レストラン訪問記:広島「ル・ジャルダン・グルマン」(★)
「食いしん坊の(ための)庭」というのがレストラン名称の直訳になりますでしょうか。広島市街からみて西の郊外、広島電鉄の駅が最寄りのレストランになります。
以前、読者様もこちらを訪ねていらっしゃいました(その時のお写真がこちら)。
郊外でかつ自家栽培のお野菜などを使用したフレンチというととても期待が高まります。外からはわかりにくいですが、店内は静かな高級店の雰囲気があってくつろげる空間ではありました。
食前酒選びの際にシェフとお話してその印象も悪くなかったのですが、お店の運営についていくつかの欠点が目についてしまい、再訪はないとの結論になってしまいました。食前酒の選択から最初の前菜あたりまではいい感じに進んでいたのですが。
私を一番失望させたのは、デザートが提供されるはずのサービスの回において、デザートではない単なる果物をそのままの形で提供してきたことです。果物にかかっている蜂蜜ソースに手が加わっているのはわかりましたが、単なる果物をあたかもデザートのように提供する姿勢がこれまでの数少ない経験と照らしてもそうそうない体験で、許せなかったです。これまでの体験ですと、どんなカジュアル店でもちゃんと素材にフランス料理の技術に則って手を加えたものをデザートとして提供して下さっていました。
美味しい、美味しくない、パフォーマンスが良い、悪い以前の問題です。
フランス料理を標榜するお店ならばどんなにシンプルでも良いので素材に手をかけて一皿の料理に仕上げて提供して欲しいです。果物は美味しいものを使っているのかもしれませんが、手抜きをされている、料理をしていないという印象の方が強くてお店にとってマイナスでしかないでしょう。
シャインマスカットの名前もデザートメニューにありましたが、おそらくこちらもシャインマスカットをそのまま提供し、白ワインのジュレか何かをかけて提供するものでしょう。
唯一手がかかったと思われるデザートがフォンダンショコラでしたが、さっぱりしたデザートが食べたく思い、今回注文したものをお願いした次第でした。
正直大して好きでもないパッションフルーツをほじって中味を食べる作業を強いられるのは、最初に感じた失望もあいまって苦痛以外の何物でもなく、今食べている物体を美味しいと感じることを大いにさまたげていました。
他にも気になったのはお魚料理の身質でしょうか。低温調理で弾力がすごいですが、お魚自体の旨みは感じにくく、水分が多いスープスタイルのソースと相まって美味しい料理からははるか遠くなっていしまっていました。
さらにはこれも個人的には大きかったのは店名でジャルダン(=「庭。菜園。」)をうたっていながらフレッシュハーブティーの用意がなかったこと。緑に何の縁もない都心の店でも気の利いたところはフレッシュハーブティーを常に用意しているのが今の時代です。
自然に近いはずで、何ならその日その用意がなくても裏に出て適当に生えているハーブを摘んでくれば何かしらのハーブティーが作れたのではなかったでしょうか。そこまでこちらがいうのはやはり違う(自分でそれくらい気を回して欲しいから)と思ったので甘んじてカフェをいただきました。
カフェについてもミルク多めを所望していましたが、果たして温かいカフェに冷たいミルクをご用意くださいました。同じ広島の一つ星店「ル・カドゥ」さんではミルクをこちらはを気遣ってミルクを温めてくださいましたので、気の利く利かないで言ったらどちらに軍配が上がるか自ずとわかるというものです。
さらには最後急いでいたので珍しくレジで立って会計しましたが、担当したシェフの奥様、レジに打ち込んで金額が出ているのにこちらにその値段を伝えてくれません。レジに金額が表示されているからそれを見て払いなさい、ということでしょうか。コミュニケーションのなさにあきれてしまいました。いつもはテーブル会計で、こうしたレジでの会計に慣れていないにしても、いくらになりますと一言言えないものでしょうか。まだまだ若いサービスの人ならまだしょうがないねと思えますが、お店ではある意味一番偉い立場にいるのですから、そんなことくらいはわかっていて欲しかったです。
最初それなりにお野菜をふんだんに使ったお皿を食べていい気持ちになっていましたが、最後に行くにつれてどんどん残念な体験をする形になってしまい、後味悪く店を後にすることになりました。
幸いもっと広島の中心に近い場所にいいお店がありますのでこちらにうかがうことはもうないでしょう。
(いただいたもの)
ランチコース
パン:酸味ある田舎パン(温めて提供) バター付き

食前酒:ビールの泡をのせたベリーニ(桃ジュースとシャンパン) (別料金)

じゃがいもとウイキョウのスープ
季節の野菜(サラダ)
石鯛の低温調理

長州鷄ムネ肉
新潟産パッションフルーツ(生のまま) 蜂蜜ソースがけ
以前、読者様もこちらを訪ねていらっしゃいました(その時のお写真がこちら)。
郊外でかつ自家栽培のお野菜などを使用したフレンチというととても期待が高まります。外からはわかりにくいですが、店内は静かな高級店の雰囲気があってくつろげる空間ではありました。
食前酒選びの際にシェフとお話してその印象も悪くなかったのですが、お店の運営についていくつかの欠点が目についてしまい、再訪はないとの結論になってしまいました。食前酒の選択から最初の前菜あたりまではいい感じに進んでいたのですが。
私を一番失望させたのは、デザートが提供されるはずのサービスの回において、デザートではない単なる果物をそのままの形で提供してきたことです。果物にかかっている蜂蜜ソースに手が加わっているのはわかりましたが、単なる果物をあたかもデザートのように提供する姿勢がこれまでの数少ない経験と照らしてもそうそうない体験で、許せなかったです。これまでの体験ですと、どんなカジュアル店でもちゃんと素材にフランス料理の技術に則って手を加えたものをデザートとして提供して下さっていました。
美味しい、美味しくない、パフォーマンスが良い、悪い以前の問題です。
フランス料理を標榜するお店ならばどんなにシンプルでも良いので素材に手をかけて一皿の料理に仕上げて提供して欲しいです。果物は美味しいものを使っているのかもしれませんが、手抜きをされている、料理をしていないという印象の方が強くてお店にとってマイナスでしかないでしょう。
シャインマスカットの名前もデザートメニューにありましたが、おそらくこちらもシャインマスカットをそのまま提供し、白ワインのジュレか何かをかけて提供するものでしょう。
唯一手がかかったと思われるデザートがフォンダンショコラでしたが、さっぱりしたデザートが食べたく思い、今回注文したものをお願いした次第でした。
正直大して好きでもないパッションフルーツをほじって中味を食べる作業を強いられるのは、最初に感じた失望もあいまって苦痛以外の何物でもなく、今食べている物体を美味しいと感じることを大いにさまたげていました。
他にも気になったのはお魚料理の身質でしょうか。低温調理で弾力がすごいですが、お魚自体の旨みは感じにくく、水分が多いスープスタイルのソースと相まって美味しい料理からははるか遠くなっていしまっていました。
さらにはこれも個人的には大きかったのは店名でジャルダン(=「庭。菜園。」)をうたっていながらフレッシュハーブティーの用意がなかったこと。緑に何の縁もない都心の店でも気の利いたところはフレッシュハーブティーを常に用意しているのが今の時代です。
自然に近いはずで、何ならその日その用意がなくても裏に出て適当に生えているハーブを摘んでくれば何かしらのハーブティーが作れたのではなかったでしょうか。そこまでこちらがいうのはやはり違う(自分でそれくらい気を回して欲しいから)と思ったので甘んじてカフェをいただきました。
カフェについてもミルク多めを所望していましたが、果たして温かいカフェに冷たいミルクをご用意くださいました。同じ広島の一つ星店「ル・カドゥ」さんではミルクをこちらはを気遣ってミルクを温めてくださいましたので、気の利く利かないで言ったらどちらに軍配が上がるか自ずとわかるというものです。
さらには最後急いでいたので珍しくレジで立って会計しましたが、担当したシェフの奥様、レジに打ち込んで金額が出ているのにこちらにその値段を伝えてくれません。レジに金額が表示されているからそれを見て払いなさい、ということでしょうか。コミュニケーションのなさにあきれてしまいました。いつもはテーブル会計で、こうしたレジでの会計に慣れていないにしても、いくらになりますと一言言えないものでしょうか。まだまだ若いサービスの人ならまだしょうがないねと思えますが、お店ではある意味一番偉い立場にいるのですから、そんなことくらいはわかっていて欲しかったです。
最初それなりにお野菜をふんだんに使ったお皿を食べていい気持ちになっていましたが、最後に行くにつれてどんどん残念な体験をする形になってしまい、後味悪く店を後にすることになりました。
幸いもっと広島の中心に近い場所にいいお店がありますのでこちらにうかがうことはもうないでしょう。
(いただいたもの)
ランチコース
パン:酸味ある田舎パン(温めて提供) バター付き

食前酒:ビールの泡をのせたベリーニ(桃ジュースとシャンパン) (別料金)

じゃがいもとウイキョウのスープ
季節の野菜(サラダ)
石鯛の低温調理

長州鷄ムネ肉
新潟産パッションフルーツ(生のまま) 蜂蜜ソースがけ
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