レストラン訪問記:白山「ヴォーロ・コズィ」(未掲載)
この日は前から気になっていたイタリア料理のお店へうかがいました。トラットリアよりはリストランテという志のお店だと思っていましたが、内装やしつらえはともかくお皿の中やサービスはトラットリアを抜け出せないイタリア郷土料理店でした。
お料理は総じて美味しいですし、平日ランチというのに6組ものお客さんが入っていてなかなかの盛況ぶりですから、人気のほどもわかりました。また、支配人の方はさすがに経験を積まれていて色々と気配りができますし、基本的には気持ちよく過ごすことができました。
ただもう一人のサービスを担っていた若手の方がどうも気の回らない、あるいは経験不足の方でまだサービス歴が浅いのだろうなという印象でした。あるいは本人の能力の問題もあるかもしれませんが、そればかりは初対面でわかるものでもありません。
入店して着席の時たまたま席をふさぐような形で立っていたこの方に支配人の方が声をかけると、その方がこちらを向いたのはいいですが、そこでまずすることはこちらへのあいさつでしょう。ただこちらを黙って見ているだけとはどういうことと思ってしまいます。ただの関係ない傍観者ならいいのですが、レストランという一つの舞台に立つサービスマン、客というともに欠かせない役者なのですから、目の前のあなたを認識しているという合図を送るのがマナーというもの。こちらからあいさつしてももちろんいいのですが、こちらは客として初めてのその場所にお邪魔をしている身なわけですから、勝手知ったるおもてなしをする側のサービスの方が声を掛けるのが自然というものです。
また少し後の出来事ですが、ちょうど運ばれていたフィンガーフードを食べようと手にしていたタイミングでメニューをもってきた件の彼、早くメニューを受け取れと言わんばかりにプレッシャーをかけてきました。論外です。サービスマンは客を主体としてどれだけ客が気持ちよくそこで過ごすことができるかを差配する役割を担っているのであって、逆はありえません。お金を払っているからとか、客が偉いから(別に偉くないですが)とかそんなことではなく、役回りの問題です。立派なサービスマンの方々はご自身のお仕事に誇りをもってサービスをしているはずで、これまで色々なお店で素晴らしい気配りの数々を受けた思い出があるだけに、こうした底の浅い自分中心のサービスに遭遇するととても残念な思いになり、それだけで店の評価が急激に下がってしまいます。
さて、本題のお料理ですが、こちらのシェフは日本の食材をうまくイタリア料理に使ってという感じの方ではなく、あくまでイタリアの食材にこだわる方のようで、メニュー構成にもそうした意識が出ていたように感じました。食材の産地をことさらアピールすることはなく、イタリアで学んだ成果を客に提供するという姿勢です。

魚介の前菜盛り合わせ
料理はどれも美味しかったですが、少し華がないというか、勢いに欠ける感じがしました。こちらの名物であると思われる、ヴェネツィア風の魚介類を使った前菜盛り合わせもそれぞれは美味しいですが、彩りであったり、盛り付けであったりにもう少しインパクトが欲しかったです。内容が全く違うので単純に比較できませんが、その点では同じ前菜盛り合わせでも「リストランテ濱崎」の方が勢いがあり、食材も活き活きしていたように感じました。

ポレンタとトンナネッリチーズのラヴィオリ
またパスタは一つを選択するのですが、量が少なめで満足するには程遠かったですし、一つ一つのお皿が出されるタイミングが少し間延びしてしまっているようで食事を楽しみ切れない感じもあり、そこも残念な点でした。

和牛ほほ肉と春野菜の煮込み
またパンは温めて出していただけるのはいいのですが、とても小さい上にほんの少しずつ出す形で、メインが出ていてパン皿が空なのにサービスが全くそこをケアせずにいました。そのため、こちらがわざわざ声掛けの時間をとってパンをお願いする羽目になり、声かけのタイミングを見計らう時間からパンが運ばれてくるまでの数分の間に当然メインが冷めて、どんどん美味しさを失っていってしまうことになったので大変残念でした。
内装は赤いビロードを使ったシックな店内で、店の両端の空間は光が差し込むようになっていて小さいながらも気持ちの良い空間ではありますが、サービスが残念で色々と損をしていますし、お客さんもなかなか満たされないまま帰っていく方が多いのではないかと思ってしまいました。
個人的な相性などももちろんあるかもしれませんが、同じ値段でより楽しく、美味しく食べられる他のイタリア料理店を思う時、再びここに行こうという思いにはどうしてもなりにくいと思わざるを得ませんでした。
(いただいたもの)
ランチコース
パルメザンチーズのおせんべい
春野菜のフォンデュータ
チーズコロッケ
魚介の前菜盛り合わせ
ポレンタとトンナネッリチーズのラヴィオリ
和牛ほほ肉と春野菜の煮込み
デザート:ラッテ・イン・ピエーディ フランボワーズソース 薄焼きクッキー ヘーゼルナッツのクロッカンテ
お茶と小菓子:カモミールティー レモンのグラニテ チョコの容器とキャラメル
お料理は総じて美味しいですし、平日ランチというのに6組ものお客さんが入っていてなかなかの盛況ぶりですから、人気のほどもわかりました。また、支配人の方はさすがに経験を積まれていて色々と気配りができますし、基本的には気持ちよく過ごすことができました。
ただもう一人のサービスを担っていた若手の方がどうも気の回らない、あるいは経験不足の方でまだサービス歴が浅いのだろうなという印象でした。あるいは本人の能力の問題もあるかもしれませんが、そればかりは初対面でわかるものでもありません。
入店して着席の時たまたま席をふさぐような形で立っていたこの方に支配人の方が声をかけると、その方がこちらを向いたのはいいですが、そこでまずすることはこちらへのあいさつでしょう。ただこちらを黙って見ているだけとはどういうことと思ってしまいます。ただの関係ない傍観者ならいいのですが、レストランという一つの舞台に立つサービスマン、客というともに欠かせない役者なのですから、目の前のあなたを認識しているという合図を送るのがマナーというもの。こちらからあいさつしてももちろんいいのですが、こちらは客として初めてのその場所にお邪魔をしている身なわけですから、勝手知ったるおもてなしをする側のサービスの方が声を掛けるのが自然というものです。
また少し後の出来事ですが、ちょうど運ばれていたフィンガーフードを食べようと手にしていたタイミングでメニューをもってきた件の彼、早くメニューを受け取れと言わんばかりにプレッシャーをかけてきました。論外です。サービスマンは客を主体としてどれだけ客が気持ちよくそこで過ごすことができるかを差配する役割を担っているのであって、逆はありえません。お金を払っているからとか、客が偉いから(別に偉くないですが)とかそんなことではなく、役回りの問題です。立派なサービスマンの方々はご自身のお仕事に誇りをもってサービスをしているはずで、これまで色々なお店で素晴らしい気配りの数々を受けた思い出があるだけに、こうした底の浅い自分中心のサービスに遭遇するととても残念な思いになり、それだけで店の評価が急激に下がってしまいます。
さて、本題のお料理ですが、こちらのシェフは日本の食材をうまくイタリア料理に使ってという感じの方ではなく、あくまでイタリアの食材にこだわる方のようで、メニュー構成にもそうした意識が出ていたように感じました。食材の産地をことさらアピールすることはなく、イタリアで学んだ成果を客に提供するという姿勢です。

魚介の前菜盛り合わせ
料理はどれも美味しかったですが、少し華がないというか、勢いに欠ける感じがしました。こちらの名物であると思われる、ヴェネツィア風の魚介類を使った前菜盛り合わせもそれぞれは美味しいですが、彩りであったり、盛り付けであったりにもう少しインパクトが欲しかったです。内容が全く違うので単純に比較できませんが、その点では同じ前菜盛り合わせでも「リストランテ濱崎」の方が勢いがあり、食材も活き活きしていたように感じました。

ポレンタとトンナネッリチーズのラヴィオリ
またパスタは一つを選択するのですが、量が少なめで満足するには程遠かったですし、一つ一つのお皿が出されるタイミングが少し間延びしてしまっているようで食事を楽しみ切れない感じもあり、そこも残念な点でした。

和牛ほほ肉と春野菜の煮込み
またパンは温めて出していただけるのはいいのですが、とても小さい上にほんの少しずつ出す形で、メインが出ていてパン皿が空なのにサービスが全くそこをケアせずにいました。そのため、こちらがわざわざ声掛けの時間をとってパンをお願いする羽目になり、声かけのタイミングを見計らう時間からパンが運ばれてくるまでの数分の間に当然メインが冷めて、どんどん美味しさを失っていってしまうことになったので大変残念でした。
内装は赤いビロードを使ったシックな店内で、店の両端の空間は光が差し込むようになっていて小さいながらも気持ちの良い空間ではありますが、サービスが残念で色々と損をしていますし、お客さんもなかなか満たされないまま帰っていく方が多いのではないかと思ってしまいました。
個人的な相性などももちろんあるかもしれませんが、同じ値段でより楽しく、美味しく食べられる他のイタリア料理店を思う時、再びここに行こうという思いにはどうしてもなりにくいと思わざるを得ませんでした。
(いただいたもの)
ランチコース
パルメザンチーズのおせんべい
春野菜のフォンデュータ
チーズコロッケ
魚介の前菜盛り合わせ
ポレンタとトンナネッリチーズのラヴィオリ
和牛ほほ肉と春野菜の煮込み
デザート:ラッテ・イン・ピエーディ フランボワーズソース 薄焼きクッキー ヘーゼルナッツのクロッカンテ
お茶と小菓子:カモミールティー レモンのグラニテ チョコの容器とキャラメル
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