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レストラン訪問記:大阪市(本町駅)「タヴェルネッタ・ダ・キタヤマ」(ビブルグマン)

大阪に伺った際にこちらのお店で食事をしてきました。ランチのコースをわざわざ予約していきましたが、食後の感想としては予約をしてまで行くお店ではないと思いました。

正直なところ、パスタはとても美味しかったので、予約なしでパスタランチを食べに行くのはありかと一瞬思いましたが、思い返しました。再訪はないでしょう。

一人で行くと高いカウンター席に座らされることになります。シェフの癖で悪気はないのでしょうが、パスタを仕上げる時、皿を完成させる時、必ず鍋やフライパンをカチンと結構な音量で鳴らすので、それを食事が終わるまで何度も聞かされてとても不快でした。まさにとらわれの聴衆…そういえばここは大阪でしたね。単なる厨房での喧噪なら仕方ないなと思うのですが、わざわざ立てている音なので、違和感が大きかったです。

また、チーズを所望しましたが、ないとの返答をもらいました。

目の前でチーズをかけて仕上げている料理を見ていたので頼んだのですが、この回答です。ディナーコースなど特注の食事を頼んでいるお客さんが奥にいたようで、そのお客さんに出すお料理にかけていたのかもしれませんが、これはいただけないですね。

お昼の安いコースではコストの関係上もったいなくてチーズは出せないんです。」と、正直に言ってもらえた方がまだすっきりしました。

チーズが店に無い時点でイタリア料理店ではないです。無いわけないんです。さっきおもいっきり粉チーズらしきものをかけて料理を仕上げているところ見ていましたから。

どんな場末のお店でも、そこがイタリア料理店であれば、チーズをお願いすれば出してもらえました。あるいはチーズは有料で提供するというお店もあり、それはそれで良いと思いました。ただそこはあらかじめチーズをかけてくれているところで、それでも足りないなら追加料金でどうぞという良心的なお店でした。中目黒のビブグルマン店です。

食後に店を出ると何組かふりで来たお客さんが待っていたので、人気店なのだとは分かりました。

ただ、先ほど予約をしてまで行くに値しないと書きました。その理由を最後に書くと、予約をするためにはメイン付きのコースを注文する必要があるのですが、この日のメインだった仔牛ロース肉のローストが、量が少ない上、粗い繊維質の、質がとても悪い肉で、とても美味しいとはいえない代物で、抱き合わせ商法もいいところだと思ったからでした。

メインは食べるに値しないから予約はできない。となるとパスタ狙いで行くかと思いきや、先ほど述べたようなことや他にもここでは書かなかった色々な難点があって、食後、また改めて来ようとはとても思えませんでした。

パスタはとても美味しかったので大変残念です。上記事項が気にならない方は予約をせずにパスタ狙いで行かれてみて下さい。


(いただいたもの)

ランチコース


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前菜各種(左から時計回りに):白いんげん豆のクロスティーニ、イカとクスクス、モルタデッラ、ピエモンテ風ポテトサラダ、地鶏のボッリート


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パスタ:スパゲッティ 海老とオリーブ、ケイパーのトマトソース


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メイン:仔牛ロース肉のロースト


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ドルチェ:ティラミスと牛乳のジェラート


食後のお茶:アイスコーヒー





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レストラン訪問記:下山手通(三宮駅)「KNOT(ノット)」(ビブグルマン)

神戸の生田神社のすぐ近くにあるイタリアンのお店でランチを頂いてきました。


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店内の照明は昼でも暗めで、内装は黒っぽい色で統一され、高めのカウンター席が配された、今風な新しい雰囲気のお店です。

お昼のコースは二種類あり月替わりとなります。この日は軽いコースを予約していましたが、もう一方のコースは皿数が多く、宍粟牛であったり、仔羊といった食材が使われていて、正直そちらに惹かれました。

お料理のスタイルはおまかせのコース形式で、あらかじめ決められたメニュー内容のお料理が一皿ずつ提供されていきます。

肝心のお料理ですが、見た目がきれいではあるものの、お味については満足できないものがいくつかあって、正直なところ悪くはないけれど、美味とまでは言えないと思いました。

例えば、パスタは自家製のタリオリーニでしたが、香魚とも呼ばれる鮎を使用しているのに、それぞれに香りが強いグリーンオリーブとディルを使っている点が少し疑問でした。お値段からするとこちらの鮎は養殖物で、もはや香りを楽しむ魚ではないかもしれませんが、香りを主張し合う食材の組み合わせにセンスが感じられません。

ただ、前菜のコロッケは普通に美味しくいただけましたし、ドルチェの西瓜とジェラートの一品はシンプルで量も少なかったものの、暑くなり始めたこの季節には気持ち良い、涼しい気持ちにさせてくれるうれしい一品でした。

トイレには、ご近所にあるフランス料理店「エスピス」の名刺が置いてあり、店長さんに尋ねると、姉妹店とのことでした。店長さんは自ら名刺を出してくれて、感じの良い方でした。

各皿の量が少なめのため、満腹にはなりませんでしたが、一時楽しい時間を過ごすことができ、感謝しつつお店を後にしました。


(いただいたもの)

ランチショートコース
(お料理の最初の表記はお店のメニューを転記したもの)


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前菜:とうもろこし/じゃが芋/塩漬け卵黄/モッツァレラ
(とうもろこしとモッツァレラチーズのコロッケ とうもろこしのひげ揚げ パダーノチーズがけ とうもろこしのスープ)
(→お料理の中ではこちらが一番良かったです。単純に美味しかったです。コロッケの中にトウモロコシととろけたモッツァレラチーズが入っています。若干塩味が濃いめに感じました。)


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パスタ:タリオリーニ/鮎/焼き茄子/香草
(鮎、焼き茄子、グリーンオリーブ入りタリオリーニ 香草(イタリアンパセリ、ディル)添え)
(→ディルやグリーンオリーブの香りが強いので、養殖物とはいえ香りが命の鮎を合わせるのはどうかと思いました。最後塩味濃いめに感じました。)


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メイン:もち豚肩ロース/ズッキーニ/新玉ねぎ/パプリカ/バジル
(豚肩ロースソテー パプリカソースとバジルソースで 新玉ねぎとズッキーニ添え)
(→ソースの基本的なお味はトマトソース系です。お肉が小さい上、やや硬めで満足度は低かったです。) 


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ドルチェ:西瓜/バスク地方の湧き水の塩ジェラート
((下から)スイカシャーベットと生の西瓜 キャラメリゼしたスイカ セロリとスイカの白い部分の甘露煮 ライムの皮 バスク地方の湧水で作った塩のジェラート オリーブオイル)


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パン オリーブオイルと
(→パンは温めて提供され、先日の「ラ・メゾン・ドゥ・グラシアニ」ほどではないものの、普通に美味しいです。イタリア料理店らしく、香り高いオリーブオイルのやや苦味のある味も一緒に楽しめて良かったです。お代わりがいるかもちゃんと聞いてくれました。)


食後のお茶:セイロンティー
(→最後やや渋みが残りましたが香りは良かったです。お砂糖はお願いしないと持ってきてくれません。)





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レストラン訪問記:白山「ヴォーロ・コズィ」(未掲載)

この日は前から気になっていたイタリア料理のお店へうかがいました。トラットリアよりはリストランテという志のお店だと思っていましたが、内装やしつらえはともかくお皿の中やサービスはトラットリアを抜け出せないイタリア郷土料理店でした。

お料理は総じて美味しいですし、平日ランチというのに6組ものお客さんが入っていてなかなかの盛況ぶりですから、人気のほどもわかりました。また、支配人の方はさすがに経験を積まれていて色々と気配りができますし、基本的には気持ちよく過ごすことができました。

ただもう一人のサービスを担っていた若手の方がどうも気の回らない、あるいは経験不足の方でまだサービス歴が浅いのだろうなという印象でした。あるいは本人の能力の問題もあるかもしれませんが、そればかりは初対面でわかるものでもありません。

入店して着席の時たまたま席をふさぐような形で立っていたこの方に支配人の方が声をかけると、その方がこちらを向いたのはいいですが、そこでまずすることはこちらへのあいさつでしょう。ただこちらを黙って見ているだけとはどういうことと思ってしまいます。ただの関係ない傍観者ならいいのですが、レストランという一つの舞台に立つサービスマン、客というともに欠かせない役者なのですから、目の前のあなたを認識しているという合図を送るのがマナーというもの。こちらからあいさつしてももちろんいいのですが、こちらは客として初めてのその場所にお邪魔をしている身なわけですから、勝手知ったるおもてなしをする側のサービスの方が声を掛けるのが自然というものです。

また少し後の出来事ですが、ちょうど運ばれていたフィンガーフードを食べようと手にしていたタイミングでメニューをもってきた件の彼、早くメニューを受け取れと言わんばかりにプレッシャーをかけてきました。論外です。サービスマンは客を主体としてどれだけ客が気持ちよくそこで過ごすことができるかを差配する役割を担っているのであって、逆はありえません。お金を払っているからとか、客が偉いから(別に偉くないですが)とかそんなことではなく、役回りの問題です。立派なサービスマンの方々はご自身のお仕事に誇りをもってサービスをしているはずで、これまで色々なお店で素晴らしい気配りの数々を受けた思い出があるだけに、こうした底の浅い自分中心のサービスに遭遇するととても残念な思いになり、それだけで店の評価が急激に下がってしまいます。

さて、本題のお料理ですが、こちらのシェフは日本の食材をうまくイタリア料理に使ってという感じの方ではなく、あくまでイタリアの食材にこだわる方のようで、メニュー構成にもそうした意識が出ていたように感じました。食材の産地をことさらアピールすることはなく、イタリアで学んだ成果を客に提供するという姿勢です。

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魚介の前菜盛り合わせ

料理はどれも美味しかったですが、少し華がないというか、勢いに欠ける感じがしました。こちらの名物であると思われる、ヴェネツィア風の魚介類を使った前菜盛り合わせもそれぞれは美味しいですが、彩りであったり、盛り付けであったりにもう少しインパクトが欲しかったです。内容が全く違うので単純に比較できませんが、その点では同じ前菜盛り合わせでも「リストランテ濱崎」の方が勢いがあり、食材も活き活きしていたように感じました。

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ポレンタとトンナネッリチーズのラヴィオリ

またパスタは一つを選択するのですが、量が少なめで満足するには程遠かったですし、一つ一つのお皿が出されるタイミングが少し間延びしてしまっているようで食事を楽しみ切れない感じもあり、そこも残念な点でした。

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和牛ほほ肉と春野菜の煮込み

またパンは温めて出していただけるのはいいのですが、とても小さい上にほんの少しずつ出す形で、メインが出ていてパン皿が空なのにサービスが全くそこをケアせずにいました。そのため、こちらがわざわざ声掛けの時間をとってパンをお願いする羽目になり、声かけのタイミングを見計らう時間からパンが運ばれてくるまでの数分の間に当然メインが冷めて、どんどん美味しさを失っていってしまうことになったので大変残念でした。

内装は赤いビロードを使ったシックな店内で、店の両端の空間は光が差し込むようになっていて小さいながらも気持ちの良い空間ではありますが、サービスが残念で色々と損をしていますし、お客さんもなかなか満たされないまま帰っていく方が多いのではないかと思ってしまいました。

個人的な相性などももちろんあるかもしれませんが、同じ値段でより楽しく、美味しく食べられる他のイタリア料理店を思う時、再びここに行こうという思いにはどうしてもなりにくいと思わざるを得ませんでした。


(いただいたもの)

ランチコース

パルメザンチーズのおせんべい

春野菜のフォンデュータ

チーズコロッケ

魚介の前菜盛り合わせ

ポレンタとトンナネッリチーズのラヴィオリ

和牛ほほ肉と春野菜の煮込み

デザート:ラッテ・イン・ピエーディ フランボワーズソース 薄焼きクッキー ヘーゼルナッツのクロッカンテ

お茶と小菓子:カモミールティー レモンのグラニテ チョコの容器とキャラメル



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レストラン訪問記:外苑前「アクアパッツア」(未掲載)

長らく広尾にて営業されていた同店ですが、今年の春から外苑前の施設内に移転されています。以前たまたま前を通りかかって気付いた次第でした。

名前からわかるように魚介類が売りのイタリアンになっています。とはいえランチは地元の会社員向けのお手軽で内容にしてはお得なランチも用意していて、健康に気遣った献立をオフィスワーカーに提供する志があるようで、その意識の高さは素晴らしいと思います。

サービスもアルバイトというよりはソムリエの資格をもった方が多い感じで、しっかりしたものだと思います。

予約可能なランチコースか迷いましたがお気軽にお試しという感じで一番スタンダードなビジネスランチをいただいてきました。内容はサラダ、一口スープ、フォカッチャが一皿に盛り込まれたプレートとメインのパスタ類という構成で、場所柄ややお高めな設定ですが、追加料金なくうにのパスタが提供されるなど、内容はやはり少しサービスしていただいているように感じました。

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サラダはほんの一口ですが新鮮で質の高いものと感じました。茄子のマリネも一つだけはいっていてこれはしっかりした前菜ですね。スープはバターナッツかぼちゃの温製スープでした。もちろん自家製のもので美味しいです。

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パスタは紅ズワイガニを使ったオイルベースのスパゲティ、手打ち麺ビゴリ(追加料金あり)のボロネーゼなどありましたがウニのクリームソーススパゲティにしました。思った以上にウニが入っていて贅沢な感じでしたが、味わいとしては結構淡白な味付けに感じました。素材の持ち味を活かしているとも言えるのでしょうが、俗なクリームソースパスタの濃厚さがなくて少し残念ではありました。

追加料金が必要ですが、低価格で提供しているお任せのジェラート三種盛りもお願いしてみました。桃、カプチーノ、チョコレートの三種で、ほんの一口ですがお値段抑え目で三種食せるのはお得ですね。

ビジネスランチでもカード払いを受け付けているとのことでした。また、コースを予約をするとおそらく奥の落ち着いたサルに通してもらえるようです。

次回機会がありましたら手打ち麺をいただくか、コースをいただきにうかがってみたいと思います。


(いただいたもの)

ビジネスランチ

前菜プレート(サラダ、茄子のマリネ、ニンジンのラペ、バターナッツかぼちゃの一口温製スープ、フォカッチャ)

パスタ又はリゾット:ウニのクリームソーススパゲティ

ジェラート三種盛り(追加料金あり):桃、カプチーノ、チョコレート




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レストラン訪問記:南青山「リストランテ濱崎」(掲載なし)

過去の経験から当ブログではフランス料理店での食事の記事を書くことが多いのですが、その他のジャンルでも美味しいものや熱意ある料理人、また食にまつわる様々な知識(食材、調理法、サービス、プレゼンテーション、カトラリーなど)等に興味があるために機会があれば他ジャンルの料理店でも食事を楽しみたいと思っています。

その評価について不満であったり、疑問であったりが無いわけではないのですが、フランスでガストロノミー文化に触れてこの世界に開眼した自分としてはやはりまずはミシュランを参考にすることになります。

日本のミシュランとフランスのミシュランでは作っている人が違うので自ずと違いがあって、日本での歴史はまだ浅いこともあって日本のミシュランは完成途上であると感じるのですが、それでもやはり気になってしまうのは間違いないです。

そのようなわけでレストラン選びに際しては星付き店であるか、ビブグルマンがついているかが一つの大きな基準になるのですが、一方で日本にはミシュランとは関係なく多くのお客さんに支持されている名店がそれこそ星の数ほどもあって、そうしたお店もまたやはり機会を見つけては訪れなければ日本における食文化を知る上で片手落ちな感じがしています。

その時に参考になるのが新聞、雑誌、テレビなどのメディアであったり、口コミサイトということになります。

長い間しっかりとレストラン経営を続けているお店については色々な媒体からその存在や評価を聞くことになりますので、いつか行ってみたいと思うようになり、個人的な訪問リストに載ることになります。そんなお店には店を支えるお客さんがしっかりといて、そのようなお店は今後も半永久的に続いていくのだろうと思います。

口コミサイトの点数は結局平均点なので実態を反映していないことも多々あると思いますので、お店探しの参考にはなりますが、それだけを基準として料理店を訪ねようとは思っていませんし、店探しのためにそれらサイトを見ることはほとんどありません。

数多くお店を訪ねていくとあたりはずれがどうしてもありますが、それについての率直な感想が読者様のお店選びの参考になればありがたくと思います。大切なのは結局のところ自分自身が良いお店と感じられるかどうかという点につきると思いますので厳しい批評についてもあくまで個人的な主観に満ちたものですので軽く読み流していただければと思います。

さて、前置きが大変長くなってしまいました。

今回うかがった「リストランテ濱崎」は、ミシュラン東京が発刊した初年度版には一つ星店として掲載がありましたが、ここ最近はミシュランとのご縁が遠ざかっていて、最近は掲載自体がないお店になります。

一方で口コミサイトでの評価は高く、また毎週見ているテレビ番組(「食彩の王国」)にしばしばシェフが登場されるということもあり、今回初めてうかがってきました。

お店は外苑前、乃木坂、表参道いずれの地下鉄駅からもそれなりに歩かないとたどりつけない場所にあり、周囲は住宅が多いのでとても静かな立地です。この日は一番近いであろう表参道駅から目指しました。

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店の前に立つと男性サービスマンがドアを開けて笑顔で迎え入れてくれました。
少し早めに店に到着しましたが12時がお店の開始時間で12時にならないとサルには入れないようで先客の女性二人組がすでにウェイティングスペースでお待ちでした。

待つ間トイレに行きましたがトイレは男女兼用で比較的大きなつくりになっています。乾燥ハーブが置かれていたりして気遣いを感じます。

その後通されたサルはやや小さめで色々なものが置いている感じなので多少落ち着かない印象を受けますが、右手奥に一人客用のスペースが用意されていてこちらに通していただいたので落ち着いて食事することができました。

サービスはしっかりとしていて細かいことを言い出すときりがありませんが、十分にお店のレベルにあった安定した気持ちよいサービスをしていただいたように思います。

一つ残念だったのは純白のナップ(テーブルクロス)に炭をこすったような汚れがあったこと。席からは近くないのでこちらの目に入りにくいのですがナップがきれいなだけにとても目立っていました。乾燥の段階などでついた汚れのように思いました。汚れに気付いていないにしても、気付いているにしてもサービス陣にとっては大きな失点でしょう。

こちらのお店で一番印象に残ったのは、シェフの濱崎氏がメニュー選びの前の段階からサルに出てきてすべてのお客さんにあいさつをするということです。鹿児島出身の濱崎シェフ、テレビでは何度も拝見していましたがとても精力的な若々しい印象を受ける方でした。

折に触れてメニューの説明に来てくださったりしてお客さんとのコミュニケーションを大切にされているのがよくわかりました。お客さんを見て出す料理に変化を加えるなどのことも当然されているのでしょう。

自分のお店にようこそいらっしゃいましたというホストの心が伝わるようで、シェフとしては精神力を使うでしょうし、お客さんとしても背筋が伸びる感じになるかと思いますが、両者にとってとても良いことだと思いました。

そんなシェフのごあいさつの文化もあってか、サルは小さいのですがその雰囲気がフランスの地方の小さな一つ星店のような感じだと思っていました。おもてなしの心が満ちている感じがするのです。

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料理については前菜、パスタ、メインという一番皿数の少ない基本的なコースをお願いしましたが、丁寧な調理と気前の良い盛りつけで最終的には満腹になりました。

味付けは塩分を抑えめにしてある感じで、物足りないと感じる方もいるかもしれませんが、素材の旨みはより感じられるかと思いました。

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前菜の盛り合わせはトラットリアなどで出されるシンプルなアンティパストミストではなく、それぞれが手の込んだ調理を施された品で構成されていて、まずは盛り合わせを見るだけで幸せになれます。

中央にサラダがあり、その他は左上から時計回りに、イタリアサラミ じゃがいも 鳥取産スイカ、(上)カラサウ(薄パン)にドライトマト、チーズ、オリーブなどのせた一品(下)じゃがいものビシソワーズスープ、鹿児島産地鶏のレバ、砂肝、ハツのムースのカナッペ、海老とワカメのフリット、水牛のモッツァレラチーズを使った一品、ブルサンチーズのムース、クルトン、豆を合わせた一品となっていました。

すべての品がとびきり美味しいという感じではありませんでしたが、これだけの食材を揃えてさらに調理するのはかなり大変だと思います。シェフの客に対する思いが感じられます。

それでも一番美味しいと思ったのは実は中央のサラダでした。葉物の美味しさが際立っています。普段は何気なく口に運ぶサラダでもここのものは新鮮さだけでなくその質が極上のものでした。一つ一つの葉が違う味だというのがはっきりとわかります。添えられたトマトも何気ない風体ですがフルーツトマトなのかとても甘いです。

パスタはこの日メニュー記載の白魚がなかったということで御前崎産のシラスを使ったオイルベースのリングイネをお願いしました。

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有機小麦を使った珍しいパスタとの説明をシェフ自らがしてくださいましたが、この麺がつやつやもちもちでゆで加減は安定のアルデンテでとても美味しくいただきました。稲庭うどんに似たような食感でした。

味はシラスとオイルだけではなく青森県小川原湖産のシジミのお出汁を使っていてとても優しい風味でした。

メインはシェフのスペシャリテがウズラのロースト(追加料金あり)とのことでしたが、それほど好きな食材ではないので今回はパスしてランチでは珍しい黒毛和牛のローストをお願いしました。他には新潟県津南産の豚肉を使ったお料理が選択肢としてありました。

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和牛は安定の旨みで、かつ食べやすい大きさにあらかじめカットされてあって、新鮮なサラダ類、人参のムース、パルメザンチーズとともにとても美味しくいただき、この日一番の満足を得ました。

デザートは二種類から選べるとのことでしたが時間に限りがあったこともあり、支配人が指定されたシェフのスペシャリテであるプリンをいただきました。

食べ頃になるようにいい具合にとろけた完璧な状態のヴァニラアイスが自家製プリンの上に載せられていて、濃厚なプリンと共にとても美味しくいただきました。季節の果物が添えられていますが、その中に赤い果実とともに梨を見つけて夏から秋への移り変わりを感じられて、その点もよかったです(訪問は8月末)。

デザートの写真は本ブログに掲載していませんが、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんがインスタグラムの方にアップしていますのでもしご興味があるようでしたらそちらをご覧いただけるとありがたいです。

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最後のお茶は例のごとくハーブティーですがこちらはおそらくドライのカモミールティーだと思います。自家製と思われる生チョコが一つ添えられていて最後まで幸せな気持ちにさせていただきました。

シェフが最初にいらしたときに「食彩の王国」で拝見していることを伝えたこともあるのでしょうか、パスタからメインに移るときにシェフのサービスという日向夏のグラニテをいただきました。また今回メインの和牛は部位が書いてありませんでしたが、イチボと使っていたと説明されましたが、もしかしたらこちらもいいお肉を出してくださったのかもと感じていました。

お店を出る頃には満席になっていて、平日ランチとはいえやはり人気のあるお店だと感じました。

お隣で食事されていた先着の女性二人組は当日予約の方だったようですが、キャンセルが出ていたようで入れたような話をされていましたので平日でも基本的には満席が多いのでしょう。

そのお隣の方も何度もいらしているようでしたし、一度来られた方はきっとお店の、そしてシェフのファンになる方が多いのではないかと思います。

最後お店を出るときにも支配人、シェフ共々お見送りをしていただいてありがたいことでした。

お値段以上の価値ある時間が過ごせるお店だと感じました。次はいつになるかわかりませんが、また一つリピートしたいお店が増えて幸せな訪問となりました。

店名にはリストランテとありますが、最上級のトラットリアというのが出てくるお料理、ホスピタリティを含めて考えるとより正確な形容かもしれません。もちろんお店を高く評価した上での表現ですので、その点ご了解いただければと思います。


(いただいたもの)

ランチコース

前菜:盛り合わせ

パスタ:御前崎産シラスのリングイネ 青森県小川原湖産シジミのお出汁で

口直し:日向夏のグラニテ(シェフからサービス)

メイン:鹿児島産黒毛和牛のイチボのロースト サラダ、人参のムース、パルメザンチーズ添え

デザート:自家製プリン ヴァニラアイスのせ 季節のフルーツ添え

お茶:ハーブティーと生チョコレート




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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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