2019年秋フランスレストラン訪問記(8/9)(1):ヴァンジャン−シュル−モデ「ヴィラ・ルネ・ラリック」(★★)
昨秋フランスに伺った際の記録を本当にゆっくりと掲載しています。読者様からも早く続きが読みたいとの激励を頂いております。遅れていて申し訳ありません。
すでに書いていますように、今回の旅で伺った星付き店について評価の良くないお店から掲載しています。今回のお店は9軒中8番目ということで個人的には今回の旅で2番目に良い評価のお店になります。
今回書くお店は記事が長くなりますので2回に分けて掲載することにしました。今回は主にお料理以外の点について書き、次回はお料理を中心に書くことにいたします。
さて、ピエール・ガニエール氏を尊敬し、かつてアルザス地方北方のバーレンタルの「ランスブール」にて三つ星を獲得されたこともあるジャン−ジョルジュ・クライン氏の新しいレストランがこちらのホテル・レストランです。
個人的にルネ・ラリックのガラス工芸作品が好きだったこともあって、ラリックの名を冠したこちらのレストランのシェフとしてクライン氏が迎え入れられたという話を聞いた時からずっと伺ってみたいと思っていました。
レストランのあるヴァンジャン−シュル−モデはアルザス地方の中心都市ストラスブールから電車で数十分移動した場所にあり、アクセス自体はさほど悪くはありません。ただ駅前には何もなく、駅からレストランまでは歩くと比較的距離があります。
レストランに伺う前段としてやはりラリック美術館訪問は必須であると思い、重い荷物を引きずりつつまずは美術館を目指しました。
美術館自体は正直日本にあるような大型のガラス工芸作品は少なく、どちらかというと香水の瓶であったり、あるいは小さな細工物が多かったことから満足感は高くなかったのですが、世界観にどっぷりと漬かれて充実した時間を過ごすことが出来満足でした。
美術館からレストランまでも歩きましたが、多少の上りはあるものの駅ほど離れてはいませんので苦痛ではありませんでした。

クリスマス前ということで飾りがクリスマスを意識したものとなっています。

正面入口を入ると早速ラリックの世界観に則ったきれいなガラス製品で美しく飾られていて感嘆します。

受付の脇を下りて行くとトイレになっていて、脇にはモダンかつ広大なカーブがあり圧巻です。

入口を入って右手に位置する、奥に人が見える空間全体がサルになっています。

私が到着した時は全てのテーブルにお客さんがいて、すでに賑やかな雰囲気ができあがっていました。
サルは高台にあるヴィラ(別荘)にあって全面ガラス張りですので外の眺望がきれいに見えると同時に外からの光がサルに沢山入ってくるようになっています。そして結構な広さがあるサルの床はふかふかの絨毯が敷き詰められていて、美しい自然を望む空間でありながらグランドメゾンの豪奢も兼ね備えた素敵な空間です。

サルの奥右手に一人用の空間を用意しておいて下さいました。一人でも気後れしないように絶妙な配置をして下さっているのかと思いました。

席の方向が外の眺望に対してではなく内のサルの方を向いているために眺望は楽しめませんが、室内の賑わいを感じることができるので、これもまた良いと思いました。
卓上にはラリックの作風を感じられる小物が配されていて、ファンとしてはわくわくしてしまいます。


飾り皿上のいるかの置物であったり、塩胡椒入れであったり、一つ一つに独特の世界観が見て取れます。
さて本題のお料理ですが、シェフが三つ星をとられた当時のお店に伺ったことがあり個人的には好きなお料理でしたので、どういうお料理を出すかは大体想像することが出来、今回やはり期待して伺いました。
「ルネ・ラリック」のオーナーの意向もあるせいなのかメニュー作りがかつてシェフが勤め三つ星を獲得された「ラーンスブール」とはまた違う雰囲気でした。ただ、スペシャリテとして出されるお料理はかつてお目に掛かったことのあるものもあったりして、お料理の本質自体は変わっていないと感じました。
ガニエール氏を尊敬されているだけあって、クラシックというよりは現代風のお料理で、軽やかに、素材の味を活かして調理する感じですね。

今回は色々と選べて多彩な印象だったMENU CREATION(ムニュ・クレアション)にしました。

写真を見ていただけるとお分かりかと思いますが、アラカルト表にはメニューに追加できるシェフのスペシャリテがいくつか掲載されていて、いずれも重たい料理ではないので、手軽にシェフの味を色々とお試しできるように工夫されています。
こういうところなどは「ラーンスブール」にはなかった試みで、よりお客さんが楽しめる工夫としてとても良いと感じました。
今回はMENU CREATIONの3皿のコースをお願いしてスペシャリテのトリュフ料理を追加注文いたしました。また、デザート前の小皿についてもトリュフ入りのジャガイモのカプチーノに変更してもらいましたので、今回はトリュフの香りが最後まで続いているような食事になりました。
サービスはまだお若い支配人のパトリック・マイヤー氏を筆頭に丁寧なサービスをしていただきました。
グランドメゾンですが、田舎の大らかさや優しさを感じる場面が最後にあり、そういう意味でもこのお店のファンになりました。
(いただいたもの)
MENU CREATION (3 plats)
創造コース(3皿)
Eveil des Papilles
シャンパンスナック
L’Œuf parfait « Tosazu »
玉子のアミューズ
Déclinaison de Potimarron et Saumon de Fontaine
ポティマロン尽くし 川鱒
Terrine de Foie gras d’Oie, Envolée de Champignons de Paris, Crème de Citron
フォワグラのテリーヌ マッシュルーム レモンクリーム
Emulsion de Pomme de Terre et Truffes
ジャガイモとトリュフのエミュルシオン(追加料金あり)
Chartreuse de Homard bleu « Piña Colada »
青オマール海老のシャルトルーズ ピニャコラーダ
Intermezzo
箸休め
Prélude gourmand
口直し
La Quetsche : Variation autour de La Quetsche, Crème glacée à l’Alma Mater
クエチ(すもも)のデセール アイスクリーム母校風
Signature Sucrée
小菓子
食後のお茶(フレッシュハーブティー)
飲物:


(食前酒グラスシャンパン)Verre Champagne Villa René Lalique Deutz N.M.


(グラス白ワイン)Verre Kaefferkopf « H » Gewurytraminer Schoech 2017


(グラス赤ワイン)Verre Beaune 1er Cru 100 Vignes Domaine Arnoux 2013
水:エビアン
すでに書いていますように、今回の旅で伺った星付き店について評価の良くないお店から掲載しています。今回のお店は9軒中8番目ということで個人的には今回の旅で2番目に良い評価のお店になります。
今回書くお店は記事が長くなりますので2回に分けて掲載することにしました。今回は主にお料理以外の点について書き、次回はお料理を中心に書くことにいたします。
さて、ピエール・ガニエール氏を尊敬し、かつてアルザス地方北方のバーレンタルの「ランスブール」にて三つ星を獲得されたこともあるジャン−ジョルジュ・クライン氏の新しいレストランがこちらのホテル・レストランです。
個人的にルネ・ラリックのガラス工芸作品が好きだったこともあって、ラリックの名を冠したこちらのレストランのシェフとしてクライン氏が迎え入れられたという話を聞いた時からずっと伺ってみたいと思っていました。
レストランのあるヴァンジャン−シュル−モデはアルザス地方の中心都市ストラスブールから電車で数十分移動した場所にあり、アクセス自体はさほど悪くはありません。ただ駅前には何もなく、駅からレストランまでは歩くと比較的距離があります。
レストランに伺う前段としてやはりラリック美術館訪問は必須であると思い、重い荷物を引きずりつつまずは美術館を目指しました。
美術館自体は正直日本にあるような大型のガラス工芸作品は少なく、どちらかというと香水の瓶であったり、あるいは小さな細工物が多かったことから満足感は高くなかったのですが、世界観にどっぷりと漬かれて充実した時間を過ごすことが出来満足でした。
美術館からレストランまでも歩きましたが、多少の上りはあるものの駅ほど離れてはいませんので苦痛ではありませんでした。

クリスマス前ということで飾りがクリスマスを意識したものとなっています。

正面入口を入ると早速ラリックの世界観に則ったきれいなガラス製品で美しく飾られていて感嘆します。

受付の脇を下りて行くとトイレになっていて、脇にはモダンかつ広大なカーブがあり圧巻です。

入口を入って右手に位置する、奥に人が見える空間全体がサルになっています。

私が到着した時は全てのテーブルにお客さんがいて、すでに賑やかな雰囲気ができあがっていました。
サルは高台にあるヴィラ(別荘)にあって全面ガラス張りですので外の眺望がきれいに見えると同時に外からの光がサルに沢山入ってくるようになっています。そして結構な広さがあるサルの床はふかふかの絨毯が敷き詰められていて、美しい自然を望む空間でありながらグランドメゾンの豪奢も兼ね備えた素敵な空間です。

サルの奥右手に一人用の空間を用意しておいて下さいました。一人でも気後れしないように絶妙な配置をして下さっているのかと思いました。

席の方向が外の眺望に対してではなく内のサルの方を向いているために眺望は楽しめませんが、室内の賑わいを感じることができるので、これもまた良いと思いました。
卓上にはラリックの作風を感じられる小物が配されていて、ファンとしてはわくわくしてしまいます。


飾り皿上のいるかの置物であったり、塩胡椒入れであったり、一つ一つに独特の世界観が見て取れます。
さて本題のお料理ですが、シェフが三つ星をとられた当時のお店に伺ったことがあり個人的には好きなお料理でしたので、どういうお料理を出すかは大体想像することが出来、今回やはり期待して伺いました。
「ルネ・ラリック」のオーナーの意向もあるせいなのかメニュー作りがかつてシェフが勤め三つ星を獲得された「ラーンスブール」とはまた違う雰囲気でした。ただ、スペシャリテとして出されるお料理はかつてお目に掛かったことのあるものもあったりして、お料理の本質自体は変わっていないと感じました。
ガニエール氏を尊敬されているだけあって、クラシックというよりは現代風のお料理で、軽やかに、素材の味を活かして調理する感じですね。

今回は色々と選べて多彩な印象だったMENU CREATION(ムニュ・クレアション)にしました。

写真を見ていただけるとお分かりかと思いますが、アラカルト表にはメニューに追加できるシェフのスペシャリテがいくつか掲載されていて、いずれも重たい料理ではないので、手軽にシェフの味を色々とお試しできるように工夫されています。
こういうところなどは「ラーンスブール」にはなかった試みで、よりお客さんが楽しめる工夫としてとても良いと感じました。
今回はMENU CREATIONの3皿のコースをお願いしてスペシャリテのトリュフ料理を追加注文いたしました。また、デザート前の小皿についてもトリュフ入りのジャガイモのカプチーノに変更してもらいましたので、今回はトリュフの香りが最後まで続いているような食事になりました。
サービスはまだお若い支配人のパトリック・マイヤー氏を筆頭に丁寧なサービスをしていただきました。
グランドメゾンですが、田舎の大らかさや優しさを感じる場面が最後にあり、そういう意味でもこのお店のファンになりました。
(いただいたもの)
MENU CREATION (3 plats)
創造コース(3皿)
Eveil des Papilles
シャンパンスナック
L’Œuf parfait « Tosazu »
玉子のアミューズ
Déclinaison de Potimarron et Saumon de Fontaine
ポティマロン尽くし 川鱒
Terrine de Foie gras d’Oie, Envolée de Champignons de Paris, Crème de Citron
フォワグラのテリーヌ マッシュルーム レモンクリーム
Emulsion de Pomme de Terre et Truffes
ジャガイモとトリュフのエミュルシオン(追加料金あり)
Chartreuse de Homard bleu « Piña Colada »
青オマール海老のシャルトルーズ ピニャコラーダ
Intermezzo
箸休め
Prélude gourmand
口直し
La Quetsche : Variation autour de La Quetsche, Crème glacée à l’Alma Mater
クエチ(すもも)のデセール アイスクリーム母校風
Signature Sucrée
小菓子
食後のお茶(フレッシュハーブティー)
飲物:


(食前酒グラスシャンパン)Verre Champagne Villa René Lalique Deutz N.M.


(グラス白ワイン)Verre Kaefferkopf « H » Gewurytraminer Schoech 2017


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