レストラン訪問記:銀座5丁目「エスキス」(★★)
ランチ時に、初めての訪問でした。こちらも昨年2022年1月末の訪問です。
サービスは色々と残念な点が見られて、多くは述べませんが、シェフの思いが隅々まで行き渡っているわけではないという印象でした。
例えば、脱いでいたコートを入口で預けますが、コートをむしり取られました。そんな大げさなと言われるかもしれませんが、若い男性サービスマンのペースで有無を言わさずはぎとられる感じでした。気持ちが良いわけがありません。
サービスマンの自己中心のサービスが最近のトレンドでしょうか。そういう場面が増えているように思います。まずサービスマンが中心にいて、客がそこに合わすように強制される、そんなゆがんだマインドのサービスが最近は多いですね。ここもですが、それなりのお金を取るような場所でそうだから、がっかり感がなお大きくなります。

全体的に言えば、お料理は素晴らしいです。三つ星を志していることがお皿から感じられました。機会があれば再訪したいです。
かなり小さいサルですが、席の間はそれなりに距離があり、快適に食事ができるようになっています。パリの三つ星店「ランブロワジ」のような雰囲気を感じました。
料理は三つ星を志向するレベルの高いものですが、サルの小ささもあって、比較的カジュアルな雰囲気があるとも言えるかもしれません。
予約時点でのお値段から値上げがあり、予約時点でのお値段での御提供でした。当たり前と言えば当たり前ですが、こういうところしっかりしておかないとお店の信用に関わるというものです。
コースにはあらかじめグラスシャンパン及びミネラルウォーターが入っての値段設定になっています。料理の質が高いので、高い食事をしたという感じになりません。とても良いパフォーマンスです。
最後はシェフのリオネル・ベカ氏のお見送りがあり、かつてシェフが料理長を務められていたトロワグロの東京支店に伺ったことや欧州に滞在していたことなどをひとしきりおしゃべりしてお店を後にしてきました。とても気さくで、感じの良い方でした。
退店時お土産を頂けますが、こちらもまた美味しい焼き菓子でした。家に帰っても楽しい食の思い出の余韻が続きます。
(頂いたもの)
ランチコース12,320(税サ込み)
(→グラスシャンパン、ミネラルウォーター、パン、食後のお飲み物、小菓子以外の料理名は頂いたメニュー表から転載しています。グラスシャンパン、お水ともコース料金に含まれています。なお、上記コース料金は訪問時のもので、記事投稿時点で同じコースの料金は20,160円となっています。)
限りなく微細な揺らぎ…
それぞれの観点と直観

グラスシャンパン:ビュルカールサルモン ブランドブラン ブリュット



儚さ シマエビ、フランボワーズ、弓削瓢柑
(→最初、柑橘が香っています。そして海老の甘味が次にきます。また、海老にはほのかな昆布の旨味が感じられます。つい数日前に「祇園まんま」でも同じように生の海老を頂いていたので、対比ができて楽しかったです。どちらもいい勝負でした。)
ミネラルウォーター(ガスなし) 沼津のワサンwasan



奏で 貝、金柑、セリ
(→火入れが絶妙で、つぶ貝、ホッキ貝が甘いです。柑橘がここでも効いていました。マッシュルームのスライスが綺麗です。つぶ貝の肝ソースがほのかな苦味で良いアクセントになっています。)



共生 舞茸、猪、トリュフ
(→土を頂く趣向でした。天然黒舞茸の高貴な香りがたまにしていました。トリュフは熟成により、土と同化したような深みが出ています。素晴らしい天然素材が主役の料理で、単純な高級食材自慢ではないお料理で、さすがと思わされます。そういうお料理はやはり好きです。同じお料理が隣に運ばれた際でも、トリュフの香りがすごくしていました。)

パン(蕗の薹とヘーゼルナッツのパン)
自家製バター(ジャージー牛のミルク 藁に漬け込み香り付けしたもの)


雪と海 甘鯛、根菜、ふきのとう
(→完璧なお料理です。素材、調理とも最高で、繊細です。また肝心の味も、素晴らしい美味しさでした。さらに見た目も美しい。根セロリピュレ、蕗味噌とも素材の香りが爆発していました。ほじそと自家製からすみもいい味変に一役買っていました。ソースもしっかりと旨味があって美味しいです。言うことがない一皿で、素晴らし過ぎました。)

パン(フランス・ベリー地方の石臼で挽いた粉を使ったパン)
(→やや酸味がありますがパン本来の美味しさ感じました。素晴らしいです。お代わりもこちらを頂きました。バターもお代わりを出してくれます。)



靄 鴨、キャベツ、菊芋
(→京都府亀岡市七谷川で飼育されている鴨を使用しています。亀岡は一宮旅でも訪ねたことがある場所で七谷川は桜の名所にもなっていますね。リードヴォーや鴨肉ちりめんキャベツ包みもあります。鴨肉の旨味、脂、苦味を堪能できました。鴨は火入れが完璧で最初ほのかに炭が香りました。肉の旨味が噛むほどに口の中に広がります。付け合わせのカシス風味の焼いたヘーゼルナッツもまた独特の苦味があり、こういう味覚を味わうとやはりフランス人シェフのお店と思います。菊芋は香ります。焼き加減もきっちりでした。カシスはある意味定番の付け合わせですね。もちろん見た目も美しいです。キャベツ包みにも苦味が感じられました。)


遺産 日向夏、木の芽
(→デセール一皿目です。雪をイメージしたとのことで、レモンタルトを意識したデセールと説明がありました。柑橘の香りがまずします。酸味と甘味が心地よく、木の芽が日向夏の香りと同じ方向なので、香りが加速される感じがありました。全体のバランスが素晴らしく、美味しいです。もう少し冷えていたらさらに良かったでしょう。またもっとコンパクトな別な器に入れるのもありかと思いました。さらに、もう少し量があると良いし、食べやすいとより良いかもしれません。)


愉しみ アマゾンカカオ、ヘーゼルナッツ
(→軽いが風味がしっかりあり、食感も楽しくて美味しいチョコレート菓子でした。)

食後のお飲み物:フレッシュハーブティー(→ミント、レモンバウム他のブレンド)

小菓子:高知産黒糖のタルト セップパウダー、カカオパウダー 手で食べる趣向
(→軽くてさくさくと口に入ります。ほのかにセップが香っていました。小菓子も洗練されています。)
サービスは色々と残念な点が見られて、多くは述べませんが、シェフの思いが隅々まで行き渡っているわけではないという印象でした。
例えば、脱いでいたコートを入口で預けますが、コートをむしり取られました。そんな大げさなと言われるかもしれませんが、若い男性サービスマンのペースで有無を言わさずはぎとられる感じでした。気持ちが良いわけがありません。
サービスマンの自己中心のサービスが最近のトレンドでしょうか。そういう場面が増えているように思います。まずサービスマンが中心にいて、客がそこに合わすように強制される、そんなゆがんだマインドのサービスが最近は多いですね。ここもですが、それなりのお金を取るような場所でそうだから、がっかり感がなお大きくなります。

全体的に言えば、お料理は素晴らしいです。三つ星を志していることがお皿から感じられました。機会があれば再訪したいです。
かなり小さいサルですが、席の間はそれなりに距離があり、快適に食事ができるようになっています。パリの三つ星店「ランブロワジ」のような雰囲気を感じました。
料理は三つ星を志向するレベルの高いものですが、サルの小ささもあって、比較的カジュアルな雰囲気があるとも言えるかもしれません。
予約時点でのお値段から値上げがあり、予約時点でのお値段での御提供でした。当たり前と言えば当たり前ですが、こういうところしっかりしておかないとお店の信用に関わるというものです。
コースにはあらかじめグラスシャンパン及びミネラルウォーターが入っての値段設定になっています。料理の質が高いので、高い食事をしたという感じになりません。とても良いパフォーマンスです。
最後はシェフのリオネル・ベカ氏のお見送りがあり、かつてシェフが料理長を務められていたトロワグロの東京支店に伺ったことや欧州に滞在していたことなどをひとしきりおしゃべりしてお店を後にしてきました。とても気さくで、感じの良い方でした。
退店時お土産を頂けますが、こちらもまた美味しい焼き菓子でした。家に帰っても楽しい食の思い出の余韻が続きます。
(頂いたもの)
ランチコース12,320(税サ込み)
(→グラスシャンパン、ミネラルウォーター、パン、食後のお飲み物、小菓子以外の料理名は頂いたメニュー表から転載しています。グラスシャンパン、お水ともコース料金に含まれています。なお、上記コース料金は訪問時のもので、記事投稿時点で同じコースの料金は20,160円となっています。)
限りなく微細な揺らぎ…
それぞれの観点と直観

グラスシャンパン:ビュルカールサルモン ブランドブラン ブリュット



儚さ シマエビ、フランボワーズ、弓削瓢柑
(→最初、柑橘が香っています。そして海老の甘味が次にきます。また、海老にはほのかな昆布の旨味が感じられます。つい数日前に「祇園まんま」でも同じように生の海老を頂いていたので、対比ができて楽しかったです。どちらもいい勝負でした。)
ミネラルウォーター(ガスなし) 沼津のワサンwasan



奏で 貝、金柑、セリ
(→火入れが絶妙で、つぶ貝、ホッキ貝が甘いです。柑橘がここでも効いていました。マッシュルームのスライスが綺麗です。つぶ貝の肝ソースがほのかな苦味で良いアクセントになっています。)



共生 舞茸、猪、トリュフ
(→土を頂く趣向でした。天然黒舞茸の高貴な香りがたまにしていました。トリュフは熟成により、土と同化したような深みが出ています。素晴らしい天然素材が主役の料理で、単純な高級食材自慢ではないお料理で、さすがと思わされます。そういうお料理はやはり好きです。同じお料理が隣に運ばれた際でも、トリュフの香りがすごくしていました。)

パン(蕗の薹とヘーゼルナッツのパン)
自家製バター(ジャージー牛のミルク 藁に漬け込み香り付けしたもの)


雪と海 甘鯛、根菜、ふきのとう
(→完璧なお料理です。素材、調理とも最高で、繊細です。また肝心の味も、素晴らしい美味しさでした。さらに見た目も美しい。根セロリピュレ、蕗味噌とも素材の香りが爆発していました。ほじそと自家製からすみもいい味変に一役買っていました。ソースもしっかりと旨味があって美味しいです。言うことがない一皿で、素晴らし過ぎました。)

パン(フランス・ベリー地方の石臼で挽いた粉を使ったパン)
(→やや酸味がありますがパン本来の美味しさ感じました。素晴らしいです。お代わりもこちらを頂きました。バターもお代わりを出してくれます。)



靄 鴨、キャベツ、菊芋
(→京都府亀岡市七谷川で飼育されている鴨を使用しています。亀岡は一宮旅でも訪ねたことがある場所で七谷川は桜の名所にもなっていますね。リードヴォーや鴨肉ちりめんキャベツ包みもあります。鴨肉の旨味、脂、苦味を堪能できました。鴨は火入れが完璧で最初ほのかに炭が香りました。肉の旨味が噛むほどに口の中に広がります。付け合わせのカシス風味の焼いたヘーゼルナッツもまた独特の苦味があり、こういう味覚を味わうとやはりフランス人シェフのお店と思います。菊芋は香ります。焼き加減もきっちりでした。カシスはある意味定番の付け合わせですね。もちろん見た目も美しいです。キャベツ包みにも苦味が感じられました。)


遺産 日向夏、木の芽
(→デセール一皿目です。雪をイメージしたとのことで、レモンタルトを意識したデセールと説明がありました。柑橘の香りがまずします。酸味と甘味が心地よく、木の芽が日向夏の香りと同じ方向なので、香りが加速される感じがありました。全体のバランスが素晴らしく、美味しいです。もう少し冷えていたらさらに良かったでしょう。またもっとコンパクトな別な器に入れるのもありかと思いました。さらに、もう少し量があると良いし、食べやすいとより良いかもしれません。)


愉しみ アマゾンカカオ、ヘーゼルナッツ
(→軽いが風味がしっかりあり、食感も楽しくて美味しいチョコレート菓子でした。)

食後のお飲み物:フレッシュハーブティー(→ミント、レモンバウム他のブレンド)

小菓子:高知産黒糖のタルト セップパウダー、カカオパウダー 手で食べる趣向
(→軽くてさくさくと口に入ります。ほのかにセップが香っていました。小菓子も洗練されています。)
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