レストラン訪問記:新町通御池「京料理 藤本」(★)
花に誘われて京都、奈良を巡った旅でお食事した最後のお店です。こちらでは直近の広島での悪夢を払拭する素晴らしいお食事を頂くことができました。
必ずしもいつも良い出来事ばかりが起こるというわけではありませんが、京都に行くと、何かいつもわくわくすることに巡り合えます。お花の季節で人々の心が浮き立っている季節ならなおさらのことです。

カウンターには二種類のお花が飾られていました。私の席に近いところにはよく花がついた啓翁桜が活けられていました。
この日はお花真っ盛りの時季でしたがお客さんは私だけで、その意味でも飛沫や喧噪から解放されて、くつろぐことができとても快適な時間でした。

お料理一つ一つに丁寧な仕事がされています。先付け、お椀と続いて、それぞれに旬の食材の香りが立っていて、食材の組み合わせがありきたりでないところもあったりして楽しく、食べていてとても気持ちが良かったです。

寺社巡りの途中でもあり、食中はアルコールは飲まずにお茶を所望しました。熱いお茶ももちろんありますが、冷たいお茶も(ノーチャージで)御用意くださっています。そこまでしなくても良いかもしれませんが、これからどんどん暖かくなるのですからお客さんにはとても優しい配慮で、おもてなしの心を感じます。脱帽です。

例えば、この先付けは、今回巡った3店ともホタルイカを使ったぬたという点で共通していましたが、中に入っているお野菜がうるい、ねぎといった定番の枠を超えて、グリーンピースやホワイトアスパラガスなどが入っていて、より楽しめました。肝心のお味噌も辛子味噌ではなく、お味噌から感じられた木の芽の香りが素晴らしく、私はこちらの方が好みでした。

続いて出てきた懐石の華、お椀ですが、自家製の胡麻豆腐の香りの良いこと。平目が入っていますが、主役は胡麻豆腐でした。吸い地もとても繊細ないいお出汁です。

お造りもランチだと二種類くらいのところが普通ですが、こちらは少量で他品種を出して下さいます。どちらが好みかは人それぞれかもしれませんが、私は色々な味が楽しめる方が嬉しく、お皿が出された時点ですでにときめいていました。

焼き物については、あえて皮をとって串で焼いているのでしょうか。こちらについては、同じ桜鱒でも、皮付きで焼いていた「祇をん かじ正」さんの方が脂が楽しめて美味しかったです。ただそれ以外の点では、あらゆる点でこちらの方が圧倒的に上でした。

ご飯には氷魚が載っていて、ただの白いご飯で終わらないところに、店主の心意気を感じることができました。季節を考えつつ、個性を示そうとされる姿勢が素敵です。

最後のデザートはこの日は5種類から好きなものを選べる形でした。食べ放題ではないですが、全種類をお願いできます。もちろん私も全種類お願いしました。ただ作り置いたものを器に盛るだけではなく、目の前でちゃんと最後の仕上げをして整えてくださいます。その心配りも素晴らしいです。

こちらがカウンターの反対側に置かれていたお花です。
今回も前回同様素晴らしい食の体験ができた奈良桜井市の「味の風 にしむら」さんとの比較においても、先付けやお椀の胡麻豆腐で感じさせてくれた素材の風味のおかげで、こちらの方が上と思いました。
ただ、お造りについては、「にしむら」さんは二種類だったとはいえ、寝かした明石の鯛はやはり特別に美味しく、両者甲乙付けがたいです。
焼き物については奈良の朝掘りの筍を贅沢に味わえた点で「にしむら」さんの方が良かったですが、最後のデザートの充実ぶりもあり、さらにお値段もより控え目ということもあって、やはり最終的にはこちらのお店での食体験が上という感想に落ち着きました。
お料理の質と量、そして最後の圧巻のデザート群で驚きの価格設定です。また折に触れ、季節の食材を愛でにこちらに伺いたいと思います。
(いただいたもの)
ランチコース
(一番お値打ちのコース。他にも希望により各種コースを御用意して下さるとのこと。)
先付け:
富山湾産ホタルイカと春野菜(ホワイトアスパラ、せり、グリーンピース、菜の花など)のぬた
木の芽味噌あえ
お椀:
明石産平目 自家製胡麻豆腐
しめじ つるな(葉っぱ)
花柚子
お造り:
七尾産天然本鮪
北海道産甘海老
長崎産しめ鯖(炙り) タスマニア産粒マスタード
長崎産剣先烏賊
明石産桜鯛
焼き物:
福井産桜鱒 白味噌幽庵焼き 大根おろし
お食事:
白いご飯 氷魚(鮎の稚魚)の生干し
味噌汁
香の物
デザート:全5種類から選択
・アールグレイのシャーベット
・赤ワインのシャーベット オレンジとキュウイ
・黒糖くず餅
・イチゴのミルク餅(道明寺粉)ホワイトチョコの練乳がけ
・生クリームとグレープフルーツのミルフィーユ
必ずしもいつも良い出来事ばかりが起こるというわけではありませんが、京都に行くと、何かいつもわくわくすることに巡り合えます。お花の季節で人々の心が浮き立っている季節ならなおさらのことです。

カウンターには二種類のお花が飾られていました。私の席に近いところにはよく花がついた啓翁桜が活けられていました。
この日はお花真っ盛りの時季でしたがお客さんは私だけで、その意味でも飛沫や喧噪から解放されて、くつろぐことができとても快適な時間でした。

お料理一つ一つに丁寧な仕事がされています。先付け、お椀と続いて、それぞれに旬の食材の香りが立っていて、食材の組み合わせがありきたりでないところもあったりして楽しく、食べていてとても気持ちが良かったです。

寺社巡りの途中でもあり、食中はアルコールは飲まずにお茶を所望しました。熱いお茶ももちろんありますが、冷たいお茶も(ノーチャージで)御用意くださっています。そこまでしなくても良いかもしれませんが、これからどんどん暖かくなるのですからお客さんにはとても優しい配慮で、おもてなしの心を感じます。脱帽です。

例えば、この先付けは、今回巡った3店ともホタルイカを使ったぬたという点で共通していましたが、中に入っているお野菜がうるい、ねぎといった定番の枠を超えて、グリーンピースやホワイトアスパラガスなどが入っていて、より楽しめました。肝心のお味噌も辛子味噌ではなく、お味噌から感じられた木の芽の香りが素晴らしく、私はこちらの方が好みでした。

続いて出てきた懐石の華、お椀ですが、自家製の胡麻豆腐の香りの良いこと。平目が入っていますが、主役は胡麻豆腐でした。吸い地もとても繊細ないいお出汁です。

お造りもランチだと二種類くらいのところが普通ですが、こちらは少量で他品種を出して下さいます。どちらが好みかは人それぞれかもしれませんが、私は色々な味が楽しめる方が嬉しく、お皿が出された時点ですでにときめいていました。

焼き物については、あえて皮をとって串で焼いているのでしょうか。こちらについては、同じ桜鱒でも、皮付きで焼いていた「祇をん かじ正」さんの方が脂が楽しめて美味しかったです。ただそれ以外の点では、あらゆる点でこちらの方が圧倒的に上でした。

ご飯には氷魚が載っていて、ただの白いご飯で終わらないところに、店主の心意気を感じることができました。季節を考えつつ、個性を示そうとされる姿勢が素敵です。

最後のデザートはこの日は5種類から好きなものを選べる形でした。食べ放題ではないですが、全種類をお願いできます。もちろん私も全種類お願いしました。ただ作り置いたものを器に盛るだけではなく、目の前でちゃんと最後の仕上げをして整えてくださいます。その心配りも素晴らしいです。

こちらがカウンターの反対側に置かれていたお花です。
今回も前回同様素晴らしい食の体験ができた奈良桜井市の「味の風 にしむら」さんとの比較においても、先付けやお椀の胡麻豆腐で感じさせてくれた素材の風味のおかげで、こちらの方が上と思いました。
ただ、お造りについては、「にしむら」さんは二種類だったとはいえ、寝かした明石の鯛はやはり特別に美味しく、両者甲乙付けがたいです。
焼き物については奈良の朝掘りの筍を贅沢に味わえた点で「にしむら」さんの方が良かったですが、最後のデザートの充実ぶりもあり、さらにお値段もより控え目ということもあって、やはり最終的にはこちらのお店での食体験が上という感想に落ち着きました。
お料理の質と量、そして最後の圧巻のデザート群で驚きの価格設定です。また折に触れ、季節の食材を愛でにこちらに伺いたいと思います。
(いただいたもの)
ランチコース
(一番お値打ちのコース。他にも希望により各種コースを御用意して下さるとのこと。)
先付け:
富山湾産ホタルイカと春野菜(ホワイトアスパラ、せり、グリーンピース、菜の花など)のぬた
木の芽味噌あえ
お椀:
明石産平目 自家製胡麻豆腐
しめじ つるな(葉っぱ)
花柚子
お造り:
七尾産天然本鮪
北海道産甘海老
長崎産しめ鯖(炙り) タスマニア産粒マスタード
長崎産剣先烏賊
明石産桜鯛
焼き物:
福井産桜鱒 白味噌幽庵焼き 大根おろし
お食事:
白いご飯 氷魚(鮎の稚魚)の生干し
味噌汁
香の物
デザート:全5種類から選択
・アールグレイのシャーベット
・赤ワインのシャーベット オレンジとキュウイ
・黒糖くず餅
・イチゴのミルク餅(道明寺粉)ホワイトチョコの練乳がけ
・生クリームとグレープフルーツのミルフィーユ
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