レストラン訪問記:京都市(烏丸御池駅)「NAKATSUKA」(★)
秋の紅葉の季節に、昨年発刊の最新版ミシュランにて一つ星に昇格されたフランス料理店に伺いました。京都ではどうしても懐石に足が向きがちなので、今回は気持ちを強く持って、こちらに行ってきました。

お店の外観
今風の簡素な店内で、入って左手が道路に面していて、テーブルが2卓、右手にカウンターが奥に向かって伸びて、さらにその奥におそらく6名がけくらいのテーブルがあるようでした。
この日はカウンターの一人客ということで、できればテーブルが良かったですが、左手のテーブルには二人組の先客がいましたし、奥には4名のモンスター達がいたので、まあカウンターが無難でした。この日はそんな日と受け入れました。
モンスターと書きましたが、奥にいたお客さんの声の大きさよ。ここは居酒屋かと思うくらいの音量で、どうでも良い子供の話などを延々としていました。ここは大人が落ち着いて食事を楽しみに来る場所ではないのか。日本での星付き店は、残念ながらこういう下品な客が小銭を持って集まる場所にもなってしまっていて、大変残念です。お店としても客なのでむげにもできないでしょうが、他の静かな客にとっては大迷惑であることを銘記していただきたいと思います。
また、音の苦情ついでにいうと、調理に使うタイマーがややうるさく感じられました。こちらは少し気にしすぎかもしれませんが。
お料理は全般繊細な作りで良かったのですが、丁寧な調理をしているためでしょうか、皿の提供が遅めでした。そのため、食事の途中で悪い感じに満腹になってしまうと感じていました。席が半分も埋まっていない状況でこの提供の遅さは絶望的といえるかもしれません。
また、香りがコンセプトというわりには、それぞれの料理は丁寧な調理で美味しいものの、さほどはっとするような香りの体験はできなかったように思います。
ジャンルは違いますが、御近所の和食店「京料理 藤本」さんの方が、半額以下のコースで、はっとする食材の香りを感じさせられたこともあり、率直に料理としては上だと思ってしまいます。
飲み物については、食前酒としてアペリティフメゾン(特製カクテル)が用意されていたのはポイントが高かったです。
この日は巨峰を使ったカクテルで、シャンパンカクテルとして提供していただきました。また、リーズナブルな価格設定でペアリングも提案されていて、平均的というか、ポピュラーなお酒ではありましたが、良心的で良いと思います。
サービスについては、パンは聞かずにお代わり出して欲しかったです。それ以外の点では特に不愉快な点などはありませんでした。
最後、帰り際にシェフから焼き菓子二種が入ったお土産を頂けたのはうれしかったです。気が利いていますね。シェフは繊細そうな方で、上に不満を少々書きましたが、良いお仕事をされていると思います。

テーブルセッティング
香りのコンセプトについてはメニュー表が用意されていて、こういう行き届いた心配りは嬉しくなります。「はじめのん」に続く箇所についてですが、左が香り、右が合わせる食材とのことです。
この日のランチコースの内容を、頂いたメニュー表から抜粋します。
はじめのん(アミューズ)
秋刀魚・赤海老・栗
ディル×かます
カチョカバロ×しらす
牡蠣×鰆
備長炭×南の島豚
スパイス×洋梨
〆のん
香るTea お茶菓子
食事は、食前酒から始まります。先ほど書いた、アペリティフメゾン(巨峰のオリジナルシロップ使用シャンパンカクテル)を頂きます。甘みがやや強めですが、良いお味でした。

秋刀魚・赤海老・栗から秋刀魚・赤海老
アミューズ1:エビのスナック(右奥)と秋刀魚のタルト(左手前)
(→海老のスナックがビックリするくらい軽いのですが、すごく美味しいです。
また、薫香が素晴らしい秋刀魚と合っていました。紫蘇の花の香りもいいコンビです。下は牛蒡を入れて燻したものでした。)

秋刀魚・赤海老・栗から栗
アミューズ2:フランス産栗のムース コーヒーのオイル ローストしたココナッツ
(→ほんのり甘くて優しい味です。甘味は、自然の栗の甘味にやや加糖しているとのことでした。)


ディル×かます
前菜1:ディルとカマス
(→ディルの香りは感じにくいですが、富山産かますは質が良く、炙られていて良い脂を感じました。クスクスも香り、食感とも良くて楽しいです。見た目もきれいで、とても美味しい冷前菜でした。)
ペアリング白ワイン:ロワール(ソービニョンブラン)
(→かなりポピュラーなお酒ですが、料理との相性は良くわかりませんでした。)


カチョカバロ×しらす
前菜2:カチョカバロとしらす
(→アルザス地方のピザともいえる、タルトフランベ仕立てゆえか、合わせるワインは個人的に好きなアルザスワインでした。細かなチーズの香りが良く、しらすと出汁の相乗効果で、美味しくて秒速で食べ終えました。トリュフの香りを感じたので聞くと、サワークリームにトリュフオイル入っているとのことでした。温前菜ということで、皿を温めての提供で、良い印象でした。
ペアリング白ワイン:アルザス(リースリング) 2016
(→ミネラル強めのワインですが、キリッと辛口でしまっていてよい。不思議とタルトフランベとも合っていました。)



牡蠣×鰆
魚料理:牡蠣と鰆
(→鰆は脂が乗っていました。半生半透明で抜群の火入れです。牡蠣のソースがまた良く香って美味かったです。こちらもきちんとお皿を温めて提供されていました。)
ペアリング白ワイン:オート・コート・ドゥ・ボーヌ 2019
(→バターのような豊かな香りです。滑らかで絡みつくワインでした。鼻に抜ける気高く、豊かな香りが心地良かったです。)
パン
(→外観は普通のバケットですが美味しいです。温めて提供してくれていました。バター、オリーブオイルはありませんでした。)


備長炭×南の島豚
肉料理:南の島豚
(→ペリゴール産のトリュフはやや香るといった程度でした。量の問題でしょうか。豚の脂は美味しいのですが、コースのお値段からすると豚がメインなのは残念でした。また、お皿は温めてあったのですが、提供された時点ですでに冷めていて、肉も冷めてしまっていたのは残念でした。炭火焼きとのことでしたが、炭の香りは正直感じませんでした。)
ペアリング赤:リュリー 2017
(→軽めのピノノワールの赤とのことです。フランスでもランチのリーズナブルなグラスワインのラインナップに挙がるような手に入れやすいブルゴーニュの赤ですね。スパイシーで黒胡椒を感じます。お肉との相性は良くて、楽しめました。)


スパイス×洋梨
デセール:洋梨のデセール
(→皿を温めて提供していたのが驚きでした。冷温の差を感じさせる趣向でしょう。スパイスがまさに決め手のデセールでした。アイスクリームもチャイティーで、香りが豊かです。烏龍茶ベースのフレイバーティーにしたのは、結果論ですが、我ながら良い選択だと思いました。)

選べる茶葉

選べる茶葉(説明)

食後のお茶と小菓子
食後のお茶:烏龍茶ベースのお茶
小菓子:クッキー、プリン、栗とコーヒーのムースホワイトチョコ包み、シュー
(→上の記載の順で頂きました。どれも丁寧に作られていてとても美味しいです。ホワイトチョコ包みがより手が込んでいて感心しました。)
それなりに良いお値段を取る割にカウンターが主体というのが一人客には少し気になるところですし、また料理提供の速度が今のままでは厳しいというところもあり、個人的にはやや厳しめの評価になりますが、良いお店だとは思いますので、また季節を変えて伺いたいと思います。
(いただいたもの)
ランチコース7700
はじめのん(アミューズ)
秋刀魚・赤海老・栗
ディル×かます
カチョカバロ×しらす
牡蠣×鰆
備長炭×南の島豚
スパイス×洋梨
〆のん
香るTea お茶菓子(クッキー、プリン、栗とコーヒーのムースホワイトチョコ包み、シュー)
飲み物:
・巨峰のシャンパンカクテルメゾン1300
・グラスワインのペアリング(4杯)3300
(白)ロワール(ソーヴィニヨンブラン)
(白)アルザス(リースリング) 2016
(白)オート・コート・ドゥ・ボーヌ 2019
(赤)リュリー 2017

お店の外観
今風の簡素な店内で、入って左手が道路に面していて、テーブルが2卓、右手にカウンターが奥に向かって伸びて、さらにその奥におそらく6名がけくらいのテーブルがあるようでした。
この日はカウンターの一人客ということで、できればテーブルが良かったですが、左手のテーブルには二人組の先客がいましたし、奥には4名のモンスター達がいたので、まあカウンターが無難でした。この日はそんな日と受け入れました。
モンスターと書きましたが、奥にいたお客さんの声の大きさよ。ここは居酒屋かと思うくらいの音量で、どうでも良い子供の話などを延々としていました。ここは大人が落ち着いて食事を楽しみに来る場所ではないのか。日本での星付き店は、残念ながらこういう下品な客が小銭を持って集まる場所にもなってしまっていて、大変残念です。お店としても客なのでむげにもできないでしょうが、他の静かな客にとっては大迷惑であることを銘記していただきたいと思います。
また、音の苦情ついでにいうと、調理に使うタイマーがややうるさく感じられました。こちらは少し気にしすぎかもしれませんが。
お料理は全般繊細な作りで良かったのですが、丁寧な調理をしているためでしょうか、皿の提供が遅めでした。そのため、食事の途中で悪い感じに満腹になってしまうと感じていました。席が半分も埋まっていない状況でこの提供の遅さは絶望的といえるかもしれません。
また、香りがコンセプトというわりには、それぞれの料理は丁寧な調理で美味しいものの、さほどはっとするような香りの体験はできなかったように思います。
ジャンルは違いますが、御近所の和食店「京料理 藤本」さんの方が、半額以下のコースで、はっとする食材の香りを感じさせられたこともあり、率直に料理としては上だと思ってしまいます。
飲み物については、食前酒としてアペリティフメゾン(特製カクテル)が用意されていたのはポイントが高かったです。
この日は巨峰を使ったカクテルで、シャンパンカクテルとして提供していただきました。また、リーズナブルな価格設定でペアリングも提案されていて、平均的というか、ポピュラーなお酒ではありましたが、良心的で良いと思います。
サービスについては、パンは聞かずにお代わり出して欲しかったです。それ以外の点では特に不愉快な点などはありませんでした。
最後、帰り際にシェフから焼き菓子二種が入ったお土産を頂けたのはうれしかったです。気が利いていますね。シェフは繊細そうな方で、上に不満を少々書きましたが、良いお仕事をされていると思います。

テーブルセッティング
香りのコンセプトについてはメニュー表が用意されていて、こういう行き届いた心配りは嬉しくなります。「はじめのん」に続く箇所についてですが、左が香り、右が合わせる食材とのことです。
この日のランチコースの内容を、頂いたメニュー表から抜粋します。
はじめのん(アミューズ)
秋刀魚・赤海老・栗
ディル×かます
カチョカバロ×しらす
牡蠣×鰆
備長炭×南の島豚
スパイス×洋梨
〆のん
香るTea お茶菓子
食事は、食前酒から始まります。先ほど書いた、アペリティフメゾン(巨峰のオリジナルシロップ使用シャンパンカクテル)を頂きます。甘みがやや強めですが、良いお味でした。

秋刀魚・赤海老・栗から秋刀魚・赤海老
アミューズ1:エビのスナック(右奥)と秋刀魚のタルト(左手前)
(→海老のスナックがビックリするくらい軽いのですが、すごく美味しいです。
また、薫香が素晴らしい秋刀魚と合っていました。紫蘇の花の香りもいいコンビです。下は牛蒡を入れて燻したものでした。)

秋刀魚・赤海老・栗から栗
アミューズ2:フランス産栗のムース コーヒーのオイル ローストしたココナッツ
(→ほんのり甘くて優しい味です。甘味は、自然の栗の甘味にやや加糖しているとのことでした。)


ディル×かます
前菜1:ディルとカマス
(→ディルの香りは感じにくいですが、富山産かますは質が良く、炙られていて良い脂を感じました。クスクスも香り、食感とも良くて楽しいです。見た目もきれいで、とても美味しい冷前菜でした。)
ペアリング白ワイン:ロワール(ソービニョンブラン)
(→かなりポピュラーなお酒ですが、料理との相性は良くわかりませんでした。)


カチョカバロ×しらす
前菜2:カチョカバロとしらす
(→アルザス地方のピザともいえる、タルトフランベ仕立てゆえか、合わせるワインは個人的に好きなアルザスワインでした。細かなチーズの香りが良く、しらすと出汁の相乗効果で、美味しくて秒速で食べ終えました。トリュフの香りを感じたので聞くと、サワークリームにトリュフオイル入っているとのことでした。温前菜ということで、皿を温めての提供で、良い印象でした。
ペアリング白ワイン:アルザス(リースリング) 2016
(→ミネラル強めのワインですが、キリッと辛口でしまっていてよい。不思議とタルトフランベとも合っていました。)



牡蠣×鰆
魚料理:牡蠣と鰆
(→鰆は脂が乗っていました。半生半透明で抜群の火入れです。牡蠣のソースがまた良く香って美味かったです。こちらもきちんとお皿を温めて提供されていました。)
ペアリング白ワイン:オート・コート・ドゥ・ボーヌ 2019
(→バターのような豊かな香りです。滑らかで絡みつくワインでした。鼻に抜ける気高く、豊かな香りが心地良かったです。)
パン
(→外観は普通のバケットですが美味しいです。温めて提供してくれていました。バター、オリーブオイルはありませんでした。)


備長炭×南の島豚
肉料理:南の島豚
(→ペリゴール産のトリュフはやや香るといった程度でした。量の問題でしょうか。豚の脂は美味しいのですが、コースのお値段からすると豚がメインなのは残念でした。また、お皿は温めてあったのですが、提供された時点ですでに冷めていて、肉も冷めてしまっていたのは残念でした。炭火焼きとのことでしたが、炭の香りは正直感じませんでした。)
ペアリング赤:リュリー 2017
(→軽めのピノノワールの赤とのことです。フランスでもランチのリーズナブルなグラスワインのラインナップに挙がるような手に入れやすいブルゴーニュの赤ですね。スパイシーで黒胡椒を感じます。お肉との相性は良くて、楽しめました。)


スパイス×洋梨
デセール:洋梨のデセール
(→皿を温めて提供していたのが驚きでした。冷温の差を感じさせる趣向でしょう。スパイスがまさに決め手のデセールでした。アイスクリームもチャイティーで、香りが豊かです。烏龍茶ベースのフレイバーティーにしたのは、結果論ですが、我ながら良い選択だと思いました。)

選べる茶葉

選べる茶葉(説明)

食後のお茶と小菓子
食後のお茶:烏龍茶ベースのお茶
小菓子:クッキー、プリン、栗とコーヒーのムースホワイトチョコ包み、シュー
(→上の記載の順で頂きました。どれも丁寧に作られていてとても美味しいです。ホワイトチョコ包みがより手が込んでいて感心しました。)
それなりに良いお値段を取る割にカウンターが主体というのが一人客には少し気になるところですし、また料理提供の速度が今のままでは厳しいというところもあり、個人的にはやや厳しめの評価になりますが、良いお店だとは思いますので、また季節を変えて伺いたいと思います。
(いただいたもの)
ランチコース7700
はじめのん(アミューズ)
秋刀魚・赤海老・栗
ディル×かます
カチョカバロ×しらす
牡蠣×鰆
備長炭×南の島豚
スパイス×洋梨
〆のん
香るTea お茶菓子(クッキー、プリン、栗とコーヒーのムースホワイトチョコ包み、シュー)
飲み物:
・巨峰のシャンパンカクテルメゾン1300
・グラスワインのペアリング(4杯)3300
(白)ロワール(ソーヴィニヨンブラン)
(白)アルザス(リースリング) 2016
(白)オート・コート・ドゥ・ボーヌ 2019
(赤)リュリー 2017
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