San Pau (Tokyo) サンパウ(コレド日本橋)
念願叶ってコレド日本橋アネックスに入るサンパウへ。スペインの本店が三つ星を有しており、現在日本で唯一のスパニッシュガストロノミーのお店です。
アネックスはコレド本館の裏手、木々が植えられた小さな広場に面してあり、こちらのお店のみが入る本当に小さな建物。一階が厨房で外からも見え、二階にバー、サルがしつらえられた造りとなっています。
一番のお勧めのデギュスタッションコースが3時間かかるということで土曜日の午後6時(開店時間)に予約をお願いしてありました。
実は東京で夜にガストロノミーレストランにうかがうのはこれが初めてのこと。少しく緊張しますが、この日は友人夫婦との会食なのでうち解けた会でした。
大きな扉を開けると左手にレセプション、また正面にはガラス張りのワインカーブが。左手奥にある階段を上り、サルへ。サルの手前にバーがあり、こちらでは食前酒をいただいたり、食後の時間を過ごすなど色々な使い方ができるようになっています。このあたりの施設の整い方もさすが、欧州のスタイルをきっちりとおさえてあります。
奥様が少し遅れて来た関係で最初バーにて食前酒をいただきながらのスタート。こちらのメニューもあり、スペインのビール、シェリー酒、カヴァ、各種カクテルなど色々あります。お値段はこのレベルの店にしては良心的でしょう。
サルは二つの部屋が続いてある感じで、木々の植わった広場に面しています。昼間はさぞきれいな光が差し込むことでしょう。我々は奥の部屋の左手の席へ。
いずれにしても夜の店内は照明を落としてあり、席の間隔もしっかりととってあるのでお隣の席とは切り離され、ひたすらに美食を楽しめるようになっています。
この日、店は満席ではなくちらほらとお客さんが入っている程度でした。客層ですが、いずれのお客さんもみな若い!20代とおぼしき女性もいたような…。私たちのサルにいた他二組のお客さんはいずれもお誕生日祝いという感じでケーキとともに店員さんの拍手が聞こえていました。やはり特別な機会に使う方が多いのでしょうね。
お料理はもちろん伝統的なスペイン料理ではなく、時代の最先端をいくもの。構成から、食材の組み合わせまで今の食の潮流を感じることができるようになっています。食材はスペインからもってきているようで、基本的なメニューなどは本店と同じものを出しているとのことです。
最初に小さなコース内、コースにあたる「ミクロメニュー」があり、その後前菜四皿、メイン(肉)一皿、チーズ五種、デザート二種、プティフール九種というのがデギュスタッションコースの構成になっています。初めての訪問なのでお店の料理がよくわかるというこちらをお願いしました。
もう四月になり、トリュフという季節ではないでしょうが、けっこう前菜に使われていて、しかも良く香っていました。これは嬉しい驚き。
どのお料理も一口目の味がはっきりしている上、食感もしっかりしています。プレゼンテーションもきれいで、さすがという感じです。例えばオマール海老を使ったお米料理は、アルデンテのお米の歯ごたえがよく、固くなりがちなオマール海老はしっかりと柔らかい食感が残っていました。
味付けも三種のお肉の出汁でとったスープがやや塩気がきつかったものを除けば、甘いものもほどほどの加減ですっと体に入っていきます。
パンはその場で焼いている雰囲気で、お客一組に一つという感じで切り分けてくれているようで、とてもしっとりして美味でした。
ワインはフランスのものもかなり揃っているようで、お金がうなるほどある人にとってはこのワインリストを目当てにして行っても良いくらいではないでしょうか(笑)。実際こちらのバーは食事の利用がなくても使えるようなので、夜にこの近くでそういう機会があれば寄ってみるのも良いかもしれません。
この日は4種類(白2、赤1、デザート用の白1)のワインを楽しめるコースを注文しました。全く知らないスペインワインを色々と楽しむことができ、とても良い経験となりました。いずれも美味しかったのですが、焼きを入れた樽で熟成させた白やデザートワインが好みでした。
このワインコースを注文するとなくなった分だけ黙っていても追加で注いでくれるので沢山ワインを楽しみたい方にはうってつけだと思います。正直この日はそれで飲み過ぎた記憶もあるのですが…。
サービスは若い方々(といっても中心は30代でしょうか)がいきいきと働いている感じですが、レベルとしてはきっちりとガストロノミーのもの。気が利かない面を感じたこともありましたが、ワインを注ぐタイミングやお皿を出すタイミングなどは完璧です。皆さん丁寧で、総じて粗相もなく安心感がありました。この点でも気持ちよかったです。
最後店を出るときに入り口にシェフがいらっしゃって、日本語はできませんがスペイン語ができる店員の方が通訳してくれて会話を楽しむことができました。シェフはつい最近着任されたばかりのようですが、とても静かな感じの若い方でした。
帰路、ワインの飲み過ぎを除けば、食後とてもすんなりと胃が落ち着いていってまったくいやな感じが残りませんでした。やはり使っている食材がきちんとしているからなのでしょう。
また伺えればと思うのですが、予算的な問題や、同伴候補者の都合、他にも色々と行きたいお店が山ほどあるという事情等々あり、いつ再訪なるかは全く不明です。ここは気軽に常連になるようなお店ではないですね。
ただとてもいい時間を体験でき、良い経験となりました。もし再訪出来たら今度はアラカルトでの注文もしてみたいと思ったりして。たまにはこんなところで日常から切り離されるのも良いかもしれません。
東京のガストロノミーシーンを語る際にはずせないお店であるのは確かでしょう。
(いただいたもの)
食前酒:カヴァ
アミューズとして…
・棒状のスナック二種
・小さな乾パン
ミクロメニュー
アミューズ:バカラオのブランダーダ
前菜:メカジキのハンバーグ
メイン:グリーンピースの煮込み
デザート:パンジーのフラン
→この中で小さなコースが成立している!
前菜1:ポーチドエッグ(トリュフ、チヌキモルシッリア、アーモンドクリーム、サモラノチーズのパン)
前菜2:エスクデイヤ(生パスタ、人参、トリュフ

前菜3:オマール海老の米料理(エメンタール、トリュフ)
前菜4:アンコウ多部位(ニョラ、カブ、ヘーゼルナッツのロメスコスープ)
メイン:イベリコ豚のプルーマ(パースニップクリーム、栗パン、ブドウ)

チーズ:コントラストチーズ(テティージャ、サンモール、マンチェゴ、ポンレベック、ブルディカプラ)
デザート1:ラブレター

デザート2:E?MAIL
プティフール:
ピルレタ→小さなアイスキャンディー
+
トマトヨーグルト、アーモンドとナツメヤシのコロッケ、ヘーゼルナッツのトフィー、海苔とカカオ、天使の髪のパイ、甘草とシドラルのスティック、モデナとチョコのアイス、ボンボンベイリーズ
お茶:ハーブティー(スペインのミントのようなハーブとのこと)
アネックスはコレド本館の裏手、木々が植えられた小さな広場に面してあり、こちらのお店のみが入る本当に小さな建物。一階が厨房で外からも見え、二階にバー、サルがしつらえられた造りとなっています。
一番のお勧めのデギュスタッションコースが3時間かかるということで土曜日の午後6時(開店時間)に予約をお願いしてありました。
実は東京で夜にガストロノミーレストランにうかがうのはこれが初めてのこと。少しく緊張しますが、この日は友人夫婦との会食なのでうち解けた会でした。
大きな扉を開けると左手にレセプション、また正面にはガラス張りのワインカーブが。左手奥にある階段を上り、サルへ。サルの手前にバーがあり、こちらでは食前酒をいただいたり、食後の時間を過ごすなど色々な使い方ができるようになっています。このあたりの施設の整い方もさすが、欧州のスタイルをきっちりとおさえてあります。
奥様が少し遅れて来た関係で最初バーにて食前酒をいただきながらのスタート。こちらのメニューもあり、スペインのビール、シェリー酒、カヴァ、各種カクテルなど色々あります。お値段はこのレベルの店にしては良心的でしょう。
サルは二つの部屋が続いてある感じで、木々の植わった広場に面しています。昼間はさぞきれいな光が差し込むことでしょう。我々は奥の部屋の左手の席へ。
いずれにしても夜の店内は照明を落としてあり、席の間隔もしっかりととってあるのでお隣の席とは切り離され、ひたすらに美食を楽しめるようになっています。
この日、店は満席ではなくちらほらとお客さんが入っている程度でした。客層ですが、いずれのお客さんもみな若い!20代とおぼしき女性もいたような…。私たちのサルにいた他二組のお客さんはいずれもお誕生日祝いという感じでケーキとともに店員さんの拍手が聞こえていました。やはり特別な機会に使う方が多いのでしょうね。
お料理はもちろん伝統的なスペイン料理ではなく、時代の最先端をいくもの。構成から、食材の組み合わせまで今の食の潮流を感じることができるようになっています。食材はスペインからもってきているようで、基本的なメニューなどは本店と同じものを出しているとのことです。
最初に小さなコース内、コースにあたる「ミクロメニュー」があり、その後前菜四皿、メイン(肉)一皿、チーズ五種、デザート二種、プティフール九種というのがデギュスタッションコースの構成になっています。初めての訪問なのでお店の料理がよくわかるというこちらをお願いしました。
もう四月になり、トリュフという季節ではないでしょうが、けっこう前菜に使われていて、しかも良く香っていました。これは嬉しい驚き。
どのお料理も一口目の味がはっきりしている上、食感もしっかりしています。プレゼンテーションもきれいで、さすがという感じです。例えばオマール海老を使ったお米料理は、アルデンテのお米の歯ごたえがよく、固くなりがちなオマール海老はしっかりと柔らかい食感が残っていました。
味付けも三種のお肉の出汁でとったスープがやや塩気がきつかったものを除けば、甘いものもほどほどの加減ですっと体に入っていきます。
パンはその場で焼いている雰囲気で、お客一組に一つという感じで切り分けてくれているようで、とてもしっとりして美味でした。
ワインはフランスのものもかなり揃っているようで、お金がうなるほどある人にとってはこのワインリストを目当てにして行っても良いくらいではないでしょうか(笑)。実際こちらのバーは食事の利用がなくても使えるようなので、夜にこの近くでそういう機会があれば寄ってみるのも良いかもしれません。
この日は4種類(白2、赤1、デザート用の白1)のワインを楽しめるコースを注文しました。全く知らないスペインワインを色々と楽しむことができ、とても良い経験となりました。いずれも美味しかったのですが、焼きを入れた樽で熟成させた白やデザートワインが好みでした。
このワインコースを注文するとなくなった分だけ黙っていても追加で注いでくれるので沢山ワインを楽しみたい方にはうってつけだと思います。正直この日はそれで飲み過ぎた記憶もあるのですが…。
サービスは若い方々(といっても中心は30代でしょうか)がいきいきと働いている感じですが、レベルとしてはきっちりとガストロノミーのもの。気が利かない面を感じたこともありましたが、ワインを注ぐタイミングやお皿を出すタイミングなどは完璧です。皆さん丁寧で、総じて粗相もなく安心感がありました。この点でも気持ちよかったです。
最後店を出るときに入り口にシェフがいらっしゃって、日本語はできませんがスペイン語ができる店員の方が通訳してくれて会話を楽しむことができました。シェフはつい最近着任されたばかりのようですが、とても静かな感じの若い方でした。
帰路、ワインの飲み過ぎを除けば、食後とてもすんなりと胃が落ち着いていってまったくいやな感じが残りませんでした。やはり使っている食材がきちんとしているからなのでしょう。
また伺えればと思うのですが、予算的な問題や、同伴候補者の都合、他にも色々と行きたいお店が山ほどあるという事情等々あり、いつ再訪なるかは全く不明です。ここは気軽に常連になるようなお店ではないですね。
ただとてもいい時間を体験でき、良い経験となりました。もし再訪出来たら今度はアラカルトでの注文もしてみたいと思ったりして。たまにはこんなところで日常から切り離されるのも良いかもしれません。
東京のガストロノミーシーンを語る際にはずせないお店であるのは確かでしょう。
(いただいたもの)
食前酒:カヴァ
アミューズとして…
・棒状のスナック二種
・小さな乾パン
ミクロメニュー
アミューズ:バカラオのブランダーダ
前菜:メカジキのハンバーグ
メイン:グリーンピースの煮込み
デザート:パンジーのフラン
→この中で小さなコースが成立している!
前菜1:ポーチドエッグ(トリュフ、チヌキモルシッリア、アーモンドクリーム、サモラノチーズのパン)
前菜2:エスクデイヤ(生パスタ、人参、トリュフ

前菜3:オマール海老の米料理(エメンタール、トリュフ)
前菜4:アンコウ多部位(ニョラ、カブ、ヘーゼルナッツのロメスコスープ)
メイン:イベリコ豚のプルーマ(パースニップクリーム、栗パン、ブドウ)

チーズ:コントラストチーズ(テティージャ、サンモール、マンチェゴ、ポンレベック、ブルディカプラ)
デザート1:ラブレター

デザート2:E?MAIL
プティフール:
ピルレタ→小さなアイスキャンディー
+
トマトヨーグルト、アーモンドとナツメヤシのコロッケ、ヘーゼルナッツのトフィー、海苔とカカオ、天使の髪のパイ、甘草とシドラルのスティック、モデナとチョコのアイス、ボンボンベイリーズ
お茶:ハーブティー(スペインのミントのようなハーブとのこと)
レストラン・サンパウ (スペイン料理 / 日本橋、三越前、茅場町)
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