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Cuisine Michel Troisgros (Tokyo) キュイジーヌ(s) ミシェル・トロワグロ(新宿)

長いリフレッシュ休暇があけるため、その最後の平日を名残惜しくお約束のフレンチガストロノミーで締めることに。当日思い立ったのですが、平日で席はあるだろうとふんだところ案の定でした。

新宿はセンチュリーハイアット内のモダンフレンチへ。昨秋オープンのこのお店はフランス中央部ロアンヌにある三つ星「トロワグロ」の支店で、志としては、スタイル軽めだけれどもお料理は正統(本店仕立て)という感じでしょうか。

実は数年前に本店を訪ねたことがあり、ここでは美味しいワインとともにお料理もとても楽しめた記憶があります。30年来三つ星に輝く「老舗」ではありますが、料理や店内、併設のホテルのテーストは現代風です。

さて、新宿のお店はホテル一階にあり、二階にレセプションがあるこのホテルからすると隠れ家的な位置取りで、静かな環境を確保しています。

大きな木製の扉を入るとまず正面にレセプションがあり、左へサルが続きます。レセプション脇にはソファーが置かれていますが、こちらはどちらかというと申し訳程度で、あまり雰囲気はありません。

サルはL字型になっていて正面に光が沢山差し込むスペース、さらに奥に行き、左に折れるとさらに長方形のサルがあるという造りになります。

店内のテーストはモダンと伝統を掛け合わせたようなスタイルで、椅子やテーブルも統一されているわけではありません。天井にフランスの地方でよく見られる渡した梁をむき出しにしているスタイルも見られ、独特の雰囲気。

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上品な空間にこれがあると何かほっとするものがあります。


お昼は三つのコースがあり、値段設定はこの種のお店にしては極めて民主的。庶民的とは申せませんが(笑)、最近できつつある有名店、高級店はどうも値段がつり上がっていく傾向があるようですが、ここはその点で一線を画しています。

この日は一番軽いコースを選択しましたが、食前酒用の軽いスナック三種、アミューズ、前菜、メイン、プレデザート(飲み物)、デザート、お茶、それに小菓子五点と順次供され、とても充実した内容です。軽めの食事で良いのならこれで十分堪能出来るでしょう。

サービスはもちろん一流店のものですが、やや堅さがあるのは日本だからしょうがないのでしょうか。それでもとても丁寧にお客さんを扱ってくれます。

この日食べたのは入って左奥の絨毯が敷かれたスペースの窓際にある二人卓でした。お客様はやはり奥様が多く、他にはグルメなお客さん、ビジネスランチ、卒業式かなにかのお祝いで来ているご家族など様々。ゆったりとしたスペースなのでみな一様にくつろいでとても楽しそう。

ワインは分厚いリストではありませんが、高級店に見合う揃えのようです。ボトルを開けるにはそれなりの出費を覚悟しないといけませんが、逆にそれだけの覚悟があれば楽しい夜となるでしょう。

グラスワインもシャンパン、白、赤、デザートとそれぞれ三種ほど用意されていて、計三杯いただきましたが、どれもとても美味しかったです。

特に良かったのはメートルドテルの方に勧めて頂いたアルザスのリースリング(ヒューゲル家の2001年)でしょうか。かすかな甘味がメインのお魚料理とその付け合わせととても良い相性でした。

料理全体としてはとても洗練されていて、メニューには記載されていない食前酒用のスナックにしても丁寧なつくりで、感心します。やはり志は高いのだなとそんなところに一番店の意識を感じます。

アミューズでは昆布、鰹、柚子を使ったおだしを具材の上に卓上で注いでくれるパフォーマンスもあったりします。日本料理で食べ慣れた味とはいえ、こういうフレンチの文脈で出されるとまた違った感じ方をするもので、とても新鮮です。具材として入っていたたらば蟹が甘くてそれにも感激しました。

メインのお魚の料理は見た目もとても美しい原色を散らした色遣いですが、ただ美しいだけではなく甘味や酸味を感じさせる味の構成が特徴的で、トロワグロの料理哲学がランチの一皿でもしっかり出ているのだなと感じます。

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最後の頃にはメートルドテル(支配人)の方ともうち解けて、色々おしゃべりしていました。先日出版発表のあったミシュラン東京版の話が出て、一人で食べに来ている私のことも冗談で、ミシュランの調査員の方かと思いました、なんて言ってくれたりして…。

やはり業界ではみなさん調査員が来るということでぴりぴりしているようでした。個人的にはこのお店にも星が一つ、二つはつくのではないのかなあと思っています。是非頑張って欲しいと思います。

次に来る際には夜にでもと思ったりします。夜のコースも三種類(もちろん値段はぐっと上がります)ですが、なかでも一番上のコースがやはり食材的にもお勧めのようです。

ここはデートで来るというよりも仲間でしんみり落ち着いて食事を楽しむのに最適な場所なのではないでしょうか。次回そういう文脈で来るなら、左の写真の右奥に見えている卓が良いなあと思っていました。そこはとても落ち着けそう。

店内全席禁煙という時代の流れに沿ったポリシーもまたすてきです。

当たり前のようにこんなお店があり、いいものを食べられるのだから、やはり東京は恐ろしいなあ(いい意味で)と改めて実感します。ここにまた来られるようにお仕事がんばろうと思うのでした。リフレッシュ休暇最後のいい思い出となりました。


(いただいたもの)

ワイン(いずれもグラス):
・シャンパン(トロワグロセレクション、ブランドブラン)
・白ワイン(アルザスリースリング、ヒューゲル家、2001年)
・デザートワイン(ソーテルヌ、シャトーシュイデュロー、1995年)

パン(3種類から):バジル、ベーコン
(他はくるみがあり。バターも当然のように供される。)


食前酒用スナック三種:
・小さな四角のスナックにビーツ、ラードの薄切りを載せたもの
・細長いスナックにひよこ豆のペーストを載せたもの
・玄米の衣をつけて揚げたりんごのスナック
(いずれも独特の香辛料、ハーブで香りづけされていてとても特徴がある。)

アミューズブーシュ:
ずわい蟹その他の具材にお出汁(鰹、昆布、柚子)をかけた冷たいスープ

前菜:完熟トマトとタイムのリゾット
(トマトの旨味を感じる一皿。中央に紫オリーブを刻んで入れたディジョンマスタードのクリームがあり、一緒に食べると複雑味が増しとてもよい。)

メイン:甘鯛のパヴェ アプリコットソース キュリー風味
(甘鯛は身のほぐれ方が良い上質なお魚で、とても分厚く切られていて贅沢。アプリコット(甘味)、ケッパー(酸味)などと一緒に味わうのがトロワグロスタイルとのこと。上品な味わいで、堪能出来る。)

プレデザート:トマト、マンゴー、レモンのシェイクジュース、黒胡椒風味
(質の高さを感じるこくのあるジュースで、首の部分が傾いている独特のデザインのグラスで供される。)

デザート:苺のマリネ シードルヴィネガーの香り 柚子のグラスとショコラのクネル

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(右下に山羊のチーズと和えた苺。こちらは山羊のチーズの風味の独特な香りがアクセント。中央が柚子のアイス、左上にシードルヴィネガーに漬けた苺とチョコのクリーム。)

小菓子:マシュマロ、レモンの焼き菓子、エクレア、マジパンの小さなお菓子など
(焼き菓子系が上質で絶品。)

お茶:ハーブティー(ローズヒップ)
(他に二種類ほどの選択肢あり。)
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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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