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レストラン訪問記:京都・祇園「祇園 まんま」(★)

しばらく前から定期的に京都を訪ねては懐石料理を頂く習慣ができました。懐石だけではなくフレンチ、イタリアンなどの洋食を頂く機会もありますが、やはり懐石の比率が高いですね。

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こちらには炭火焼きの天然真鴨目当てで昨年1月末に訪れました。ランチでしたが、ランチは1組とのことで、一人でしたが貸切りで、店主と一対一の贅沢な時間でした。

まだお若くて謙虚な感じの店主は岐阜で主に修業されたとのことで、その縁から岐阜から真鴨を仕入れるということでした。

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お料理は、店名のとおり、素材の風味をしっかりと感じられる素晴らしいお料理で、季節柄熱いお料理が多くてその点も良かったです。食材や、調理法がかぶっているようなこともほぼなく、バランスが良いのも個人的には評価が高いです。

一方で、少し残念だったのは、八寸やデザートがないことやお会計が完全な明朗会計ではなかったことでしょうか。会計については小さな金額なので気にすることではないのかもしれませんが、費目が分からないお金はどうしても気になってしまいます。ただ、再訪を諦めさせるほどの思い出ではありませんでした。


(頂いたもの)

ランチコース13200
(お酒は別料金)

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おちょこが選べます

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日本酒:まつもと 純米大吟醸 微発泡 半合 600
(→微発泡が食前酒に向く。純米大吟醸なのでややあっさりしているが食前酒にはちょうど良い。)


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先付け:兵庫県浜坂産ズワイガニの茶碗蒸し
(→寒い季節なので熱々が最高でした。紅ズワイではないズワイガニの蟹の香りが素晴らしいですね。玉子の色は少し特徴的ですが、地の色とのことでした。蟹味噌をたくさん入れてくれていて濃厚でした。とにかく美味いと思える一品でした。)


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余市あん肝と東北のうるい
(→あん肝は雑味なくなめらかで美味しいです。お酒飲みのための一品でした。)


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お椀:三重県安乗産天然ふぐの身と白子 菜の花 長芋 山椒の葉
(→白子がとろけて美味しいです。吸い地はしっかりとったお出汁で落ち着きます。)


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お造り:北海道産甘海老の昆布締め
(→ねっとり濃厚で美味いですね。醤油と加減酢で頂きます。加減酢があっさりしていてより好みでした。ただ、お造り一種というのは少しさみしかったです。)


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お魚:五島列島産太刀魚 炭焼き
(→皮はぱりっとしていて、中がふわふわの焼き加減で、炭焼きならではの美味しさです。スダチの香りも良い仕事をしていました。太刀魚は脂が乗っていますし、独特の香りも分かり美味しかったです。)


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日本酒:ゆきの美人 純米吟醸生酒 半合 900
(→香り高くしっかりしていて美味しいお酒で、良い出会いでした。)


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炭焼き台 

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お肉:岐阜県産網どり真鴨ロース肉 炭火焼き
(→肉の旨みがありました。シンプルな調理だけに、素材の味が良く分かります。フランス料理より鴨本来の素材の味を満喫できたように思いました。山椒、胡椒もアクセントとして良いです。クレソンの独特の香りも良いアクセントになっていました。)


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坊主ごろし(もずく)のお浸し
(→お口直しです。昆布とまぐろぶしのお出汁使っていて風味があり美味しいです。ただの酢の物ではないです。)


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小鍋 鴨ミンチ ササミ 大根餅
(→熱くて、味がしっかりで、真鴨を最後まで堪能できて大満足でした。)


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食後のお茶


お食事(4種から選択可能(複数可)で、量も調整してくれます)
・自家製ちりめん山椒ご飯
・穴子天丼
・海苔のにゅうめん
・牡蠣フライ丼
(→穴子天丼、にゅうめんを頂きました。)


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海苔のにゅうめん 聖護院かぶの香の物
(→海苔が香ります。また、香の物はフレッシュな千枚漬けがみずみずしくて素敵でした。最高の酒のあてにもなっていました。)


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一夜干しにした穴子の天丼
(→穴子を一夜干しにするのはオリジナルらしいです。穴子の天ぷらは四等分にされていて、食べ手のこと考えているのが伝わってきます。こういうところにも店主のおもてなしの心が感じられていいですね。)





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レストラン訪問記:奈良市「和やまむら」(★★★)

更新が滞る中、訪問して下さっている方には申し訳ないです。約1か月ぶりの更新が和食というのももしかしたら需要に応えられていないかもしれず心苦しいのですが、一応ミシュラン特別版の最新版が奈良だったということで、奈良の続きを掲載いたします。

掲載の際には結構手間をかけていましたが、もう少し気楽にすることで、掲載頻度を上げられるようにしていきたいと思っています。

さて、こちらは、訪問前に写真など見ず、古い割烹料理店を勝手にイメージして伺ったので、店内明るく賑やかな雰囲気が予想外で少し驚きました。

入店し、予約確認もなく、入って右手の座席高めのカウンター真ん中に通されました。しかし、入店時が遅かったこともあってか、既にいる客がうるさいこと。おしゃべりが花盛りです。狭い中でほぼ満員ということもあってか、声が色々と響き、反響していたのでしょう。また、BGMがJAZZでしたが、これは余計でした。

結論から言うと、お料理に何らの驚きもきらめきも、志も感じられず、型どおりの懐石料理を一応出しているという感じで、甘口の味付けも多くて口に合わず、また店主とも一度も口をきけないままでした。美味しい料理もありましたが、全体として見ると、おもてなしの心は全く感じられませんでした。

これだったら、まだ値段相応に一応高級食材を並べた「而今」の方が料理屋としては完成しているし、はるかに上でしょうと思ってしまいましたが、ミシュランの評価も果たしてその通りとなりました。

「和やまむら」は三つ星から一つ星へ屈辱の二段階降格となり、かたや「而今」は初登場でさっそうと二つ星へと上り詰めたわけです。

だめだしついでに料理以外で色々と気になった点を述べると、日本酒の提供について、半合で出してもらえないのは残念でした。また、最初のことですが、お酒について何も聞かれませんでした。お昼とはいえ、一応それなりの料理を楽しむ場所なのですから、最初から酒を勧めて欲しかったですね。そして、提供されたお酒は冷えるちろりに入れてくれてそれは有り難いのですが、最後に冷やすために入っていた水が飛び出て杯に入ってしまい、お酒を薄めてしまったのが残念でした。

また、お茶も茶瓶を置いていってくれたのは良いのですが、置いておくとお茶が冷めてしまうという当たり前のところに思いが至らない点で残念でした。熱いお茶提供より、効率重視ということでしょう。

また、おしぼりが貧弱というのもありました。

もちろんこのレベルのお店はどんなシチュエーションでも再訪いたしません。時間とお金の無駄です。ミシュランで二段階降格はなかなか見ない厳しい沙汰ですが、このお店についてはその評価が妥当だと腑に落ちました。


(いただいたもの)

お昼のコース13310

お酒(別料金):松の司 あらばしり1150


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先付け 白魚素揚げ 梅風味ジュレ うど ズッキーニ 車海老
(→白魚は揚げてありコクがあるので美味です。梅のジュレは酸味なく優しい味で嬉しい。派手さはないが美味しいです。金箔が載っているとはいえやや地味な印象です。)

食前酒:こぼれ梅
(→もろみがありました。甘口の美味しい日本酒です。器が口のところが飛び出ていて食べにくい。客のこと全く考えていないつくりです。これを出すセンスの無さを感じました。)


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お椀:鮑入り真薯 白木耳 菜葉 紅白にんじん 柚子
(→こちらが前のお料理を食べ終える前に運んでくる無神経さがありました。客より自分優先のサービスだと理解しました。レベルが低いです。お椀の汚れ、シミも気になりました。また、霧吹きで水をかけるなどの細やかさも欲しかった。出汁は淡白です。鮑は薄切りで柔らかいかったです。)


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お造り:本鮪 天然ヒラメ 縁側 ケンサキイカ 甘海老 
(→ありきたりなラインナップでつまらないです。ここは海なし県の大箱の旅館かと思ってしまいました。とはいえ、美味しいものもあり、イカは歯応えがあり新鮮で美味でしたし、甘海老も普通に美味しいです。ただヒラメは水っぽくて美味しくないです。よくこれを客に出せるなというレベルで、これだけで星無しかなと思いました。また、中トロは、きれいな霜降りで期待を裏切らない美味しい脂の味で満足できましたが、これも冷凍かもしれません。中心部分の繊維の感じからそのように感じました。縁側については脂があり美味しかったです。)


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ズワイガニと玉子豆腐のみぞれあんかけ
(→皿を置いて、ダッシュで皿の名前言って去っていくサービスに疑問を感じました。客のことなど見ていないでしょ。皿は熱々での提供でした。しかしこの皿についてそこまでする必要があるのかと、疑問でした。ここでも意識の低さを感じます。チグハグで料理センスが感じられませんでした。蟹は水っぽく、紅ズワイだと理解しました。これも口元が割れている、客がお出汁をちゃんと飲めない器で、やはりセンスを疑いました。餡の味もありきたりで、満足できません。ただふり柚子は香っていました。)


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八寸:
そら豆(→意外にも甘く炊いてありました。)
帆立とうるい(→うるいが春を感じさせてくれました。)
鳥貝のぬた(→少ないですが旨味たっぷりで酒と合いました。)
菜花(→優しく茹でてありました。)
翁豆(→甘く柔らかいもので、これは完全にデザートでした。)
胡麻豆腐(→美味しいのですがやや味が薄めでした。)
車海老(→これも甘いです。口に合いません。)
八幡巻(→鰻を使っているのは良いですが、養殖でしょう。)
貝の黄身包み(→味が濃くて良いです。酒に合いました。しかしこう言ったら失礼かもしれませんが、コンビニでも買えるもののようにも感じた。)
白子ポン酢(→見るからにきめ細やかで質の高い白子でした。味も素晴らしい濃厚さで日本酒に最高に合いました。これは大当たりです。しかしここでも器使いがチグハグです。汁が残るのに口元が割れていて普通には飲めないのです。やはりサービスのセンスを疑います。)
からすみ(→いわゆる生からすみで、ねっとり濃厚で、お酒の最高のあてです。)


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焼き物:甘鯛の幽庵焼き 畳イワシ
(→器は温めての提供でした。甘鯛を幽庵焼きにする意味は何でしょうか。幽庵を感じにくかったです。新鮮なら普通に焼けばそれで十分ではと思います。すだちの種を除いているのはなかなかない気遣いで、客思いで良いです。すもも入りのみぞれも、松葉に刺したかぶらも甘くて違和感がありました。やはりここの味付けは口に合わないのかもしれません。)


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炊き合わせ:海老芋 蕪 福岡産筍 揚げ麩
(→熱々での提供です。蕪が柔らか過ぎで残念でした。海老芋はいい炊き加減で香りもして美味しいです。筍はそれなりですが、穂の美味しいところでそれはうれしかったです。)


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お食事:マコモダケの炊き込みご飯(お代わり:ちりめんご飯)
 赤だしなめこ入り 香の物
(→ここでマコモダケはないだろう。この各種食材がとても美味しい季節になぜマコモダケかと大いに疑問でした。全く攻めていないです。また、その御飯も、炊き上がりがべちゃっとしていて残念至極でした。おそらく大釜で全員分炊いて放置しているのだと分かりました。三つ星の資格ないでしょうと当時感じていました。お代わりで出てきたちりめんご飯は思ったより味が濃くないもので、おそらく自家製でしょう。美味しく頂けました。)


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水物:苺のゼリー寄せ マンゴー 生搾りオレンジジュース
食後のお茶:紅茶
(→苺、マンゴーとも甘くて満足しました。フレッシュオレンジジュースも少ないが美味しかったです。)





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レストラン訪問記:奈良市「而今」(未掲載)

奈良では一応評判が良さそうな和食店にランチ訪問してきました。とはいえ、短い期間にあれよあれよという間にどんどん値上げがされていき、さらにはランチコースが廃止となった上、ランチ営業も週1と激減して、どんどん敷居が高くなっていった印象のお店で、現在ランチで食事する際も、ディナーと同じ内容の食事を食べることになりますので、他店でいうランチコースは存在していません。


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お店の外観

店作りや内装、メニュー構成などうまい具合にまとまっていて、季節の美味しい定番料理をきれいに盛り付けて出してくれている印象で、総合的には満足度は高く、奈良で接待をしようとするならばまず選んで間違いのない場所かなと思いました。

反面、食材にも調理方法にも、料理自体にも店主の個性がほとんど感じられず、悪くいえば、正直つまらないお店なのかな、少し過剰に持ち上げられているかなという印象をもちました。口コミサイトで評価があるからといって、それだけで勝負した気になっている、自分はすごいと思っているなら残念過ぎます。

最近カウンターだけなのに京都の老舗料亭並みの値段を平気でとるようなお店が大増殖している印象ですが、そこで提供されているお料理にどれだけ料理人のきらめきが感じられるか疑問です。

こちらのお店もそれなりのお金を取りますから、それに応じた食材が出てくるのはある意味当たり前のことで、すごい、と驚くには当たらないと思います。それは客が出しているお金に見合った食材を出しているというだけで、それだけでは何もすごくないです。高い値段でいいものが出てくるのは当たり前です。その料理をありがたがっているのは客としてもお人好しすぎるでしょう。その高級食材は客が出しているお金の賜物でしかありません。

高い食材に頼れる分勘が鈍っているとしたら、料理人としては三流でしょう。ここのシェフのお料理にも、正直、才能の煌めき、驚き、感動はほとんどありませんでした。

例えば、最後のピラフは、海老の香りが勝ちすぎてピラフの美味しさなどが全く感じられませんでした。明らかに食材選びに失敗しているという好例でした。先日記事にした天ぷら屋「天徳」のかき揚げで同じ海老が入っていましたが、こちらは海老が主役なので香りが立っていて素材を活かせていた、という対照的な評価になります。

むしろ料金が控え目であり、制約がある中で工夫して、美味しさを追求しているお店の方が店主の志を感じますし、お店としても、客の懐を当てにして高級食材を張り込む、ある意味見栄だけの店よりは遙かにレベルが高いと思わざるをえません。

そう考えると、京都「なかひがし」さんや新潟(三条市)「Uozen」さんの、地元食材へのこだわりや、美味しさを追求したオリジナルなお料理の数々は素晴らしいと改めて思うわけです。

料理に満足しながら悪口を書くのもなんなのですが、あまり面白みを感じないお料理でしたし、それ以外にもちょっとした粗相があって、志が感じられないなと思ってしまってためにどうしても辛口になってしまいます。払うお金が高くなればなるほど、客が求める水準は上がります。そのあたりは、お店をされている方は心得ておいて欲しいところです。

まず入店時に、案内の方が「ご予約のじょるじゅ様です!」、などと叫ぶのですが、辞めて欲しいです。個人情報はどちらかといえば隠していくべき御時世になっています。

また、グラスシャンパンがあるとメニューにあるので、注文したところ、ありませんとの返事、あるいはこちらは口コミサイト上の記載なので店に責任はないかもしれませんが、クレジットカード使用可とありながら使えなかったことがありました。小さなことでしょうが、客にいちいちストレスをかけている時点で、三流店と認定されます。

また、先ほど値段のことを書きましたが、1年くらいの極めて短期間の間にコースの料金が3倍くらいになっていて、途中二度ほど値上げがあったり、ランチコース廃止があったりしたようでした。店主は何をしたいのか。口コミサイトを見て、これなら高くしてもいけると思ったのかも知れませんが、初心を見失っているようにしか思えません。そんなことより、料理人として研鑽して、もっとオリジナルな自分の個性が出たお料理を出せるように精進すべきだったのではないでしょうか。短期間の、何度もの値上げは極めて印象が良くないです。

また、これは放埒な客にも責任がありますが、振る舞い酒を仕事中に飲むのは辞めて欲しかった。常連からの杯で断れないかもしれないですが、その常連以外に対しても料理を提供する責任がある以上は、明らかに仕事の質が落ちるようなことは辞めて欲しいのがその常連以外の全ての客の思いでしょう。飲むなら知らないところで飲んで欲しい。しかしそれでは常連が自分が格好つけているところを周りの客に見せつけられなくて不機嫌になるでしょうから、そうして仕方なくカウンター内で、お礼なんか言いながら飲むことになるのですが、これはとてもとても不愉快でした。

最後に、数少ない良かったお料理を挙げると、海老しんじょうを四角にして揚げて白味噌に入れるのはお椀の味のコクが増して、工夫感じられて良いと思えた唯一のところでした。

また、店員さんはキビキビお仕事していてそれは良いですね。

生からすみ、マナガツオ、フグ白子、松葉蟹など、先日の「すしうえだ」で食べたものが出されていて、旬の高級食材について比べながら学べたのも楽しい体験ではありました。

かなり批判的に書きましたが、それでも高級食材でひとまずは美味しいお料理を提供してくれていますので、最初に書いたように、奈良で人を接待するとなったらまず最初に候補に挙がるお店ではありましょう。ただ、逆に言うと、それ以外の文脈ではもはや再訪する価値はないお店かなと私は思っています。


(いただいたもの)

コース16500+サービス料5%

生ビール 一番絞り中800
(→普通の泡でした。とびきりのなめらかさはない点で、店のレベルが低い方向へ評価されてしまいます。もっときれいな泡を提供しているお店はいくらもあります。)


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食前酒から:柚子酒


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先付け:鳥取松葉蟹 京都筍 長芋 木の芽 菜の花
(→蟹が甘くて香りが濃厚です。単純に美味いです。冬と春の出会いものでした。)


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お椀:白味噌椀 花びらもち仕立て 揚げ海老真薯

(お酒)而今 特別純米 1合1500


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お造り:フグぶつ はりいかと北海道産うに 鰤
(→はりいかのねっとり感が素晴らしいです。うにはなくても良いかと思いました。予算消化の構成でしょうか。ふぐは食感を楽しむものですね。至って普通です。鰤も美味しいですが普通です。)


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お凌ぎ:鯖寿司 炙り 
(→自分で巻いて食べます。ほとんど酢で締めていません。脂の旨味が爆発しました。素晴らしい美味しさです。日本酒が親友ですね。人生最高の鯖寿司でした。)


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八寸
さごし昆布巻き(→昆布の香りが強いです。やや塩が濃いめでした。)
田作り(→香りが良いです。)
なまこ(→これもふぐ同様歯応え楽しむものでした。)
鴨(→作り立てでふんわりしています。淡白だがお肉が香って美味しいです。)
黒豆(→ふんわり優しい炊き加減で甘いです。)
柿(→チーズが良い香りのアクセントですが、ありきたりかもしれません。)
炙りの生からすみ(→ねっとり濃厚に炙りの香りで素晴らしい酒の肴でした。焼き生たらこに通じます。贅沢です。)

(お酒)八仙 純米芳醇超辛 半合800程度?
(→辛口!而今より香りが落ちますが、食中酒としてはこれで充分でした。)


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焼き物:マナガツオ幽庵焼き
(→上品な脂が乗っていて、幽庵の具合も良くて美味です。繊細な美味しさでした。)


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椀物:蕪蒸し 愛媛産(又は長崎産)白甘鯛 ふぐ白子
(→焼いたふぐ白子がクリーミーで美味です。「すしうえだ」よりこちらの方が美味しさ引き出している感じがしました。とにかく繊細な餡で、白甘鯛の繊細な蕪蒸し美味しくいただけました。)


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お食事:明石かわつえびの海老ピラフ 香の物 味噌汁
(→本文にも書きましたが、海老の香りがやや濃すぎました。ピラフにするには個性がやや強いかも。こういうバランスの悪い料理を一つでも出されると、味のセンスがないと感じてしまいます。おかわりありましたが、海老は入っていませんでした。)


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水菓子:蜜柑ゼリー 苺
(→シンプルに見えて、実は手が込んでいて、そこは良いですね。苺のへたへの処理も、食べ手のことを考えてくれていて良かったです。)


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お抹茶とお汁粉





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レストラン訪問記:京都市左京区「草じき なかひがし」(★★)

前回こちらに伺った際に、主のおもてなしの心に感激し、それから再訪まで8年余の月日が経ってしまいました。


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入口の様子

コロナのためでしょう、厨房とカウンターの間にアクリルの仕切りが入っていたり、携帯用空気清浄機を首から提げることを要請されたりと変化がありましたが、お皿の上には変わらず魅力的な京都の自然の恵みが健在で、心洗われる思いでした。

ただ、前回はあれやこれやと声を掛けてくださった中東さん、今回は少し距離を感じる接客で、そこは残念というより、前回良い思い出になっただけに、少しさみしかったです。それでも、最後には少しお話することができて、ほぼ最後の客になっていたこともあり、店外に出てくださって、年越しの言葉とともにお見送りをしていただきました。

8年前にはもう少し詰めて客が座っていた記憶でしたが、座席の間に少し余裕がありました。やはりコロナの影響でしょう。

また、前回にはなかった、自然薯とからすみのTKG(玉子かけご飯)が、追加料金(1000)ありのオプションとして提案されていて、せっかくなので乗ってみましたが、これが大正解でした。南魚沼のコシヒカリにあぐらをかいた工夫のない新潟「鍋茶屋 光琳」のTKGとは比べものにならない美味しさでした。それぞれの素材の良さがいい具合に引き立て合っていました。


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カウンターから見える食事開始前の厨房の様子

今回は脇から料理を仕上げる姿を見られる、ある意味特等席に座ることができて、その意味でも楽しい体験でした。


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まずはお茶のおもてなし

この日は同業(飲食関係ではないです)の先輩とご一緒させていただきましたが、とても喜んでくださって、京都在住の先輩もリピート確実という感じでした。

前に来た時にはあまり厳密に知らされていませんでしたが(そもそもそのような制度があったのか分かりません)、一度来た客については、5か月先まで予約ができるということでした。仕組みについては、どうぞ訪問時に中東さんから直接教えてもらってください。

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八寸:(左上から時計回りに)カボチャと小豆 赤カブの絞り汁 カイワレ、ブロッコリとカリフラワー 諏訪の氷餅パウダー(雪に見立てて)、黒豆のから煎り、きんとん 銀杏 クワイ煎餅、アジメドジョウ、(真ん中)鹿肉の林檎サンド


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強肴:新米の餅米と猪の燻製 零余子(むかご) 辛味大根
(→かすかな脂分を小腹に効く御飯と共に頂けて尊く感じました。)


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お椀:白味噌 天然なめ茸 日野菜大根 日野菜の葉
(→寒い季節に入っていますので、体が温まる素晴らしいお椀でした。)


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焼き物:新巻鮭燻製酒粕醤油漬け 大原産下仁田葱 蜜柑ジャム焼き 引き上げ生湯葉 サツマイモ レンコン 紫芋 餅米素揚げ
(→酒粕を使ったりしている分、鮭もお酒の香りがして独特の風味です。)


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お造り:鯉(身・皮・鱗)の洗い 辛味大根 自然薯 岩魚の玉子 ラディッシュ 野蒜他
(→鯉は通年使用されているとのことですが、寒さが増して脂が乗っているとのことでした。これらを全てしっかり混ぜて頂く趣向で、混ぜれば混ぜるほど美味しくなるとのことでした。自然薯の粘り強いこと、混ぜるのに苦労します。)


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炊き合わせ:聖護院大根 金時人参 堀川ゴボウ 壬生菜 海老芋素揚げ(虎柄) 柚子味噌 ふろふき ワラビの葉をしいて
(→こちらには出汁は使っておらず野菜の旨味だけが出た残り汁をスープとして最後に奥の杯に入れて飲むという趣向でした。)


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お浸し:杓子菜
(→関東では小松菜、広島では広島菜というとのことでした。)


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煮えばな


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あけびの油炒め 小さな炒め物  香の物


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あけびの皮と身の白味噌油炒め


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香の物


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小さな炒め物(根菜類、こんにゃく、大豆、紅芯大根の炒め物)


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御飯とめざし 炒め物二品 香の物


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おこげ


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YKTKG(自然薯とからすみ入り玉子かけ御飯)


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ニューヨーク(お粥仕立て)

お食事:御飯(煮えばな・白い御飯・おこげ・YKTKG・ニューヨーク) めざし 香の物 小さな炒め物(根菜類、こんにゃく、大豆、紅芯大根の炒め物) あけびの皮と身の白味噌油炒め
(→御飯は、煮えばなは一口だけ、できあがりのタイミングで出されます。その後、普通の御飯を頂いてから、おこげ、YKTKG(自然薯とからすみ入り玉子かけ御飯)、ニューヨーク(お粥仕立て)と様々な変化形を頂けて贅沢です。)

さりげない小さな一皿に、とてつもない価値がある料理や食材があったりして、それについて特に主張しすぎることもなく、さりげなく出してくださるその姿勢が好きです。

個人的には、新潟の「玉城屋旅館」の夕食で出されながらその使い方が今ひとつで満足をさせてもらえなかったあけびが、ここではまさにあけびの真価を味わえる形でお料理になって出てきていて、今年の新潟での忘れ物を京都で取り戻したような気持ちになりました。

さりげなく、地味で、少量で目立たないお皿でしたが、これを出せるお店がどれくらいあるのかというと、おそらくほとんどないはずで、そう考えると、やはりとても貴重なお店なのだとしみじみ思うわけです。個人的な感傷に過ぎないとは分かりつつ書かずにはいられませんでした。


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水菓子:洋梨 干し柿 まめがき 柿 キウイ 人参の葉のシャーベットと冬苺 
(→クリスマス前ということで、サンタクロースを意識したものとのことでした。)

お昼のコースは基本的にみな同じ内容で、値段が高いコースは、最後にお肉や魚などの焼き物が一品入るという違いがあるだけとのことでした。

今回は、寒い季節にふさわしいお料理、食材をもっておもてなしいただき、最後のお食事の数々の鉄板ネタも全てしっかりご披露いただいて、今回も最後まで楽しい時間を過ごすことができました。

こちらには季節を変えてまた寄らせていただきたいと強く思いつつ、帰宅いたしました。


(いただいたもの)

お昼のコース(焼き物なし)8800

八寸

強肴(猪の燻製御飯)

お椀(白味噌)

焼き物(鮭)

お造り(鯉の洗い)

炊き合わせ(根菜類各種)

お浸し(杓子菜)

お食事:御飯(煮えばな・白い御飯・おこげ・YKTKG・ニューヨーク) 香の物 小鉢二品

水菓子(季節の果物と人参の葉のシャーベット)


飲み物:お番茶





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レストラン訪問記:西宮市(甲陽園駅)「子孫」(★★★)

2016年を最後に久しく出ていない兵庫版で三つ星評価の同店ですが、機会があって伺ってきました。お一人様での予約は受けていませんので、二人以上で予定を組む必要があります。

三つ星ともなると期待は高まるもので、寒くなったこの季節に、最初の方に、みぞれにして温かいお椀を出してくれたり、最後の甘味についても温かいお汁粉風のものを出してくれて、心配りが感じられ、そこはさすがと思いました。

ただ、最初の温かい汁物から始まって、総じて良い質のお料理を出していただけた一方で、三つ星に期待する感動や驚きは残念ながらありませんでした。

お昼の一番軽いミニ会席での利用ということだから仕方ないのかなと思ったりもしますが、ランチコースでも素晴らしい料理を出す三つ星はありますので、それを言い訳にはできないでしょう。

最初の白湯というか青紫蘇香煎が出てきて、ついで食前酒という流れでしたが、その後のお料理の数とのバランスからすると、二つもいらないのではと思ってしまいました。風流を解しない客、ということなのかもしれませんが、食前酒だけで良いでしょう。さらにいうと、食前酒は季節の香りを入れるとか、季節柄、燗して提供するとか、の工夫が欲しいところでした。

また、白子豆腐に続いて、お椀にセイコ蟹の真丈と、似たような料理方法のものが出てきて、それもつまらなく、料理人のセンスとしてどうなのだろうと思います。

味が良ければそれでもまだ救われますが、素材を加工するのであれば、素材がもつ良さ(味)以上のものを出さなければ、結局のところ料理人の自己満足に過ぎないと思います。今回の二つの寄せ物は、正直素材の味を引き立てているわけでもなく、単にその食材を使ったというレベルにとどまっていて、正直とびきり美味しいとまでは思えませんでしたし、感動などからはほど遠いかったです。

また八寸がいくつか出てきて、自分たちで取るスタイルでしたが、もう少し種類や量が欲しいところでした。中に、鯛の幽庵焼きがありましたが、今一つ美味しさが感じにくかったです。定番ではないくせ球で、どや、というつもりだったかもしれませんが、幽庵焼きに向く魚、向かない魚があるからこそ、鯛ではない例えば鰆など他の魚の幽庵焼きが有名なのだと思います。高級な魚だから良いだろうという安易な発想で作られた料理のように思えてしまって、こちらでもセンスに疑問を感じました。ただ、八寸の他のお料理はいずれも美味しかったです。


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個室から見えるお庭

それから、サービスも気になる点がありました。この日の食事は個室での食事でしたが、渡したコートを預かったり、掛けたりしてくれるのかと思いきや、外側を向けたままたたんで個室の畳の上に普通に放置していきました。これはどうなのかと正直サービスの在り方に疑問を感じざるを得ませんでした。

サービスで良かったのは、最後に店主と奥さんのお見送りがあったことでしょうか。また、お座敷では上げ下げが大変そうでしたが、仲居さん達は丁寧によくやってくださっていたようにも思いました。

お店の真価を知るならミニではないコースで行くべきなのだろうと学びましたが、京都の懐石のレベルなどを思う時、果たしてここに再訪する時間はあるのだろうかと、否定的に思わずにはいられませんでした。

また人に誘われるなどの何かの機会に尋ねた際には当ブログで是非報告させていただきたいと思います。


(いただいたもの)

お昼のミニ会席8800+サービス料20%(個室のため)


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青紫蘇香煎と卓上のしつらえ


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おしるし(食前酒:わたや(宮城県)特別純米)と先付け:鱈の白子豆腐


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お椀:せこ蟹真丈 なめ茸 吹雪仕立て


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お造り:スマガツオ アボカド 汲み上げ湯葉のとろろ掛け


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しらすとうずらの玉子の温泉玉子 こんにゃくそば


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菊菜と大徳寺麩 干しぶどう 胡麻和え


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鯖寿司と鯛の幽庵焼きに干し柿

八寸:(左上から時計回りに)しらすとうずらの玉子の温泉玉子 こんにゃくそば、菊菜と大徳寺麩 干しぶどう 胡麻和え、鯖寿司と鯛の幽庵焼きに干し柿


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煮物:ぶり大根
(→美しい、にごりのないぶり大根です。ぶり大根を聞いていて、上の皿を開けた瞬間に、頭の中に思い描いているものとの違いが大きく、驚きがありました。美しく、素っ気ない外観に見えますが、しかし味はしっかり洗練された上品ながらも、しっかりとぶり大根のお味で、間違いなく人生一のぶり大根でした。)


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お食事1:埋(うず)み豆腐 香の物
(→師走に禅寺の僧侶が食べるものとのことでした。忙しい中、さっと食べられるように、豆腐の上に御飯、お味噌汁を掛けて食べるようになっています。)


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お食事2:ちりめん山椒御飯 香の物 


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デザート1:フルーツ ワインシャーベットがけ
(→何もないより美味しいのですが、生とコンポートが混在していて、舌が混乱するという意味で、素直に美味しいと味わえない面がありました。何も考えずに食材をただ盛り合わせる、食材を加工する、そういう動きをしている時点で三つ星評価に相当するのかと疑問を感じてしまいます。)


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デザート2:お汁粉 
(→ひえや粟といった雑穀の入ったと思われる歯ごたえの良いお餅がとても美味しいです。また里芋が栗の役割を担うようにして入れられていて、こっくりとした身が体に沁み、とても良い存在感を放っていました。小豆は甘さ控え目に炊かれていて、こちらも抜群に美味しかったです。)


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食後のお茶:抹茶



飲み物

・生ビール880+サービス料20%
(→素晴らしく美しい泡でした。)

・日本酒:而今 純米吟醸 グラス1320+サービス料20%
(→やはり華やかさ、フルーティさが素敵なお酒です。先週に続いて而今が飲めるとはなんとも幸せでした。)


テーマ : グルメ情報!!
ジャンル : グルメ

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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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