レストラン訪問記:伊賀市(島ヶ原駅)「レチュード」(★)
年の初めに伊賀の一つ星フレンチへの二度目の訪問が実現しました。今回は能褒野にある日本武尊の聖地巡礼を一つの口実にしての訪問でした。

お店の外観
年末に伺った大阪の「イデアルビストロ」同様、こちらでも真鴨をリクエストしていて、お値段も特別価格の設定を承諾しての食事でした。
もともと席数が少なめで、プライベート感があるお店ですが、コロナでさらに減員している上、この日はキャンセルが出たとかで、期せずしてまるまる貸し切りのプライベートダイニングとなっていました。前回は個室に通していただきましたが、この日はメインダイニングを個室にしての食事で、とてもくつろげました。
一人でもあり、早い時間の電車に乗って帰れるかもと思いつつ、早めに出してもらっていましたが、やはり少し急ぐ感じになって、くつろげないと感じたので、早めに帰ることは早々に諦めていました。お店から駅までもそれなりに距離があり、田舎の暗い夜道を行くので、田んぼに落ちたりしないように注意が必要だったりもしますから、やはり余裕が欲しいところでした。
今回はお酒が飲める時期でしたので、ペアリングをお願いしていて、魅力的なお酒を提案して下さって、味の楽しみを得られただけでなく、勉強にもなりました。ワインに合わせた立派なグラスも惜しみなく使ってくださって、食事の時間がさらに豊かになりました。また、良心的な価格設定もありがたいです。アルコールが飲める方は是非注文されることをお勧めいたします。

テーブルセッティング
お料理については、以前と変わらぬ出で立ちでしたが、海老のお料理とその付け合わせのお野菜(カリフラワー)がとても美味しくて印象に残りました。海老はひたすら甘く、お野菜はその美味しさが存分に引き出されていました。野菜料理でここまで心に残ることは珍しいです。
食前酒はこの日開いていたシャンパンでした。
グラスシャンパン N.M.(ピノノワール70%・シャルドネ30%)
(→「N.M.」とはすなわち、フランス語の「Non Millésimé(ノンミレジメ)」つまり英語でいうノンヴィンテージのことです。ピノノワールの効果でしょうか、ふくよかな味わいに感じました。年末年始はブランドブランばかり飲んでいたので、別の個性をはっきり感じられて良かったです。不思議なことにこのシャンパンの泡はブランドブランよりきめ細やかな印象でした。)

グジェール

レンズ豆のポタージュ 菊芋のピューレ ミルクフォーム カレンデュラ(花)
(→レンズ豆のスープである時点で、スープの色はやはり美しくはありません。菊芋、レンズ豆どちらを食べさせたいのか不明な点が少し残念でした。やや菊芋の方が香っていたかもしれません。しかしスープとしての美味しさはもちろんあり、元気をもらえる感じでした。)

サワラの燻製
(→上品な燻した風味をまとった脂ののったサワラでした。最近は各所で生の鰆を食べることが多く、鴨祭りの裏テーマは鰆祭りかもしれません。小さいですが、ハーブや大根の香りがプラスされて良い味になっています。菜花のソースも作ってあって良心を感じます。)
ここからパンの提供がありました。前回バターがなかったようですが、普段から提供されているとのことです。パンはやはり温めて出してくれますし、パンも普通に美味しいです。バターもきっちり頂きます。

足赤海老のソテー
(→カレーオイルが食欲そそる。また、焼いたカリフラワーがものすごく美味しかったです。海老は甘く、カリフラワーのピュレと合っていました。お皿温めて出してくれているのも良い配慮でした。)
グラス白ワイン:サンセール ヴァンサン・ゴドリ 2019
(→無難な味です。ミネラルを感じます。)


伊賀牛頬肉のポトフ
徳島産赤鮑 伊賀牛 椎茸 肝と柚子胡椒
(→肉は柔らかくて昇天する旨さです。スープはかなり濃厚でした。お皿は温めて提供されていました。)
・グラス赤ワイン:ブルゴーニュ フレデリック・マニャン 2018
(→香りが高く繊細なお味で、素晴らしい赤でした。ブルゴーニュ用のグラスで提供していただきました。)


本日のお魚料理:キアラのポワレ
(→弾力があり、旨みがありますが、やや火が入りすぎた印象でした。同じお魚を奈良の「アコルドゥ」で頂きましたが、アコルドゥの方が処理が良かったです。ネギのソースとの相性もいまひとつ完璧とは言い難かったようです。)

グラス白ワイン:マルセル・ダイス(アルザス) 2017
(→アルザスの有名酒蔵のダイスのブレンド酒です。「シャンバール」でもおそらくグラス提供されていたお酒で、アルザスの各種ブドウをブレンドしているお酒で、華やかな香りして好きなワインでした。)



メイン肉料理:真鴨のロースト
(→宮城県で獲ったたという鴨の味が濃く良いです。また脂もありいい感じでした。トリュフもそこそこ香っていました。シェフとのお話では、もう一週間くらい熟成させると良かったとのことでしたが、入荷のタイミングでそれはならなかったようでした。)
グラス赤ワイン:サンジョゼ シャーヴセレクション 2016
(→野生的な香りがします。シラーの太い感じが好きです。マニャンのピノノワールと共に、ワインの楽しさに再び開眼させられました。)
チーズ(カマンベール、コンテ)の提案をしていただきましたが、年末年始自宅でチーズを沢山食べていたので、今回は諦めてデセールへ直行しました。

アヴァンデセール:柚子のブランマンジェ
(→繊細です。柚子の香りが良いアクセントでした。)

デセール:紅ほっぺのデセール
(→まとまりのないデセールなので正直個人的にはあまり評価が高くありません。苺が好きなので、苺をもっと主役にしてほしかったというのが本音です。)

食後のお茶と小菓子
初めてのディナーで、特殊な状況ではありましたが、マダムのサービスからはおもてなしの心が感じられ、安心して食事ができました。一人だったので、おしゃべりにも結構おつきあいいただきました。記事には書けませんが、他に、お二人から色々な御配慮を頂いて、結局お受けしなかったものの、大変有り難く思っていました。
次回訪問はしばらく未定ですが、やはりお酒が心おきなく楽しめる環境下で伺って、次回はいよいよ伊賀上野のお城あるいは関宿を訪ねたいと思っています。
(いただいたもの)
ディナー特別コース13200
*特別コースはメインに真鴨をリクエストしていたためです。通常のコースは9000円弱のようです。
*下記記載は頂いてきたメニュー表を転記したものです。
グジェール
小さなシュー生地にベーコンとブロッコリーのクリームを詰めて
レンズ豆のポタージュ
菊芋のピューレ カレンデュラ
サワラの燻製
カブのソース 大根のサラダ パセリオイル
足赤海老のソテー
カリフラワー 海老とイカスミのソース
伊賀牛頬肉のポトフ
椎茸 アワビの肝と柚子胡椒のペースト
本日のお魚料理
キアラのポワレ 白ネギ クエのコンソメ
真鴨のロースト
腿肉のクレピーヌ シヴェソース
柚子のブランマンジェ
キウイ ライチのソース ヨーグルトのソルベ
紅ほっぺ
紅茶のジェノワーズ ホワイトチョコレートのクリーム バニラのアイス
紅茶(月ヶ瀬・岩田さんの有機紅茶)
お茶菓子
飲み物:
ワインペアリング5種5500
・グラスシャンパン N.M.(ピノノワール70%・シャルドネ30%)
・グラス白ワイン:サンセール ヴァンサン・ゴドリ 2019
・グラス赤ワイン:ブルゴーニュ フレデリック・マニャン 2018
・グラス白ワイン:マルセル・ダイス(アルザス) 2017
・グラス赤ワイン:サンジョゼ シャーヴセレクション 2016

お店の外観
年末に伺った大阪の「イデアルビストロ」同様、こちらでも真鴨をリクエストしていて、お値段も特別価格の設定を承諾しての食事でした。
もともと席数が少なめで、プライベート感があるお店ですが、コロナでさらに減員している上、この日はキャンセルが出たとかで、期せずしてまるまる貸し切りのプライベートダイニングとなっていました。前回は個室に通していただきましたが、この日はメインダイニングを個室にしての食事で、とてもくつろげました。
一人でもあり、早い時間の電車に乗って帰れるかもと思いつつ、早めに出してもらっていましたが、やはり少し急ぐ感じになって、くつろげないと感じたので、早めに帰ることは早々に諦めていました。お店から駅までもそれなりに距離があり、田舎の暗い夜道を行くので、田んぼに落ちたりしないように注意が必要だったりもしますから、やはり余裕が欲しいところでした。
今回はお酒が飲める時期でしたので、ペアリングをお願いしていて、魅力的なお酒を提案して下さって、味の楽しみを得られただけでなく、勉強にもなりました。ワインに合わせた立派なグラスも惜しみなく使ってくださって、食事の時間がさらに豊かになりました。また、良心的な価格設定もありがたいです。アルコールが飲める方は是非注文されることをお勧めいたします。

テーブルセッティング
お料理については、以前と変わらぬ出で立ちでしたが、海老のお料理とその付け合わせのお野菜(カリフラワー)がとても美味しくて印象に残りました。海老はひたすら甘く、お野菜はその美味しさが存分に引き出されていました。野菜料理でここまで心に残ることは珍しいです。
食前酒はこの日開いていたシャンパンでした。
グラスシャンパン N.M.(ピノノワール70%・シャルドネ30%)
(→「N.M.」とはすなわち、フランス語の「Non Millésimé(ノンミレジメ)」つまり英語でいうノンヴィンテージのことです。ピノノワールの効果でしょうか、ふくよかな味わいに感じました。年末年始はブランドブランばかり飲んでいたので、別の個性をはっきり感じられて良かったです。不思議なことにこのシャンパンの泡はブランドブランよりきめ細やかな印象でした。)

グジェール

レンズ豆のポタージュ 菊芋のピューレ ミルクフォーム カレンデュラ(花)
(→レンズ豆のスープである時点で、スープの色はやはり美しくはありません。菊芋、レンズ豆どちらを食べさせたいのか不明な点が少し残念でした。やや菊芋の方が香っていたかもしれません。しかしスープとしての美味しさはもちろんあり、元気をもらえる感じでした。)

サワラの燻製
(→上品な燻した風味をまとった脂ののったサワラでした。最近は各所で生の鰆を食べることが多く、鴨祭りの裏テーマは鰆祭りかもしれません。小さいですが、ハーブや大根の香りがプラスされて良い味になっています。菜花のソースも作ってあって良心を感じます。)
ここからパンの提供がありました。前回バターがなかったようですが、普段から提供されているとのことです。パンはやはり温めて出してくれますし、パンも普通に美味しいです。バターもきっちり頂きます。

足赤海老のソテー
(→カレーオイルが食欲そそる。また、焼いたカリフラワーがものすごく美味しかったです。海老は甘く、カリフラワーのピュレと合っていました。お皿温めて出してくれているのも良い配慮でした。)
グラス白ワイン:サンセール ヴァンサン・ゴドリ 2019
(→無難な味です。ミネラルを感じます。)


伊賀牛頬肉のポトフ
徳島産赤鮑 伊賀牛 椎茸 肝と柚子胡椒
(→肉は柔らかくて昇天する旨さです。スープはかなり濃厚でした。お皿は温めて提供されていました。)
・グラス赤ワイン:ブルゴーニュ フレデリック・マニャン 2018
(→香りが高く繊細なお味で、素晴らしい赤でした。ブルゴーニュ用のグラスで提供していただきました。)


本日のお魚料理:キアラのポワレ
(→弾力があり、旨みがありますが、やや火が入りすぎた印象でした。同じお魚を奈良の「アコルドゥ」で頂きましたが、アコルドゥの方が処理が良かったです。ネギのソースとの相性もいまひとつ完璧とは言い難かったようです。)

グラス白ワイン:マルセル・ダイス(アルザス) 2017
(→アルザスの有名酒蔵のダイスのブレンド酒です。「シャンバール」でもおそらくグラス提供されていたお酒で、アルザスの各種ブドウをブレンドしているお酒で、華やかな香りして好きなワインでした。)



メイン肉料理:真鴨のロースト
(→宮城県で獲ったたという鴨の味が濃く良いです。また脂もありいい感じでした。トリュフもそこそこ香っていました。シェフとのお話では、もう一週間くらい熟成させると良かったとのことでしたが、入荷のタイミングでそれはならなかったようでした。)
グラス赤ワイン:サンジョゼ シャーヴセレクション 2016
(→野生的な香りがします。シラーの太い感じが好きです。マニャンのピノノワールと共に、ワインの楽しさに再び開眼させられました。)
チーズ(カマンベール、コンテ)の提案をしていただきましたが、年末年始自宅でチーズを沢山食べていたので、今回は諦めてデセールへ直行しました。

アヴァンデセール:柚子のブランマンジェ
(→繊細です。柚子の香りが良いアクセントでした。)

デセール:紅ほっぺのデセール
(→まとまりのないデセールなので正直個人的にはあまり評価が高くありません。苺が好きなので、苺をもっと主役にしてほしかったというのが本音です。)

食後のお茶と小菓子
初めてのディナーで、特殊な状況ではありましたが、マダムのサービスからはおもてなしの心が感じられ、安心して食事ができました。一人だったので、おしゃべりにも結構おつきあいいただきました。記事には書けませんが、他に、お二人から色々な御配慮を頂いて、結局お受けしなかったものの、大変有り難く思っていました。
次回訪問はしばらく未定ですが、やはりお酒が心おきなく楽しめる環境下で伺って、次回はいよいよ伊賀上野のお城あるいは関宿を訪ねたいと思っています。
(いただいたもの)
ディナー特別コース13200
*特別コースはメインに真鴨をリクエストしていたためです。通常のコースは9000円弱のようです。
*下記記載は頂いてきたメニュー表を転記したものです。
グジェール
小さなシュー生地にベーコンとブロッコリーのクリームを詰めて
レンズ豆のポタージュ
菊芋のピューレ カレンデュラ
サワラの燻製
カブのソース 大根のサラダ パセリオイル
足赤海老のソテー
カリフラワー 海老とイカスミのソース
伊賀牛頬肉のポトフ
椎茸 アワビの肝と柚子胡椒のペースト
本日のお魚料理
キアラのポワレ 白ネギ クエのコンソメ
真鴨のロースト
腿肉のクレピーヌ シヴェソース
柚子のブランマンジェ
キウイ ライチのソース ヨーグルトのソルベ
紅ほっぺ
紅茶のジェノワーズ ホワイトチョコレートのクリーム バニラのアイス
紅茶(月ヶ瀬・岩田さんの有機紅茶)
お茶菓子
飲み物:
ワインペアリング5種5500
・グラスシャンパン N.M.(ピノノワール70%・シャルドネ30%)
・グラス白ワイン:サンセール ヴァンサン・ゴドリ 2019
・グラス赤ワイン:ブルゴーニュ フレデリック・マニャン 2018
・グラス白ワイン:マルセル・ダイス(アルザス) 2017
・グラス赤ワイン:サンジョゼ シャーヴセレクション 2016
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