Michelin France '07
先日発売された今年のミシュラン(フランス)ですが、気になるのはやはり星の移動。60年ぶりに女性シェフが誕生ということで日本の新聞にも報じられていました。ちなみにフランス以外では現役の三つ星女性シェフが以前から活躍しています。
今年は昨年ほど気合いは入れず、さらっと個人的感想をいれつつ流れを追うことにいたします。
★★★:三つ星
前述の三つ星女性シェフはアンヌ・ソフィ・ピック氏で、3代続けての三つ星獲得はおそらく初めての快挙。彼女のおじいさま、お父様も三つ星の栄誉に輝いています。お店はプロヴァンスの入り口、ヴァランスにある「ピック」。
パリでは「ムーリス」が順当に昇格。このあたりはお約束という感じでしょう。
希望の星がついていないにも関わらず一気に三つ星へ上り詰めたのが16区の「アストランス」。
店のしつらえ等を考えると奇跡的な結果ともいえるかもしれません。一つ星時代に訪問し、料理のタイプが好みで、感じるところがありましたが、まさかこんな早くにくるとは。「タイユバン」の二つ星への降格とあわせて時代の求める「皿」の変化を大きく感じさせる出来事でした。
また一昨年訪れとても印象の悪かったパリ・ブローニュの森のレストラン「プレカトラン」も何故か三つ星へ。このあたりは理解ができません。
地方では他に「ラムロワーズ」が一年で三つ星へ返り咲き。

上の写真が訪問時(当時も三つ星)にいただいたフォワグラです。特上の質でございました。
また、降格組では「ルサンク」が”順当に”二つ星へ降格。料理の質もあるでしょうが、サービスは根底から改める必要がありましょう。現在のレベルは不明ですが。
また店の都合で一方的に予約を直前キャンセルされた”苦い”経験もある「エスペランス」は倒産で廃業とのことで、店自体がなくなりました。さもありなんというかんじです。
また店舗売却のヴェイラ「フェルム・ドゥ・モンペール」、シェフ交代の「ブリュイーゼル」はそれぞれ星自体がなくなりました。
来年あたりはパリのオテルドゥクリヨン内「アンバサドール」が、政治的な流れでいくと三つ星昇格まず間違いないのでしょうか。今年の「ムーリス」のようなものですね。ここのシェフはデュカスの流れなのであまり好みではありませんが、一度は訪ねてみたいものです。
★★:二つ星
一番大きな変化と私が個人的に感じたのは昨年夏に訪問したアヌシーの「クロ・デ・サンス」の二つ星への昇格。希望の星をもたないまま、一気に二つ星に。
昨年夏こちらでの食事中に、サービスのお兄さんに、(料理が気に入り)もうすぐに二つ星ですねなどと軽口をたたいていましたが、それが早々に実現し正直驚いております。近辺に行かれたら是非訪問を。ここはやはり夏場のテラスがおすすめです。ただお勘定にはご注意下さいませ。この時、料理一皿分くらいの勘定をごまかされそうになりました(笑)。

写真は、こちらでいただいたデザートの一皿になります。
昇格組ではリヨンの「ニコラ・ルベック」が少し気になりました。数年前のゴーミヨーでもてはやされたシェフで、一度彼のできたてのお店に訪問しましたが(当時開店したてで無星)、志のわりに食材や技術が追いついていない感じでした。正直二つ星は早いという印象ですが、きっと良くなっているのでしょう。
他、パリでロブションのお弟子さんが指揮を執る「レ・ゼリゼ」がようやく二つ星へ復帰。同じくロブションの弟子がシェフの「ロブション・モンテカルロ」も順当に、すさまじい勢いで二つ星へ。こちらは内装がガルシアでテーストがやはり面白い感じ。南仏では是非行ってみたいお店です。
来年はパリのシンプルなロブションのお店、「アトリエ」が二つ星なるかどうかとても気になっています。
★:
一つ星は多いのでほんの少しだけ触れてみます。
パリで気になっていたモダンビストロ(?)「オーギュスト」がいつの間にか一つ星へ。お料理の出で立ちを雑誌で見ていて、とても洗練された日常食という感じだったので興味がありました。次回パリでは是非試してみたいお店です。
また再起組のドミニク・ブシェさんのお店「ドミニク・ブシェ」がめでたく一つ星獲得。店の雰囲気はとてもカジュアルなのでくつろいで食事を楽しめそうです。
地方では以前北海道・洞爺湖の「ミシェル・ブラス」にてシェフをしていた方が出したオンフルールのレストラン「サ・カ・ナ」が一つ星へ。日本での経験を活かしたお料理を出してくれるのでしょうか。気になります。
また、悲しいことに以前行ったことのあるお店が軒並み星をなくしてしまいました。これも時代の趨勢でしょうか。パリのイタリアン、「ソルマニ」、アルザス、リボーヴィレの「オ・リボピエール」やトゥルーズの「コジ・ファン・トゥッテ」など。

写真が、「ソルマニ」でいただいた白トリュフのリゾット。なまめかしい白トリュフの香りに充ち満ちた贅沢な一皿。季節になるとここでこれが食べられます。つきだしも気が利いていてとても好きなお店なだけに残念です。それでもトリュフ(白・黒とも)のシンプルなお料理(リゾットやパスタ)が食べたいときにはこちらに行くことでしょう。
またパリでは古典的な?お店も軒並み星をなくし、もしくは星を一つ落とすなどしており、料理の評価について今年は大きな転換点であるという印象を受けました。
来年の一つ星ですが、かつてのタイユバンのシェフ、ミシェル・デル・ブルゴさんの新店の評価が気になるところです。シェフの力から言うとやすやすと星を取ってしまいそうですが…。いずれにしても来年のミシュランに注目でございます。
今年は昨年ほど気合いは入れず、さらっと個人的感想をいれつつ流れを追うことにいたします。
★★★:三つ星
前述の三つ星女性シェフはアンヌ・ソフィ・ピック氏で、3代続けての三つ星獲得はおそらく初めての快挙。彼女のおじいさま、お父様も三つ星の栄誉に輝いています。お店はプロヴァンスの入り口、ヴァランスにある「ピック」。
パリでは「ムーリス」が順当に昇格。このあたりはお約束という感じでしょう。
希望の星がついていないにも関わらず一気に三つ星へ上り詰めたのが16区の「アストランス」。
店のしつらえ等を考えると奇跡的な結果ともいえるかもしれません。一つ星時代に訪問し、料理のタイプが好みで、感じるところがありましたが、まさかこんな早くにくるとは。「タイユバン」の二つ星への降格とあわせて時代の求める「皿」の変化を大きく感じさせる出来事でした。
また一昨年訪れとても印象の悪かったパリ・ブローニュの森のレストラン「プレカトラン」も何故か三つ星へ。このあたりは理解ができません。
地方では他に「ラムロワーズ」が一年で三つ星へ返り咲き。

上の写真が訪問時(当時も三つ星)にいただいたフォワグラです。特上の質でございました。
また、降格組では「ルサンク」が”順当に”二つ星へ降格。料理の質もあるでしょうが、サービスは根底から改める必要がありましょう。現在のレベルは不明ですが。
また店の都合で一方的に予約を直前キャンセルされた”苦い”経験もある「エスペランス」は倒産で廃業とのことで、店自体がなくなりました。さもありなんというかんじです。
また店舗売却のヴェイラ「フェルム・ドゥ・モンペール」、シェフ交代の「ブリュイーゼル」はそれぞれ星自体がなくなりました。
来年あたりはパリのオテルドゥクリヨン内「アンバサドール」が、政治的な流れでいくと三つ星昇格まず間違いないのでしょうか。今年の「ムーリス」のようなものですね。ここのシェフはデュカスの流れなのであまり好みではありませんが、一度は訪ねてみたいものです。
★★:二つ星
一番大きな変化と私が個人的に感じたのは昨年夏に訪問したアヌシーの「クロ・デ・サンス」の二つ星への昇格。希望の星をもたないまま、一気に二つ星に。
昨年夏こちらでの食事中に、サービスのお兄さんに、(料理が気に入り)もうすぐに二つ星ですねなどと軽口をたたいていましたが、それが早々に実現し正直驚いております。近辺に行かれたら是非訪問を。ここはやはり夏場のテラスがおすすめです。ただお勘定にはご注意下さいませ。この時、料理一皿分くらいの勘定をごまかされそうになりました(笑)。

写真は、こちらでいただいたデザートの一皿になります。
昇格組ではリヨンの「ニコラ・ルベック」が少し気になりました。数年前のゴーミヨーでもてはやされたシェフで、一度彼のできたてのお店に訪問しましたが(当時開店したてで無星)、志のわりに食材や技術が追いついていない感じでした。正直二つ星は早いという印象ですが、きっと良くなっているのでしょう。
他、パリでロブションのお弟子さんが指揮を執る「レ・ゼリゼ」がようやく二つ星へ復帰。同じくロブションの弟子がシェフの「ロブション・モンテカルロ」も順当に、すさまじい勢いで二つ星へ。こちらは内装がガルシアでテーストがやはり面白い感じ。南仏では是非行ってみたいお店です。
来年はパリのシンプルなロブションのお店、「アトリエ」が二つ星なるかどうかとても気になっています。
★:
一つ星は多いのでほんの少しだけ触れてみます。
パリで気になっていたモダンビストロ(?)「オーギュスト」がいつの間にか一つ星へ。お料理の出で立ちを雑誌で見ていて、とても洗練された日常食という感じだったので興味がありました。次回パリでは是非試してみたいお店です。
また再起組のドミニク・ブシェさんのお店「ドミニク・ブシェ」がめでたく一つ星獲得。店の雰囲気はとてもカジュアルなのでくつろいで食事を楽しめそうです。
地方では以前北海道・洞爺湖の「ミシェル・ブラス」にてシェフをしていた方が出したオンフルールのレストラン「サ・カ・ナ」が一つ星へ。日本での経験を活かしたお料理を出してくれるのでしょうか。気になります。
また、悲しいことに以前行ったことのあるお店が軒並み星をなくしてしまいました。これも時代の趨勢でしょうか。パリのイタリアン、「ソルマニ」、アルザス、リボーヴィレの「オ・リボピエール」やトゥルーズの「コジ・ファン・トゥッテ」など。

写真が、「ソルマニ」でいただいた白トリュフのリゾット。なまめかしい白トリュフの香りに充ち満ちた贅沢な一皿。季節になるとここでこれが食べられます。つきだしも気が利いていてとても好きなお店なだけに残念です。それでもトリュフ(白・黒とも)のシンプルなお料理(リゾットやパスタ)が食べたいときにはこちらに行くことでしょう。
またパリでは古典的な?お店も軒並み星をなくし、もしくは星を一つ落とすなどしており、料理の評価について今年は大きな転換点であるという印象を受けました。
来年の一つ星ですが、かつてのタイユバンのシェフ、ミシェル・デル・ブルゴさんの新店の評価が気になるところです。シェフの力から言うとやすやすと星を取ってしまいそうですが…。いずれにしても来年のミシュランに注目でございます。
- 関連記事
-
- ミシュラン東京 2010 (1) ★★★
- Michelin France '07
- Michelin France '06 (9):希望の星