レストラン訪問記:竹橋「Yaoyu」(★)
人生の重荷がとれたその日の夜に、久しぶりに東京のレストランで食事をしてきました。

ただ、お店の名刺を見ると、「Cave à manger」とあって、訳すと「食事もできる酒屋さん」でしょうか。フランス流の角打ちと考えて良いでしょう。
ただこちらも一応一つ星がついていたくらいのお店ですから、立ち飲み立ち食いのわけもなく、簡素でナップがないとはいえ大きめのテーブルでゆっくり食事を楽しむことができる場所です。そう考えると、「遠藤利三郎商店」のような店の方がより「Cave à manger」の名にふさわしいお店かもしれません。
先ほど、「一つ星がついていた」と過去形で書きましたが、訪問時一つ星評価で、先日発刊になった最新版で星の評価を失いました。
そういうわけで、現在は無星掲載なしのお店になってしまっています。ミシュランの評価は毎年更新されて、最新版の評価のみが有効です。ただ、当ブログでは訪問時の評価を掲載する方針ですので、ブログ記事掲載時点では無星の「Yaoyu」を一つ星として掲載しています。

今回はお得に感じられた軽い方のコースをお願いし、メインを野生の鴨に変更していただきました。こちらのお料理の質はとても高いですし、価格設定も抑えめな点が好印象でした。ただ、料理にもよりますが、一皿に色々な食材を盛り込みすぎるきらいがありました。
サービスについてはサービス料をとれるレベルではないというのが正直な感想です。主にサービスを担当する女性スタッフの方は少し素っ気ない感じがしますし、どちらかというと気が回らない、あるいはあえて対応しない方針なのかという印象でした。
例えば、サービス料として8%が徴収されますが、パンの提供が基本最初の1つだけで、1時間、2時間ずっとパン皿が空いたままでもお代わりが必要か全く聞いてくれません。こちらがお願いしてようやく前日の残りと思しき硬いパンがお代わりとして提供されました。最初のパンとは明らかに違う質のもの。食事を楽しむという観点からパンは料理に必須で、なくなるたびに必要かを聞いて欲しいところでしたし、お代わりのパンについても最初のと同じ質と扱いが欲しかったです。
また、コーヒーが別注というのも、フランスでは普通ですが日本では異質ですね。それならパンもフランス流にふんだんに出して欲しいのですが、意地悪く言うと、お店の経営のために都合の良いいいとこ取りをしている感じですね。
また、コーヒーをいれる器が持ち手のない陶器というのもちょっと驚きでした。もちろん、砂糖もクリームも出してくれません。言えば持ってきてくれるのかもしれませんが、そこは最初から気を回して出してくれるか、聞いてくれるかして欲しかった。
サービス料はきっちり徴収しておきながら、これだけ店に都合よくできるだけお金のかかるサービスは回避する姿勢を見せつけられると、お金さえ取れればそれで良いという考えでいるのかなと下衆の勘ぐりもしたくなりました。
ただ、サービスでいい点も書くと、こちらでは基本二種類の白、赤のグラスワインを提供しているようで、グラスワインとして開けていた赤のボトルがちょうど1つ空いたタイミングで、女性スタッフが開けてくれた赤ワインが普段あまり飲む機会がないジュラの固有品種のぶどうを使ったワインで、これがなかなか美味しいワインだったことです。鴨に合わせて選んでくれたようでもあり、気が利いたチョイスには感謝でした。
こちらも一つ星を失ってこれからが正念場でしょう。東京にはまだいくらでも良いお店はあるでしょうから、料理が良いとはいえ再訪は微妙なところです。
常連さんに対してシェフがお見送りをするのは当然としても、小さいお店でオープンキッチン、全ての客にその対応をすれば今後もリピーターが増える確率が高くなるという観点からすると、他の客にも見送りをしてマイナスにはならないと思うのですが、そこまで頭がまわらないものでしょうか。私自身はシェフの見送りは、別にあればありがたいと思うくらいでなくても気にはならなかったのですが、中にはせっかく足を運んだのだから、見送りを等しくして欲しいと思われる方もいらっしゃると思い、あえて書かせていただきました。
(いただいたもの)
ディナーコース(メインを鴨に変更したことで追加料金が発生。)

カリフラワーのブルーテ
(→下にブッラータチーズが敷かれていて濃厚ですが、チーズが伸びて食べにくい面もありました。ナッツ類がいいアクセントになっています。)

チコリのサラダ
(→チコリと3種のビーツとシェーブルチーズのサラダです。美しい一皿でそれだけでテンションが上がります。サラダと聞いてランチのサラダをイメージしていた自分の不明を恥じた次第です。チコリのフレッシュ感、ビーツの甘味、シェーブルチーズの酸味や苦味、獣の香りが相まってとても美味しかった。)

青森産小ヤリイカ 2種のカリフラワーのソース ネギのソース 肝入りソース
(→イカを始めとして味は良いのですが、何を食べているのか分からない感じのメニューですし、美観もよろしくないです。)

東京湾産釣りキンアジのポワレ 桜海老 百合根 芹 モンサンミッシェル産ムール貝
(→半生に仕上げた魚の調理が上手くて感動しました。火入れのおかげでとても美味しいし盛りも良いです。ただ、スープを食べる趣向は良いのですがそのせいか食材が少し多く入ってしまっている印象もありました。)

真鴨 ロマネスコ イタリアンパセリの根 生のヤングコーン セップ茸 白トリュフ
(→野生の真鴨は旨みが身に満ちていました。身二切れともも肉と量も十分あって食べ応えがありました。昨年、アルザスの「シャンバール」で頂いた鴨を思い出しました。身の質としては遜色無かったです。この季節だからこそ出会える幸せで、感謝でした。ただ、一枚申し訳程度に載せられていた白トリュフはあまり香りませんでした。反面、セップ茸のポワレは少量でしたが香りが良く美味しかったです。)

デセール:ガトーショコラ ピスタチオソース
(→普通に美味しいですが印象に残りづらい一皿でした。ピスタチオだというソースはあまり味を感じられません。この季節には珍しい美しいフランボワーズに出会えたのは小さな驚きでした。)
飲物:

・グラスシャンパン

・グラス白ワイン(アルザス)

・グラス赤ワイン(ジュラ。封切り。)
・コーヒー(別注)

ただ、お店の名刺を見ると、「Cave à manger」とあって、訳すと「食事もできる酒屋さん」でしょうか。フランス流の角打ちと考えて良いでしょう。
ただこちらも一応一つ星がついていたくらいのお店ですから、立ち飲み立ち食いのわけもなく、簡素でナップがないとはいえ大きめのテーブルでゆっくり食事を楽しむことができる場所です。そう考えると、「遠藤利三郎商店」のような店の方がより「Cave à manger」の名にふさわしいお店かもしれません。
先ほど、「一つ星がついていた」と過去形で書きましたが、訪問時一つ星評価で、先日発刊になった最新版で星の評価を失いました。
そういうわけで、現在は無星掲載なしのお店になってしまっています。ミシュランの評価は毎年更新されて、最新版の評価のみが有効です。ただ、当ブログでは訪問時の評価を掲載する方針ですので、ブログ記事掲載時点では無星の「Yaoyu」を一つ星として掲載しています。

今回はお得に感じられた軽い方のコースをお願いし、メインを野生の鴨に変更していただきました。こちらのお料理の質はとても高いですし、価格設定も抑えめな点が好印象でした。ただ、料理にもよりますが、一皿に色々な食材を盛り込みすぎるきらいがありました。
サービスについてはサービス料をとれるレベルではないというのが正直な感想です。主にサービスを担当する女性スタッフの方は少し素っ気ない感じがしますし、どちらかというと気が回らない、あるいはあえて対応しない方針なのかという印象でした。
例えば、サービス料として8%が徴収されますが、パンの提供が基本最初の1つだけで、1時間、2時間ずっとパン皿が空いたままでもお代わりが必要か全く聞いてくれません。こちらがお願いしてようやく前日の残りと思しき硬いパンがお代わりとして提供されました。最初のパンとは明らかに違う質のもの。食事を楽しむという観点からパンは料理に必須で、なくなるたびに必要かを聞いて欲しいところでしたし、お代わりのパンについても最初のと同じ質と扱いが欲しかったです。
また、コーヒーが別注というのも、フランスでは普通ですが日本では異質ですね。それならパンもフランス流にふんだんに出して欲しいのですが、意地悪く言うと、お店の経営のために都合の良いいいとこ取りをしている感じですね。
また、コーヒーをいれる器が持ち手のない陶器というのもちょっと驚きでした。もちろん、砂糖もクリームも出してくれません。言えば持ってきてくれるのかもしれませんが、そこは最初から気を回して出してくれるか、聞いてくれるかして欲しかった。
サービス料はきっちり徴収しておきながら、これだけ店に都合よくできるだけお金のかかるサービスは回避する姿勢を見せつけられると、お金さえ取れればそれで良いという考えでいるのかなと下衆の勘ぐりもしたくなりました。
ただ、サービスでいい点も書くと、こちらでは基本二種類の白、赤のグラスワインを提供しているようで、グラスワインとして開けていた赤のボトルがちょうど1つ空いたタイミングで、女性スタッフが開けてくれた赤ワインが普段あまり飲む機会がないジュラの固有品種のぶどうを使ったワインで、これがなかなか美味しいワインだったことです。鴨に合わせて選んでくれたようでもあり、気が利いたチョイスには感謝でした。
こちらも一つ星を失ってこれからが正念場でしょう。東京にはまだいくらでも良いお店はあるでしょうから、料理が良いとはいえ再訪は微妙なところです。
常連さんに対してシェフがお見送りをするのは当然としても、小さいお店でオープンキッチン、全ての客にその対応をすれば今後もリピーターが増える確率が高くなるという観点からすると、他の客にも見送りをしてマイナスにはならないと思うのですが、そこまで頭がまわらないものでしょうか。私自身はシェフの見送りは、別にあればありがたいと思うくらいでなくても気にはならなかったのですが、中にはせっかく足を運んだのだから、見送りを等しくして欲しいと思われる方もいらっしゃると思い、あえて書かせていただきました。
(いただいたもの)
ディナーコース(メインを鴨に変更したことで追加料金が発生。)

カリフラワーのブルーテ
(→下にブッラータチーズが敷かれていて濃厚ですが、チーズが伸びて食べにくい面もありました。ナッツ類がいいアクセントになっています。)

チコリのサラダ
(→チコリと3種のビーツとシェーブルチーズのサラダです。美しい一皿でそれだけでテンションが上がります。サラダと聞いてランチのサラダをイメージしていた自分の不明を恥じた次第です。チコリのフレッシュ感、ビーツの甘味、シェーブルチーズの酸味や苦味、獣の香りが相まってとても美味しかった。)

青森産小ヤリイカ 2種のカリフラワーのソース ネギのソース 肝入りソース
(→イカを始めとして味は良いのですが、何を食べているのか分からない感じのメニューですし、美観もよろしくないです。)

東京湾産釣りキンアジのポワレ 桜海老 百合根 芹 モンサンミッシェル産ムール貝
(→半生に仕上げた魚の調理が上手くて感動しました。火入れのおかげでとても美味しいし盛りも良いです。ただ、スープを食べる趣向は良いのですがそのせいか食材が少し多く入ってしまっている印象もありました。)

真鴨 ロマネスコ イタリアンパセリの根 生のヤングコーン セップ茸 白トリュフ
(→野生の真鴨は旨みが身に満ちていました。身二切れともも肉と量も十分あって食べ応えがありました。昨年、アルザスの「シャンバール」で頂いた鴨を思い出しました。身の質としては遜色無かったです。この季節だからこそ出会える幸せで、感謝でした。ただ、一枚申し訳程度に載せられていた白トリュフはあまり香りませんでした。反面、セップ茸のポワレは少量でしたが香りが良く美味しかったです。)

デセール:ガトーショコラ ピスタチオソース
(→普通に美味しいですが印象に残りづらい一皿でした。ピスタチオだというソースはあまり味を感じられません。この季節には珍しい美しいフランボワーズに出会えたのは小さな驚きでした。)
飲物:

・グラスシャンパン

・グラス白ワイン(アルザス)

・グラス赤ワイン(ジュラ。封切り。)
・コーヒー(別注)
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