg

シャンパンスナック:亜麻のチュイル マスとタラの燻製のカナッペ
(→右はエリンギとズッキーニのベイニェで、温かく美味しいですが、普通の居酒屋のつきだしのようなものにしか思えませんでした。カナッペは思ったより酸味が感じられるつくりでした。亜麻のチュイルは見た目が面白いですし、味も雑穀を食べる趣で素朴ですが好みでした。)


IMG_7070s7070.jpg

グリンピースのロワイヤル
(→二層になっていて、上の鮮やかなグリーンピースのすり流し状のものの下にロワイヤルがあります。ロワイヤルというと茶碗蒸しのイメージがありましたが、もっと固めなレアチーズケーキ状のペースのようなものでした。グリーンピースの青臭い感じを楽しめる一皿で良いと思いました。)


 グラスワイン(白):ドメーヌ・コアペ(ラ・カノペ) ジュランソン・セック 2015
(→以前の賞味会で美味しかったので今回もお願いしてみました。期待通り複雑な味わいのお酒で大変好みでした。チーフソムリエの方のお酒を選ぶセンスが私の好みに合っていました。)


IMG_7072s7072.jpg

IMG_7073s7073.jpg

IMG_7076s7076.jpg

フランス ヴォージュ産 鶉のシュープレームとフォアグラのポワレ 黒トリュフのミジョテ
(→(左上から)もも肉、フォアグラ、ムース。とても期待していましたが、量が少なくて残念でした。さらに左上のもも肉はほぼ味がしませんでした。こちらも星つきシェフとしてはありえないレベルの味でした。下はムース状にされた鶉肉です。ただシェフの地元産のトリュフをふんだんにかけていただけたので(季節柄強いとはいえないとはいえ)香り、パフォーマンス両面では満足させていただきました。)


IMG_7077s7077.jpg

グリーンアスパラガスとモリーユ茸のファルス
(→シンプルなお料理ですが、食材を存分に楽しめるのでこれで良いと思いました。初夏に入り、少しずれてきているかもしれませんが、フランスの春の二大食材(モリーユ茸、グリーンアスパラガス)を堪能できました。モリーユ茸に詰められているのは鶏肉のムースリーヌとのことでした。)


 グラスワイン(赤):シャトー・デュ・セードル カオール 2015
(→デカンタして提供していただきました。バランス良いカオールとのことでしたが、はたしてとても美味しく楽しめました。カオールはもっと安酒のイメージがありましたが、認識が改まりました。単に経験不足かもしれませんが。チーフソムリエの方の選択がやはり好みです。)


IMG_7083s7083.jpg

メイン(魚か肉か選択):フランス リムーザン産仔羊背肉のロティ 季節の野菜添え
(→パセリやビートなどの緑の野菜を使っていて目にも鮮やかです。個人的には仔羊を食べる機会が久しぶりでそれだけで嬉しかったです。三隅に置かれた小さなペーストにはニンニクがしっかり入っていてとても香ばしいです。)


デザート:フォンダン・ショコラ ル・ジャンドロ スタイル
(→普通のフォンダンショコラではなくむしろムース状のチョコレートケーキといった感じです。ミントのアイスが載っていて、ミントのシロップをかけるので、口内調理でチョコミントになる仕掛けでした。なるほど、これがシェフのお店のスタイルなのでしょう。)


ミニャルディーズ:マンゴーとレモンのタルト、ヘーゼルナッツのフィナンシェ、メレンゲ ラズベリーのせ

ハーブティー(カモミールミックス)
(→普通にフレッシュハーブティーを用意していて欲しかったです。ミントを使ったデザートならなおさら、ミントティーは必須でしょう。こちらはフレッシュの葉も入っているようですが、ドライのものも入っているミックスとのことでした。)





テーマ : グルメ情報!!
ジャンル : グルメ

sidetitleプロフィールsidetitle

Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitleランキング参加中sidetitle
クリックお願いいたします!
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitleサイト内検索sidetitle
気になるお店、お料理など是非こちらで検索してみて下さい。
sidetitleメールフォームsidetitle
個別のメッセージはこちらまでお願いいたします。

名前:
メール:
件名:
本文: