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レストラン訪問記:高山市(飛騨高山駅)「洲さき」(★★)

飛騨国一宮は観光地として賑わう高山市街にはなく、飛騨高山駅からローカル線で一駅いった飛騨一宮駅が最寄り駅の水無神社です。今回の旅の一番の目的は飛騨国一宮の御朱印でしたが、もう一つの目的が岐阜の鮎を頂くことでした。

前日には岐阜市内の中華料理店で鮎の春巻きを頂いて、この日は高山市内の料亭にて、昨日と同じくお昼に、岐阜の天然鮎を頂いてきました。

飛騨高山は当初城下町として成立しつつも、江戸時代初期から天領となって幕府の代官所が置かれた場所で、古い町並みと自然が調和した風情ある町でした。


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その代官所、高山陣屋のほど近くにあるのが、江戸時代後期創業のまさに老舗といえる料亭「洲さき」です。お店のパンフレットを見て、司馬遼太郎氏が30年以上前にここで食事されたことを知りました。


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歴史的建造物が建ち並ぶ絶好のロケーションにあって、そこにお店があるのかすらもわからないくらいに町並みと一体化しています。目立った看板もメニュー表も掲げられておらず、そこを目的として訪れる客しかその存在に気付くことはないくらいにひっそりとそこに佇んでいました。


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のれんも夏の仕立てでしょうか。涼しげな生地が使われていました。


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のれんをくぐると広い土間があって、ここは江戸時代のままとのことでした。上を見上げると天井がとても高くて、昔の造りであることがよく感じられます。

土間を越えた先で靴を脱いで客室に案内していただきます。


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お一人様ですが、きちんと個室を用意して下さるのが料亭です。


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広い庭には面していないものの、坪庭が脇にあって、かすかな光を運んでくれています。コロナ感染対策のためでしょうか、最初から最後までずっと戸を開放したままにしていたために、他の部屋のお客さんの話し声が聞こえてきました。それでも、一番奥の部屋でしたので、とても落ち着いて、くつろぎながら食事を最後まで楽しむことができました。


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床の間の方に簡素に活けてあるお花もまた高山の自然を切り取ったものでしょう。ひなびた美しさが感じられます。


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立派な漆塗りのテーブルを始め、しつらえられた調度類も大変立派なものでした。

部屋に通されてしばらくして飲物の注文を聞きに来てくれました。飛騨の地酒各種にビール、焼酎、ワインと一通り揃っているのはさすがです。日本酒の揃いが特に良く、製造者、銘柄、酒度、量、値段などもきちんと明記してあって、そういう点も印象が良かったです。

メニュー構成を伺うと、お造りなどはないようでしたし、暑い中を歩いてきたので、生ビールを頂くことにしました。やや小さめのグラスでの提供ですが、ものすごくきれいな泡で、感動しました。今時美味しいビールを提供されるお店はそれなりにありますが、それでもこうした格式のあるお店で美味しいビールが提供されると、こちらの期待に応えてくれているように感じてほっとします。


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お食事のはじまりにあたってお猪口一杯のお酒を提供されることがありますが、ここでは冷たい煎茶が一口提供されました。当日は予報に反してとても良く晴れた日で暑くもあり、とても気が利いていて良い趣向だなと思いました。

この日のお食事はこの食前「茶」から始まりましたが、この日のお料理を貫くコンセプトのようなものに後から気付くことになりました。それは、「涼を運ぶ」というものです。

暑い最中なのである意味べたかもしれませんが、料理の端々にそのコンセプトが感じられて、お店の料理のレベルの高さや、店主の料理で客をもてなす心意気のようなものをも感じることができ、私の中でお店に対する評価が嫌が応にも上がりました。


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さて、食前茶の後に、お酒と八寸がいい具合に揃ってお料理が始まりました。

どれも丁寧な調理が施されていて、美味しく、お酒が進む一品ばかりでした。個人的には茶巾茄子や鰻もどきが気に入りました。鰻が捕れる季節ですから鰻を出してくれても良いでしょうが、これはこれでかなり再現率が高い、良い出来でした。

中央のゼリー状のものは寒天で固めたもので、見た目通り甘味でした。こうした和食店でこの色の食べ物はかなりの冒険だと思うのですが、ここにも「涼を運ぶ」コンセプトを見ることができ、気持ち良かったです。


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正直夏でも熱々のお椀が出てくるのが京都では普通だったので意表を突かれました。夏だから珍しくもないのでしょうが、今回提供されたのは冷たいお椀でした。冷製スープがあるのだから、冷たいお椀ももっとポピュラーであってもおかしくないと思いますが、これまでほとんどお目にかかったことがありませんでした。このお料理もまた「涼を運ん」でくれました。

抹茶仕立てで、蓴菜が入っていて、これらもまた涼しげな演出に大いに役に立っています。蓴菜はこういう風に使うものでしょう。半透明の汁の中だからこそ蓴菜の透明感が活きるというものです。

中央の黒いものは本わらび粉を使ったわらび餅で、色からして本物ですね。もちろん無味ですが半透明でつやがあり、お椀の汁と共に涼しさを感じつつ頂きました。全体をゆずの爽やかな香りがしめてくれていました。


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この日のお料理のメインがこちらでした。高山市内を流れる宮川支流の川上川で捕れた天然の鮎の塩焼きです。これを食べに来たと言っても過言ではなかったので、ありつけて感謝でした。

魚の向きについては「海腹川背」ということで御了解下さい。

懐石だと蓼酢を出すのが一般的ですが、こちらは生の蓼の葉を載せています。ワイルドですね。こういうことができるのは地方の料亭だからこそと思い、むしろ好印象でした。しかし実際味わった蓼の葉はさほど癖があるわけでもありませんでした。

骨までしっかりと炭火で焼かれているため、全部食べることができます。これはすごいです。もっと食べたいくらいでしたが、一匹でも濃厚な内臓の旨みを感じつつ、相性抜群のビールと共に頂くことができ、私にとっては最高のメインで大満足でした。


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揚げ物も、ただの揚げ物ではありません。岩魚を使っていたり、それをあられと揚げたり、茗荷を吉野葛と揚げたりと工夫があり、もちろん美味しさもありました。あられ揚げはおかきの要領で、良い香りがします。また厨房から距離があるはずですが、熱々で提供していただけたのも良かったです。

岩魚は、この日水無神社のいけすで見ていたので、不思議な御縁を感じました。背中の斑点が美しい山にすむ川魚です。夏野菜の唐辛子もまた味が濃厚で美味しかったです。


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見た目に美しいお料理で、こちらもその色合から「涼を運ん」でくれました。蒸し料理として提供されたと理解しています。山葵がいい仕事をしてくれていました。

これまでの流れからすると少し唐突な印象ではありましたが、見た目良し、味良しでしたので、さほどは気になりませんでした。


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このあたりでお酒もなくなっていて、食中茶としてほうじ茶が提供されました。


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そして次に、冷たいお蕎麦が提供されましたので、こちらで最後かな、これがお食事代わりかなと思っていたら、これはおしのぎのような位置づけで、お食事の前の最後のお料理でした。とても気前が良いと思いました。

十割ではなく、あくまで冷たくして美味しいのどごしで食べられるように打ってあるお蕎麦で、ここでも涼を感じられました。

また枝豆のかき揚げが入っていて、これももちろん美味しくて気に入りました。単なるかけ蕎麦だったとしても満足したでしょうし、都会ならそちらの方が圧倒的に多いように思います。地方のお店は、その盛りの多さや食材の使い方から、気前が良いというか、優しさがあるように感じることがしばしばありますが、この枝豆のかき揚げはまさにそんなお料理でした。


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お食事は白い御飯でしたが、おひつにたっぷりと入れておいてくれました。御飯をおひつに入れて出しておいてくれるのも、また地方ならではの気前の良さかなと思いました。

御飯は米が粒立っていてさすがプロの仕事です。焼き茄子と茗荷の入った田舎風のお味噌汁は合わせ味噌の味に深みがあり、最後に忍ばせてあった辛子が口に入って、当たったと思いました。自家製のお漬け物はいずれもみずみずしくてとても美味しいです。

御飯、お味噌汁、香の物が三位一体となって抜群に美味しくて、かなりな量をお代わりいたしました。量はともかく、ここでお代わりをしない日本人はそうそういないでしょう。


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水菓子は、スイカ、オレンジ、飛騨メロン(赤肉)とのことでした。もちろん美味しいですし、これらも「涼を運ん」でくれました。

水菓子が入ったこのお盆は明治時代の飛騨春慶とのことで貴重なもののようでした。

結構な量を食べたのでお腹が落ち着くのに少し時間がいりましたが、本当に静かな時間が流れているので、ゆったりとできて、その点でもとても良かったです。

サービスもつかず離れずで、気配り、目配りがされていて、丁寧ですし、不愉快に感じた点は一つもありませんでした。

しかし、場所やジャンルが異なるとはいえ、前回カフェのようなところで他の客と一緒の大部屋で食べさせられた「北じま」さんと、こちら「洲さき」さんとで、お酒を抜いたお会計が1000円程度しか違いがないから驚きです。どちらを選ぶかと問われれば、問われる前から答えは明らかでしょう。

今回初めての旅で飛騨高山が大変気に入りましたので、今後もまた飛騨高山を訪れる際には四季折々の美味を堪能するべく、こちらに伺いたいと思いました。また、今回はランチの一番軽いコースでしたが、次回以降はその他のコースもまた色々と楽しんでみたいです。飛騨牛のステーキをメインに据えたコースもあるようで、柔軟な姿勢があって良いですね。

こちらのお店と良い御縁を結ぶことができ、その意味でも思い出深い旅となりました。


(いただいたもの)

飲物:生ビール(エビス) グラス


ランチコース(味暦)

食前茶(冷煎茶)

八寸(左から時計回りに):茶巾茄子寒天寄せ(イワナシ入り)鰻もどき(豆腐と海苔)、冬瓜の笹型サツマイモのレモン煮紅鮭の芋寿司

お椀:冷たいお吸い物(抹茶仕立て) 蓴菜 わらび餅団子 ふり柚子

焼き物:宮川支流川上川(飛騨高山)産天然鮎の塩焼き 蓼の葉 矢生姜の煮物

揚げ物:岩魚のあられ揚げ 茗荷の吉野揚げ 青唐辛子

蒸し物:蒸し鶏 叩きオクラ 山葵

おしのぎ:冷たい蕎麦 枝豆の衣揚げ

お食事:白御飯(飛騨産コシヒカリ)、焼き茄子と茗荷入りお味噌汁(糀味噌と赤味噌の合わせ味噌)、香の物三種(一口茄子の一夜漬け、大根、昆布)

水菓子:スイカオレンジ飛騨メロン(赤肉)




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レストラン訪問記:祇園「味ふくしま」(★)

定期的に京都に訪れるようになってからしばらく経ちました。懐かしい思い出も沢山ありつつ、新しいスポットができていたり、見知らぬ史蹟などにも思いがけず出くわしたりするので、京都はいつ行っても飽きることがありません。

京都のカジュアルな料理店にももちろん興味があるのですが、限られた機会ということもあり、よほど観光に時間が取られるというような場合でない限りはやはり和食店に足が向きます。

今年の花の季節から、「京料理藤本」、「祇園かじ正」、「悠々」とミシュラン一つ星で5000円未満で懐石のコースが(まがりなりにも)頂けるお店で食べてきました。

もう一軒、西陣にある「ふじ義」さんが上記設定でコースを提供されているようだったので、電話したところ、二名様から受付とのことで断念しました。コスト計算などあるでしょうが、一人でも客がありがたいはずの時代にあって潔ぎ良すぎるなあとかえって感心しました。京都には星の数ほど和食店がありますから、こちらとは今は少なくとも御縁がなかったものと納得しました。

そのようなわけで今回、5000円未満でランチコースを設定している最後の一つ星店としてこちら「味ふくしま」さんで食事を頂いてきました。こちらはランチはこの一つのコースしか用意されていません。


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某グルメサイトで比較的高めの点が出ていることから少々警戒していったのですが、そんな評価とは関係なく、真面目な料理人の方が誠実にお仕事をして、良いものを提供されているお店でした。祇園の花街の中という素敵な立地にあり、しつらえも良く、とてもくつろぐことができ、美味しい食事とあいまって大満足しました。

警戒対象には、たびたびこのコロナ禍で傍若無人にマスクをせずに大声でしゃべり続ける客の存在というものも含まれていたのですが、この日は平日だったこともあってか小さめのカウンターは他に客はおらず貸切り状態で、それも杞憂に終わりました。


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午前中に寺社参拝は終えていて、午後には寺社に伺う予定がなかったため、久しぶりにビールをお伴にお料理を頂きました。


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お酒は各種美味しそうなものが並んでいました。「風の森」、「松の司」など好みです。一合のお値段を伺いましたが、とてもリーズナブルな値付けでした。


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卓上には簡素な折敷が置かれていました。清潔なおしぼりも気持ちが良いです。


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先付け:毛蟹 ゆば そうめんかぼちゃ

先付けは、湯葉、そうめんカボチャ、毛蟹を和えた一品で、繊細な一品です。それでいて、広島の某フレンチ店と違って、味もしっかり分かり、かつ量もあって満足できました。

湯葉の優しいこくとわさびの辛味、花紫蘇の爽やかな香りが絶妙なバランスで、似た食感の毛蟹やそうめんカボチャと良く絡んでとても美味しく頂けました。


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お椀:鱚と叩きオクラ

懐石の華であるお椀は鱚(店の人も産地不明)と叩きオクラでした。お出汁はやや淡泊な印象でしたが、しつこさがない分とても気持ち良く頂けました。鰹の香りが立っていたように思います。ただ、お椀が少し地味だったのと、お椀の上の方が少しだけ欠けていたのが残念でした。客が少ない(あるいは一人な)のだから、欠けのないお椀を使うこともできただろうにとの思いでした。


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お造り⑴:淡路産鱧の炙り 梅肉 二倍酢

続いてお造りが二種出ます。最初に出てきたのが、旬の鱧で、梅雨が進むにつれて脂が乗ってきているとのことでした。淡泊な鱧ですが、焼き霜にすることで味が少しでも濃縮されるため、より繊細な脂を楽しめました。定番の二種のたれがありましたが、個人的にはさっぱりした二倍酢が好きでした。梅肉がよりポピュラーかもしれませんが、梅肉は香りが強くてそちらが勝ってしまう印象です。


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お造り⑵:瀬戸内産めいたがれいの大間産うにまき 塩 醤油

夏が旬の淡泊なカレイで雲丹を巻いた一品でした。分かりやすいお味で濃厚な雲丹が白身の美味しさを増していました。白身には塩を合わせるのが好きですが、雲丹の濃厚さがあることから、ここで御用意くださったように醤油で頂くのが正解だったように思います。


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炊き合わせ:大阪産丸茄子の揚げ煮 さやえんどう

個人的にはこちらが一番好きなお料理でした。旬の大阪の丸茄子を丁寧に揚げ浸しにしていますが、家庭料理を超越した繊細な味付けで、一口一口が尊い、そんな美味でした。


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おしのぎ:青瓜の寿司

季節の青瓜の浅漬けのお寿司でした。頂いて、口の中も、気持ちもまたさっぱりとしました。


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そろそろお食事かな、でもこの値段だったらあと二品は出るかな、等と考えていたら、目の前に蓋がついたこの籠が置かれ、店員さんが、お弁当ですと言って去っていかれました。

一般的な懐石の流れでは、最後に締めのお食事ということになるので、どんなご飯が出るのだろうと考えていましたので、これは予想を裏切られて、ちょっとした良い方の驚きでした。

ただ籠の隙間から、中身がかすかに垣間見え、なにやら色々なお料理が入っていそうなので、これはもしかして宝箱のようなものかと思って蓋を取ってみました。


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お弁当:鱧と胡瓜の酢の物、カマスの幽庵焼き、生麩田楽、蒸し鮑、枝豆、山桃の蜜煮、大根漬けと昆布、新生姜入り俵むすび、出汁巻き、トウモロコシのかき揚げ、アマゴの南蛮漬け、胡瓜で巻いた錦糸巻き

すると、多彩なおつまみがぎっしり詰まった、文字通り贅沢なお弁当になっていて、一気に気持ちが上がりました。

食事の最初に、八寸としておつまみを出すのが懐石の流れでは定番だと思っていましたが、こうした変化球もまた面白いと思います。流れを知っていたら、もう少しビールを残していたかもしれません。それは次回以降に向けての教訓にしましょう。

青紅葉で飾られたお弁当には、左上から、鱧と胡瓜の酢の物、カマスの幽庵焼き、生麩田楽、蒸し鮑、枝豆、山桃の蜜煮、大根漬けと昆布、新生姜入り俵むすび、真ん中の上から、出汁巻き、トウモロコシのかき揚げ、アマゴの南蛮漬け、胡瓜で巻いた錦糸巻き(アマゴの下。写真では見えず。)がぎっしり詰まっています。

いずれも丁寧に調理されていて美味でした。鮑は柔らかくて味も染みていました。焼いたお麩を食べられたのも良かったです。ただ、トウモロコシのかき揚げは、揚げ立てて出してくれていて美味しかったのですが、火入れにむらがあるせいか少し焦げ付いた部分があったりして、最後まで詰め切れていなかったところが見られたのは残念でした。


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水菓子:長崎の枇杷のコンポート 山梨のさくらんぼ

長崎産枇杷のコンポートと山梨産サクランボが食事の最後に提供されました。枇杷のコンポートはとても甘かったです。またサクランボも甘くて美味しかったので満足でした。


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食後は番茶を2杯頂いてお店を出ました。

店主はとても穏やかな方で、おかげでとても落ち着いて心静かに食事を楽しむことができました。最後はお見送りまでしていただいて恐縮でした。

祇園の真ん中という立地と、落ち着く簡素なしつらえ、店主のおもてなしの心と丁寧に調理されたお料理とで、総じて満足し、安心して家族、友人と訪れることができる名店と認識しました。

また機会がありましたら是非再訪したいと思います。


(いただいたもの)

ランチコース

先付け:毛蟹 ゆば そうめんかぼちゃ

お椀:鱚と叩きオクラ

お造り二種:
・淡路産鱧の炙り 梅肉 二倍酢
・瀬戸内産めいたがれいの大間産うにまき 塩 醤油

炊き合わせ:大阪産丸茄子の揚げ煮 さやえんどう

おしのぎ:青瓜の寿司

お弁当:鱧と胡瓜の酢の物、カマスの幽庵焼き、生麩田楽、蒸し鮑、枝豆、山桃の蜜煮、大根漬けと昆布、新生姜入り俵むすび、出汁巻き、トウモロコシのかき揚げ、アマゴの南蛮漬け、胡瓜で巻いた錦糸巻き

水菓子:長崎産枇杷のコンポート 山梨のさくらんぼ





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レストラン訪問記:北大路「悠々」(★)

最近京都に伺う機会が増えています。京都に行けばまず和食を食べたいのですが、一方でその他ジャンルでも興味深い食事が色々あって、なかなか追いつけません。ゆるゆると訪問し、また少しずつこちらで記事にしていければと思っています。

さて、今回は北大路駅近くのこちらの和食店に行きました。正直再訪はないでしょう。味がそんなに悪いとも、店主のもてなしがさほど悪いとも思いませんでしたが、色々と違和感があり上記結論になりました。

一番気になったのは、緊急事態宣言下の京都でしたが、酒類提供店については休業が要請されているにも関わらず、平然とお酒を提供されていたことでしょうか。

酒類提供とコロナ感染拡大に関連なしという主の主張は理解できなくはないのですが、この状況で酒類を提供したまま営業を続けることの見栄えの悪さに思いがいかないところに厳しい沙汰をせざるを得ません。少なくとも一流のお店の対応ではありません。


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次に、この日の予約は私だけだったのですが、のれんが外側に掛けられておらず、あたかも閉店しているかのような外観で、さらに、最初店内が照明を消していたようで、すごく暗かったことが気になりました。一人でも客がいるのだし、営業もしているのだから、もてなす姿勢をきちんと見せてほしかったです。

最後に、これは細かいことですが、冷たいお茶として有料のお茶を勧められましたが、これもやはり嬉しくないです。

冷たいほうじ茶を用意されていて、お客さんの好みに合わせて(無料で)どちらかを提供して下さる「京料理 藤本」さんのお心遣いが素晴らしすぎるのかもしれませんが、まずお金のことを考える店と思えてしまい、どうしても印象が悪くなってしまいます。


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全体として味は悪くないのですが、お食事のところで追加料金が発生する仕組みと知らず(上の写真参照)、ちょっと意表を突かれました。3000円台のランチでのパフォーマンスを測る機会として伺っていて、4000円を超えるお会計にはしたくなかったので、そのラインをぎりぎり超えない範囲で、自分の好みに合う鯖寿司をお願いしました。浅めに締めた鯖は脂が美味しく、こちらを選んで正解でした。

ただ、お椀もお造りもなくこの値段(3900円(=コース3300円+鯖寿司の追加料金600円))はパフォーマンスとして不十分ではないかと思ってしまいます。「京料理 藤本」さんがすごすぎるのかもしれませんが(同店を3月に訪れた際の記事はこちらから)。

ミシュランの星付き店で、比較的安価なランチの設定をしているお店の一つとして今回こちらを選びましたが、結果としては冒頭のような結論になりました。

しばらくその線で星付き店のランチコースを試していこうと思っています。ゆったりとしたペースにはなりますが、今後も楽しみにお待ち下さい。


(いただいたもの)

ランチコース


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先付け(左下から反時計回りに):
名残りのほうれん草 錦胡麻 食用ツツジ
愛知県加藤農園のフルーツトマト うすい豆のペースト
かます 梅肉和え 食用ツツジ
(→かますは梅肉が勝ちすぎてすっぱい。季節感はあるが。あぶったと思われるかますの刺身は美味ではありました。フルーツトマトはやや甘い程度です。柏の葉やツツジ、梅肉に季節感がありました。)


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揚げ物ホタルイカ(名残り)と美山産野生こしあぶらの天ぷら
(→山菜は独特の香りがあり良かったです。また、ホタルイカはわたが弾けるので旨味が抜群です。)


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炊き合わせ:大原産タコタコの子
(→上品なお出汁で美味しく炊き上がっているますが、ほんのり甘い出汁で京都では珍しい印象です。タコは硬すぎということはないが、ものすごく柔らかいとまでは言えません。タコの子はとても上品な味で美味しいです。木の芽の香りが全体を引き締めて良いお仕事していました。ただ、汁を吸う料理に陶器は、口や舌にざらついて合わないかもしれません。筍も例年5月いっぱい楽しめるとのことでしたが、今年はこれでおしまいとのことでした。)


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お食事鯖寿司(10種類から選択)
(→赤出汁付き。キュウリの漬物は古漬けという感じで独特の香りがしました。)


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水菓子日向夏と長崎産枇杷
(→いずれも甘くて、良いものを吟味されていると思いました。)





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レストラン訪問記:新町通御池「京料理 藤本」(★)

花に誘われて京都、奈良を巡った旅でお食事した最後のお店です。こちらでは直近の広島での悪夢を払拭する素晴らしいお食事を頂くことができました。

必ずしもいつも良い出来事ばかりが起こるというわけではありませんが、京都に行くと、何かいつもわくわくすることに巡り合えます。お花の季節で人々の心が浮き立っている季節ならなおさらのことです。


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カウンターには二種類のお花が飾られていました。私の席に近いところにはよく花がついた啓翁桜が活けられていました。

この日はお花真っ盛りの時季でしたがお客さんは私だけで、その意味でも飛沫や喧噪から解放されて、くつろぐことができとても快適な時間でした。


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お料理一つ一つに丁寧な仕事がされています。先付け、お椀と続いて、それぞれに旬の食材の香りが立っていて、食材の組み合わせがありきたりでないところもあったりして楽しく、食べていてとても気持ちが良かったです。


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寺社巡りの途中でもあり、食中はアルコールは飲まずにお茶を所望しました。熱いお茶ももちろんありますが、冷たいお茶も(ノーチャージで)御用意くださっています。そこまでしなくても良いかもしれませんが、これからどんどん暖かくなるのですからお客さんにはとても優しい配慮で、おもてなしの心を感じます。脱帽です。


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例えば、この先付けは、今回巡った3店ともホタルイカを使ったぬたという点で共通していましたが、中に入っているお野菜がうるい、ねぎといった定番の枠を超えて、グリーンピースやホワイトアスパラガスなどが入っていて、より楽しめました。肝心のお味噌も辛子味噌ではなく、お味噌から感じられた木の芽の香りが素晴らしく、私はこちらの方が好みでした。


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続いて出てきた懐石の華、お椀ですが、自家製の胡麻豆腐の香りの良いこと。平目が入っていますが、主役は胡麻豆腐でした。吸い地もとても繊細ないいお出汁です。


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お造りもランチだと二種類くらいのところが普通ですが、こちらは少量で他品種を出して下さいます。どちらが好みかは人それぞれかもしれませんが、私は色々な味が楽しめる方が嬉しく、お皿が出された時点ですでにときめいていました。


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焼き物については、あえて皮をとって串で焼いているのでしょうか。こちらについては、同じ桜鱒でも、皮付きで焼いていた「祇をん かじ正」さんの方が脂が楽しめて美味しかったです。ただそれ以外の点では、あらゆる点でこちらの方が圧倒的に上でした。


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ご飯には氷魚が載っていて、ただの白いご飯で終わらないところに、店主の心意気を感じることができました。季節を考えつつ、個性を示そうとされる姿勢が素敵です。


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最後のデザートはこの日は5種類から好きなものを選べる形でした。食べ放題ではないですが、全種類をお願いできます。もちろん私も全種類お願いしました。ただ作り置いたものを器に盛るだけではなく、目の前でちゃんと最後の仕上げをして整えてくださいます。その心配りも素晴らしいです。


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こちらがカウンターの反対側に置かれていたお花です。

今回も前回同様素晴らしい食の体験ができた奈良桜井市の「味の風 にしむら」さんとの比較においても、先付けやお椀の胡麻豆腐で感じさせてくれた素材の風味のおかげで、こちらの方が上と思いました。

ただ、お造りについては、「にしむら」さんは二種類だったとはいえ、寝かした明石の鯛はやはり特別に美味しく、両者甲乙付けがたいです。

焼き物については奈良の朝掘りの筍を贅沢に味わえた点で「にしむら」さんの方が良かったですが、最後のデザートの充実ぶりもあり、さらにお値段もより控え目ということもあって、やはり最終的にはこちらのお店での食体験が上という感想に落ち着きました。

お料理の質と量、そして最後の圧巻のデザート群で驚きの価格設定です。また折に触れ、季節の食材を愛でにこちらに伺いたいと思います。


(いただいたもの)

ランチコース
(一番お値打ちのコース。他にも希望により各種コースを御用意して下さるとのこと。)

先付け:
富山湾産ホタルイカと春野菜(ホワイトアスパラ、せり、グリーンピース、菜の花など)のぬた 
木の芽味噌あえ

お椀:
明石産平目 自家製胡麻豆腐
しめじ つるな(葉っぱ)
花柚子

お造り:
七尾産天然本鮪
北海道産甘海老

長崎産しめ鯖(炙り) タスマニア産粒マスタード
長崎産剣先烏賊
明石産桜鯛


焼き物:
福井産桜鱒 白味噌幽庵焼き 大根おろし

お食事:
白いご飯 氷魚(鮎の稚魚)の生干し
味噌汁
香の物

デザート:全5種類から選択
アールグレイのシャーベット
赤ワインのシャーベット オレンジとキュウイ
黒糖くず餅
イチゴのミルク餅(道明寺粉)ホワイトチョコの練乳がけ
生クリームとグレープフルーツのミルフィーユ



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レストラン訪問記:桜井「味の風 にしむら」(★)

今回は、桜旅で伺ったお店の二軒目です。奈良のお店なので評価は2017年Web限定特別版でのものになります。

かなり前に初めて伺って、気に入って二度目の訪問をしたのが7年前でした。それまでは個人的な課題にかまけてなかなか旅に出ることができませんでしたが、今回は大神神社に伺い登拝した帰りに寄らせていただきました。

しばらくぶりでしたが、前回色々とお話をしたので主の西村さんはこちらのことを覚えていてくれました。

以前いらしたお弟子さんは独立されたとのことで、調べてみると近くの畝傍・八木西口で「割烹 森本」を開かれているようでした。こちらはHPもあり、献立が「にしむら」と同じで価格はより抑えめです。こちらにも一度は伺ってみたいと思いました。ミシュランで主と同じ一つ星の評価がついています。


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さて、今回ほぼ同じような時期に和食店を訪れたということもあってか、食材のかぶるところがいくつもありました。それでも各店主の個性が分かるので食べ比べの感覚で楽しめました。


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一番分かりやすかったのは、先付けで出されたぬたでしょうか。基本的にうるいとホタルイカを使っていて、お出汁であったり、お味噌であったり、他のお野菜であったりといったところに違いが出ていました。

こちらの先付けは典型的なうるい、ホタルイカを使った辛子味噌のぬたでした。お出汁がジュレになっているところに、食べ手のことを考えた優しさがあるように思いました。「かじ正」では単に水状だったので、お出汁なのか野菜から出た水分なのか分かりませんでした。


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お椀は美しい螺鈿を配したものでした。吸い地には貝の良いお出汁が出ています。貝の火入れは絶妙で、貝が甘かったです。海苔も新海苔ということでしょうか。季節の香りが堪能できる幸せな一品でした。


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中の大根が細い免状になっていたりするところなども、新しいことを取り入れようとする主の姿勢を感じることができて、その点も良かったです。


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特にこだわりがあるとお見受けする明石の真鯛のお造りは、時によって違うかもしれませんが、今回は3日寝かせて旨みを引き出したもので、お造りが二種類でも大満足できました。


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共通する食材が多いと書きましたが、京都の二店では、焼き物がいずれも桜鱒でした。こちらでは今回、明日香村の朝掘りの筍を焼き物としてふんだんに食べさせてくれて、大満足いたしました。

甘辛だれな味が絶妙です。ホクホクして、みずみずしさもあり、旬を味わう喜びがありました。ややえぐみがありましたが、許容範囲の中で、うまいうまいと頬張れる美味しさです。素揚げにして焼いている分、かすかな油分が筍をより美味しくしていたように思います。

季節的には筍の季節ではありますが、やはり地元の食材を楽しめるのは旅先での食事ならではの楽しみです。


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お食事は白いご飯に繊細なちりめん山椒をかけたものです。ご飯はやややわらかめでした。これに自家製の香の物、お味噌汁がつきます。


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香の物では、菊芋のぬか漬けが珍しかったです。また、大根の漬物が絶妙な甘み加減でこれまた美味しかったです。


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お味噌汁は贅沢にお出汁を使っていて鰹節の香りが立っていて、家庭で食べるものは明らかに違います。地味ですが、とても贅沢なお料理ですね。


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ちゃんと甘い物の用意もあります。道明寺を夜桜に見立てた、季節を感じさせる水羊羹でした。手作りなのでとても純粋なお味で、最後まで楽しめました。水出しの煎茶が良い香りで心地よかったです。

サービスですが、ご年配のお客さんにはお造りを小さく切りましょうかと提案していたり、心配りが行き届いています。

最後まで頂いて、昼も夜も同じ情熱でお仕事されていて、お客さんにいいものを提供しようとする姿勢が以前と変わらず感じられて、また伺えて良かったと思いました。

特に、お昼はお値段抑えめで、奈良のお野菜や河岸の上質なお魚を使った、手作りの良いお料理を提供してくれます。今回は軽いコースでしたが、上のコースには真鯛のあら炊きがついているようでした。

お店のある桜井周辺には、大神神社、長谷寺、室生寺、談山神社、文殊院など、見所も多いので、近くに行かれた際には立ち寄られることをお勧めします。


(いただいたもの)

ランチコース(二種類のうち軽いコース)

先付け:
ホタルイカ
わけぎ うるい 辛子味噌
ジュレがけ

お椀:
はまぐり 大根
せり のり 柚子胡椒

お造り:
明石の鯛 和歌山産ケンケン鰹
黄韮 こごみ
塩 わさび

焼き物:
明日香村産朝掘り筍 素揚げして焼いたもの
かつお節

お食事:
白いご飯 ちりめん山椒
香の物(菜の花、菊芋、大根)
お味噌汁

デザート:
水羊羹〜道明寺を夜桜に見立てて散らして〜
水出し煎茶





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ジャンル : グルメ

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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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