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レストラン訪問記:奈良市「テラス・イリゼ」(未掲載)

しばらくブログ記事更新が滞り、少数の読者様には申し訳ない思いでした。3月末からこれまでの間、身分に多少の変化があり、それでも旅行に出ることもそれなりにありましたので、相変わらずせわしなく過ごしておりました。

さて、ミシュラン奈良特別版2022が発刊された直後ということもあり、まだ記事が書けていない1月末以降訪問のお店から、奈良のお店を掲載したいと思います。

今日は、まずフランス料理店のこちらから。今回のミシュラン奈良特別版2022にて、一つ星が新たにつきました。訪問時は、未だ評価がついていませんでしたので、未掲載としています。シェフの鷦鷯氏は、スイス・バーゼルの三つ星店に在籍されていた御経歴をお持ちで、以前は、神戸の「メゾンドグラシアンニ」のシェフも務められた方のようです。読者様から教えていただいて、しばらく前からお店のことは知っていて、今回の訪問となりました(2月上旬訪問)。

さて、お店についての評ですが、正直あまりいい印象がもてませんでした。

シェフの御経歴は御立派ですが、おそらく雇っている会社の方針なのか、料理があまりに平凡です。


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卓上からの眺め
(→池に面していて眺めは悪くないです。)

テーブルクロスなどもしっかりして、アミューズも凝ったりしていて、一見するとガストロノミー店と見えますが、お料理を食べていくうちに、ここの料理は結局ビストロ料理だと気付く、そんなお店でした。

京都で「よねむら」に行く機会がありましたが、こちらも期待外れもいいところで、こうした見かけ倒しのお店は、アミューズとプティフールは結構凝ったものを出すというところが共通していると、そのプレゼンの狡獪さに気付きました。

さらに客層も残念で、コロナ禍全盛期にあって、黙食、マスク会食が叫ばれる中、堂々とマスクなしで大声での会話を続ける中年女性二人組がいて、食事の気分が台無しでした。

その後、お店の人が二人を注意して、一方はさすがに悪いなという雰囲気で発話が減りましたが、その分の隙間をもう一方の老女が私が埋めるいわんばかりにはりきってしゃべるようになったので、注意前よりさらにうるさくなって、より害悪をまき散らしてくれて、最低でした。


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サルの様子

最後にシェフがわざわざ挨拶に来て、詫びてくれましたが、台無しになった時間は帰ってきません。好き放題飛沫を飛ばした二人は、自分達の好きなように過ごせて、満足したのでしょうか。

ファミレスと同じような意識でレストランに入ってくる教養のない身勝手な客。そして、そんな意識の客をきちんと統制しきれない、ある意味意識の低いお店。料理もガストロノミーを装ったビストロとなれば、再訪する理由が全くありません。

料理がビストロというのは、一度行けば分かっていただけるはずです。ビストロだから悪いということはなく、ビストロではなくガストロノミーを装っているのが、たちが悪いということです。

鰤大根の変化形など、色々なところで見かけましたが、ここで頂いたものが、美味しさがなく、発想として一番浅く、思想が感じられない変化形でした。まだ記事を作成していませんが、千葉県佐倉市の「プレゼンテスギ」の鰤大根の変化形が、荒削りではありましたが、今季頂いた中で一番美味しく、また思想も感じられたお料理でした。

レストランで提供するメニューは当然会社の意向が大きく働いているのでしょうから、シェフもこのような意識の低い会社を早く離れて、故郷で本格的なガストロノミーレストランを開いたら良いのにと思っていました。


(いただいたもの)

ランチコース6500
(飲み物は別注になります。)

食前酒:ロゼシャンパン2600
(→ロゼは久しぶりで、封切りが嬉しいです。また、なみなみ入れてくれるのも良いです。)


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アミューズ
鴨のタルト(→鴨が存在感発揮していて、味つけも濃いめで美味しいです。ネギクリームと良い相性でした。)
サーモン(→チーズ使用だが味付けはあっさりです。)
れんこん(→温かいのが良かったです。味は淡白で、野菜の香りが効いていました。)


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鰤の冷前菜
(→運ばれて来た時にゆずの香りがしていました。魚は今ひとつ新鮮でなく、素晴らしい鰤大根を「プレゼンテスギ」で頂いていることもあり、全く感動がありませんでした。正直バナル(平凡)な品です。野菜のちょび髭が跳ねているし、蕪でくるんだものがフォークで刺すと中身が飛び出てしまうなど、とても食べにくいし、食べ手のことを全く考えておらず、メニュー考案者の社員あるいはシェフにセンスが感じられませんでした。)


ここでパンが提供されました…


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麻炭パン(→温めての提供です。パンはもっちりで美味しいです。お代わりの時はバターも出してくれて、それは有り難かったです。)
柚子味噌バター(→やや甘口です。)
普通のバター(→あまり脂がありませんでした。)


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温前菜:宇陀の金ごぼうのスープ
(→熱々で提供されたのは良かったです。皿もしっかり温めてありました。ただスープが肝心の牛蒡の香りより、生クリームやらベーコンの風味の方が勝っていて、その点ではスープのレベルとしては今一つでした。)


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魚:鱈のポワレ ガルビュール
(→運ばれてくると胡麻油の香りがしてくる。カイワレがここでも邪魔でした。存在価値がない無意味な食材を入れるセンスを疑います。魚は鱈というだけでテンションが下がります。そのがっかりを裏切るだけの美味しさがあれば良いのですが、当然のようにそんなことはありまsんでした。6500円もコース料金をとっておいて魚が鱈はないでしょう。火入れは良いのですが、鱈の良さは全く感じませんでした。さらに、最近、魚料理にナイフがなくスプーンだけというお店が多いのですが、切らなければいけない魚に、ナイフの用意がないのはありえないです。最近のサービスマンは、古典的なサービスを学んだことがないのでしょうか。あるいは食べ手のことを何も考えないのでしょうか。)


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肉:牛頰肉煮込み
(→皿は温めて提供されます。お肉はさすがにとろけて美味しいです。しかし一人大声で喋り続け、飛沫を近距離で飛ばしまくっている老女のせいで、食事が楽しくなくなっており、お肉の美味しさが半減していました。)


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アヴァンデセール:あかしそのグラニテ
(→なぜあかしそを使うのかよく分かりませんでした。)


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デセール:フォンダンショコラ みかん ほうじ茶のアイス
(→アイスは美味しいです。デセールはビストロのそれで、全く工夫も努力も感じられません。全体として美味しいのですが、感動がなく、バナルとしか言えないです。)


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食後のお茶:ハーブティー(ドライ)
(→野菜をアピールしておきながら、ハーブティーがドライというのもちぐはぐ(メニュー開発者の意識が低い)としか思えませんでしたが、ドライのハーブティーは味が濃く、出ていてそれは良かったです。)

プティフール
古都華のタルト(→古都華は奈良の高級苺ですね。ショートケーキと同じ趣向で、これは文句なしに好きでした。)
フランボワーズのマカロン(→クリームが入っていて美味しいです。また、焼き加減も良かったです。)
フランス産チョコレート(→フランボワーズでしょうか、パットドフリュイが入っていました。)





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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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