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レストラン訪問記:奈良市「而今」(未掲載)

奈良では一応評判が良さそうな和食店にランチ訪問してきました。とはいえ、短い期間にあれよあれよという間にどんどん値上げがされていき、さらにはランチコースが廃止となった上、ランチ営業も週1と激減して、どんどん敷居が高くなっていった印象のお店で、現在ランチで食事する際も、ディナーと同じ内容の食事を食べることになりますので、他店でいうランチコースは存在していません。


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お店の外観

店作りや内装、メニュー構成などうまい具合にまとまっていて、季節の美味しい定番料理をきれいに盛り付けて出してくれている印象で、総合的には満足度は高く、奈良で接待をしようとするならばまず選んで間違いのない場所かなと思いました。

反面、食材にも調理方法にも、料理自体にも店主の個性がほとんど感じられず、悪くいえば、正直つまらないお店なのかな、少し過剰に持ち上げられているかなという印象をもちました。口コミサイトで評価があるからといって、それだけで勝負した気になっている、自分はすごいと思っているなら残念過ぎます。

最近カウンターだけなのに京都の老舗料亭並みの値段を平気でとるようなお店が大増殖している印象ですが、そこで提供されているお料理にどれだけ料理人のきらめきが感じられるか疑問です。

こちらのお店もそれなりのお金を取りますから、それに応じた食材が出てくるのはある意味当たり前のことで、すごい、と驚くには当たらないと思います。それは客が出しているお金に見合った食材を出しているというだけで、それだけでは何もすごくないです。高い値段でいいものが出てくるのは当たり前です。その料理をありがたがっているのは客としてもお人好しすぎるでしょう。その高級食材は客が出しているお金の賜物でしかありません。

高い食材に頼れる分勘が鈍っているとしたら、料理人としては三流でしょう。ここのシェフのお料理にも、正直、才能の煌めき、驚き、感動はほとんどありませんでした。

例えば、最後のピラフは、海老の香りが勝ちすぎてピラフの美味しさなどが全く感じられませんでした。明らかに食材選びに失敗しているという好例でした。先日記事にした天ぷら屋「天徳」のかき揚げで同じ海老が入っていましたが、こちらは海老が主役なので香りが立っていて素材を活かせていた、という対照的な評価になります。

むしろ料金が控え目であり、制約がある中で工夫して、美味しさを追求しているお店の方が店主の志を感じますし、お店としても、客の懐を当てにして高級食材を張り込む、ある意味見栄だけの店よりは遙かにレベルが高いと思わざるをえません。

そう考えると、京都「なかひがし」さんや新潟(三条市)「Uozen」さんの、地元食材へのこだわりや、美味しさを追求したオリジナルなお料理の数々は素晴らしいと改めて思うわけです。

料理に満足しながら悪口を書くのもなんなのですが、あまり面白みを感じないお料理でしたし、それ以外にもちょっとした粗相があって、志が感じられないなと思ってしまってためにどうしても辛口になってしまいます。払うお金が高くなればなるほど、客が求める水準は上がります。そのあたりは、お店をされている方は心得ておいて欲しいところです。

まず入店時に、案内の方が「ご予約のじょるじゅ様です!」、などと叫ぶのですが、辞めて欲しいです。個人情報はどちらかといえば隠していくべき御時世になっています。

また、グラスシャンパンがあるとメニューにあるので、注文したところ、ありませんとの返事、あるいはこちらは口コミサイト上の記載なので店に責任はないかもしれませんが、クレジットカード使用可とありながら使えなかったことがありました。小さなことでしょうが、客にいちいちストレスをかけている時点で、三流店と認定されます。

また、先ほど値段のことを書きましたが、1年くらいの極めて短期間の間にコースの料金が3倍くらいになっていて、途中二度ほど値上げがあったり、ランチコース廃止があったりしたようでした。店主は何をしたいのか。口コミサイトを見て、これなら高くしてもいけると思ったのかも知れませんが、初心を見失っているようにしか思えません。そんなことより、料理人として研鑽して、もっとオリジナルな自分の個性が出たお料理を出せるように精進すべきだったのではないでしょうか。短期間の、何度もの値上げは極めて印象が良くないです。

また、これは放埒な客にも責任がありますが、振る舞い酒を仕事中に飲むのは辞めて欲しかった。常連からの杯で断れないかもしれないですが、その常連以外に対しても料理を提供する責任がある以上は、明らかに仕事の質が落ちるようなことは辞めて欲しいのがその常連以外の全ての客の思いでしょう。飲むなら知らないところで飲んで欲しい。しかしそれでは常連が自分が格好つけているところを周りの客に見せつけられなくて不機嫌になるでしょうから、そうして仕方なくカウンター内で、お礼なんか言いながら飲むことになるのですが、これはとてもとても不愉快でした。

最後に、数少ない良かったお料理を挙げると、海老しんじょうを四角にして揚げて白味噌に入れるのはお椀の味のコクが増して、工夫感じられて良いと思えた唯一のところでした。

また、店員さんはキビキビお仕事していてそれは良いですね。

生からすみ、マナガツオ、フグ白子、松葉蟹など、先日の「すしうえだ」で食べたものが出されていて、旬の高級食材について比べながら学べたのも楽しい体験ではありました。

かなり批判的に書きましたが、それでも高級食材でひとまずは美味しいお料理を提供してくれていますので、最初に書いたように、奈良で人を接待するとなったらまず最初に候補に挙がるお店ではありましょう。ただ、逆に言うと、それ以外の文脈ではもはや再訪する価値はないお店かなと私は思っています。


(いただいたもの)

コース16500+サービス料5%

生ビール 一番絞り中800
(→普通の泡でした。とびきりのなめらかさはない点で、店のレベルが低い方向へ評価されてしまいます。もっときれいな泡を提供しているお店はいくらもあります。)


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食前酒から:柚子酒


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先付け:鳥取松葉蟹 京都筍 長芋 木の芽 菜の花
(→蟹が甘くて香りが濃厚です。単純に美味いです。冬と春の出会いものでした。)


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お椀:白味噌椀 花びらもち仕立て 揚げ海老真薯

(お酒)而今 特別純米 1合1500


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お造り:フグぶつ はりいかと北海道産うに 鰤
(→はりいかのねっとり感が素晴らしいです。うにはなくても良いかと思いました。予算消化の構成でしょうか。ふぐは食感を楽しむものですね。至って普通です。鰤も美味しいですが普通です。)


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お凌ぎ:鯖寿司 炙り 
(→自分で巻いて食べます。ほとんど酢で締めていません。脂の旨味が爆発しました。素晴らしい美味しさです。日本酒が親友ですね。人生最高の鯖寿司でした。)


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八寸
さごし昆布巻き(→昆布の香りが強いです。やや塩が濃いめでした。)
田作り(→香りが良いです。)
なまこ(→これもふぐ同様歯応え楽しむものでした。)
鴨(→作り立てでふんわりしています。淡白だがお肉が香って美味しいです。)
黒豆(→ふんわり優しい炊き加減で甘いです。)
柿(→チーズが良い香りのアクセントですが、ありきたりかもしれません。)
炙りの生からすみ(→ねっとり濃厚に炙りの香りで素晴らしい酒の肴でした。焼き生たらこに通じます。贅沢です。)

(お酒)八仙 純米芳醇超辛 半合800程度?
(→辛口!而今より香りが落ちますが、食中酒としてはこれで充分でした。)


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焼き物:マナガツオ幽庵焼き
(→上品な脂が乗っていて、幽庵の具合も良くて美味です。繊細な美味しさでした。)


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椀物:蕪蒸し 愛媛産(又は長崎産)白甘鯛 ふぐ白子
(→焼いたふぐ白子がクリーミーで美味です。「すしうえだ」よりこちらの方が美味しさ引き出している感じがしました。とにかく繊細な餡で、白甘鯛の繊細な蕪蒸し美味しくいただけました。)


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お食事:明石かわつえびの海老ピラフ 香の物 味噌汁
(→本文にも書きましたが、海老の香りがやや濃すぎました。ピラフにするには個性がやや強いかも。こういうバランスの悪い料理を一つでも出されると、味のセンスがないと感じてしまいます。おかわりありましたが、海老は入っていませんでした。)


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水菓子:蜜柑ゼリー 苺
(→シンプルに見えて、実は手が込んでいて、そこは良いですね。苺のへたへの処理も、食べ手のことを考えてくれていて良かったです。)


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お抹茶とお汁粉





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レストラン訪問記:京都市左京区「草じき なかひがし」(★★)

前回こちらに伺った際に、主のおもてなしの心に感激し、それから再訪まで8年余の月日が経ってしまいました。


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入口の様子

コロナのためでしょう、厨房とカウンターの間にアクリルの仕切りが入っていたり、携帯用空気清浄機を首から提げることを要請されたりと変化がありましたが、お皿の上には変わらず魅力的な京都の自然の恵みが健在で、心洗われる思いでした。

ただ、前回はあれやこれやと声を掛けてくださった中東さん、今回は少し距離を感じる接客で、そこは残念というより、前回良い思い出になっただけに、少しさみしかったです。それでも、最後には少しお話することができて、ほぼ最後の客になっていたこともあり、店外に出てくださって、年越しの言葉とともにお見送りをしていただきました。

8年前にはもう少し詰めて客が座っていた記憶でしたが、座席の間に少し余裕がありました。やはりコロナの影響でしょう。

また、前回にはなかった、自然薯とからすみのTKG(玉子かけご飯)が、追加料金(1000)ありのオプションとして提案されていて、せっかくなので乗ってみましたが、これが大正解でした。南魚沼のコシヒカリにあぐらをかいた工夫のない新潟「鍋茶屋 光琳」のTKGとは比べものにならない美味しさでした。それぞれの素材の良さがいい具合に引き立て合っていました。


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カウンターから見える食事開始前の厨房の様子

今回は脇から料理を仕上げる姿を見られる、ある意味特等席に座ることができて、その意味でも楽しい体験でした。


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まずはお茶のおもてなし

この日は同業(飲食関係ではないです)の先輩とご一緒させていただきましたが、とても喜んでくださって、京都在住の先輩もリピート確実という感じでした。

前に来た時にはあまり厳密に知らされていませんでしたが(そもそもそのような制度があったのか分かりません)、一度来た客については、5か月先まで予約ができるということでした。仕組みについては、どうぞ訪問時に中東さんから直接教えてもらってください。

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八寸:(左上から時計回りに)カボチャと小豆 赤カブの絞り汁 カイワレ、ブロッコリとカリフラワー 諏訪の氷餅パウダー(雪に見立てて)、黒豆のから煎り、きんとん 銀杏 クワイ煎餅、アジメドジョウ、(真ん中)鹿肉の林檎サンド


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強肴:新米の餅米と猪の燻製 零余子(むかご) 辛味大根
(→かすかな脂分を小腹に効く御飯と共に頂けて尊く感じました。)


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お椀:白味噌 天然なめ茸 日野菜大根 日野菜の葉
(→寒い季節に入っていますので、体が温まる素晴らしいお椀でした。)


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焼き物:新巻鮭燻製酒粕醤油漬け 大原産下仁田葱 蜜柑ジャム焼き 引き上げ生湯葉 サツマイモ レンコン 紫芋 餅米素揚げ
(→酒粕を使ったりしている分、鮭もお酒の香りがして独特の風味です。)


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お造り:鯉(身・皮・鱗)の洗い 辛味大根 自然薯 岩魚の玉子 ラディッシュ 野蒜他
(→鯉は通年使用されているとのことですが、寒さが増して脂が乗っているとのことでした。これらを全てしっかり混ぜて頂く趣向で、混ぜれば混ぜるほど美味しくなるとのことでした。自然薯の粘り強いこと、混ぜるのに苦労します。)


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炊き合わせ:聖護院大根 金時人参 堀川ゴボウ 壬生菜 海老芋素揚げ(虎柄) 柚子味噌 ふろふき ワラビの葉をしいて
(→こちらには出汁は使っておらず野菜の旨味だけが出た残り汁をスープとして最後に奥の杯に入れて飲むという趣向でした。)


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お浸し:杓子菜
(→関東では小松菜、広島では広島菜というとのことでした。)


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煮えばな


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あけびの油炒め 小さな炒め物  香の物


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あけびの皮と身の白味噌油炒め


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香の物


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小さな炒め物(根菜類、こんにゃく、大豆、紅芯大根の炒め物)


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御飯とめざし 炒め物二品 香の物


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おこげ


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YKTKG(自然薯とからすみ入り玉子かけ御飯)


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ニューヨーク(お粥仕立て)

お食事:御飯(煮えばな・白い御飯・おこげ・YKTKG・ニューヨーク) めざし 香の物 小さな炒め物(根菜類、こんにゃく、大豆、紅芯大根の炒め物) あけびの皮と身の白味噌油炒め
(→御飯は、煮えばなは一口だけ、できあがりのタイミングで出されます。その後、普通の御飯を頂いてから、おこげ、YKTKG(自然薯とからすみ入り玉子かけ御飯)、ニューヨーク(お粥仕立て)と様々な変化形を頂けて贅沢です。)

さりげない小さな一皿に、とてつもない価値がある料理や食材があったりして、それについて特に主張しすぎることもなく、さりげなく出してくださるその姿勢が好きです。

個人的には、新潟の「玉城屋旅館」の夕食で出されながらその使い方が今ひとつで満足をさせてもらえなかったあけびが、ここではまさにあけびの真価を味わえる形でお料理になって出てきていて、今年の新潟での忘れ物を京都で取り戻したような気持ちになりました。

さりげなく、地味で、少量で目立たないお皿でしたが、これを出せるお店がどれくらいあるのかというと、おそらくほとんどないはずで、そう考えると、やはりとても貴重なお店なのだとしみじみ思うわけです。個人的な感傷に過ぎないとは分かりつつ書かずにはいられませんでした。


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水菓子:洋梨 干し柿 まめがき 柿 キウイ 人参の葉のシャーベットと冬苺 
(→クリスマス前ということで、サンタクロースを意識したものとのことでした。)

お昼のコースは基本的にみな同じ内容で、値段が高いコースは、最後にお肉や魚などの焼き物が一品入るという違いがあるだけとのことでした。

今回は、寒い季節にふさわしいお料理、食材をもっておもてなしいただき、最後のお食事の数々の鉄板ネタも全てしっかりご披露いただいて、今回も最後まで楽しい時間を過ごすことができました。

こちらには季節を変えてまた寄らせていただきたいと強く思いつつ、帰宅いたしました。


(いただいたもの)

お昼のコース(焼き物なし)8800

八寸

強肴(猪の燻製御飯)

お椀(白味噌)

焼き物(鮭)

お造り(鯉の洗い)

炊き合わせ(根菜類各種)

お浸し(杓子菜)

お食事:御飯(煮えばな・白い御飯・おこげ・YKTKG・ニューヨーク) 香の物 小鉢二品

水菓子(季節の果物と人参の葉のシャーベット)


飲み物:お番茶





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レストラン訪問記:西宮市(甲陽園駅)「子孫」(★★★)

2016年を最後に久しく出ていない兵庫版で三つ星評価の同店ですが、機会があって伺ってきました。お一人様での予約は受けていませんので、二人以上で予定を組む必要があります。

三つ星ともなると期待は高まるもので、寒くなったこの季節に、最初の方に、みぞれにして温かいお椀を出してくれたり、最後の甘味についても温かいお汁粉風のものを出してくれて、心配りが感じられ、そこはさすがと思いました。

ただ、最初の温かい汁物から始まって、総じて良い質のお料理を出していただけた一方で、三つ星に期待する感動や驚きは残念ながらありませんでした。

お昼の一番軽いミニ会席での利用ということだから仕方ないのかなと思ったりもしますが、ランチコースでも素晴らしい料理を出す三つ星はありますので、それを言い訳にはできないでしょう。

最初の白湯というか青紫蘇香煎が出てきて、ついで食前酒という流れでしたが、その後のお料理の数とのバランスからすると、二つもいらないのではと思ってしまいました。風流を解しない客、ということなのかもしれませんが、食前酒だけで良いでしょう。さらにいうと、食前酒は季節の香りを入れるとか、季節柄、燗して提供するとか、の工夫が欲しいところでした。

また、白子豆腐に続いて、お椀にセイコ蟹の真丈と、似たような料理方法のものが出てきて、それもつまらなく、料理人のセンスとしてどうなのだろうと思います。

味が良ければそれでもまだ救われますが、素材を加工するのであれば、素材がもつ良さ(味)以上のものを出さなければ、結局のところ料理人の自己満足に過ぎないと思います。今回の二つの寄せ物は、正直素材の味を引き立てているわけでもなく、単にその食材を使ったというレベルにとどまっていて、正直とびきり美味しいとまでは思えませんでしたし、感動などからはほど遠いかったです。

また八寸がいくつか出てきて、自分たちで取るスタイルでしたが、もう少し種類や量が欲しいところでした。中に、鯛の幽庵焼きがありましたが、今一つ美味しさが感じにくかったです。定番ではないくせ球で、どや、というつもりだったかもしれませんが、幽庵焼きに向く魚、向かない魚があるからこそ、鯛ではない例えば鰆など他の魚の幽庵焼きが有名なのだと思います。高級な魚だから良いだろうという安易な発想で作られた料理のように思えてしまって、こちらでもセンスに疑問を感じました。ただ、八寸の他のお料理はいずれも美味しかったです。


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個室から見えるお庭

それから、サービスも気になる点がありました。この日の食事は個室での食事でしたが、渡したコートを預かったり、掛けたりしてくれるのかと思いきや、外側を向けたままたたんで個室の畳の上に普通に放置していきました。これはどうなのかと正直サービスの在り方に疑問を感じざるを得ませんでした。

サービスで良かったのは、最後に店主と奥さんのお見送りがあったことでしょうか。また、お座敷では上げ下げが大変そうでしたが、仲居さん達は丁寧によくやってくださっていたようにも思いました。

お店の真価を知るならミニではないコースで行くべきなのだろうと学びましたが、京都の懐石のレベルなどを思う時、果たしてここに再訪する時間はあるのだろうかと、否定的に思わずにはいられませんでした。

また人に誘われるなどの何かの機会に尋ねた際には当ブログで是非報告させていただきたいと思います。


(いただいたもの)

お昼のミニ会席8800+サービス料20%(個室のため)


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青紫蘇香煎と卓上のしつらえ


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おしるし(食前酒:わたや(宮城県)特別純米)と先付け:鱈の白子豆腐


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お椀:せこ蟹真丈 なめ茸 吹雪仕立て


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お造り:スマガツオ アボカド 汲み上げ湯葉のとろろ掛け


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しらすとうずらの玉子の温泉玉子 こんにゃくそば


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菊菜と大徳寺麩 干しぶどう 胡麻和え


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鯖寿司と鯛の幽庵焼きに干し柿

八寸:(左上から時計回りに)しらすとうずらの玉子の温泉玉子 こんにゃくそば、菊菜と大徳寺麩 干しぶどう 胡麻和え、鯖寿司と鯛の幽庵焼きに干し柿


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煮物:ぶり大根
(→美しい、にごりのないぶり大根です。ぶり大根を聞いていて、上の皿を開けた瞬間に、頭の中に思い描いているものとの違いが大きく、驚きがありました。美しく、素っ気ない外観に見えますが、しかし味はしっかり洗練された上品ながらも、しっかりとぶり大根のお味で、間違いなく人生一のぶり大根でした。)


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お食事1:埋(うず)み豆腐 香の物
(→師走に禅寺の僧侶が食べるものとのことでした。忙しい中、さっと食べられるように、豆腐の上に御飯、お味噌汁を掛けて食べるようになっています。)


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お食事2:ちりめん山椒御飯 香の物 


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デザート1:フルーツ ワインシャーベットがけ
(→何もないより美味しいのですが、生とコンポートが混在していて、舌が混乱するという意味で、素直に美味しいと味わえない面がありました。何も考えずに食材をただ盛り合わせる、食材を加工する、そういう動きをしている時点で三つ星評価に相当するのかと疑問を感じてしまいます。)


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デザート2:お汁粉 
(→ひえや粟といった雑穀の入ったと思われる歯ごたえの良いお餅がとても美味しいです。また里芋が栗の役割を担うようにして入れられていて、こっくりとした身が体に沁み、とても良い存在感を放っていました。小豆は甘さ控え目に炊かれていて、こちらも抜群に美味しかったです。)


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食後のお茶:抹茶



飲み物

・生ビール880+サービス料20%
(→素晴らしく美しい泡でした。)

・日本酒:而今 純米吟醸 グラス1320+サービス料20%
(→やはり華やかさ、フルーティさが素敵なお酒です。先週に続いて而今が飲めるとはなんとも幸せでした。)


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レストラン訪問記:和歌山市(紀和駅)「季節料理 八百亀」(★)

今年のミシュランの関西版は和歌山が特別版掲載とのことで、一つ星と認定され、新たに星が輝いたこちらの割烹店に伺ってきました。

ミシュランの評価対象になる前から予定されていた旅でしたが、せっかくなので美味しいものをと思い、予定が決まっていなかった夕食をこちらでとるべく、ミシュランの評価が出た直後に予約をお願いしてありました。


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お店外観

店内に入ると胡蝶蘭が置かれていて、ミシュランでの星獲得のお祝いということがすぐに分かります。カウンターの奥にも、贈られたと思しきお酒などが並んでいました。

この日のお客さんの会話もミシュランの星に関するものがちらほら聞かれて、まだ星獲得の熱気が冷めやらぬ中、という感じでした。

店主と奥様が調理をされていて、娘さんが給仕をするなど、家族ぐるみでの応接は気持ち良いものでしたし、皆さん感じが良くて、楽しい時間が過ごせる場所と思いました。

ただ私にとっては違和感を感じる部分がいくつかって、常連さんになるとまた違うのでしょうが、一旅行者としている限りは、再訪はないかなと思っていました。

まず、おしぼりが袋入りのもので、とても残念で、もったいないと思ってしまいました。経営の合理化という点からするとこれも一つの選択なのでしょうが、この小さなこと一つとってもお店の品格に関わることだと思います。再考されて、元の布のおしぼりに戻した方がよいと思います。

また、途中、お酒がなくなったタイミングで、追加を頼もうとしましたが、客席の方に誰も出てこず、10分以上も放置される時間がありました。あまりに長すぎます。その間、お造りがずっと手つかずなままで、どんどん乾燥して味が落ちていっていたわけですし、ここで私の食が進まないがために、時間的余裕ができて、本来なら私に割かれるはずの時間が、別の客のアラカルト注文の調理などに割かれてしまい、こちらはその調理のせいでさらに待たされるという悪循環が見事に発生してしまって、その犠牲になってしまいました。サービスの方が1人は常に客席側にいて欲しいものだと思います。

また、お料理ですが、良い面もありましたが、正直いって一万円という値段に見合うパフォーマンスは全く見られませんでした。

中でも、一番気になったのは、名物の名月豆腐のお椀に入っていた松茸が中国産だったことでした。

お店のホームページなど拝見すると、その時の良いものを仕入れて提供するとのことでした。果たしてこの時期に中国産松茸が最高の食材といえるのだろうかと大いに疑問でした。それでも、そこで出された松茸が美味しかったらまだ救いはあった(看板に偽りなし)でしょうが、そんなはずもなく、生で入れられていたその松茸は若干腐敗臭のような香りを放っていて、とても上質とはえいない代物でした。

松茸が入っていれば、何となく格好がつく、という程度の考えで、この松茸を使っていたのだとしたら、店の信頼を相当落とすことになる軽はずみな選択だったと思います。

食材の名前にだけ頼って、客が勝手に作り出す良い方のイメージに何となく乗っかっているような皮相な料理を出す店として、ここはないなとはっきり思ってしまいました。

それなら、無名でも、和歌山の山で採れた天然茸を提供してくれた方が、よほどお店の印象が良かったです。


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お造り(1):クエ レモン醤油 醤油


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お造り(2)(左下から時計回りに):白甘鯛、アオリイカ、メバチマグロ、鰹

普通の醤油とレモン醤油が提供されます。後者は悪くないです。山葵は質が良く、品がありました。二回に分けて提供されたお造りはいずれもとても良かったです。

ただ、焼き魚、寿司で太刀魚にかますって、この時期の旬で、それなりに美味しいお魚であったとしても、この価格で出すお魚かと少し疑問に思いました。

また、先ほど述べたように、料理のテンポが良くないことも相まって、その点で再訪は厳しいとの判断になりました。また、生ビールはこれまであまり出なかったとはいえ、これからは用意が必須でしょう。


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頂いたお赤飯

ただ、最後、お見送りをいただいた後に、女将さんが、ミシュランの星獲得記念と思われるお赤飯を走って持ってきてくださったのは、とても感じが良くて、有り難いことでした。翌朝、美味しく頂きました。


(いただいたもの)

おまかせコース
(以前あった安価な会席コースはミシュラン掲載と共になくなってしまいました…)


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先付け:帆立とアボカドの筑紫昆布巻き
(→旨味(昆布)と油分(フライドポテト)で幸せになれます。それでいてぬるっとした面白い食感もあったりして、意外性があって、楽しめました。酒のあてに最適でした。ただ、帆立の存在感がほぼ感じられませんでした。懐石料理では出ない皿でしょうが、でも面白かったです。)


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お椀 松茸と明月豆腐
(→松茸が中国産でした。スッポンの出汁を使っているせいで、味が濃厚だが、濁った汁という感じで、個人的には過剰に感じていました。名物という名月豆腐はただの平凡な玉子豆腐にすぎません。)

お造り(1):クエ レモン醤油 醤油

お造り(2)(左下から時計回りに):白甘鯛、アオリイカ、メバチマグロ、鰹


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焼き物:太刀魚のグランニスミス(リンゴ)巻き 銀杏 山クラゲ 梅 ほうれん草のおひたし 柿生ハム
(→グランニスミスが酸味、甘味を加える趣向でした。メインの魚が太刀魚というだけでテンションが下がります。)


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酢の物:毛蟹
そもそも大して美味しいとも思えない毛蟹であった上、さんざん待たされすぎてお腹一杯になってしまっていたことから、全く美味しく食べられませんでした。また、明らかに和歌山の産ではない食材を使っている点でも、やはり印象が良くないです。


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お食事
(→カマスは残念ですが、味は美味しいです。でも間延び問題が後を引いていて、残念な結末でした。また、個人的にはバーナーで炙るのは好きではありません。価格や手間などから無理かもしれませんが、一定の格式のお店なら、そこは炭を使って欲しいのです。)


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デザート(左下から):シャインマスカット、あんこ入り最中、胡麻のブランマンジェ、わらび餅
(→デザートは満足度高いです。胡麻のブランマンジェが繊細で良い味でした。また、最中はサックサクで、甘さ控えめのあんこが良かったです。)


飲物
・ ハートランドビール(瓶)


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・ 日本酒三種飲み比べ(左から;いずれも純米吟醸酒):龍神丸、雑賀、紀土
(→今回は和歌山の地酒で揃えてもらいました。リクエストに応じて三種を組んでくれます。そういう臨機応変なところはこのお店の良いところでしょう。)





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レストラン訪問記:丹波篠山市「和」(★)

丹波篠山は城下町として栄えた場所で、猪、丹波栗、山芋、黒豆、松茸など、和食に欠かせない高級食材の宝庫としても有名です。この日は、丁度10月から11月にかけて旬を迎えていた黒豆の枝豆を買い求めに初めて訪れました。

ミシュラン兵庫2016特別版の一つ星がつくお店になりますが、正直いって、料理、サービス全てが期待外れでした。お料理はまだそれなり美味しかったのですが、それでも心躍るような料理ではなく、悪く言えば居酒屋のつまみを少し端正にした程度のレベルのものが並ぶだけで、洗練された、上質なお料理ではありません。

例えばフランスで星を目指して日々格闘しているフレンチにシェフがここに食べに来て一つ星と知ったら、憤慨して涙を流すのではないでしょうか。自分に足りていないものがあって、ここにはあるものは何かと、分からなくなると思います。次回のミシュラン兵庫版では適正な評価が下されることを願います。

さて、お店は民家の一軒家を利用していて、一人でも個室に通されました。この日は他にお客さんがいなかったためと思われます。

サービスについて女将に粗相があった旨の記事を読んだことがありましたが、私としてもすこし解せない対応があって、全く信用がならない店であるとの結論になりました。

この日は、お酒を飲んでも良かったのですが、お酒があまり良い品揃えでもなく、今日はノンアルコールでいきます、と女将に言ったのですが、驚いたことに、料理人である旦那さんがノンアルコールビールを開栓してもってくるではありませんか。

こちらが、ノンアルコールで、とはっきり言っていて、普通の日本人なら、この客はアルコールを飲まないでお茶ないし水ですますのだ、と間違いなく理解できたはずですし、女将さんもそう理解したことでしょう。もしわずかでもノンアルコールビールの注文をしたのかなと思ったら、私はビールという言葉を一切発していないのですから、その場で問い質すべきでしたし、それも容易にできる状況でした。

ノンアルコールビールの注文を受けたはずの自分が出ていかずに、本来ならサービスの場にはあまり出ないはずの旦那さんにそれをもっていかせていることで、明らかに注文していないと自分でも分かっているものをもっていくばつの悪さを隠しつつ、開栓したから飲んでしまえと、押し売りよろしく、客が注文していないものをなし崩し的に飲ませて、お金を巻き上げようという魂胆なのだとすぐに理解して、吐き気を催すほど嫌な気分になりました。

勘定をごまかしていらないものを請求書につけたり(アヌシーで三つ星になった「クロデサンス」のマダム)、オーダーしていないものを消費させてお金を巻き上げようとしたり(この店の女将)と、たまに小ずるいことをする店の人たちに遭遇しますが、そんなことをして巻き上げたお金が自分たちに幸せをもたらすと思っているのでしょうか。むしろ、信用を大きく失って、ろくな目に遭わない、あるいはすでにろくな目に遭っていないと何故分からないのか不思議でなりません。因果は巡っています。

また、和食では一品一品終えた後に次のお料理を運ぶのが基本のはずですが、ここでは、急かすかのように、前の料理を食べている途中で次の料理をもってこられて、全く落ち着いて食事が楽しめず、その点でも店に対して良い印象をもつことができませんでした。

丹波篠山自体は、飛騨高山にも負けないくらいの美しい商家群が並ぶ地区があって、とても素敵な場所でしたから、とても気に入りました。そんなこともあって、季節の味覚を楽しみに同地をまた訪れたいと思いますが、この店が存在していたことは、すぐに忘れてしまうと思います。その程度の御縁でした。


(いただいたもの)

お昼のコース


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前菜盛り合わせ(無花果、黒豆の羊羹、とこぶし、薩摩芋、黒枝豆、鰯、スケコ、菊芋)
(→菊芋の香りが良くて楽しいです。しかし、甘いものが2種類も入っていて出鼻を挫かれました。)

お椀(里芋団子、結び三つ葉他)
(→味は良いですし、里芋も好きなので里芋団子は良いが、なんなら旬の枝豆を使って欲しかったです。)


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お造り(甘海老、本鮪、平目)


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炊き合わせ 銀餡かけ
(→カボチャをわざわざ、こぼれてしまって食べにくくなるとろとろの餡にして高野豆腐で挟むセンスの無さです。また、銀餡といいながら、とろみがなく残念でした。)


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揚げ出し(海老、長茄子、四角豆他)
(→ここは居酒屋かと思いました。ミシュラン一つ星で期待する料理ではありません。)


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酢の物(カマス、長芋他)


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お食事(栗御飯、赤出汁、香の物)
(→栗は良いとしても、新米が完全に出回っているこの季節に御飯が古米で、あり得ないと思いました。もてなしの心が感じられません。また、香の物は既製品と思われ、生姜を使ったものは苦味があり好みではありませんでした。赤出汁も何故か甘味があり、地元の味噌なのでしょうか、こちらも好きになれませんでした。色々と口に合わないものが出ていて残念でした。)


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デザート(クリームチーズとリンゴのムース)とコーヒー






テーマ : グルメ情報!!
ジャンル : グルメ

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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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