レストラン訪問記:日本橋兜町「アサヒナ・ガストロノーム」(新店)
先月23日に開業した朝比奈悟氏の新店へうかがってきました。
現在のミシュラン東京発刊時にはお店自体が存在していなかったので「未掲載」ではなく「新店」とさせていただきました。調査期間などを考えると今月末発刊予定のミシュラン東京2019への掲載は微妙でしょうか。あるいは新規掲載からの二つ星の快挙はあるでしょうか。
さて、シェフの朝比奈氏はジョエル・ロブション氏のもとで長らくお仕事をされ、恵比寿の「ターブル・ド・ジョエル・ロブション」でエグゼクティブシェフをされていた方になります。今回の独立、新規開業はプレスリリースでアナウンスされていてしばらく前に知った次第でした。
今回シェフとお目にかかることはないかと思っていましたが最後お見送りをしていただいてお会いすることができました。出際の一瞬だったのでゆっくりとお話することができませんでした。もし機会がありましたらお店の立地についてなど聞きたいなと後から思いました。
特定の地区にお店を構える理由はシェフそれぞれに色々な思いやご縁があったりして異なるのかと思いますが、こちらのある兜町は繁華街というよりは東京証券所がある関係から証券会社が多いオフィス街で、ガストロノミーレストランとして出店する点についてどのような意図や思いがあったのか気になった次第でした。
お店の立地は東京証券取引所の裏手に当たっていて、日本橋がかかっている川に面していることもあって人通りもまばらなまさに隠れた一画にあるという印象ですのでガストロノミーレストランとしての静謐さは十分に確保された環境ということができるかと思います。
サルは入口を入ったところからさらに重い扉を開けた先にありますが、基本的にサービスの方々が扉の開け閉めをして先導してくださいますので至って快適に出入りすることができました。

店内の様子
お店の開始時間より少し前に入れていただいて、退店時間指定で少し急ぎ目にお料理を出していただきましたが、慌てる様子もなく丁寧にそれでいて時間がのびのびにならない絶妙なタイミングで速やかにお皿を提供して頂きました。
このあたりのサービスの質はガストロノミーレストランでは必須のものといえますが、その点でこちらのサービスは完璧でした。厨房とサービス、またサービス同士の連携が開店してまだ2週間程度というのにそれぞれきちんととれているのだと思います。
眼鏡をかけた支配人とおぼしき方がとても誠実そうな方で、安心してサービスを受けることができました。

飾り皿
お料理はシェフの出自であるジョエル・ロブション氏の提供する現代風の装いのフランス料理という印象で、丁寧な調理技術で良質な食材の数々を美しいお料理に仕上げられていました。お写真を見ていただければ見た目の美しさなどはある程度おわかりいただけるものかと思います。
どうしても日本では外来の文化にあたるためか、ガストロノミーレストランを志向しつつもフランスほどがっちりとガストロノミー文化を追求していないお店が日本には多いかと思います。そんな中で最もフランスのガストロノミー文化にこだわっていると感じたのが「ナリサワ」でした。
こちらの「アサヒナ・ガストロノーム」も名前にガストロノミーに関連する用語を使っていることもあってか(「ガストロノーム」は「食通」あるいは「美食家」という意味で人を指す言葉で、同じく「美食家」の意味がある「グルメ」よりも「ガストロノミー(美食文化)を愛する人」というニュアンスが出ている気がします。)、ガストロノミーを日本に普及させたいとのお志があるものかと思いました。お料理を見る限り一皿一皿の丁寧な調理と完成度によってまさしくガストロノミーを日本で広めたいという思いが込められていることを感じることができました。
ただ少し細かいこととはいえ、よりガストロノミーを追求されるおつもりならば横並びの二名テーブルはない方がいいかと思いますし、トイレには手ふき用のハンドタオルを置く方がいいかと思います。食事とは全く関係ないところではありますが、フランスの星がつくガストロノミーレストランではそれらが標準装備となっています。二名テーブルは日本では当たり前ですが、フランスではあまり見かけませんね。空間を効率的に使えるのでお店としては便利で良いのでしょうが、非日常空間の演出を妨げるように個人的には思っています。
さて、ガストロノミーレストランのこだわりのレベルの話はこれくらいにして、より本質的なお料理のお話に移りたいと思います。
アミューズで出されたのが生の鰯でさらにその中にアンチョビが入っていて生臭さを感じさせかねないある意味危険なスタートではないかと率直に思いました。意表をつかれましたし、お料理そのものはもちろん美味しくもありましたが、その後出てくるお料理を邪魔しかねないという懸念が少しありました。

実際その次に出されたのが生の帆立貝を使ったお料理で、明らかに鰯のアミューズの方が香りや癖があり、塩味も強いので同じような生の魚介類でも帆立の方が負けてしまっていたように思い、味や料理の連携という点からは少し残念な始まりになってしまっていました。
鰯もフレッシュアーモンドもジロール茸も食材自体は良いものをお使いでしょうに少しもったいないと感じました。

また、帆立のお料理はとても美しく、芸術的ですらありましたが、魚醤を忍ばせたというクレソンのムースが独特の香りを発しすぎてしまっていて、中東の市場に連れて行かれたような気持になっていました。実際に私は中東に行ったことはありませんが、パリなどでアラブの人たちがいる時に感じる独特なエキゾチックな香りがしていました。
このように、食材もよく、お皿が美しくても、残念とまではいかなくても少し満足感が得難いような状態でお料理がアミューズから冷前菜へと進んでいきました。
しかしその後は温前菜からメイン料理へと続く流れの中で、見た目にも美しくかつ美味しいお料理が続いて、シェフのレベルの高さ、志の高さを感じ取ることができ気持ちは徐々に上向いていきました。

パンについては常にしっかり温めて出して頂けるのは当たり前として、バゲットと黒パンの2種類があっていずれも美味しかったですが個人的にはバゲットが好みでした。
ただ、もう少しパンの種類が増えるなり、凝ったものが出てくると、よりガストロノミーレストランにふさわしい食事になるかと思いました。シェフの名前が黄色い字で表に刻まれたバターはやや少なめの提供でしたがランチの軽いコースでは丁度良い量でした。開店して間がないのでクリストフルの銀器がまだとてもきれいで輝いていました。
毛蟹のラヴィオリは甲殻類の美味しさを満喫できる一品でよかったですが、メインの鶏肉料理もとても良く、満足できました。メインは国産牛頬肉の赤ワイン煮と比内地鶏胸肉のスフレのいずれかを選ぶことができましたが、支配人の方にうかがったところスフレの方がシェフの個性が感じられるお料理とのことで迷わずこちらを選びましたがこれが正解でした。

比内地鶏胸肉のスフレ
これらの温かいお料理についてはいずれもクロッシュ(皿カバー)を使ってくださっていましたが、伝統的な銀製ではなくて半透明なガラスでしょうか新しいものを使っていて私にとっては初見だったので印象に残りました。
ランチのメイン料理というとお値段の関係もあってかありきたりの食材、調理法に落ち着きがちですが、こちらは比内地鶏を使った各種部位を楽しめる一品になっていて、さらにメインはスフレにしてあってより手間のかかる料理を提供されています。これが美味しくなければ意味がないですが、胸肉、キノコのデュクセル、フォワグラやレバー、砂肝などのムースを三層にしたスフレはなめらかで食べやすく、とても美味しいものでした。
さらにそこにセップ茸で取ったお出汁を使った熱々のコンソメスープが添えられてきて、昨今なかなかコンソメを頂ける機会が少ない中これはとてもうれしいことでした。
最後のデザートはババということで典型的なババを想像していましたが、そこはロブション出身のシェフ、現代風のアレンジで軽やかなタッチの洗練されたデザートでした。濃厚なはずですが、いずれもさっぱりと食べられてこちらも満足しました。
ただババが少しラム酒に浸かりすぎていたようにも感じました。このあたりは好みが分かれるところかもしれず仕方ないですね。ただのババではなくラム酒に浸したスポンジをさらにチョコでコーティングしているので調整ができないため致し方ないかもしれません。ラム酒のアイスはいわゆるアイスクリームではなくて外がチョコで中にラム酒が入っている変則的なものでした。

煮出している最中のハーブティー
最後のお茶はいつもどおりハーブティーをお願いしましたが、こちらでは追加料金がかかるとのこと。サイホンで煮出してとかなり凝ったことをしているので手間がかかるということのようでした。こちらがランチ料金に含まれていると完璧でしたが、良く煮出されたハーブティーで味がとてもよかったのでその点は満足しました。蜂蜜二種が少し添えられていて、お好みで入れて飲むようにとのことでした。
すべてのお料理を頂いてみて、軽々しく予想をすべきではないかもしれませんが、早い時期に二つ星までは駆け上がっていくお店ではないかと思いました。シェフの実績からすればそれもある意味通過点に過ぎないかもしれませんが。
おなじロブション出身シェフのお店ということでしたら、個人的には浅草の「ナベノイズム」よりもこちらをお勧めしたいと思いました。
今はお店が始まったばかりで手探りの中で食材選びや献立作り、値段設定などを模索されているところかと思います。いずれ星がついていくとなると現在のお値段が30〜40%は上がっていくことになるのかと思いますので、お値打ち価格の今の時期に一度行かれてみるのがお勧めかと思います。
(いただいたもの)
ランチコース(メニュー中の太字はお店で頂いたメニューを転記した内容)
アミューズ・ブーシュ:Amuse-bouche
鰯のマリネ セミドライのアンチョビ入り
ジロール茸 フレッシュアーモンド
サクランボのソース
冷前菜:Coquille Saint-Jacques
活き帆立貝 ガルムの香るクレソンのクーリと合わせて
そのチュイルにアボカドのワッカモーレを添えて
(北海道産活帆立貝のタルタルと帆立貝のチュイル、香川のおいり(球状の米菓)添え。)
温前菜:Ravioli
毛蟹のラヴィオリ スモークパプリカの香るソース ア・ラメリケーヌを現代的思考で
(トリュフソースを注入した卵黄添え(皿中央左手)、揚げ野菜のせ(皿中央右手)。)
メイン:Poulet
比内地鶏 胸肉をスフレにし
手羽先とソリレスのキャラメリゼ フォアグラの香るソースシュプレーム
(比内地鶏胸肉のスフレ(胸肉、キノコのデュクセル、フォアグラや砂肝、レバーなどのムースの三層構造)、球状のじゃがいも、セップ茸でとったキノコのスープつき。)
デザート:Baba au chocolat
オレンジ風味のチョコレートババ
濃厚なチョコレートクリームと合わせて、ダークラムのアイスを添えて
((左から右へ)チョコレートムース、ババ、ダークラムのアイス、ガナッシュ。写真はインスタグラムに掲載予定。)
お茶:Café ou Thé
フレッシュハーブティー(追加料金あり)
小菓子:Mignardises
ミニャルディーズ
((左から右へ)ブルーベリーのマカロン、柚子のパートドフリュイ、チョコレートクッキー。写真はインスタグラムに掲載予定。)
現在のミシュラン東京発刊時にはお店自体が存在していなかったので「未掲載」ではなく「新店」とさせていただきました。調査期間などを考えると今月末発刊予定のミシュラン東京2019への掲載は微妙でしょうか。あるいは新規掲載からの二つ星の快挙はあるでしょうか。
さて、シェフの朝比奈氏はジョエル・ロブション氏のもとで長らくお仕事をされ、恵比寿の「ターブル・ド・ジョエル・ロブション」でエグゼクティブシェフをされていた方になります。今回の独立、新規開業はプレスリリースでアナウンスされていてしばらく前に知った次第でした。
今回シェフとお目にかかることはないかと思っていましたが最後お見送りをしていただいてお会いすることができました。出際の一瞬だったのでゆっくりとお話することができませんでした。もし機会がありましたらお店の立地についてなど聞きたいなと後から思いました。
特定の地区にお店を構える理由はシェフそれぞれに色々な思いやご縁があったりして異なるのかと思いますが、こちらのある兜町は繁華街というよりは東京証券所がある関係から証券会社が多いオフィス街で、ガストロノミーレストランとして出店する点についてどのような意図や思いがあったのか気になった次第でした。
お店の立地は東京証券取引所の裏手に当たっていて、日本橋がかかっている川に面していることもあって人通りもまばらなまさに隠れた一画にあるという印象ですのでガストロノミーレストランとしての静謐さは十分に確保された環境ということができるかと思います。
サルは入口を入ったところからさらに重い扉を開けた先にありますが、基本的にサービスの方々が扉の開け閉めをして先導してくださいますので至って快適に出入りすることができました。

店内の様子
お店の開始時間より少し前に入れていただいて、退店時間指定で少し急ぎ目にお料理を出していただきましたが、慌てる様子もなく丁寧にそれでいて時間がのびのびにならない絶妙なタイミングで速やかにお皿を提供して頂きました。
このあたりのサービスの質はガストロノミーレストランでは必須のものといえますが、その点でこちらのサービスは完璧でした。厨房とサービス、またサービス同士の連携が開店してまだ2週間程度というのにそれぞれきちんととれているのだと思います。
眼鏡をかけた支配人とおぼしき方がとても誠実そうな方で、安心してサービスを受けることができました。

飾り皿
お料理はシェフの出自であるジョエル・ロブション氏の提供する現代風の装いのフランス料理という印象で、丁寧な調理技術で良質な食材の数々を美しいお料理に仕上げられていました。お写真を見ていただければ見た目の美しさなどはある程度おわかりいただけるものかと思います。
どうしても日本では外来の文化にあたるためか、ガストロノミーレストランを志向しつつもフランスほどがっちりとガストロノミー文化を追求していないお店が日本には多いかと思います。そんな中で最もフランスのガストロノミー文化にこだわっていると感じたのが「ナリサワ」でした。
こちらの「アサヒナ・ガストロノーム」も名前にガストロノミーに関連する用語を使っていることもあってか(「ガストロノーム」は「食通」あるいは「美食家」という意味で人を指す言葉で、同じく「美食家」の意味がある「グルメ」よりも「ガストロノミー(美食文化)を愛する人」というニュアンスが出ている気がします。)、ガストロノミーを日本に普及させたいとのお志があるものかと思いました。お料理を見る限り一皿一皿の丁寧な調理と完成度によってまさしくガストロノミーを日本で広めたいという思いが込められていることを感じることができました。
ただ少し細かいこととはいえ、よりガストロノミーを追求されるおつもりならば横並びの二名テーブルはない方がいいかと思いますし、トイレには手ふき用のハンドタオルを置く方がいいかと思います。食事とは全く関係ないところではありますが、フランスの星がつくガストロノミーレストランではそれらが標準装備となっています。二名テーブルは日本では当たり前ですが、フランスではあまり見かけませんね。空間を効率的に使えるのでお店としては便利で良いのでしょうが、非日常空間の演出を妨げるように個人的には思っています。
さて、ガストロノミーレストランのこだわりのレベルの話はこれくらいにして、より本質的なお料理のお話に移りたいと思います。
アミューズで出されたのが生の鰯でさらにその中にアンチョビが入っていて生臭さを感じさせかねないある意味危険なスタートではないかと率直に思いました。意表をつかれましたし、お料理そのものはもちろん美味しくもありましたが、その後出てくるお料理を邪魔しかねないという懸念が少しありました。

実際その次に出されたのが生の帆立貝を使ったお料理で、明らかに鰯のアミューズの方が香りや癖があり、塩味も強いので同じような生の魚介類でも帆立の方が負けてしまっていたように思い、味や料理の連携という点からは少し残念な始まりになってしまっていました。
鰯もフレッシュアーモンドもジロール茸も食材自体は良いものをお使いでしょうに少しもったいないと感じました。

また、帆立のお料理はとても美しく、芸術的ですらありましたが、魚醤を忍ばせたというクレソンのムースが独特の香りを発しすぎてしまっていて、中東の市場に連れて行かれたような気持になっていました。実際に私は中東に行ったことはありませんが、パリなどでアラブの人たちがいる時に感じる独特なエキゾチックな香りがしていました。
このように、食材もよく、お皿が美しくても、残念とまではいかなくても少し満足感が得難いような状態でお料理がアミューズから冷前菜へと進んでいきました。
しかしその後は温前菜からメイン料理へと続く流れの中で、見た目にも美しくかつ美味しいお料理が続いて、シェフのレベルの高さ、志の高さを感じ取ることができ気持ちは徐々に上向いていきました。

パンについては常にしっかり温めて出して頂けるのは当たり前として、バゲットと黒パンの2種類があっていずれも美味しかったですが個人的にはバゲットが好みでした。
ただ、もう少しパンの種類が増えるなり、凝ったものが出てくると、よりガストロノミーレストランにふさわしい食事になるかと思いました。シェフの名前が黄色い字で表に刻まれたバターはやや少なめの提供でしたがランチの軽いコースでは丁度良い量でした。開店して間がないのでクリストフルの銀器がまだとてもきれいで輝いていました。
毛蟹のラヴィオリは甲殻類の美味しさを満喫できる一品でよかったですが、メインの鶏肉料理もとても良く、満足できました。メインは国産牛頬肉の赤ワイン煮と比内地鶏胸肉のスフレのいずれかを選ぶことができましたが、支配人の方にうかがったところスフレの方がシェフの個性が感じられるお料理とのことで迷わずこちらを選びましたがこれが正解でした。

比内地鶏胸肉のスフレ
これらの温かいお料理についてはいずれもクロッシュ(皿カバー)を使ってくださっていましたが、伝統的な銀製ではなくて半透明なガラスでしょうか新しいものを使っていて私にとっては初見だったので印象に残りました。
ランチのメイン料理というとお値段の関係もあってかありきたりの食材、調理法に落ち着きがちですが、こちらは比内地鶏を使った各種部位を楽しめる一品になっていて、さらにメインはスフレにしてあってより手間のかかる料理を提供されています。これが美味しくなければ意味がないですが、胸肉、キノコのデュクセル、フォワグラやレバー、砂肝などのムースを三層にしたスフレはなめらかで食べやすく、とても美味しいものでした。
さらにそこにセップ茸で取ったお出汁を使った熱々のコンソメスープが添えられてきて、昨今なかなかコンソメを頂ける機会が少ない中これはとてもうれしいことでした。
最後のデザートはババということで典型的なババを想像していましたが、そこはロブション出身のシェフ、現代風のアレンジで軽やかなタッチの洗練されたデザートでした。濃厚なはずですが、いずれもさっぱりと食べられてこちらも満足しました。
ただババが少しラム酒に浸かりすぎていたようにも感じました。このあたりは好みが分かれるところかもしれず仕方ないですね。ただのババではなくラム酒に浸したスポンジをさらにチョコでコーティングしているので調整ができないため致し方ないかもしれません。ラム酒のアイスはいわゆるアイスクリームではなくて外がチョコで中にラム酒が入っている変則的なものでした。

煮出している最中のハーブティー
最後のお茶はいつもどおりハーブティーをお願いしましたが、こちらでは追加料金がかかるとのこと。サイホンで煮出してとかなり凝ったことをしているので手間がかかるということのようでした。こちらがランチ料金に含まれていると完璧でしたが、良く煮出されたハーブティーで味がとてもよかったのでその点は満足しました。蜂蜜二種が少し添えられていて、お好みで入れて飲むようにとのことでした。
すべてのお料理を頂いてみて、軽々しく予想をすべきではないかもしれませんが、早い時期に二つ星までは駆け上がっていくお店ではないかと思いました。シェフの実績からすればそれもある意味通過点に過ぎないかもしれませんが。
おなじロブション出身シェフのお店ということでしたら、個人的には浅草の「ナベノイズム」よりもこちらをお勧めしたいと思いました。
今はお店が始まったばかりで手探りの中で食材選びや献立作り、値段設定などを模索されているところかと思います。いずれ星がついていくとなると現在のお値段が30〜40%は上がっていくことになるのかと思いますので、お値打ち価格の今の時期に一度行かれてみるのがお勧めかと思います。
(いただいたもの)
ランチコース(メニュー中の太字はお店で頂いたメニューを転記した内容)
アミューズ・ブーシュ:Amuse-bouche
鰯のマリネ セミドライのアンチョビ入り
ジロール茸 フレッシュアーモンド
サクランボのソース
冷前菜:Coquille Saint-Jacques
活き帆立貝 ガルムの香るクレソンのクーリと合わせて
そのチュイルにアボカドのワッカモーレを添えて
(北海道産活帆立貝のタルタルと帆立貝のチュイル、香川のおいり(球状の米菓)添え。)
温前菜:Ravioli
毛蟹のラヴィオリ スモークパプリカの香るソース ア・ラメリケーヌを現代的思考で
(トリュフソースを注入した卵黄添え(皿中央左手)、揚げ野菜のせ(皿中央右手)。)
メイン:Poulet
比内地鶏 胸肉をスフレにし
手羽先とソリレスのキャラメリゼ フォアグラの香るソースシュプレーム
(比内地鶏胸肉のスフレ(胸肉、キノコのデュクセル、フォアグラや砂肝、レバーなどのムースの三層構造)、球状のじゃがいも、セップ茸でとったキノコのスープつき。)
デザート:Baba au chocolat
オレンジ風味のチョコレートババ
濃厚なチョコレートクリームと合わせて、ダークラムのアイスを添えて
((左から右へ)チョコレートムース、ババ、ダークラムのアイス、ガナッシュ。写真はインスタグラムに掲載予定。)
お茶:Café ou Thé
フレッシュハーブティー(追加料金あり)
小菓子:Mignardises
ミニャルディーズ
((左から右へ)ブルーベリーのマカロン、柚子のパートドフリュイ、チョコレートクッキー。写真はインスタグラムに掲載予定。)
ASAHINA Gastronome (フレンチ / 茅場町駅、日本橋駅、人形町駅)
昼総合点-
- 関連記事
-
- 星つきシェフイベント訪問記:二つ星シェフ、パスカル・バルデ氏賞味会
- レストラン訪問記:日本橋兜町「アサヒナ・ガストロノーム」(新店)
- レセゾン(帝国ホテル)★