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レストラン訪問記:佐倉(千葉県)「プレゼンテスギ」

しばらく本業に集中しており、なかなかブログ記事作成に取り組めませんでした。それでもまだ読んでいて下さる方もいらっしゃるようで、生存確認のお声がけなどをしていただきました。御心配おかけしました。一応元気に暮らしております。

昨年6月の奈良の元三つ星店(訪問時は三つ星)の記事を最後に掲載が中断していました。お待たせしました。昨年以来色々なお店に伺う機会がありましたが、また少しずつ掲載を続けていきたいと思います。

その間、全国を飛び回り、昨夏は対馬、壱岐などにも行きました。そして、日本国内だけですが、色々な地域で、色々なジャンルの食事を楽しんでいます。

最近は地方で頂くお寿司が楽しいです。基本的には高級寿司と言われるお店ですが、地域特有の食材を扱う地元のお店にも伺う機会があります。

これから掲載していくお店は、約1年前に同じような時期に頂いたものになりますので、現在のお店の運営や料理からするとずれていることがあるかもしれませんが、その点を頭に入れて読んでいただけるとありがたいです。

さて、口コミサイトでの評価が高い千葉県佐倉市のこちらのお店を訪問した際の記事を今回掲載いたします。お車がなければ、最寄り駅からタクシーに乗る必要があるなど、正直アクセスは良くないのですが、予約がかなり先まで埋まっている超人気店です。おそらく人気の秘密はその独創的なお料理にあるのでしょう。

私は事前にレビューなどはあまり見ずに食事に行くのですが、シェフのお料理の独創性や、使っている食材の稀少性、美味しくするための工夫など見ると、いわゆる三つ星シェフに値するような、シェフの個性が爆発しているお店、と言っても過言ではないと感じました。お料理は、単に個性的なだけではなく、お料理としての美味しさも追求されているところがポイントが高いです。

教わった通りのものをいかにきれいに、忠実に再現していくかというガストロノミーとは対極にあって、今何が美味しいのか、何が今食材として使えるのかといったところから説き起こして、シェフにしか作れない(結果として独創的なものとなる)料理を仕上げる意志が感じられる、そんなお料理達で構成されたコースでした。

メインの牛肉の火入れは今まで頂いた中でもナンバーワンでしたし、昨今各種解釈がなされる「ぶり大根」の新解釈も、こちらでは個性的でありながら美味しさもあり、レベルが高かったです。

また、メバチマグロのお寿司は脂も美味しいのですが、二種のトリュフの香りが素晴らしかったです。米のサラダに着想を得た一品とのことでしたが、その着眼に恐れ入りました。

ただ、レストランとしては荒削りというか、正直ちゃんとした営業が成り立っていない面が色々とありました。

サービスは家族経営ということもあって感じが良いのですが、客がまだ食べているのに、お構いなしに次の皿がどんどん出てくる点で、普通のレストランいやビストロとの比較でもそれ以下だと言わざるをえないでしょう。

それから、訪問は1月末でしたが、予約したのが前年の9月で、その時点で案内されていたコース料金が、この日しれっと新しいコース料金で請求されていました。これはないでしょう。

新しいコース料金を頂くなら、全予約者に電話をして、値上がりしたことを通知して承諾を得る(その値段なら行かない、行けない客がいてもおかしくないし、そういう客がいるはずという配慮は店として必要)必要がありますし、それをしない、できないなら、値上げ決定前に予約をしている客は予約時点で案内したコース料金しか頂かないというのが、まっとうなお店としてのあるべき姿でしょう。

お会計の時に気付いて、その点は特に指摘せずに支払いましたが、必ずしも全ての客が納得しているわけではないことは、この記事などで分かっていただきたいところです。

ここのシェフのような方は存在自体が希有で、嫌いではないので、あえて上記2点の苦言を書かせていただきました。


(頂いたもの)

ランチコース (◯はメニューにない品)
→下の写真のとおり、メニュー表を頂けますが、上から下に順に書いてある普通のメニュー表とは全く異なっているので、一見して順序を見いだすことはできないと思います。一応の情報として掲載しておきます。お料理は、以下に掲載する順で提供されました。

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〜シェフからの最初の贈り物〜
定点 トマト飴
(→甘い上苦味もあり複雑なお味で、楽しいです。)

〜再生〜(スズキの出汁スープ 海藻)
(→香りがすごいです。海藻も良いアクセントになっています。)

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◯マッシュルーム キャビア

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◯からすみ大根

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◯スズキ一週間熟成 カルパッチョ風 オリーブオイルのいくら 苺ピクルス

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◯千葉産天然真鴨の焼き鳥 にわとこ酢漬け

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Sugiのブラックサンダー
(→エスプレッソソースがフレッシュで良いですね。)

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森の地面(ヤマドリ茸のフリット)
(→軽くてサクッと旨味が弾けます。あわびのきもパウダーも濃厚で良いお味でした。)

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本日の焼き立てパン

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マスカットベリーA、ビーツ、紫人参のアイスキャンディー

High&Lowステーキ

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杉寿司
(→メバチマグロの脂もいいですが、二種のトリュフが効いています。)

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農家さんからの贈り物

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漁師さんからの贈り物

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クロワッサン
サービスのグラスロゼワイン(ポモードゥノルマンディ)と
(→クロワッサンと一緒に頂くとアップルパイのイメージになるとのことで楽しめました。)

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鰤大根

トラフグのフラン

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(→二種のトリュフ)


コイ

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Sugi畑をお皿に乗せて

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本日のパスタ:利根川のすじえびのパスタ ウニアイス
(→アイスが溶けて最後は味が変わるとのことで、実感しました。)

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泡・氷・焦げ(蜜柑のドルチェ)

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里山の音と香り
トラビス ガトーショコラ 蕗の薹のペースト
五感で感じられるドルチェ

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食べられなさそうで食べられる(モアイ像のフィナンシエ)
(→食べられないようだけど、食べられるという趣向です。)

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食べられないけど食べらそう(飴に見立てた石鹸)
(→こちらはお土産用で、モアイ像とは逆に、食べられるようだけど、食べられないという趣向でした。)

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食後のお飲み物:ハーブティー(おそらく8番のオーガニックミントメレンゲ)

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(→お茶の選択肢)





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レストラン訪問記:神戸市中央区(三宮駅)「アランチェート」(ビブグルマン)

年末の食事会で三宮駅のイタリア料理店へ。最近流行の薪焼きだの、フュージョンだのではなく、普通に前菜盛り合わせや、パスタ類が楽しめる、トラットリアに近いイタリアンレストランです。

訪問した日は他にお客さんもいないこともあって、ものすごくくつろげて楽しい食事の時間を過ごせました。


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店内の様子

店内はおそらくドイツ風の内装で、アルザスにも通じるところがあって、雰囲気がとても良く、外国で食事しているような気持ちになれました。

お食事は、お店の定番料理をうまくまとめたコースがある一方で、アラカルトもあります。印刷されたメニューがある一方で、手書きの季節のおすすめ料理が結構充実していて、前菜盛り合わせ以外は、全てこちらからアラカルトで注文しました。


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前菜盛り合わせ
(左上から時計回りに)イタリア産生ハムと柿、フルーツトマト・水牛モッツァレラチーズのカプレーゼ、鴨もも肉の燻製と大根のコンソメ煮、但馬鶏とキノコのロースト、カボチャレモン風味、神戸ポーク豚トロのトマトソース煮とレンズ豆のサラダ、貝柱とブロッコリ、ヤリイカの墨煮、マグロのカルパッチョ、明石蛸、明石鯛)


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ブルスケッタ


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パンツェロッティ(揚げピザ)ペーストジェノベーゼといんげんとじゃがいもと水牛モッツァレラチーズ


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長崎のケンサキイカとポルチーニ茸など秋のきのこのスパゲティ


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鳥取産猪肉の赤ワイン煮込みソース和えパッパルデッレ


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北海道産ほたて貝柱のサフラン風味リゾット


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デザート(アラカルトで二種類を一皿に盛ってもらいました):
・カカオ風味の豊かなチョコレートのトルタ
・マスカルポーネたっぷりのティラミス


貸し切り状態での食事でしたので、やや特殊な環境だったかもしれませんが、落ち着いて美味しい食事に集中できて、満腹大満足でした。

サービスはシェフの奥様と思われる女性のみでしたが、前菜の説明もきちんとしてくれたりして、安心感がありました。

食事も質が高くてこの手の料理店の中ではとても良いお店だと思います。

一つ不満があったのはリゾットを猪肉の赤ワイン煮込みソース和えパッパルデッレの後に提供されたことです。

リゾットの方が時間がかかるということかなと思いましたが、具材やパスタ二種、リゾット一種という注文からするとバランスを考えて、リゾットをパスタの間に挟んで提供して欲しかったのが本音でした。このあたりは分かってくれると思っていましたが、次回からは順序指定をしないといけないかもしれません。

料理が美味しいのに客が少ない理由を考えましたが、お店にアプローチするためには、三宮駅から結構長めの、まあまあな傾斜の上り道を約10分は歩く必要があるため、気軽に職場帰りに立ち寄るということが難しく、そのせいかなと思っていました。

料理については本格派のお店ですが、パーティプランの提案などもされていて、敷居が低めな感じで、それもまた良い印象です。


(いただいたもの)

アラカルトで…

→○は一人一皿注文したもので、他は二人でシェアして食べて、飲んで一人9000弱。
→メニュー表記はお店のメニューから転記。


○前菜盛り合わせ

○ブルスケッタ

パンツェロッティ(揚げピザ)ペーストジェノベーゼといんげんとじゃがいもと水牛モッツァレラチーズ

長崎のケンサキイカとポルチーニ茸など秋のきのこのスパゲティ

鳥取産猪肉の赤ワイン煮込みソース和えパッパルデッレ

北海道産ほたて貝柱のサフラン風味リゾット

○デザート:
・カカオ風味の豊かなチョコレートのトルタ
・マスカルポーネたっぷりのティラミス


飲み物:
・グラスカクテル:キールロワイヤル風カクテル(イタリア産スパークリングとカシスリキュールを割ったもの)
・グラス白ワイン:リースリング中辛口(ドイツ)×2
・グラス白ワイン:リースリング甘口(ドイツ)





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レストラン訪問記:高知市(高知駅)「La primavorta(ラ・プリマヴォルタ)」

「balloon」でフランス料理を楽しんだ翌日の夜は、2005年開業で、高知では比較的古参と認識されているイタリア料理店の「La primavorta(ラ・プリマヴォルタ)」での食事を楽しみました。こちらも「balloon」同様、夜のみの営業となっています。


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結論から言うと、前日の「balloon」とはまた違うテーストであり、店内の雰囲気でしたが、とても気持ち良く美味しい食事を楽しめて、季節を変えてまた是非再訪したいと思わせてくれるお店でした。

料理ももちろん良いですが、それと同じか、それ以上にサービスやしつらえが良かったです。サービスはおそらくメートルドテルに当たる方の良い影響が店内の隅々に及んでいて、スタッフの採用の段階からそれが始まっているのだと思われます。この方は、しっかり人を見ていて、相手を活かす対応ができていました。素晴らしいです。最も若いサービスの女性も心遣いがあるサービスをされていて、見事でした。


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ただ、テーブルセッティングはカジュアルで、テーブルクロスがない、くだけたスタイルですが、タイルや梁、板張りの床など、いい感じにヨーロッパの隠れ家的な雰囲気が醸された店内の落ち着いた雰囲気とはマッチしていて悪い気はしなかったです。また、わざわざ言うまでもないことかもしれませんが、カトラリーは皿ごとに変えてもらえます。

こちらのお料理は、ジャンル上は一応イタリア料理となっていますが、その枠にこだわったり、とらわれておらず、典型的なイタリア料理の型にこだわる方にとっては、もしかしたら不満が残るメニュー構成かもしれません。ここでは、パスタ料理が前菜とメインの間に出されず、メインの後に最後の締めとして位置づけられていることが一番分かりやすい変形でしょう。

ここではそんなジャンルへの囚われよりは、その時の旬の素材をいかに美味しく楽しんでもらうかに心を砕いた料理が提供されているようで、私としては高知の今の旬を楽しむことができて、そのような料理の提供方法がむしろ好ましく、お店が好きになりました。高知は野菜を中心に多くの食材がとれる魅力ある土地なので、料理人としてもやりがいが感じられるのではないかと思います。

最初に着席して、ソムリエの方と相談しながら、結構長い時間をかけてワイン選びをして、昨日同様5杯のイメージでグラスワインリストから選びました。結果的には4杯で終わりましたが、昨日とは違う発見があって楽しかったです。


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ペアリングという形ではやっていないとのことでしたが、結構品数が揃っていて、眺めているだけで楽しかったです。量もあるかもしれませんが、このレベルのお店にしては価格がかなり抑えめで、前日の「balloon」でも思いましたが、その点、良心的に感じました。

最初の食前酒は、イタリア・ヴェネト州のシャルドネのスパークリングワイン、シャルドネ・ブリュット(トッレゼッラ)でした。プロセコを作っている作り手のものとのことでした。泡のきめ細やかさはシャンパンに劣りましたが、フルーティーかつドライで良い味で、食欲を高めてくれる美味しいお酒でした。


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秋果
〜無花果 葡萄 柿〜


最初のお皿は、「秋果」という名前で、サブタイトルが「無花果 葡萄 柿」となっていて、秋のフルーツを楽しむ一皿でした。甘味が支配するお皿でしたので、意外ではありましたが、秋のフルーツサラダとして楽しめました。真ん中の淡い黄色の植物はオクラの花でした。サラダの中の葉も味が濃くていい香りがしています。最初からなんとも贅沢でした。

ここで、パン二種類が提供されました。フォカッチャは、塩がやや強めでしたが、めちゃくちゃ美味いです。バゲットも美味しいですね。いずれも、ちゃんと温めてくれていて好印象でした。ただ、お代わりを最後まで出されることがついぞなく、こちらは不満が残りました。

ここでグラスの白ワインに移行します。以前どこかで飲んだことがある、南仏のお酒、ピクプール・ド・ピネでした。青リンゴの香りがするという白ワインで、さわやかで、かつ辛口で飲みやすくとても良いお味で好みでした。


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畑の風景 〜本日のバーニャカウダ〜

続くお皿はバーニャカウダで、シェフのスペシャリテとのことでした。多彩なお野菜が美しく、当たり前ではありますが、それぞれに違った風味、食感が濃厚なバーニャカウダソースで楽しめて幸せでした。通年提供される料理とのことですが、野菜の種類が豊富なイメージの夏よりは、春や秋の方が野菜の調和があって、より楽しめるのだそうです。


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南瓜
〜クミン ミルクフォーム 南瓜の種〜


いでたちを見ただけでシェフの意識の高さを感じることができました。スープの粘度が高いこともあったかもしれませんし、運ばれてきたスープが皿を汚していることはなく、厨房からテーブルまで短い距離ではありましたが、揺らさずにきれいなまま運んでくれた若いサービスのお仕事も素晴らしいです。お料理がとてもきれいなのはもちろん、お皿に指紋などついておらず、清潔感もあって素晴らしいです。南瓜の味も濃厚で、秋の到来を実感できるお皿でした。かぼちゃの種をスライスしてローストしたものが入っていましたが、これが良い香りです。クミンのおかげか、カレー風味をほのかに感じました。

次にこのタイミングで提供されたグラスワインも白で、こちらはオーストラリア・ビクトリア州のシャルドネでした。こちらは前のお酒と比べて濃い感じで、苦味をやや感じました。力強く良い味です。ただ、さわやかさはありませんでした。


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アカハタ
〜天然舞茸 里芋 茄子 レモングラス〜


お魚はとても繊細に扱われていました。こちらは写真では分かりにくいかもしれませんが、熱い料理ではないです。魚に丁寧な半生の火入れがしてあって、ほぼ冷めた温度での提供でした。慣れていませんでしたが、これはこれで良いと思いました。焼き茄子とツガニのソースが独特の味わいで面白いです。里芋のフリットが入っています。また、天然舞茸のフリットも良い香りで、思いがけず食べられて良かったです。

お酒としてはまだ前の白が残っていて、最初にお願いしていたロゼワインは諦めて、赤にいくことにしました。お肉に合わせた赤は、ドイツのピノノワール(シュペートブルグンダー)でした。美味しいのですが、前日「balloon」で頂いたカルフォルニアのピノノワール・オーボンクリマほどの香りは感じられず、ピノノワールの味比べはカルフォルニアに軍配が上がりました。


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山の実り
〜土佐和牛サーロイン 独活の花 薩摩芋〜


お肉はシンプルに、ポートワインのソースとのことでした。土佐和牛とは、赤毛の土佐あか牛のことで、あっさりめでありながらもしっかりと脂が感じられて、分かりやすい安定の美味しさです。量も、有り難みが感じられる量で、絶妙です。独活の花はフリットになっていて、薩摩芋はシルクスイートをゆっくり火入れしたもので、それぞれとても美味しかったです。


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ウスバハギ 〜オリーブ バジル〜

ウスバハギという白身魚を使った締めのパスタで、50グラムでの提供とのことでした。細めのパスタを使っていて、繊細な味つけと相まってとても美味しく、いくらでも食べられる感じでした。


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〜様々な梨と塩のメレンゲ ジャスミン〜

上には梨のチップスが刺さっていて、下の梨のソルベはあきづきと八達という二種類の高知の梨を使ったもので、間のジュレはハーブティーのジュレとのことでした。また、一番下にも梨が潜んでいます。秋を感じさせる梨尽くしのデセールは食事の終わりを口の中をさっぱりしてくれて幸せでした。個人的にはあしらいの花がやや主張しすぎていたように思えました。秋桜とはいえ、好みが別れるでしょうね。


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ここに至って、食後のお茶を選ぶ儀式がありました。御覧のように各種サンプルから、自ら香りをかいで選ぶことができます。フレッシュハーブティーをお約束で所望しますが、扱いがありませんでした。これはちょっと残念でしたが、致し方ありません。

そこで、個人的には高麗人参など独特な調合が気になった、コロナ禍期間の限定フレーバーという、プロテジェ(フランス語で「保護する、守る」という動詞あるいは「保護された、守られた」という形容詞)を追加料金が発生するものをお願いしました。お味としては、苦味が感じられましたが、それがとても体に良さそうで良かったです。香りも独特でした。



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〆 〜桂月酒粕〜

メニュー表の最後、デセールの後に〆とあるので、どういうことかと思っていたのですが、小菓子を最後に合わせてその場で焼いて、それを食事の最後として出すという趣向でした。

この日は、酒粕が練り込まれた焼きたてのミニフィナンシェが提供され、お酒の香りは今ひとつしませんでしたが、焼きたての温かい焼き菓子を最後に提供してくれる心遣いに感動しました。こういう趣向は今まであまり出会ったことがありませんでした。

ただ、こちらのお店の食事において、全く不満がなかったという訳でもなく、気付いた点を挙げると以下のようになるでしょうか。

パンはとても美味しかったのですが、お代わりの提案がされませんでした。きっとこちらからお願いすれば出してくれたのでしょうが、パンは皿が空いていたらそのたびに必要かどうか聞いて欲しかったです。

それから、デセールに移行する際にカジュアルなお店でも、フレンチだと卓上のパンくずなどを掃除してくれるものですが、こちらでは卓上の掃除はありませんでした。

また、食後のお茶についてお代わりを頂きたかったですが、別料金になるとのことでした。こちらももう少し鷹揚に対応していただければ良いのにと思いました。

最後に、メニュー表のプリントミスです。わざとやっているわけではないですし、メニュー表をだしてくれるだけ有り難いとも言えるのであまり強く言いたくはないですが、やるなら最後まできちんとやっていただきたかったです。しかもミスが発生していたのは私だけとのことでそれも大変残念でした。

プリントミスについてはほぼ入店と同時に指摘していたのですから、お忙しいとはいえ、プリントアウトくらいすぐにできるものでしょうから、帰るまでに訂正したものを印刷紙直して出すことも可能だったでしょう。私はそれを求めることはしませんでしたが、そこまでやっていただけると完璧でしたね。次回以降の参考にしていただきたいです。

それでも、食事は全体として見れば、最後まで気持ち良く食事が楽しめて、食材という意味でも、お店という意味でも、良い発見ができて、満足してお店を後にしてきました。


(いただいたもの)

ディナーコース(三種類のうちの真ん中のコース)

パン二種:フォカッチャ、バゲット


秋果
〜無花果 葡萄 柿〜

畑の風景 〜本日のバーニャカウダ〜

南瓜
〜クミン ミルクフォーム 南瓜の種〜

アカハタ
〜天然舞茸 里芋 茄子 レモングラス〜

山の実り
〜土佐和牛サーロイン 独活の花 薩摩芋〜

ウスバハギ 〜オリーブ バジル〜


〜様々な梨と塩のメレンゲ ジャスミン〜

〆 〜桂月酒粕〜

Caffe(食後のお茶)

(以上の記載は、パン及び括弧内の記載以外、頂いたメニュー表を転載)


お酒(いずれもグラスワイン):
・ 食前酒:シャルドネ・ブリュット(トッレゼッラ)N.V(シャルドネ100%/イタリア・ヴェネト州)
・ 白ワイン:ピクプール・ド・ピネ(ドメーヌ・アザン)2019(ピクプール100%/フランス・ラングドック地方)
・ 白ワイン:リトル・イエリング・シャルドネ(イエリング・ステーション)2019(シャルドネ100%・オーストラリア・ビクトリア州)
・ 赤ワイン:ハンド・イン・ハンド・シュペートブルグンダー(マイヤー・ネーケル)2017(シュペートブルグンダー(ピノノワール)100%/ドイツ・バーデン地方)




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レストラン訪問記:神戸市(三宮駅)「イオラシック」(ビブグルマン)

内装の手作り感が一杯のお店で、良くいえば飾らない素朴でカジュアルな、悪く言えば山小屋のような廃屋のような内装です。

お店のジャンルはイタリアンで、前菜、ドルチェ等のお味は悪くないです。ただ、肝心のパスタは、揚げ茄子といいつつ青臭さが残った調理が口に合いませんでした。素人でももっと良い調理ができるでしょう。

今回いただいた中で一番美味しかったのは、ドルチェの黒糖のパンナコッタでした。

とはいえ、サービスは最低ランクのお店です。お店はこのサービスを容認していていいのかというレベルでした。というわけで、ここを再訪することはないです。

狭い店内で一人でサービスを担当している若い男性ですが、とにかく何もサービスのことが分かっていない。場違いな感じがすごかったです。

連れの人間も別々に店に入ったのですが、同じようなことを言っていました。まずあいさつができない。外に待っている人がいれば、お客さんの可能性が高いわけで、いらっしゃいませ、という挨拶が最初普通に出るものでしょうが、そういう言葉はなかったようでした。

私の場合も、入店に際して名前を聞かれたので、答えると、無言。あれ?名前を聞くのは、「○○様ですね、お席はこちらになります。」などの案内につなげるためでしょう。しかし、彼にとっては、客に名前を聞くのは、自分のための情報収集の意味しかなく、それで完結しているのです。ファミレスでもここまで酷くはないですね。マニュアルがありますから。それすらも分からない不幸なサービス。そんな対応をしていて、あなたがそこにいる意味ありますか、と問いたくなります。

名前を言って、そのままもあんまりなので、「それで、大丈夫なんですか?」と、名前を言ったけど、ちゃんと聞いているの?それに対する反応はないの?という趣旨で聞くと、「はい、大丈夫です。」との答え。違うでしょう。あなたは誰様ですか。漫才やっているんじゃないよ。真面目に聞いているの。あきれてものが言えませんでした。

さらにその後も粗相は続き、客に置く皿の正面のところに思いっきり親指をおいて皿を運んできて、はいどうぞとくっきりど真ん中に指紋をつけた皿を置いていくのです。このサービスは外食をしたことがないのでしょうか。ファミレスですらもそんな酷い皿の運び方はしないでしょう。

それ以外にも色々ありましたが、ここまでにしておきます。店はこの意識の低いサービスのために失っているものが多すぎることを認識した方が良いでしょう。二度と行かないよと思う客は私だけではないはずです。

最後に店を出る時に、扉を開けて外に立っているので、初めてこのサービスの顔を見ましたが、笑顔も会釈も気の利いた言葉もなく棒立ちでいて(おそらく何のために自分のやっている動作をしているかも分からないし、分かろうともしていないのでしょうね)、こちらをにらんでいるだけでした。

向かない仕事ならやめた方が良いです。他の人をも不愉快にしてまでお金のためにしがみつく仕事ではないです。そこのところ是非理解して欲しいと思います。


(いただいたもの)

ランチコース


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前菜盛り合わせ
(→味は悪くないですが、フォークにこびりつき汚れがあり、食欲が減退しました。残念すぎます。)


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自家菜園のさつまいもの冷たいスープ
(→味は薄いですが、まあまあのお味です。)


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スネ肉と揚げナスのトマトソース
(→スネ肉が何の肉か分からないままでしたが、おそらく豚でしょう。書いておくべきと思います。牛なら大書していたでしょうから。)


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本日の鮮魚(鰆) ブラックオリーブのソース
(→お魚はなかなか美味しかったです。)


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黒糖のパンナコッタ バニラアイス ぶどう
(→この日はこれが一番でした。ただ器に器を重ねるのは賛同しかねます。ソースが別の器についてしまったりして、美しくないですから。)

食後のお茶:アイスティー






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レストラン訪問記:大阪市(本町駅)「タヴェルネッタ・ダ・キタヤマ」(ビブルグマン)

大阪に伺った際にこちらのお店で食事をしてきました。ランチのコースをわざわざ予約していきましたが、食後の感想としては予約をしてまで行くお店ではないと思いました。

正直なところ、パスタはとても美味しかったので、予約なしでパスタランチを食べに行くのはありかと一瞬思いましたが、思い返しました。再訪はないでしょう。

一人で行くと高いカウンター席に座らされることになります。シェフの癖で悪気はないのでしょうが、パスタを仕上げる時、皿を完成させる時、必ず鍋やフライパンをカチンと結構な音量で鳴らすので、それを食事が終わるまで何度も聞かされてとても不快でした。まさにとらわれの聴衆…そういえばここは大阪でしたね。単なる厨房での喧噪なら仕方ないなと思うのですが、わざわざ立てている音なので、違和感が大きかったです。

また、チーズを所望しましたが、ないとの返答をもらいました。

目の前でチーズをかけて仕上げている料理を見ていたので頼んだのですが、この回答です。ディナーコースなど特注の食事を頼んでいるお客さんが奥にいたようで、そのお客さんに出すお料理にかけていたのかもしれませんが、これはいただけないですね。

お昼の安いコースではコストの関係上もったいなくてチーズは出せないんです。」と、正直に言ってもらえた方がまだすっきりしました。

チーズが店に無い時点でイタリア料理店ではないです。無いわけないんです。さっきおもいっきり粉チーズらしきものをかけて料理を仕上げているところ見ていましたから。

どんな場末のお店でも、そこがイタリア料理店であれば、チーズをお願いすれば出してもらえました。あるいはチーズは有料で提供するというお店もあり、それはそれで良いと思いました。ただそこはあらかじめチーズをかけてくれているところで、それでも足りないなら追加料金でどうぞという良心的なお店でした。中目黒のビブグルマン店です。

食後に店を出ると何組かふりで来たお客さんが待っていたので、人気店なのだとは分かりました。

ただ、先ほど予約をしてまで行くに値しないと書きました。その理由を最後に書くと、予約をするためにはメイン付きのコースを注文する必要があるのですが、この日のメインだった仔牛ロース肉のローストが、量が少ない上、粗い繊維質の、質がとても悪い肉で、とても美味しいとはいえない代物で、抱き合わせ商法もいいところだと思ったからでした。

メインは食べるに値しないから予約はできない。となるとパスタ狙いで行くかと思いきや、先ほど述べたようなことや他にもここでは書かなかった色々な難点があって、食後、また改めて来ようとはとても思えませんでした。

パスタはとても美味しかったので大変残念です。上記事項が気にならない方は予約をせずにパスタ狙いで行かれてみて下さい。


(いただいたもの)

ランチコース


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前菜各種(左から時計回りに):白いんげん豆のクロスティーニ、イカとクスクス、モルタデッラ、ピエモンテ風ポテトサラダ、地鶏のボッリート


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パスタ:スパゲッティ 海老とオリーブ、ケイパーのトマトソース


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メイン:仔牛ロース肉のロースト


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ドルチェ:ティラミスと牛乳のジェラート


食後のお茶:アイスコーヒー





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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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