2019フランスレストラン訪問記(1/9):パリ1区「プロポ(Poule au Pot)」(★)
しばらくごぶさたしていました。今年初めての投稿になります。
昨年秋にフランスに久しぶりにうかがっていましたが、年末年始にかけて個人的に様々な課題が重なりブログ記事を作成する時間的余裕がありませんでした。
これからまた少しずつですがブログ記事を掲載していきますので引き続きおつきあいいただけましたらありがたいです。
さて今回のフランスへの旅では合計9軒の星付き店にうかがいました。一つ星、二つ星、三つ星それぞれ3軒ずつ訪問しています。
ブログ記事の掲載順序ですが、訪問順でも良かったのですが、自分なりに感じた良かったところ、今ひとつと感じたところなどを総合して今回うかがったお店の中で個人的に順位をつけて、それに従って掲載していこうと思います。
訪問したお店もですが、ブログ掲載順が評価の高い順か、それとも低い順かも今は明かしませんので、記事を読みながらそれらをご想像いただければと思います。
さて、トップを飾るお店は二つ星シェフのジャン−フランソワ・ピエージュ氏がオーナーとなり、ミシュランにて一つ星を獲得されたビストロ「プロポ」になります。
これまでどちらかというと星付き店を中心に回っていたためガストロノミーレストランに行くことが圧倒的に多かったように思います。正統派のビストロといえるようなお店とは少し縁遠かったです。
こちら「プロポ」は、店内の狭さや賑わい、古き良き時代を彷彿とさせる内装など、昔ながらのビストロとしての魅力にあふれるお店でした。
もちろん予約の上でうかがいましたが、土曜日の夜だというのに大賑わいで空いている席などありません。
席に通された時もテーブルとテーブルの間に人が通れるスペースがないため、サービスの方がテーブルを動かして席に入れてくれました。
テーブルの脇の壁には来店したと思われる著名人のネームプレートがずらりと並んでいて、店の歴史の古さ、ビストロとしての格のようなものを感じました。
アラン・デュカス氏に買収されたパリの一つ星ビストロ「ブノワ」ですが、こちらは店内の空間により余裕があり、調度品、内装などより上品で、落ち着いて食事ができる雰囲気で、その点は「プロポ」とは対照的ですね。
さて、この日はお昼に二つ星店でしっかり食事を楽しんできた後でしたので、食欲がさほどなく、アラカルトで一皿だけいただいてデザートを楽しんで退散してきました。
ワインも食前酒だけで通して、これで十分でした。

卓上のしつらえ
食前酒はこの日おすすめとソムリエールの方が言っていたブランドブラン(意味は「白の白」)のシャンパーニュ(シャルドネ種のぶどうのみから醸成したシャンパン)をお願いしました。

シャンパーニュボトル

グラス
グラスが最近流行りの上に長い現代風なものではなく、昔ながらの平たい感じのクープでそんなところにもビストロらしさを感じます。美味しいお酒でしたが、個人的には冷や方が少し足りていない感じでした。
さてこの日お願いしたお料理は、アラカルトの前菜の中にリストされていた、この店では比較的高価なオマール海老のサラダでした。
正式名称は、「HOMARD BLEU refroidi sauce rémoulade, macédoine de légumes」となっています。訳すと「オマールブルーの冷製 レムラードソース 野菜のマチェドワーヌ(サイコロ切り)」となるでしょうか。
お値段ですが、三皿で構成されているお任せのコースと同じ48ユーロします。オマールブルー(青オマール海老)という高級食材を使っているからでしょう。

上から

横から
冷菜になっているため基本的に冷たいお料理なのですが、料理が運ばれてきた直後はまだ少しだけゆがいた直後のオマール海老の温かさをほのかに感じられて、絶妙な火入れで固くなっていないほくほくのオマール海老がとても美味しく感じられました。
そして料理名にもあるように丁寧に角切りされたお野菜に技とこだわりを感じます。サラダとは言っても、葉物よりはもう少し手の込んだマチェドワーヌやマヨネーズソースのサラダを中心に据えているスタイルですね。
量は多いとは言えませんが、サラダとはいえ上質な素材を使った立派な一皿で存在感があり満足でした。

パン
パンは素っ気ない感じですが、普通に美味しいです。
そして、デザートですが、今ひとつ選択肢に面白みがない中、アイス類が好きなのでこちら、「POT DE GLACE VANILLE noix de pecan caramélisé」をお願いしました。訳すと、「バニラアイスの壺 キャラメリゼしたペカンの実」となります。

デザート
こちらはバニラアイスが冷えた容器に入れられて提供されている、ある意味面白みに欠けるともいえるデザートでしたが、アイスクリームが最初からいい具合にとろかしてあります。銀製と思しきポ(壺)もしっかり冷えていて好感がもてます。
時間とともにアイスは少しずつとろけていりますので、それを受け止めつつとろけるアイスを楽しむ器としてこの銀のポ(壺)は最適なのだと納得しました。地味ですが、この提供の仕方が素晴らしいです。
また周りに羽根のように配されたチュイルも焦がしたようにしてありとても風味がよく、またパリパリで食感も気持ち良いです。こちらはバニラアイスのお供に最高でした。
こうして食べてみると、器、つけあわせ等すべて含めて一つのデザートとしてしっかり完成していて理にかなった美味しさなのだと感じます。今時見た目の美しいデザートが世に溢れていますが、実質的な味の良さを追求している点でいさぎよく、何よりこちらをしっかり楽しませてくれましたので大満足でした。
サービスは基本生え抜きと思われるようなサービスマンや感じの良いソムリエールに支えられていて不満はありませんでしたが、地階にあるトイレが故障していて使えなかったのがお店としては大失態と言うほかないと感じていました。
さすがに年を越してもう直っているでしょうか。ミシュランはそのあたり厳しいと思われるので、来年星を失っていなければ良いですが。
冗談はさておき、パリのビストロをほぼ初めて楽しんだような体験で、入門編としては上出来だと思いました。星がついていなくても食文化を楽しむ点から今後も色々なビストロを訪ねてみたくなりました。
(いただいたもの)
アラカルトで
前菜:
HOMARD BLEU refroidi sauce rémoulade, macédoine de légumes
オマールブルーの冷製 レムラードソース 野菜のマチェドワーヌ(サイコロ切り)
デザート:
POT DE GLACE VANILLE noix de pecan caramélisé
バニラアイスの壺 キャラメリゼしたペカンの実
お酒:
グラスシャンパーニュ(COQUARD-BOURブランドブラン)
昨年秋にフランスに久しぶりにうかがっていましたが、年末年始にかけて個人的に様々な課題が重なりブログ記事を作成する時間的余裕がありませんでした。
これからまた少しずつですがブログ記事を掲載していきますので引き続きおつきあいいただけましたらありがたいです。
さて今回のフランスへの旅では合計9軒の星付き店にうかがいました。一つ星、二つ星、三つ星それぞれ3軒ずつ訪問しています。
ブログ記事の掲載順序ですが、訪問順でも良かったのですが、自分なりに感じた良かったところ、今ひとつと感じたところなどを総合して今回うかがったお店の中で個人的に順位をつけて、それに従って掲載していこうと思います。
訪問したお店もですが、ブログ掲載順が評価の高い順か、それとも低い順かも今は明かしませんので、記事を読みながらそれらをご想像いただければと思います。
さて、トップを飾るお店は二つ星シェフのジャン−フランソワ・ピエージュ氏がオーナーとなり、ミシュランにて一つ星を獲得されたビストロ「プロポ」になります。
これまでどちらかというと星付き店を中心に回っていたためガストロノミーレストランに行くことが圧倒的に多かったように思います。正統派のビストロといえるようなお店とは少し縁遠かったです。
こちら「プロポ」は、店内の狭さや賑わい、古き良き時代を彷彿とさせる内装など、昔ながらのビストロとしての魅力にあふれるお店でした。
もちろん予約の上でうかがいましたが、土曜日の夜だというのに大賑わいで空いている席などありません。
席に通された時もテーブルとテーブルの間に人が通れるスペースがないため、サービスの方がテーブルを動かして席に入れてくれました。
テーブルの脇の壁には来店したと思われる著名人のネームプレートがずらりと並んでいて、店の歴史の古さ、ビストロとしての格のようなものを感じました。
アラン・デュカス氏に買収されたパリの一つ星ビストロ「ブノワ」ですが、こちらは店内の空間により余裕があり、調度品、内装などより上品で、落ち着いて食事ができる雰囲気で、その点は「プロポ」とは対照的ですね。
さて、この日はお昼に二つ星店でしっかり食事を楽しんできた後でしたので、食欲がさほどなく、アラカルトで一皿だけいただいてデザートを楽しんで退散してきました。
ワインも食前酒だけで通して、これで十分でした。

卓上のしつらえ
食前酒はこの日おすすめとソムリエールの方が言っていたブランドブラン(意味は「白の白」)のシャンパーニュ(シャルドネ種のぶどうのみから醸成したシャンパン)をお願いしました。

シャンパーニュボトル

グラス
グラスが最近流行りの上に長い現代風なものではなく、昔ながらの平たい感じのクープでそんなところにもビストロらしさを感じます。美味しいお酒でしたが、個人的には冷や方が少し足りていない感じでした。
さてこの日お願いしたお料理は、アラカルトの前菜の中にリストされていた、この店では比較的高価なオマール海老のサラダでした。
正式名称は、「HOMARD BLEU refroidi sauce rémoulade, macédoine de légumes」となっています。訳すと「オマールブルーの冷製 レムラードソース 野菜のマチェドワーヌ(サイコロ切り)」となるでしょうか。
お値段ですが、三皿で構成されているお任せのコースと同じ48ユーロします。オマールブルー(青オマール海老)という高級食材を使っているからでしょう。

上から

横から
冷菜になっているため基本的に冷たいお料理なのですが、料理が運ばれてきた直後はまだ少しだけゆがいた直後のオマール海老の温かさをほのかに感じられて、絶妙な火入れで固くなっていないほくほくのオマール海老がとても美味しく感じられました。
そして料理名にもあるように丁寧に角切りされたお野菜に技とこだわりを感じます。サラダとは言っても、葉物よりはもう少し手の込んだマチェドワーヌやマヨネーズソースのサラダを中心に据えているスタイルですね。
量は多いとは言えませんが、サラダとはいえ上質な素材を使った立派な一皿で存在感があり満足でした。

パン
パンは素っ気ない感じですが、普通に美味しいです。
そして、デザートですが、今ひとつ選択肢に面白みがない中、アイス類が好きなのでこちら、「POT DE GLACE VANILLE noix de pecan caramélisé」をお願いしました。訳すと、「バニラアイスの壺 キャラメリゼしたペカンの実」となります。

デザート
こちらはバニラアイスが冷えた容器に入れられて提供されている、ある意味面白みに欠けるともいえるデザートでしたが、アイスクリームが最初からいい具合にとろかしてあります。銀製と思しきポ(壺)もしっかり冷えていて好感がもてます。
時間とともにアイスは少しずつとろけていりますので、それを受け止めつつとろけるアイスを楽しむ器としてこの銀のポ(壺)は最適なのだと納得しました。地味ですが、この提供の仕方が素晴らしいです。
また周りに羽根のように配されたチュイルも焦がしたようにしてありとても風味がよく、またパリパリで食感も気持ち良いです。こちらはバニラアイスのお供に最高でした。
こうして食べてみると、器、つけあわせ等すべて含めて一つのデザートとしてしっかり完成していて理にかなった美味しさなのだと感じます。今時見た目の美しいデザートが世に溢れていますが、実質的な味の良さを追求している点でいさぎよく、何よりこちらをしっかり楽しませてくれましたので大満足でした。
サービスは基本生え抜きと思われるようなサービスマンや感じの良いソムリエールに支えられていて不満はありませんでしたが、地階にあるトイレが故障していて使えなかったのがお店としては大失態と言うほかないと感じていました。
さすがに年を越してもう直っているでしょうか。ミシュランはそのあたり厳しいと思われるので、来年星を失っていなければ良いですが。
冗談はさておき、パリのビストロをほぼ初めて楽しんだような体験で、入門編としては上出来だと思いました。星がついていなくても食文化を楽しむ点から今後も色々なビストロを訪ねてみたくなりました。
(いただいたもの)
アラカルトで
前菜:
HOMARD BLEU refroidi sauce rémoulade, macédoine de légumes
オマールブルーの冷製 レムラードソース 野菜のマチェドワーヌ(サイコロ切り)
デザート:
POT DE GLACE VANILLE noix de pecan caramélisé
バニラアイスの壺 キャラメリゼしたペカンの実
お酒:
グラスシャンパーニュ(COQUARD-BOURブランドブラン)
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