レストラン訪問記:奈良市「和やまむら」(★★★)
更新が滞る中、訪問して下さっている方には申し訳ないです。約1か月ぶりの更新が和食というのももしかしたら需要に応えられていないかもしれず心苦しいのですが、一応ミシュラン特別版の最新版が奈良だったということで、奈良の続きを掲載いたします。
掲載の際には結構手間をかけていましたが、もう少し気楽にすることで、掲載頻度を上げられるようにしていきたいと思っています。
さて、こちらは、訪問前に写真など見ず、古い割烹料理店を勝手にイメージして伺ったので、店内明るく賑やかな雰囲気が予想外で少し驚きました。
入店し、予約確認もなく、入って右手の座席高めのカウンター真ん中に通されました。しかし、入店時が遅かったこともあってか、既にいる客がうるさいこと。おしゃべりが花盛りです。狭い中でほぼ満員ということもあってか、声が色々と響き、反響していたのでしょう。また、BGMがJAZZでしたが、これは余計でした。
結論から言うと、お料理に何らの驚きもきらめきも、志も感じられず、型どおりの懐石料理を一応出しているという感じで、甘口の味付けも多くて口に合わず、また店主とも一度も口をきけないままでした。美味しい料理もありましたが、全体として見ると、おもてなしの心は全く感じられませんでした。
これだったら、まだ値段相応に一応高級食材を並べた「而今」の方が料理屋としては完成しているし、はるかに上でしょうと思ってしまいましたが、ミシュランの評価も果たしてその通りとなりました。
「和やまむら」は三つ星から一つ星へ屈辱の二段階降格となり、かたや「而今」は初登場でさっそうと二つ星へと上り詰めたわけです。
だめだしついでに料理以外で色々と気になった点を述べると、日本酒の提供について、半合で出してもらえないのは残念でした。また、最初のことですが、お酒について何も聞かれませんでした。お昼とはいえ、一応それなりの料理を楽しむ場所なのですから、最初から酒を勧めて欲しかったですね。そして、提供されたお酒は冷えるちろりに入れてくれてそれは有り難いのですが、最後に冷やすために入っていた水が飛び出て杯に入ってしまい、お酒を薄めてしまったのが残念でした。
また、お茶も茶瓶を置いていってくれたのは良いのですが、置いておくとお茶が冷めてしまうという当たり前のところに思いが至らない点で残念でした。熱いお茶提供より、効率重視ということでしょう。
また、おしぼりが貧弱というのもありました。
もちろんこのレベルのお店はどんなシチュエーションでも再訪いたしません。時間とお金の無駄です。ミシュランで二段階降格はなかなか見ない厳しい沙汰ですが、このお店についてはその評価が妥当だと腑に落ちました。
(いただいたもの)
お昼のコース13310
お酒(別料金):松の司 あらばしり1150

先付け 白魚素揚げ 梅風味ジュレ うど ズッキーニ 車海老
(→白魚は揚げてありコクがあるので美味です。梅のジュレは酸味なく優しい味で嬉しい。派手さはないが美味しいです。金箔が載っているとはいえやや地味な印象です。)
食前酒:こぼれ梅
(→もろみがありました。甘口の美味しい日本酒です。器が口のところが飛び出ていて食べにくい。客のこと全く考えていないつくりです。これを出すセンスの無さを感じました。)


お椀:鮑入り真薯 白木耳 菜葉 紅白にんじん 柚子
(→こちらが前のお料理を食べ終える前に運んでくる無神経さがありました。客より自分優先のサービスだと理解しました。レベルが低いです。お椀の汚れ、シミも気になりました。また、霧吹きで水をかけるなどの細やかさも欲しかった。出汁は淡白です。鮑は薄切りで柔らかいかったです。)

お造り:本鮪 天然ヒラメ 縁側 ケンサキイカ 甘海老
(→ありきたりなラインナップでつまらないです。ここは海なし県の大箱の旅館かと思ってしまいました。とはいえ、美味しいものもあり、イカは歯応えがあり新鮮で美味でしたし、甘海老も普通に美味しいです。ただヒラメは水っぽくて美味しくないです。よくこれを客に出せるなというレベルで、これだけで星無しかなと思いました。また、中トロは、きれいな霜降りで期待を裏切らない美味しい脂の味で満足できましたが、これも冷凍かもしれません。中心部分の繊維の感じからそのように感じました。縁側については脂があり美味しかったです。)

ズワイガニと玉子豆腐のみぞれあんかけ
(→皿を置いて、ダッシュで皿の名前言って去っていくサービスに疑問を感じました。客のことなど見ていないでしょ。皿は熱々での提供でした。しかしこの皿についてそこまでする必要があるのかと、疑問でした。ここでも意識の低さを感じます。チグハグで料理センスが感じられませんでした。蟹は水っぽく、紅ズワイだと理解しました。これも口元が割れている、客がお出汁をちゃんと飲めない器で、やはりセンスを疑いました。餡の味もありきたりで、満足できません。ただふり柚子は香っていました。)


八寸:
そら豆(→意外にも甘く炊いてありました。)
帆立とうるい(→うるいが春を感じさせてくれました。)
鳥貝のぬた(→少ないですが旨味たっぷりで酒と合いました。)
菜花(→優しく茹でてありました。)
翁豆(→甘く柔らかいもので、これは完全にデザートでした。)
胡麻豆腐(→美味しいのですがやや味が薄めでした。)
車海老(→これも甘いです。口に合いません。)
八幡巻(→鰻を使っているのは良いですが、養殖でしょう。)
貝の黄身包み(→味が濃くて良いです。酒に合いました。しかしこう言ったら失礼かもしれませんが、コンビニでも買えるもののようにも感じた。)
白子ポン酢(→見るからにきめ細やかで質の高い白子でした。味も素晴らしい濃厚さで日本酒に最高に合いました。これは大当たりです。しかしここでも器使いがチグハグです。汁が残るのに口元が割れていて普通には飲めないのです。やはりサービスのセンスを疑います。)
からすみ(→いわゆる生からすみで、ねっとり濃厚で、お酒の最高のあてです。)

焼き物:甘鯛の幽庵焼き 畳イワシ
(→器は温めての提供でした。甘鯛を幽庵焼きにする意味は何でしょうか。幽庵を感じにくかったです。新鮮なら普通に焼けばそれで十分ではと思います。すだちの種を除いているのはなかなかない気遣いで、客思いで良いです。すもも入りのみぞれも、松葉に刺したかぶらも甘くて違和感がありました。やはりここの味付けは口に合わないのかもしれません。)


炊き合わせ:海老芋 蕪 福岡産筍 揚げ麩
(→熱々での提供です。蕪が柔らか過ぎで残念でした。海老芋はいい炊き加減で香りもして美味しいです。筍はそれなりですが、穂の美味しいところでそれはうれしかったです。)

お食事:マコモダケの炊き込みご飯(お代わり:ちりめんご飯)
赤だしなめこ入り 香の物
(→ここでマコモダケはないだろう。この各種食材がとても美味しい季節になぜマコモダケかと大いに疑問でした。全く攻めていないです。また、その御飯も、炊き上がりがべちゃっとしていて残念至極でした。おそらく大釜で全員分炊いて放置しているのだと分かりました。三つ星の資格ないでしょうと当時感じていました。お代わりで出てきたちりめんご飯は思ったより味が濃くないもので、おそらく自家製でしょう。美味しく頂けました。)

水物:苺のゼリー寄せ マンゴー 生搾りオレンジジュース
食後のお茶:紅茶
(→苺、マンゴーとも甘くて満足しました。フレッシュオレンジジュースも少ないが美味しかったです。)
掲載の際には結構手間をかけていましたが、もう少し気楽にすることで、掲載頻度を上げられるようにしていきたいと思っています。
さて、こちらは、訪問前に写真など見ず、古い割烹料理店を勝手にイメージして伺ったので、店内明るく賑やかな雰囲気が予想外で少し驚きました。
入店し、予約確認もなく、入って右手の座席高めのカウンター真ん中に通されました。しかし、入店時が遅かったこともあってか、既にいる客がうるさいこと。おしゃべりが花盛りです。狭い中でほぼ満員ということもあってか、声が色々と響き、反響していたのでしょう。また、BGMがJAZZでしたが、これは余計でした。
結論から言うと、お料理に何らの驚きもきらめきも、志も感じられず、型どおりの懐石料理を一応出しているという感じで、甘口の味付けも多くて口に合わず、また店主とも一度も口をきけないままでした。美味しい料理もありましたが、全体として見ると、おもてなしの心は全く感じられませんでした。
これだったら、まだ値段相応に一応高級食材を並べた「而今」の方が料理屋としては完成しているし、はるかに上でしょうと思ってしまいましたが、ミシュランの評価も果たしてその通りとなりました。
「和やまむら」は三つ星から一つ星へ屈辱の二段階降格となり、かたや「而今」は初登場でさっそうと二つ星へと上り詰めたわけです。
だめだしついでに料理以外で色々と気になった点を述べると、日本酒の提供について、半合で出してもらえないのは残念でした。また、最初のことですが、お酒について何も聞かれませんでした。お昼とはいえ、一応それなりの料理を楽しむ場所なのですから、最初から酒を勧めて欲しかったですね。そして、提供されたお酒は冷えるちろりに入れてくれてそれは有り難いのですが、最後に冷やすために入っていた水が飛び出て杯に入ってしまい、お酒を薄めてしまったのが残念でした。
また、お茶も茶瓶を置いていってくれたのは良いのですが、置いておくとお茶が冷めてしまうという当たり前のところに思いが至らない点で残念でした。熱いお茶提供より、効率重視ということでしょう。
また、おしぼりが貧弱というのもありました。
もちろんこのレベルのお店はどんなシチュエーションでも再訪いたしません。時間とお金の無駄です。ミシュランで二段階降格はなかなか見ない厳しい沙汰ですが、このお店についてはその評価が妥当だと腑に落ちました。
(いただいたもの)
お昼のコース13310
お酒(別料金):松の司 あらばしり1150

先付け 白魚素揚げ 梅風味ジュレ うど ズッキーニ 車海老
(→白魚は揚げてありコクがあるので美味です。梅のジュレは酸味なく優しい味で嬉しい。派手さはないが美味しいです。金箔が載っているとはいえやや地味な印象です。)
食前酒:こぼれ梅
(→もろみがありました。甘口の美味しい日本酒です。器が口のところが飛び出ていて食べにくい。客のこと全く考えていないつくりです。これを出すセンスの無さを感じました。)


お椀:鮑入り真薯 白木耳 菜葉 紅白にんじん 柚子
(→こちらが前のお料理を食べ終える前に運んでくる無神経さがありました。客より自分優先のサービスだと理解しました。レベルが低いです。お椀の汚れ、シミも気になりました。また、霧吹きで水をかけるなどの細やかさも欲しかった。出汁は淡白です。鮑は薄切りで柔らかいかったです。)

お造り:本鮪 天然ヒラメ 縁側 ケンサキイカ 甘海老
(→ありきたりなラインナップでつまらないです。ここは海なし県の大箱の旅館かと思ってしまいました。とはいえ、美味しいものもあり、イカは歯応えがあり新鮮で美味でしたし、甘海老も普通に美味しいです。ただヒラメは水っぽくて美味しくないです。よくこれを客に出せるなというレベルで、これだけで星無しかなと思いました。また、中トロは、きれいな霜降りで期待を裏切らない美味しい脂の味で満足できましたが、これも冷凍かもしれません。中心部分の繊維の感じからそのように感じました。縁側については脂があり美味しかったです。)

ズワイガニと玉子豆腐のみぞれあんかけ
(→皿を置いて、ダッシュで皿の名前言って去っていくサービスに疑問を感じました。客のことなど見ていないでしょ。皿は熱々での提供でした。しかしこの皿についてそこまでする必要があるのかと、疑問でした。ここでも意識の低さを感じます。チグハグで料理センスが感じられませんでした。蟹は水っぽく、紅ズワイだと理解しました。これも口元が割れている、客がお出汁をちゃんと飲めない器で、やはりセンスを疑いました。餡の味もありきたりで、満足できません。ただふり柚子は香っていました。)


八寸:
そら豆(→意外にも甘く炊いてありました。)
帆立とうるい(→うるいが春を感じさせてくれました。)
鳥貝のぬた(→少ないですが旨味たっぷりで酒と合いました。)
菜花(→優しく茹でてありました。)
翁豆(→甘く柔らかいもので、これは完全にデザートでした。)
胡麻豆腐(→美味しいのですがやや味が薄めでした。)
車海老(→これも甘いです。口に合いません。)
八幡巻(→鰻を使っているのは良いですが、養殖でしょう。)
貝の黄身包み(→味が濃くて良いです。酒に合いました。しかしこう言ったら失礼かもしれませんが、コンビニでも買えるもののようにも感じた。)
白子ポン酢(→見るからにきめ細やかで質の高い白子でした。味も素晴らしい濃厚さで日本酒に最高に合いました。これは大当たりです。しかしここでも器使いがチグハグです。汁が残るのに口元が割れていて普通には飲めないのです。やはりサービスのセンスを疑います。)
からすみ(→いわゆる生からすみで、ねっとり濃厚で、お酒の最高のあてです。)

焼き物:甘鯛の幽庵焼き 畳イワシ
(→器は温めての提供でした。甘鯛を幽庵焼きにする意味は何でしょうか。幽庵を感じにくかったです。新鮮なら普通に焼けばそれで十分ではと思います。すだちの種を除いているのはなかなかない気遣いで、客思いで良いです。すもも入りのみぞれも、松葉に刺したかぶらも甘くて違和感がありました。やはりここの味付けは口に合わないのかもしれません。)


炊き合わせ:海老芋 蕪 福岡産筍 揚げ麩
(→熱々での提供です。蕪が柔らか過ぎで残念でした。海老芋はいい炊き加減で香りもして美味しいです。筍はそれなりですが、穂の美味しいところでそれはうれしかったです。)

お食事:マコモダケの炊き込みご飯(お代わり:ちりめんご飯)
赤だしなめこ入り 香の物
(→ここでマコモダケはないだろう。この各種食材がとても美味しい季節になぜマコモダケかと大いに疑問でした。全く攻めていないです。また、その御飯も、炊き上がりがべちゃっとしていて残念至極でした。おそらく大釜で全員分炊いて放置しているのだと分かりました。三つ星の資格ないでしょうと当時感じていました。お代わりで出てきたちりめんご飯は思ったより味が濃くないもので、おそらく自家製でしょう。美味しく頂けました。)

水物:苺のゼリー寄せ マンゴー 生搾りオレンジジュース
食後のお茶:紅茶
(→苺、マンゴーとも甘くて満足しました。フレッシュオレンジジュースも少ないが美味しかったです。)
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