レストラン訪問記:三宮「ラ・メゾン・ドゥ・グラシアニ」(★)
神戸三宮の異人館街にある小さな洋館に入るレストランに行ってきました。昭和前半から後半にかけての時代にこちらに住まわれたご夫人の名前がレストランの名前と伺いました。

道路から少し階段を上がった先に外開きの扉があり、自らそこを開けて中に入ります。外開きで、扉が開く時、客は拒絶されたような立ち位置になりますし、扉のすぐ向こうにいるサービスマンが反応してくれず、入店の印象はあまり良いものではありませんでした。また名前を告げた時に、きちんと応答がなかったようにも思いました。

サービスについて一抹の不安を感じつつ中へ入ります。いったん入口脇のサロンで落ち着いてからサルに案内されるシステムになっていて、すぐ後にいらした二人組と一瞬同じサロンに居合わる形になりました。
通されたのは2階のサルで、合計六卓ある客席のうち一卓を残して全てが埋まっていました。平日のお昼でしたが、人気があると分かります。
お客さんが少ない場合には1階のサルを使うとの説明を最後、支配人の方とお話しした時に伺いました。
サルの中に入ると、サービスの都合なのでしょうが、全卓窓に向けて椅子がしつらえられており、とびきりの眺望があるわけでもないのに少し不自然でした。サルが狭くて、それを補う効果もあるのかもしれません。
背後を常に見せながらの食事はやはりとても落ち着かないもので、できれば避けたい。ゆっくり滞在して食事する場所ならなおさらです。
そこで、テーブルに案内されるなり席を変更するようにお願いしました。向こうが了承する前に奥の席に座ったので先方も断る機を逸したかもしれません。最初は狭いだのとは言ってはいたものの、一応すぐに席を変えるためにカトラリーを奥の席に合うように移動してくれました。
それ以後は快適に食事ができる環境が整い、サービスの方とのコミュニケーションも取りやすかったです。
正直に言うとお料理は一つ星としては微妙なレベルかもしれません。丁寧な調理の美味しいお料理もありましたが、お皿の上の美しさの点で見劣りするものも見受けられ、次回ミシュランの審判はもしかしたら厳しいものになるかもと思ったりしたのも事実でした。
ただ、常に温めて出してくれる自家製パンはとても美味しくできていて、贅沢な二種類のバターと相まって、いくらでも食べられる感じがしました。サービスがきちんとしていて、パンがなくなっていればちゃんとお代わりがいるか聞いてくれますし、さらにバターもこちらが要望をしていないにもかかわらずお代わりはいかがと尋ねてくれました。
デセールは奇をてらった皿よりもっとシンプルに同じものを食べたいのが本音でした。ただその一方で、小菓子はとても凝っていて、そのギャップが意外でした。
入口での応対や席のことを色々と文句がましく書きましたが、全体を通じてみると、こちらのサービスは嫌味がなくてとても良かったといえます。お客さん一人一人に丁寧に、適切な対応されていて、安定感がありました。ひとえに支配人の方のご経験、お人柄によるものでしょう。そのおかげで、最後まで楽しい時間を過ごすことができました。
かなりお得なスペシャルメニューが平日昼には用意されているとの御案内をいただき、また遠くない未来に来られたらと思いつつ帰路に就きました。
(いただいたもの)
ランチコース(Web限定ショートコース)

パン二種(リュスティック(写真)・プリエ)
バター二種(発酵バター(イズニー)・淡路島産玉葱のオニオンフライ入り)付き

スープ:あさりのヴルーテ ズッキーニ あさり オリーブオイル レモンの香り
(→冷製スープ。レモンが入っているおかげでしょう、爽やかさが口に残りとても良いお味でした。また、スープに忍ばせられたアサリはふっくらと上手に火入れされていて良かったです。ただ、スープを運んだ時の動きのせいでしょう、スープでふちが汚れた状態で運ばれてきたのが少し残念でした。)

冷前菜:播州赤鶏胸肉ともも肉プレス仕立て 鳥コンソメ ロメインレタスとインゲンのサラダ 酸味ある自家製マヨネーズソース ロメインレタスとインゲンのソース
(→お味は良いですが、プレス仕立ての詰めが甘く、少し崩れた形で出てきたのが残念でした。ただ、少量でしたが、レタスとインゲンのサラダはお味、食感とも爽やかさがあり良かったです。)


メイン(肉か魚から選択):甘鯛の鱗焼き シャンパンソース
(→鱗焼きの出来具合はとても良いですが、鱗が少しはがれてしまっているところが残念でした。ただ、甘鯛本来の繊細な味わいが、半生の火入れで活かされていて、お料理自体はとても美味しかったです。さらにシャンパンソースのリッチなこくもまた美味しさに貢献していました。)
デセール:ヌガーグラッセ チュイル ローストした枇杷とパイナップル ローストしたナッツ類(ピーナッツ、ヘーゼルナッツ等) 冷凍したミントの葉
(→外観が少し残念でしたし、あまり満足できなかったので写真を割愛しました。)

食後のお茶:ミントティー(ドライ)
小菓子(左から):マンゴーのマカロン、バジルのボンボンショコラ、レモンクリームとゼストを載せたラングドシャ、フランボワーズのボンボンショコラ
(→ハーブティーはドライでしたが、良く出ていていい感じにお腹が落ち着きました。また、小菓子はどれも良くできていて、最後まで食事を楽しめました。終わりよければ全て良しでしょう。本文で言及した特別コースではもう少し小菓子が出てくるとのことでした。)
飲物:布引の水(硬水)→別料金。

道路から少し階段を上がった先に外開きの扉があり、自らそこを開けて中に入ります。外開きで、扉が開く時、客は拒絶されたような立ち位置になりますし、扉のすぐ向こうにいるサービスマンが反応してくれず、入店の印象はあまり良いものではありませんでした。また名前を告げた時に、きちんと応答がなかったようにも思いました。

サービスについて一抹の不安を感じつつ中へ入ります。いったん入口脇のサロンで落ち着いてからサルに案内されるシステムになっていて、すぐ後にいらした二人組と一瞬同じサロンに居合わる形になりました。
通されたのは2階のサルで、合計六卓ある客席のうち一卓を残して全てが埋まっていました。平日のお昼でしたが、人気があると分かります。
お客さんが少ない場合には1階のサルを使うとの説明を最後、支配人の方とお話しした時に伺いました。
サルの中に入ると、サービスの都合なのでしょうが、全卓窓に向けて椅子がしつらえられており、とびきりの眺望があるわけでもないのに少し不自然でした。サルが狭くて、それを補う効果もあるのかもしれません。
背後を常に見せながらの食事はやはりとても落ち着かないもので、できれば避けたい。ゆっくり滞在して食事する場所ならなおさらです。
そこで、テーブルに案内されるなり席を変更するようにお願いしました。向こうが了承する前に奥の席に座ったので先方も断る機を逸したかもしれません。最初は狭いだのとは言ってはいたものの、一応すぐに席を変えるためにカトラリーを奥の席に合うように移動してくれました。
それ以後は快適に食事ができる環境が整い、サービスの方とのコミュニケーションも取りやすかったです。
正直に言うとお料理は一つ星としては微妙なレベルかもしれません。丁寧な調理の美味しいお料理もありましたが、お皿の上の美しさの点で見劣りするものも見受けられ、次回ミシュランの審判はもしかしたら厳しいものになるかもと思ったりしたのも事実でした。
ただ、常に温めて出してくれる自家製パンはとても美味しくできていて、贅沢な二種類のバターと相まって、いくらでも食べられる感じがしました。サービスがきちんとしていて、パンがなくなっていればちゃんとお代わりがいるか聞いてくれますし、さらにバターもこちらが要望をしていないにもかかわらずお代わりはいかがと尋ねてくれました。
デセールは奇をてらった皿よりもっとシンプルに同じものを食べたいのが本音でした。ただその一方で、小菓子はとても凝っていて、そのギャップが意外でした。
入口での応対や席のことを色々と文句がましく書きましたが、全体を通じてみると、こちらのサービスは嫌味がなくてとても良かったといえます。お客さん一人一人に丁寧に、適切な対応されていて、安定感がありました。ひとえに支配人の方のご経験、お人柄によるものでしょう。そのおかげで、最後まで楽しい時間を過ごすことができました。
かなりお得なスペシャルメニューが平日昼には用意されているとの御案内をいただき、また遠くない未来に来られたらと思いつつ帰路に就きました。
(いただいたもの)
ランチコース(Web限定ショートコース)

パン二種(リュスティック(写真)・プリエ)
バター二種(発酵バター(イズニー)・淡路島産玉葱のオニオンフライ入り)付き

スープ:あさりのヴルーテ ズッキーニ あさり オリーブオイル レモンの香り
(→冷製スープ。レモンが入っているおかげでしょう、爽やかさが口に残りとても良いお味でした。また、スープに忍ばせられたアサリはふっくらと上手に火入れされていて良かったです。ただ、スープを運んだ時の動きのせいでしょう、スープでふちが汚れた状態で運ばれてきたのが少し残念でした。)

冷前菜:播州赤鶏胸肉ともも肉プレス仕立て 鳥コンソメ ロメインレタスとインゲンのサラダ 酸味ある自家製マヨネーズソース ロメインレタスとインゲンのソース
(→お味は良いですが、プレス仕立ての詰めが甘く、少し崩れた形で出てきたのが残念でした。ただ、少量でしたが、レタスとインゲンのサラダはお味、食感とも爽やかさがあり良かったです。)


メイン(肉か魚から選択):甘鯛の鱗焼き シャンパンソース
(→鱗焼きの出来具合はとても良いですが、鱗が少しはがれてしまっているところが残念でした。ただ、甘鯛本来の繊細な味わいが、半生の火入れで活かされていて、お料理自体はとても美味しかったです。さらにシャンパンソースのリッチなこくもまた美味しさに貢献していました。)
デセール:ヌガーグラッセ チュイル ローストした枇杷とパイナップル ローストしたナッツ類(ピーナッツ、ヘーゼルナッツ等) 冷凍したミントの葉
(→外観が少し残念でしたし、あまり満足できなかったので写真を割愛しました。)

食後のお茶:ミントティー(ドライ)
小菓子(左から):マンゴーのマカロン、バジルのボンボンショコラ、レモンクリームとゼストを載せたラングドシャ、フランボワーズのボンボンショコラ
(→ハーブティーはドライでしたが、良く出ていていい感じにお腹が落ち着きました。また、小菓子はどれも良くできていて、最後まで食事を楽しめました。終わりよければ全て良しでしょう。本文で言及した特別コースではもう少し小菓子が出てくるとのことでした。)
飲物:布引の水(硬水)→別料金。
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