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星つきシェフイベント訪問記:二つ星シェフ、パスカル・バルデ氏賞味会

今はなき品川プリンスホテルにて行われた二つ星シェフ(当時)、ステファン・カラード氏の賞味会以来久しぶりに賞味会にうかがってきました。今回来日されたパスカル・バルデ氏は、世界でも指折りの名レストランである「ルイ・キャンズ」でシェフまで務められていた方なので技術への信頼や期待もありましたし、懐かしい思いもありました。

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ただ、厨房とお客さんをつなぐサービス陣が普段シェフの料理を運んでいる方々ではない点や長旅の末の慣れない厨房での調理からくる仕事の質の低下などが少し気がかりなところではありました。

プリンスホテルは正直にいうと業界でも一流とまではいえない位置にあるかと思うのですが、サービスもそれに見合ったそこそこなものでした。ただ大きく外したことはなく、最終的には色々な要素があって気持ちよくお店をあとにすることができました。

例えば後輩男性を君呼びする女性サービスの言葉遣いであったり、客一人一人に配られているメニューをやたらべたべたと触ってくる若いソムリエ氏など、個人的な資質や経験(不足)の問題が大きいのでしょうが、ちょっとおかしいなと思いました。このソムリエの方はお願いしたシャンパンをしっかり間違えて提供しようとしてくれました(もちろん途中で制止して変えてもらいました)。

また、運営をやりやすくするためとはいえ、客席近くにお会計票をまとめて置いておくなど、客から見た美観への意識に乏しい点など、グランドメゾンの自覚はないものと思わずにはいられませんでした。

また細かいですが、塗りがはげた椅子はおそらく30年以上前のスタイルのものでしょう。今回のシェフとは何の関係もないのですが、プリンスホテルにとって会場となった「ル・トリアノン」への意識はこの程度のものかと思わずにはいられませんでした。

それでも最終的に満足して帰れたのは、美味しいお料理もさることながら、チーフソムリエの方とワインについておしゃべりして色々と教えていただけたこと、お勧めのレストランを教えていただいたこと、シェフとごあいさつさせていただいたことなど、楽しい時間を過ごすことができた面があったからでした。

このチーフソムリエの方は、常温に近い温度で提供されたジュランソンセックやデキャンタされたカオールなどから、ワインを楽しむ文化を改めて思い出させてもらいました。お勧めされたレストランには是非近いうちにうかがいたいと思います。

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さて、お料理は厨房とサルに距離があったようで、またサービス陣が少しのんびりしていたせいもあって基本的にお料理が冷めてしまっていたのがとても残念でした。これで美味しさも半減していたでしょう。少しは覚悟していたこととはいえそこはやはりちょっと不満でした。

出されたお料理全てが素晴らしいということはなく、味のピントがぼやけていたり、量が少なすぎて満足できなかった皿もありました。

それでもシェフが自ら選んだフランスの食材で丁寧に調理されたお料理をそれなりの品数楽しむことができて総じて楽しい体験でした。この季節定番のアスパラは大きいものを2本まるまるモリーユ茸とともにいただけましたし、仔羊のお料理の火入れ加減と脂の美味しさが絶妙でよかったです。

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パスカル・バルデ

食後、お会計を済ませてお店を出る際にはシェフが出入り口のところにいらしてお客さん全員にあいさつしてくれていました。バルデ氏が「ルイ・キャンズ」にいらしたのは2007年からとのことでそれ以前にうかがっていた私は直接かぶることはなかったようですが、色々おしゃべりが楽しめて、最後にはお写真も撮らせていただいてとてもいい機会になりました。

機会がありましたら是非シェフの地元のお店にもうかがってみたいものだと思うのでした。


(いただいたもの)

パスカル・バルデの特選料理(ランチコース) 

*飲み物は別注文(水はアクアパンナを注文)。
*パン三種(カンパーニュ、バゲット、くるみ)とバターつき。


 食前酒(グラスシャンパン):マイイ グラン・クリュ エクストラ ブリュット
(→最初は生のフルーツを使ったカクテルを模索しましたが、桃がないとのことで断念し、普通にシャンパンをいただきました。)


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シャンパンスナック:亜麻のチュイル マスとタラの燻製のカナッペ
(→右はエリンギとズッキーニのベイニェで、温かく美味しいですが、普通の居酒屋のつきだしのようなものにしか思えませんでした。カナッペは思ったより酸味が感じられるつくりでした。亜麻のチュイルは見た目が面白いですし、味も雑穀を食べる趣で素朴ですが好みでした。)


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グリンピースのロワイヤル
(→二層になっていて、上の鮮やかなグリーンピースのすり流し状のものの下にロワイヤルがあります。ロワイヤルというと茶碗蒸しのイメージがありましたが、もっと固めなレアチーズケーキ状のペースのようなものでした。グリーンピースの青臭い感じを楽しめる一皿で良いと思いました。)


 グラスワイン(白):ドメーヌ・コアペ(ラ・カノペ) ジュランソン・セック 2015
(→以前の賞味会で美味しかったので今回もお願いしてみました。期待通り複雑な味わいのお酒で大変好みでした。チーフソムリエの方のお酒を選ぶセンスが私の好みに合っていました。)


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フランス ヴォージュ産 鶉のシュープレームとフォアグラのポワレ 黒トリュフのミジョテ
(→(左上から)もも肉、フォアグラ、ムース。とても期待していましたが、量が少なくて残念でした。さらに左上のもも肉はほぼ味がしませんでした。こちらも星つきシェフとしてはありえないレベルの味でした。下はムース状にされた鶉肉です。ただシェフの地元産のトリュフをふんだんにかけていただけたので(季節柄強いとはいえないとはいえ)香り、パフォーマンス両面では満足させていただきました。)


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グリーンアスパラガスとモリーユ茸のファルス
(→シンプルなお料理ですが、食材を存分に楽しめるのでこれで良いと思いました。初夏に入り、少しずれてきているかもしれませんが、フランスの春の二大食材(モリーユ茸、グリーンアスパラガス)を堪能できました。モリーユ茸に詰められているのは鶏肉のムースリーヌとのことでした。)


 グラスワイン(赤):シャトー・デュ・セードル カオール 2015
(→デカンタして提供していただきました。バランス良いカオールとのことでしたが、はたしてとても美味しく楽しめました。カオールはもっと安酒のイメージがありましたが、認識が改まりました。単に経験不足かもしれませんが。チーフソムリエの方の選択がやはり好みです。)


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メイン(魚か肉か選択):フランス リムーザン産仔羊背肉のロティ 季節の野菜添え
(→パセリやビートなどの緑の野菜を使っていて目にも鮮やかです。個人的には仔羊を食べる機会が久しぶりでそれだけで嬉しかったです。三隅に置かれた小さなペーストにはニンニクがしっかり入っていてとても香ばしいです。)


デザート:フォンダン・ショコラ ル・ジャンドロ スタイル
(→普通のフォンダンショコラではなくむしろムース状のチョコレートケーキといった感じです。ミントのアイスが載っていて、ミントのシロップをかけるので、口内調理でチョコミントになる仕掛けでした。なるほど、これがシェフのお店のスタイルなのでしょう。)


ミニャルディーズ:マンゴーとレモンのタルト、ヘーゼルナッツのフィナンシェ、メレンゲ ラズベリーのせ

ハーブティー(カモミールミックス)
(→普通にフレッシュハーブティーを用意していて欲しかったです。ミントを使ったデザートならなおさら、ミントティーは必須でしょう。こちらはフレッシュの葉も入っているようですが、ドライのものも入っているミックスとのことでした。)





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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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