レストラン訪問記:岐阜「ミツバチ食堂」(掲載なし)
昨年秋、岐阜に行く予定がありましたが夕食をとる場所の予定など特になく、その数日前にたまたま新聞記事で見かけたこちらを急遽予約してみました。
記事は岐阜市内で食べられる高山のジビエ料理にフォーカスした内容で、他に二軒ほど掲載があったかと思います。こちらを選んだのは記事を読んでいて、おそらくきちんとソースなどを作られている料理のベースがしっかりしたシェフがいるお店と感じたからでした。
店名だったり、口コミサイトの評価、ミシュランの掲載の有無などを基準として岐阜での夕食のお店選びをした場合、ここにたどりつける可能性は極めて低かったと思いますが、この日私はとても充実した楽しい食の体験をすることができて、大満足でお店をあとにすることになりました。
近所に一人で住んでいたら少なくとも週三はお邪魔したいと思ったりしていました。それくらい気に入りました。それというのも、今回コースをいただきましたが、比較的リーズナブルな定食の形でもお料理を幅広く提供されていて、色々な選択肢がありますし、お客さんのことをとても考えてくれているお店で料理は本格派なのにお高くとまっておらずおもてなしの心が感じられるお店だったからです。
せっかくうかがうので岐阜の恵みをいただけるというコースをあらかじめ予約しておきました。コースの内容からするとお値段はぐっと抑えめの印象を受けました。
あらかじめテーブルでの食事を所望していましたが、きちんと奥の方に落ち着く席を用意して下さっていました。サービスされていたのは主にサービスの女性でしたが、細やかに気配りしていただいたように感じましたし、全体にとても気が利くと思いました。
お料理は実をとったビストロ料理ですが、ビストロを名乗ったフランス料理店に遜色ないできのビストロ料理を提供して下さいました。
まずはありきたりではないしっかりそれぞれにお仕事が施された前菜の盛り合わせで食事が嫌が応にも盛り上がって参ります。それぞれに風味が立っていて、お酒が進みますし、食欲も刺激されます。
この日は、自家製鮎魚醤のバーニャカウダ、サツマイモのドフィノワ、冬瓜のコンソメ煮、富有柿と自家製リコッタチーズ、パテドカンパーニュ飛騨青山椒風味、鶏白レバーのムース長良天然ワイン風味、平飼い卵のスペイン風オムレツその他というラインナップでした。

食前酒としてあわせたのは、少しイレギュラーに強いお酒であるラム酒ベースのフルーツヴィネガー割でした。国産のラム酒でかなり香りが高く美味しいお酒でした。フルーツヴィネガーは自家製でザクロなど何種類かありましたが私は桃を選びました。

次のスープはとても甘い栗のスープでした。旬の木の実の恵みを美味しくいただきました。

お魚は旬の鰆で皮目をぱりっと焼いていながら、身はしっとりふっくらとした最高の焼き加減で、星付き店と比べても悪くない出来でした。少なくない数の下手な星つき店と比べたら、なんなら星つきの上を行っていると言ってもいいくらいです。
新米を梅干しで食べるイメージのソースとのことでした。白いお米のソースは単なるおかゆではなく、しっかりと洋風のお出汁の味がしていましたので、そういう細やかなところにもきちんと仕事がされているということを改めて感じた次第でした。
お魚には日本酒を合わせてみました。恵那山(純米)という岐阜のお酒でした。
そして今回こちらを目指した目的のジビエですが、豚コレラ問題の影響で食べられなくなった猪の最後の合法なお肉にありつくことができました。ぎりぎりのタイミングだったようでとてもラッキーでした。
この日のジビエは鹿、熊もありましたが、鹿は比較的色々な場所で食べられますし、熊はかなり癖がありそうで、そこまで求めていない自分にとっては脂もしっかりあるという猪がやはり魅力的でした。

お肉は果たしてきれいな脂身がかなりしっかりと入っている上質なお肉で、スペインの自然派赤ワインとのマリアージュで堪能いたしました。旬の山の恵みを頂けてとても幸せな時間でした。

デザートは黒文字の葉のアイスを添えた紅玉のコンポートでクランブルも入っています。アイスはハーブの香りがほのかにして心地よかったです。
また岐阜にうかがう際には必ず行ってみたいとお店ですし、近くに寄った際には少し遠出をしてでもまた訪れたいと思いました。個人的な感覚では一つ星、二つ星に値するお店、ということになります。
レストラン訪問ははずれの方が多いかも知れませんが、たまにこういう素敵な出会いがあるからやはり美食の旅はやめられませんね。
(いただいたもの)
2019年11月のコース料理(要予約)
《前菜8種盛り合わせ》
自家製鮎魚醤のバーニャカウダ
まめなさんのサツマイモのドフィノワ
むらざとさんの冬瓜のコンソメ煮
田中さんの富有柿と自家製リコッタチーズ
パテドカンパーニュ飛騨青山椒風味
鶏白レバーのムース長良天然ワイン風味
平飼い卵のスペイン風オムレツ
本日の一品
《スープ》坂井田さんの利平栗のポタージュ
《魚料理》(パスタまたはリゾットも選択可)
天然鮮魚(三河産鰆)のロースト ハツシモ新米とむらざとさんの塩熟成ローゼルの2色のソース
《肉料理》(5種類のお肉から選択可)
飛騨高山産本日のジビエ料理(鹿、猪、熊の選択肢から。追加料金あり。):猪のロースト 栃の花の蜂蜜とバルサミコ まこもだけのロースト (硬めの)マッシュポテト
《デザート》(6種類から選択可)
恵那市産紅玉の温かいキャラメリゼ 黒文字アイス添え
記事は岐阜市内で食べられる高山のジビエ料理にフォーカスした内容で、他に二軒ほど掲載があったかと思います。こちらを選んだのは記事を読んでいて、おそらくきちんとソースなどを作られている料理のベースがしっかりしたシェフがいるお店と感じたからでした。
店名だったり、口コミサイトの評価、ミシュランの掲載の有無などを基準として岐阜での夕食のお店選びをした場合、ここにたどりつける可能性は極めて低かったと思いますが、この日私はとても充実した楽しい食の体験をすることができて、大満足でお店をあとにすることになりました。
近所に一人で住んでいたら少なくとも週三はお邪魔したいと思ったりしていました。それくらい気に入りました。それというのも、今回コースをいただきましたが、比較的リーズナブルな定食の形でもお料理を幅広く提供されていて、色々な選択肢がありますし、お客さんのことをとても考えてくれているお店で料理は本格派なのにお高くとまっておらずおもてなしの心が感じられるお店だったからです。
せっかくうかがうので岐阜の恵みをいただけるというコースをあらかじめ予約しておきました。コースの内容からするとお値段はぐっと抑えめの印象を受けました。
あらかじめテーブルでの食事を所望していましたが、きちんと奥の方に落ち着く席を用意して下さっていました。サービスされていたのは主にサービスの女性でしたが、細やかに気配りしていただいたように感じましたし、全体にとても気が利くと思いました。
お料理は実をとったビストロ料理ですが、ビストロを名乗ったフランス料理店に遜色ないできのビストロ料理を提供して下さいました。
まずはありきたりではないしっかりそれぞれにお仕事が施された前菜の盛り合わせで食事が嫌が応にも盛り上がって参ります。それぞれに風味が立っていて、お酒が進みますし、食欲も刺激されます。
この日は、自家製鮎魚醤のバーニャカウダ、サツマイモのドフィノワ、冬瓜のコンソメ煮、富有柿と自家製リコッタチーズ、パテドカンパーニュ飛騨青山椒風味、鶏白レバーのムース長良天然ワイン風味、平飼い卵のスペイン風オムレツその他というラインナップでした。

食前酒としてあわせたのは、少しイレギュラーに強いお酒であるラム酒ベースのフルーツヴィネガー割でした。国産のラム酒でかなり香りが高く美味しいお酒でした。フルーツヴィネガーは自家製でザクロなど何種類かありましたが私は桃を選びました。

次のスープはとても甘い栗のスープでした。旬の木の実の恵みを美味しくいただきました。

お魚は旬の鰆で皮目をぱりっと焼いていながら、身はしっとりふっくらとした最高の焼き加減で、星付き店と比べても悪くない出来でした。少なくない数の下手な星つき店と比べたら、なんなら星つきの上を行っていると言ってもいいくらいです。
新米を梅干しで食べるイメージのソースとのことでした。白いお米のソースは単なるおかゆではなく、しっかりと洋風のお出汁の味がしていましたので、そういう細やかなところにもきちんと仕事がされているということを改めて感じた次第でした。
お魚には日本酒を合わせてみました。恵那山(純米)という岐阜のお酒でした。
そして今回こちらを目指した目的のジビエですが、豚コレラ問題の影響で食べられなくなった猪の最後の合法なお肉にありつくことができました。ぎりぎりのタイミングだったようでとてもラッキーでした。
この日のジビエは鹿、熊もありましたが、鹿は比較的色々な場所で食べられますし、熊はかなり癖がありそうで、そこまで求めていない自分にとっては脂もしっかりあるという猪がやはり魅力的でした。

お肉は果たしてきれいな脂身がかなりしっかりと入っている上質なお肉で、スペインの自然派赤ワインとのマリアージュで堪能いたしました。旬の山の恵みを頂けてとても幸せな時間でした。

デザートは黒文字の葉のアイスを添えた紅玉のコンポートでクランブルも入っています。アイスはハーブの香りがほのかにして心地よかったです。
また岐阜にうかがう際には必ず行ってみたいとお店ですし、近くに寄った際には少し遠出をしてでもまた訪れたいと思いました。個人的な感覚では一つ星、二つ星に値するお店、ということになります。
レストラン訪問ははずれの方が多いかも知れませんが、たまにこういう素敵な出会いがあるからやはり美食の旅はやめられませんね。
(いただいたもの)
2019年11月のコース料理(要予約)
《前菜8種盛り合わせ》
自家製鮎魚醤のバーニャカウダ
まめなさんのサツマイモのドフィノワ
むらざとさんの冬瓜のコンソメ煮
田中さんの富有柿と自家製リコッタチーズ
パテドカンパーニュ飛騨青山椒風味
鶏白レバーのムース長良天然ワイン風味
平飼い卵のスペイン風オムレツ
本日の一品
《スープ》坂井田さんの利平栗のポタージュ
《魚料理》(パスタまたはリゾットも選択可)
天然鮮魚(三河産鰆)のロースト ハツシモ新米とむらざとさんの塩熟成ローゼルの2色のソース
《肉料理》(5種類のお肉から選択可)
飛騨高山産本日のジビエ料理(鹿、猪、熊の選択肢から。追加料金あり。):猪のロースト 栃の花の蜂蜜とバルサミコ まこもだけのロースト (硬めの)マッシュポテト
《デザート》(6種類から選択可)
恵那市産紅玉の温かいキャラメリゼ 黒文字アイス添え
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