レストラン訪問記:桜井「味の風 にしむら」(★)
今回は、桜旅で伺ったお店の二軒目です。奈良のお店なので評価は2017年Web限定特別版でのものになります。
かなり前に初めて伺って、気に入って二度目の訪問をしたのが7年前でした。それまでは個人的な課題にかまけてなかなか旅に出ることができませんでしたが、今回は大神神社に伺い登拝した帰りに寄らせていただきました。
しばらくぶりでしたが、前回色々とお話をしたので主の西村さんはこちらのことを覚えていてくれました。
以前いらしたお弟子さんは独立されたとのことで、調べてみると近くの畝傍・八木西口で「割烹 森本」を開かれているようでした。こちらはHPもあり、献立が「にしむら」と同じで価格はより抑えめです。こちらにも一度は伺ってみたいと思いました。ミシュランで主と同じ一つ星の評価がついています。

さて、今回ほぼ同じような時期に和食店を訪れたということもあってか、食材のかぶるところがいくつもありました。それでも各店主の個性が分かるので食べ比べの感覚で楽しめました。

一番分かりやすかったのは、先付けで出されたぬたでしょうか。基本的にうるいとホタルイカを使っていて、お出汁であったり、お味噌であったり、他のお野菜であったりといったところに違いが出ていました。
こちらの先付けは典型的なうるい、ホタルイカを使った辛子味噌のぬたでした。お出汁がジュレになっているところに、食べ手のことを考えた優しさがあるように思いました。「かじ正」では単に水状だったので、お出汁なのか野菜から出た水分なのか分かりませんでした。

お椀は美しい螺鈿を配したものでした。吸い地には貝の良いお出汁が出ています。貝の火入れは絶妙で、貝が甘かったです。海苔も新海苔ということでしょうか。季節の香りが堪能できる幸せな一品でした。

中の大根が細い免状になっていたりするところなども、新しいことを取り入れようとする主の姿勢を感じることができて、その点も良かったです。

特にこだわりがあるとお見受けする明石の真鯛のお造りは、時によって違うかもしれませんが、今回は3日寝かせて旨みを引き出したもので、お造りが二種類でも大満足できました。

共通する食材が多いと書きましたが、京都の二店では、焼き物がいずれも桜鱒でした。こちらでは今回、明日香村の朝掘りの筍を焼き物としてふんだんに食べさせてくれて、大満足いたしました。
甘辛だれな味が絶妙です。ホクホクして、みずみずしさもあり、旬を味わう喜びがありました。ややえぐみがありましたが、許容範囲の中で、うまいうまいと頬張れる美味しさです。素揚げにして焼いている分、かすかな油分が筍をより美味しくしていたように思います。
季節的には筍の季節ではありますが、やはり地元の食材を楽しめるのは旅先での食事ならではの楽しみです。

お食事は白いご飯に繊細なちりめん山椒をかけたものです。ご飯はやややわらかめでした。これに自家製の香の物、お味噌汁がつきます。

香の物では、菊芋のぬか漬けが珍しかったです。また、大根の漬物が絶妙な甘み加減でこれまた美味しかったです。

お味噌汁は贅沢にお出汁を使っていて鰹節の香りが立っていて、家庭で食べるものは明らかに違います。地味ですが、とても贅沢なお料理ですね。

ちゃんと甘い物の用意もあります。道明寺を夜桜に見立てた、季節を感じさせる水羊羹でした。手作りなのでとても純粋なお味で、最後まで楽しめました。水出しの煎茶が良い香りで心地よかったです。
サービスですが、ご年配のお客さんにはお造りを小さく切りましょうかと提案していたり、心配りが行き届いています。
最後まで頂いて、昼も夜も同じ情熱でお仕事されていて、お客さんにいいものを提供しようとする姿勢が以前と変わらず感じられて、また伺えて良かったと思いました。
特に、お昼はお値段抑えめで、奈良のお野菜や河岸の上質なお魚を使った、手作りの良いお料理を提供してくれます。今回は軽いコースでしたが、上のコースには真鯛のあら炊きがついているようでした。
お店のある桜井周辺には、大神神社、長谷寺、室生寺、談山神社、文殊院など、見所も多いので、近くに行かれた際には立ち寄られることをお勧めします。
(いただいたもの)
ランチコース(二種類のうち軽いコース)
先付け:
ホタルイカ
わけぎ うるい 辛子味噌
ジュレがけ
お椀:
はまぐり 大根
せり のり 柚子胡椒
お造り:
明石の鯛 和歌山産ケンケン鰹
黄韮 こごみ
塩 わさび
焼き物:
明日香村産朝掘り筍 素揚げして焼いたもの
かつお節
お食事:
白いご飯 ちりめん山椒
香の物(菜の花、菊芋、大根)
お味噌汁
デザート:
水羊羹〜道明寺を夜桜に見立てて散らして〜
水出し煎茶
かなり前に初めて伺って、気に入って二度目の訪問をしたのが7年前でした。それまでは個人的な課題にかまけてなかなか旅に出ることができませんでしたが、今回は大神神社に伺い登拝した帰りに寄らせていただきました。
しばらくぶりでしたが、前回色々とお話をしたので主の西村さんはこちらのことを覚えていてくれました。
以前いらしたお弟子さんは独立されたとのことで、調べてみると近くの畝傍・八木西口で「割烹 森本」を開かれているようでした。こちらはHPもあり、献立が「にしむら」と同じで価格はより抑えめです。こちらにも一度は伺ってみたいと思いました。ミシュランで主と同じ一つ星の評価がついています。

さて、今回ほぼ同じような時期に和食店を訪れたということもあってか、食材のかぶるところがいくつもありました。それでも各店主の個性が分かるので食べ比べの感覚で楽しめました。

一番分かりやすかったのは、先付けで出されたぬたでしょうか。基本的にうるいとホタルイカを使っていて、お出汁であったり、お味噌であったり、他のお野菜であったりといったところに違いが出ていました。
こちらの先付けは典型的なうるい、ホタルイカを使った辛子味噌のぬたでした。お出汁がジュレになっているところに、食べ手のことを考えた優しさがあるように思いました。「かじ正」では単に水状だったので、お出汁なのか野菜から出た水分なのか分かりませんでした。

お椀は美しい螺鈿を配したものでした。吸い地には貝の良いお出汁が出ています。貝の火入れは絶妙で、貝が甘かったです。海苔も新海苔ということでしょうか。季節の香りが堪能できる幸せな一品でした。

中の大根が細い免状になっていたりするところなども、新しいことを取り入れようとする主の姿勢を感じることができて、その点も良かったです。

特にこだわりがあるとお見受けする明石の真鯛のお造りは、時によって違うかもしれませんが、今回は3日寝かせて旨みを引き出したもので、お造りが二種類でも大満足できました。

共通する食材が多いと書きましたが、京都の二店では、焼き物がいずれも桜鱒でした。こちらでは今回、明日香村の朝掘りの筍を焼き物としてふんだんに食べさせてくれて、大満足いたしました。
甘辛だれな味が絶妙です。ホクホクして、みずみずしさもあり、旬を味わう喜びがありました。ややえぐみがありましたが、許容範囲の中で、うまいうまいと頬張れる美味しさです。素揚げにして焼いている分、かすかな油分が筍をより美味しくしていたように思います。
季節的には筍の季節ではありますが、やはり地元の食材を楽しめるのは旅先での食事ならではの楽しみです。

お食事は白いご飯に繊細なちりめん山椒をかけたものです。ご飯はやややわらかめでした。これに自家製の香の物、お味噌汁がつきます。

香の物では、菊芋のぬか漬けが珍しかったです。また、大根の漬物が絶妙な甘み加減でこれまた美味しかったです。

お味噌汁は贅沢にお出汁を使っていて鰹節の香りが立っていて、家庭で食べるものは明らかに違います。地味ですが、とても贅沢なお料理ですね。

ちゃんと甘い物の用意もあります。道明寺を夜桜に見立てた、季節を感じさせる水羊羹でした。手作りなのでとても純粋なお味で、最後まで楽しめました。水出しの煎茶が良い香りで心地よかったです。
サービスですが、ご年配のお客さんにはお造りを小さく切りましょうかと提案していたり、心配りが行き届いています。
最後まで頂いて、昼も夜も同じ情熱でお仕事されていて、お客さんにいいものを提供しようとする姿勢が以前と変わらず感じられて、また伺えて良かったと思いました。
特に、お昼はお値段抑えめで、奈良のお野菜や河岸の上質なお魚を使った、手作りの良いお料理を提供してくれます。今回は軽いコースでしたが、上のコースには真鯛のあら炊きがついているようでした。
お店のある桜井周辺には、大神神社、長谷寺、室生寺、談山神社、文殊院など、見所も多いので、近くに行かれた際には立ち寄られることをお勧めします。
(いただいたもの)
ランチコース(二種類のうち軽いコース)
先付け:
ホタルイカ
わけぎ うるい 辛子味噌
ジュレがけ
お椀:
はまぐり 大根
せり のり 柚子胡椒
お造り:
明石の鯛 和歌山産ケンケン鰹
黄韮 こごみ
塩 わさび
焼き物:
明日香村産朝掘り筍 素揚げして焼いたもの
かつお節
お食事:
白いご飯 ちりめん山椒
香の物(菜の花、菊芋、大根)
お味噌汁
デザート:
水羊羹〜道明寺を夜桜に見立てて散らして〜
水出し煎茶
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