2019年秋フランスレストラン訪問記(9/9)(2):ヴァランス「ピック」(★★★)
またしばらく日が開いてしまいましたが、昨年秋フランスを訪ねた際の最後の写真をお届けいたします。
個人的には訪れた中で一番良い評価だったヴァランスの「ピック」の料理写真になります。
前半の記事についてはこちらからご覧下さい。
まずパンについてですが、エポートル(スペルト小麦)、フィーグ(イチジク)、セーグル(ライ麦)の三種類がありました。また、バターは煎った胡椒を練り込んだバターです。

ここでも練り込み系のバターでした。香りがあり、食事が楽しくなりますね。ただし、人の好みによっては食事の妨げになると思われる方もいるかもしれません。その点冒険かもしれません。
シャンパンスナックは5つありました。

花のタルトレット シトロンキャビアの香り

そば茶のチュイル

セップクリームのタルトレット レモンとラベンダー(左)
人参、フロマージュブランのゴフレット フロマージュブラン 削ったミモレット(右)

緑の真珠 柚子 コーヒー
細かいところまでは把握できていなくて申し訳ありませんが、少しは参考になるかと思いますので聞き取れた単語だけでも書いておきたいと思います。
とても繊細な作りで凝っていて、日本の食材も色々使われていて好みのシャンパンスナックでした。

アミューズ:きゅうりのジュレ ほうじ茶のムース インドネシアの胡椒かけ
こちらでも日本食材が使われていて、シェフの日本への敬意を感じてとても嬉しかったです。ただ、ほうじ茶の香りは正直分かりにくかったです。シェフは日本の食文化にアンテナを張っていらっしゃるようですので、今後、日本の色々な食材や食文化をシェフにご紹介できればと思ったりしました。

LE CERFEUIL TUBEREUX
jaune d’œuf confit
crémeux de maïs à la reine des près
チャービル
玉子の黄身のコンフィ
トウモロコシのクリーム セイヨウナツユキソウの香り
前菜はやや甘口なお料理でした。レーヌドゥプレ(セイヨウナツユキソウ)のおかげで野草の香りして、野原にいる感じになりました。
注がれたのはセルフイユのコンソメ、加えたのはレーヌドゥプレのクリームでした。自然な香りの競演がとても素敵です。野菜や野草だけでもこれだけの一皿が作れるのがやはり三つ星たる所以でしょうか。高級とはいえない食材だけで上品な品を作る志が好ましいです。

LA LOTTE RÔTIE A LA CAMOMILLE
consommé de choux et cédrat
pomme de terre délicatesse confite
鮟鱇のロースト カモミール風味
キャベツと仏手柑のコンソメスープ
やさしくコンフィしたじゃがいも
メインのアンコウ料理は人生で一番のアンコウでした。焼き加減の上手さが際立っています。身には美しい螺鈿の輝きが見えます。しっとりした身の食感で、外側の薄茶の部分はやや塩気強めでした。

チーズはコースには含まれていませんが注文しました。

左から、ボフォール、ラ・コンテス・ドゥ・ヴィシ、ドワドゥマヌ(コートダジュール)、トメテエルチャ(ミディピレネ)になります。
アラカルトで注文して32ユーロと安くはないですが、さすがの品揃えです。シャリオ(ワゴン)から自分の好みで4種類いただきました。一緒に添えられたジャマイカ産グランクリュのラムのジュレやウィスキー響風味のオレンジといった自家製ジャムが繊細な作りで、かつ独特の風味があってとても素敵です。こういう細やかなところへの配慮を感じるたびに自分の中では評価が高まります。

プレデセールはシナモンのべが上にはられていて、下にムース状のものが入っています。このベを上に張るのも流行りのようです。


LA POMME, LE GERANIUM ROSAT ET LA BAIE DES BATAKS
déclinaison de pomme et crémeux au géranium rosat
glace royale à la baie des Bataks
林檎、ニオイテンジクアオイ、バタクの実
林檎尽くし ニオイテンジクアオイの香るクリーム
バタクの実のアイシング
メインのデセールはりんご尽くしの一皿です。旬のりんごを様々な形状にして異なる食感、香り、温度で楽しむはかない一皿です。一つ一つの小さな要素を盛り込みつつ、全体として美しく美味しい一皿に仕上げていて素敵でした。
小菓子も多彩です。


エストラゴン、ウィスキーのチュイル

くるみチョコ

栗とカカオ、レモンのチョコ
クラシックなものより、新しいこういうプレゼンテーションの方が好みです。プレゼンテーションの仕方にピックの個性が出ているという印象でした。

食後のお茶
お茶は自分の中では定番のミントのフレッシュハーブティーです。味はもちろんよく出ていて良いのですが、取手つきのタスではなく、日本風のお茶碗でいただくのがグランドメゾンクラスのお店では珍しい体験でした。大きさといい、形といい可愛らしくて素敵です。帰りの電車の時間の関係で最後まで飲みきれなかったのが残念でした。
食事の最後の方にアンヌ−ソフィ・ピックシェフがテーブルにまわってこられて、御挨拶して、厨房にまで案内していただいて一緒に写真も撮って下さいました。
気持ち良くおもてなしいただいて、お料理もそうですが、サービス含めて感じる所があったので是非また再訪したいと思って、とても幸せな気持ちでお店を後にしたことを覚えています。
(いただいたもの)
ランチコース(チーズ、お茶は追加料金で)120€
L’AMUSE BOUCHE
アミューズブーシュ:きゅうりのジュレ ほうじ茶のムース インドネシアの胡椒かけ
LE CERFEUIL TUBEREUX
jaune d’œuf confit
crémeux de maïs à la reine des près
チャービル
玉子の黄身のコンフィ
トウモロコシのクリーム セイヨウナツユキソウの香り
LA LOTTE RÔTIE A LA CAMOMILLE
consommé de choux et cédrat
pomme de terre délicatesse confite
鮟鱇のロースト カモミール風味
キャベツと仏手柑のコンソメスープ
やさしくコンフィしたじゃがいも
FROMAGE FRAIS ET AFFINÉS
各種チーズ
プレデセール
LA POMME, LE GERANIUM ROSAT ET LA BAIE DES BATAKS
déclinaison de pomme et crémeux au géranium rosat
glace royale à la baie des Bataks
林檎、ニオイテンジクアオイ、バタクの実
林檎尽くし ニオイテンジクアオイの香るクリーム
バタクの実のアイシング
MIGNARDISES
小菓子
INFUSION
フレッシュハーブティー(ミント)
飲物(お酒はいずれもグラスで)
食前酒:
Apéritif Maison
「ピック」特製食前酒
白ワイン:
Condrieu domaine BOTT 2018
コンドリユー ドメーヌ・ボット 2018年
白ワイン(甘口):
Condrieu « Candice » S. Montez 2016
コンドリユー “カンディス” エス・モンテズ 2016年
水(Vittel)
個人的には訪れた中で一番良い評価だったヴァランスの「ピック」の料理写真になります。
前半の記事についてはこちらからご覧下さい。
まずパンについてですが、エポートル(スペルト小麦)、フィーグ(イチジク)、セーグル(ライ麦)の三種類がありました。また、バターは煎った胡椒を練り込んだバターです。

ここでも練り込み系のバターでした。香りがあり、食事が楽しくなりますね。ただし、人の好みによっては食事の妨げになると思われる方もいるかもしれません。その点冒険かもしれません。
シャンパンスナックは5つありました。

花のタルトレット シトロンキャビアの香り

そば茶のチュイル

セップクリームのタルトレット レモンとラベンダー(左)
人参、フロマージュブランのゴフレット フロマージュブラン 削ったミモレット(右)

緑の真珠 柚子 コーヒー
細かいところまでは把握できていなくて申し訳ありませんが、少しは参考になるかと思いますので聞き取れた単語だけでも書いておきたいと思います。
とても繊細な作りで凝っていて、日本の食材も色々使われていて好みのシャンパンスナックでした。

アミューズ:きゅうりのジュレ ほうじ茶のムース インドネシアの胡椒かけ
こちらでも日本食材が使われていて、シェフの日本への敬意を感じてとても嬉しかったです。ただ、ほうじ茶の香りは正直分かりにくかったです。シェフは日本の食文化にアンテナを張っていらっしゃるようですので、今後、日本の色々な食材や食文化をシェフにご紹介できればと思ったりしました。

LE CERFEUIL TUBEREUX
jaune d’œuf confit
crémeux de maïs à la reine des près
チャービル
玉子の黄身のコンフィ
トウモロコシのクリーム セイヨウナツユキソウの香り
前菜はやや甘口なお料理でした。レーヌドゥプレ(セイヨウナツユキソウ)のおかげで野草の香りして、野原にいる感じになりました。
注がれたのはセルフイユのコンソメ、加えたのはレーヌドゥプレのクリームでした。自然な香りの競演がとても素敵です。野菜や野草だけでもこれだけの一皿が作れるのがやはり三つ星たる所以でしょうか。高級とはいえない食材だけで上品な品を作る志が好ましいです。

LA LOTTE RÔTIE A LA CAMOMILLE
consommé de choux et cédrat
pomme de terre délicatesse confite
鮟鱇のロースト カモミール風味
キャベツと仏手柑のコンソメスープ
やさしくコンフィしたじゃがいも
メインのアンコウ料理は人生で一番のアンコウでした。焼き加減の上手さが際立っています。身には美しい螺鈿の輝きが見えます。しっとりした身の食感で、外側の薄茶の部分はやや塩気強めでした。

チーズはコースには含まれていませんが注文しました。

左から、ボフォール、ラ・コンテス・ドゥ・ヴィシ、ドワドゥマヌ(コートダジュール)、トメテエルチャ(ミディピレネ)になります。
アラカルトで注文して32ユーロと安くはないですが、さすがの品揃えです。シャリオ(ワゴン)から自分の好みで4種類いただきました。一緒に添えられたジャマイカ産グランクリュのラムのジュレやウィスキー響風味のオレンジといった自家製ジャムが繊細な作りで、かつ独特の風味があってとても素敵です。こういう細やかなところへの配慮を感じるたびに自分の中では評価が高まります。

プレデセールはシナモンのべが上にはられていて、下にムース状のものが入っています。このベを上に張るのも流行りのようです。


LA POMME, LE GERANIUM ROSAT ET LA BAIE DES BATAKS
déclinaison de pomme et crémeux au géranium rosat
glace royale à la baie des Bataks
林檎、ニオイテンジクアオイ、バタクの実
林檎尽くし ニオイテンジクアオイの香るクリーム
バタクの実のアイシング
メインのデセールはりんご尽くしの一皿です。旬のりんごを様々な形状にして異なる食感、香り、温度で楽しむはかない一皿です。一つ一つの小さな要素を盛り込みつつ、全体として美しく美味しい一皿に仕上げていて素敵でした。
小菓子も多彩です。


エストラゴン、ウィスキーのチュイル

くるみチョコ

栗とカカオ、レモンのチョコ
クラシックなものより、新しいこういうプレゼンテーションの方が好みです。プレゼンテーションの仕方にピックの個性が出ているという印象でした。

食後のお茶
お茶は自分の中では定番のミントのフレッシュハーブティーです。味はもちろんよく出ていて良いのですが、取手つきのタスではなく、日本風のお茶碗でいただくのがグランドメゾンクラスのお店では珍しい体験でした。大きさといい、形といい可愛らしくて素敵です。帰りの電車の時間の関係で最後まで飲みきれなかったのが残念でした。
食事の最後の方にアンヌ−ソフィ・ピックシェフがテーブルにまわってこられて、御挨拶して、厨房にまで案内していただいて一緒に写真も撮って下さいました。
気持ち良くおもてなしいただいて、お料理もそうですが、サービス含めて感じる所があったので是非また再訪したいと思って、とても幸せな気持ちでお店を後にしたことを覚えています。
(いただいたもの)
ランチコース(チーズ、お茶は追加料金で)120€
L’AMUSE BOUCHE
アミューズブーシュ:きゅうりのジュレ ほうじ茶のムース インドネシアの胡椒かけ
LE CERFEUIL TUBEREUX
jaune d’œuf confit
crémeux de maïs à la reine des près
チャービル
玉子の黄身のコンフィ
トウモロコシのクリーム セイヨウナツユキソウの香り
LA LOTTE RÔTIE A LA CAMOMILLE
consommé de choux et cédrat
pomme de terre délicatesse confite
鮟鱇のロースト カモミール風味
キャベツと仏手柑のコンソメスープ
やさしくコンフィしたじゃがいも
FROMAGE FRAIS ET AFFINÉS
各種チーズ
プレデセール
LA POMME, LE GERANIUM ROSAT ET LA BAIE DES BATAKS
déclinaison de pomme et crémeux au géranium rosat
glace royale à la baie des Bataks
林檎、ニオイテンジクアオイ、バタクの実
林檎尽くし ニオイテンジクアオイの香るクリーム
バタクの実のアイシング
MIGNARDISES
小菓子
INFUSION
フレッシュハーブティー(ミント)
飲物(お酒はいずれもグラスで)
食前酒:
Apéritif Maison
「ピック」特製食前酒
白ワイン:
Condrieu domaine BOTT 2018
コンドリユー ドメーヌ・ボット 2018年
白ワイン(甘口):
Condrieu « Candice » S. Montez 2016
コンドリユー “カンディス” エス・モンテズ 2016年
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