レストラン訪問記:表参道「うかい亭」(未掲載)
この日は珍しく夜の食事に出かけてきました。八王子から発して都内にいくつかの形態のお店を展開するうかいグループのうかい亭(表参道店)での食事でした。
ミシュラン東京発刊当初こそ東京タワーそばの豆腐屋さんも含めていくつか星を得ていた同グループでしたが、今はすべての星を失くしてしまっています。それでも口コミサイトの評価はそれなりにいいようですね。今回もそれら口コミの口コミは全く見ずにうかがってきました。
表参道のお店はジャンルでいうと鉄板焼きということで目の前で仕上げてくれるステーキがメインとなるお食事を楽しむ場所になっています。アンティーク調の内装がおりなす独特の雰囲気の中で、手慣れたサービスの方の応対で基本的にはストレスなく気持ちよく美食を楽しめる場所だと感じました。
鉄板がメインのお食事とはいえ一皿一皿のお料理、食材、コースの流れなどはフランス料理から大きく影響を受けていることがわかります。一方で雲丹そうめんであったり、ステーキの後には土鍋ご飯が供される点など和食の流れをくむ食事構成も垣間見ることができました。
この日は4名でうかがっていて個室でサービスしていただきました。個室といっても廊下側にしっかりとした壁があるわけではないので大きく仕切りが入った半個室のような形になります。大部屋は見ませんでしたが、おそらくこうした個室でのサービスが中心なのでしょう。金曜日ということもあったでしょうが、お店はけっこうな賑わいでした。
中国人団体客であったり、少女と言っていいようなまだ若い女性を連れた旦那衆が複数いらしたりして客層はかなりバラエティに富んでいるようでした。場所柄バブリーな一夜を過ごす需要があるのかもしれません。
夜のコースは3種類ですが、この日は鮑が頂ける真ん中のコースでした。一番上のコースとの違いは前菜にキャビアを使ってくれたり、お肉や蟹料理のグレードが上がるところくらいのようです。

食事はお酒を注文して後、料理長のお薦めという前菜から始まります。この日はバカラの器でしょうか、ガラス器に入ったボタン海老のマリネでした。沢山ないのですぐになくなってしまいますが、生の海老は甘い濃厚な味でした。

お酒はボトルシャンパンから入りましたが、お店の方お薦めで出していただいたのはゴセのブランドブラン(シャルドネ100%のシャンパン)でした。基本炭酸が強めの辛口ですがほのかに蜜の味がして飲み進むほどに美味しくいただくことができてついつい沢山いただいてしまいました。

すべてのお料理をいただいてみて、やはりスペシャリテという鮑は柔らかくてソースも含めて美味しくとても印象に残りました。鮑は最初の方から鉄板の上で蒸しの調理が施されていって、その一部始終を見ることができるのでとても楽しかったです。

ソースには海藻入りの発酵バター(ボルディエのものでしょうか)を使用しているとのことで濃厚なソースもまた楽しみの一つでした。最後に出された肝は醤油焼きでしたがバターソースで食べていたこともあって少しつまらない味に感じてしまいちょっともったいなかったです。ソースに使うなどしていただいた方がいいかなと素人ながらに感じました。
他にはやはりメインのステーキが良かったです。この日のお肉は九州のものとのことでした。その日その日一番良いものを厳選して提供するというスタイルのようです。ステーキのお皿には有田焼を使っていてそんな器使いにも目が留まりました。


ステーキに合わせて出されたのはボルドーのグランクリュ5級のシャトーベルグラーヴ2015でした。まだ若い感じでしたが、食事を楽しみながら穏やかに飲み進むことができました。
そのままでも十分美味しかったですが、ポン酢醤油、わさび入りのクリーミーなソースなど色々なソースが用意されていて楽しめます。またスリランカ産の生胡椒が香り高くてよかったです。

鉄板焼きでご飯ものの定番というとガーリックライスということなのでしょうが、ここは少し手間のかかる土鍋ご飯を出してくれます。パフォーマンスという面もあるかもしれませんが、炊き立ての土鍋ご飯は米一粒一粒が立っていて大変おいしかったです。そこに至るまで色々と沢山食べてきたあとでしたが、鯛やからすみの味も加わって食欲がかきたてられるせいなのかお代わりまでご飯をしっかり楽しむことができました。
食後はカフェスペースのようなところに移動してデザートをいただきます。スタンダードなデザートが並ぶ中、季節のトリュフを使ったチョコレートタルトがあり、こちらにしてみました。思った以上にトリュフを使ってくれていて目にも幸せな一品です。
お茶はお願いしなくてもお代わりをもってきてくれるので、その点はとても気が利いていますね。ただカフェスペースはそれまでの個室での扱いを考えると少しさみしく、4人ならまだソファー席でテーブルも広めですが、二人客だと普通の小さなカフェ程度のスペースの押し込まれる感じになっていて外から見ていてけっこう残念な感じがしました。
それでも総合的にはサービスも安定していましたし、美味しいものがいくつもいただけて大満足いたしました。美味しいお肉をメインにしておしゃれに食事を楽しみたいときには候補に挙げてよいお店なのだと思います。
(いただいたもの)
鮑とうかい厳選牛コース(パンは随時提供)
料理長より本日のお薦め:ボタン海老のマリネ ジュレ 柑橘類の泡
フォワグラのロースト
タラバ蟹のクリームスープ
うかい亭スペシャリティー 鮑の岩塩蒸し
雲丹そうめん
うかい厳選牛サーロインステーキ(ミディアムレア)
季節の土鍋ご飯:鯛とからすみ
デザート:チョコレートタルト トリュフの香り
ハーブティー(ミント)
飲み物:
・シャンパン(ボトル):ゴセ ブランドブラン
・赤ワイン(グラス):オーメドック シャトー ベルグラーヴ 2015
ミシュラン東京発刊当初こそ東京タワーそばの豆腐屋さんも含めていくつか星を得ていた同グループでしたが、今はすべての星を失くしてしまっています。それでも口コミサイトの評価はそれなりにいいようですね。今回もそれら口コミの口コミは全く見ずにうかがってきました。
表参道のお店はジャンルでいうと鉄板焼きということで目の前で仕上げてくれるステーキがメインとなるお食事を楽しむ場所になっています。アンティーク調の内装がおりなす独特の雰囲気の中で、手慣れたサービスの方の応対で基本的にはストレスなく気持ちよく美食を楽しめる場所だと感じました。
鉄板がメインのお食事とはいえ一皿一皿のお料理、食材、コースの流れなどはフランス料理から大きく影響を受けていることがわかります。一方で雲丹そうめんであったり、ステーキの後には土鍋ご飯が供される点など和食の流れをくむ食事構成も垣間見ることができました。
この日は4名でうかがっていて個室でサービスしていただきました。個室といっても廊下側にしっかりとした壁があるわけではないので大きく仕切りが入った半個室のような形になります。大部屋は見ませんでしたが、おそらくこうした個室でのサービスが中心なのでしょう。金曜日ということもあったでしょうが、お店はけっこうな賑わいでした。
中国人団体客であったり、少女と言っていいようなまだ若い女性を連れた旦那衆が複数いらしたりして客層はかなりバラエティに富んでいるようでした。場所柄バブリーな一夜を過ごす需要があるのかもしれません。
夜のコースは3種類ですが、この日は鮑が頂ける真ん中のコースでした。一番上のコースとの違いは前菜にキャビアを使ってくれたり、お肉や蟹料理のグレードが上がるところくらいのようです。

食事はお酒を注文して後、料理長のお薦めという前菜から始まります。この日はバカラの器でしょうか、ガラス器に入ったボタン海老のマリネでした。沢山ないのですぐになくなってしまいますが、生の海老は甘い濃厚な味でした。

お酒はボトルシャンパンから入りましたが、お店の方お薦めで出していただいたのはゴセのブランドブラン(シャルドネ100%のシャンパン)でした。基本炭酸が強めの辛口ですがほのかに蜜の味がして飲み進むほどに美味しくいただくことができてついつい沢山いただいてしまいました。

すべてのお料理をいただいてみて、やはりスペシャリテという鮑は柔らかくてソースも含めて美味しくとても印象に残りました。鮑は最初の方から鉄板の上で蒸しの調理が施されていって、その一部始終を見ることができるのでとても楽しかったです。

ソースには海藻入りの発酵バター(ボルディエのものでしょうか)を使用しているとのことで濃厚なソースもまた楽しみの一つでした。最後に出された肝は醤油焼きでしたがバターソースで食べていたこともあって少しつまらない味に感じてしまいちょっともったいなかったです。ソースに使うなどしていただいた方がいいかなと素人ながらに感じました。
他にはやはりメインのステーキが良かったです。この日のお肉は九州のものとのことでした。その日その日一番良いものを厳選して提供するというスタイルのようです。ステーキのお皿には有田焼を使っていてそんな器使いにも目が留まりました。


ステーキに合わせて出されたのはボルドーのグランクリュ5級のシャトーベルグラーヴ2015でした。まだ若い感じでしたが、食事を楽しみながら穏やかに飲み進むことができました。
そのままでも十分美味しかったですが、ポン酢醤油、わさび入りのクリーミーなソースなど色々なソースが用意されていて楽しめます。またスリランカ産の生胡椒が香り高くてよかったです。

鉄板焼きでご飯ものの定番というとガーリックライスということなのでしょうが、ここは少し手間のかかる土鍋ご飯を出してくれます。パフォーマンスという面もあるかもしれませんが、炊き立ての土鍋ご飯は米一粒一粒が立っていて大変おいしかったです。そこに至るまで色々と沢山食べてきたあとでしたが、鯛やからすみの味も加わって食欲がかきたてられるせいなのかお代わりまでご飯をしっかり楽しむことができました。
食後はカフェスペースのようなところに移動してデザートをいただきます。スタンダードなデザートが並ぶ中、季節のトリュフを使ったチョコレートタルトがあり、こちらにしてみました。思った以上にトリュフを使ってくれていて目にも幸せな一品です。
お茶はお願いしなくてもお代わりをもってきてくれるので、その点はとても気が利いていますね。ただカフェスペースはそれまでの個室での扱いを考えると少しさみしく、4人ならまだソファー席でテーブルも広めですが、二人客だと普通の小さなカフェ程度のスペースの押し込まれる感じになっていて外から見ていてけっこう残念な感じがしました。
それでも総合的にはサービスも安定していましたし、美味しいものがいくつもいただけて大満足いたしました。美味しいお肉をメインにしておしゃれに食事を楽しみたいときには候補に挙げてよいお店なのだと思います。
(いただいたもの)
鮑とうかい厳選牛コース(パンは随時提供)
料理長より本日のお薦め:ボタン海老のマリネ ジュレ 柑橘類の泡
フォワグラのロースト
タラバ蟹のクリームスープ
うかい亭スペシャリティー 鮑の岩塩蒸し
雲丹そうめん
うかい厳選牛サーロインステーキ(ミディアムレア)
季節の土鍋ご飯:鯛とからすみ
デザート:チョコレートタルト トリュフの香り
ハーブティー(ミント)
飲み物:
・シャンパン(ボトル):ゴセ ブランドブラン
・赤ワイン(グラス):オーメドック シャトー ベルグラーヴ 2015
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