Rochat (Crissier) ★★★
欧州出立前日のお昼、すべてを片づけて、のんびりとこちらのお店へランチへ。
スイスには二軒の三つ星がありますが、高名なこちらのお店には未踏だったため、ふと思い出して行ってきた次第でした。前の週から予約は入れてあったのですが。
場所で言えば、ジュネーブから電車で40分のところにあるローザンヌ郊外のお店で、ローザンヌ駅からタクシーで20分ほどでしょうか。小さな町の中心にある簡素なお館のたたずまいのお店です。
かつては20世紀最高のシェフとうたわれたフィリップ・ジラルデが指揮を執っていたこちらのお店、現在は店名のお弟子さんが引き継いでいます。
正直に言うとこのお店への期待度はさほど高くなかったのですが、こちらで時を過ごし、色々なお皿を味わう中で、とても快適な空間であることを感じ、最後にはとても気に入っていました。
まずはこちらの客層がとてもよいことが挙げられるでしょう。フランスでは地方のお店ではお昼にネクタイを締めて食事をしている人はあまり見かけませんが、こちらに来ていたお客さん達はみなきりっとした感じで、ノーネクタイの自分が少し浮いていたくらいであったこと。静かに会話を楽しみながらそれぞれのテーブルがどこもとても楽しそうでした。
清潔な感じの小さな町(村)の中にあり、周囲は平穏そのもので食事中外の車の音など聞こえることもなく、とても落ち着いて食事を楽しむことができる申し分のない環境にあります。
店内の広さも、広すぎず、狭すぎず細やかなサービスができるちょうどよい大きさの空間であり、ここがスイスであることが信じられないくらいサービスの方の心配りがあり、安心してテーブルについていられました。
最後に挙げるならやはり料理でしょう。確かに現代の料理からするとクラシックな料理ではあるのですが。きちっと美味しいものを出してくれるので楽しめます。
前菜のスープに入っていたシャントゥレルはとてもいい香りがして、それが極上の素材であることがすぐにわかったものでした。
またお昼のコースはとてもコストパフォーマンスがよく、最後にはシャーベット・アイス、ワゴンで注文ができますが、いずれもよくできていて、ジラルデのエスプリは健在と何となく思ったものでした。
シャーベット・アイスは絶妙なとろけ具合でサービスするのが理想でしょうが、こちらではそれがしっかりと守られています。それも偶然だとは感じさせない安定したサービスなのです。そしてシャーベット、アイスそれぞれの美味しさ、質の高さはいうまでもありません。
最後にパンについて書くと、ここのパンは店で焼いているようですが、とてつもなく美味しいパンが揃っていて、五種類ほどはあったでしょうか。
いただいたのはオリーブのパン、胡麻のパン、セレアルのパンでしたが、あまりに美味しくて、三つほど食べてしまいました。一緒に出されるバターも濃厚で楽しめました。
普段こういうお店では基本的にパンは食べないのですが、ここのは美味しくて困りました。バターはすぐに一つ消費してしまい、すべてが無くなる前に何も言わずとも二つめもすっともってきてくれました。さすがです。
さて、こちらのワインですが、そんなに大きくはないリストに色々なものが並んでいたようです。場所柄スイスの美味しいワインが揃っているので、スイスワインを識るという点でも面白いかもしれません。ハーフボトルも充実しています。またお値段がかなりお手頃なものが多いです。
この日いただいた地元ヴォー州の「プティトゥアルビンヌ」という独特のセパージュからつくった白が濃厚でとても美味しかったのでした。勧めていただいたヴァレー州の赤は今ひとつパンチが足りない感じで残念でした。
こんなに楽しめるのだったならもっと来る機会があってもよかったなと今更後悔していました。
次回こちらに来る際にはまた是非うかがって、今度はとても充実している印象のアラカルトで頼んでみたいなあと思うのでした。
正直なところジラルデの名前が強すぎて印象が薄いシェフだったのですが、会ってみると精悍なそれでいて細やかさの感じる立派な感じの方でした。お昼ですが各テーブルを回っていて、私も彼が来たときにがっちりと握手してもらいました。
この時すでに食事もかなり進んでいたので、その感想とともにお礼も述べました。
また彼とも写真を撮ってもらい、スイス出立のいい記念になりました。
彼も日本には毎年来ているようで、その時には同門の三國のお店で腕を振るとのこと。彼の食事会にも参加したいなあと思うのでした。
(いただいたもの)
食前酒:シャンパーニュ(ブランドゥブラン)ーロシャブランド
お昼のメニュー
アミューズ:メロンのエスプーマ、モーリーのジュレ、イベリコハム
前菜(サラダ):オマール海老のコロンボ、グリーンピース

前菜(スープ):ボレのスープ、シャントゥレル(茸の一種)入り
メイン:ジンメンタール仔牛のフィレ肉、キャロット入りのジャガイモのムースリーヌ

チーズ:(スイス産のみ)
・シェーブル(オリーブオイル、塩、胡椒で)
・地元の州のクリーミーチーズ、エメンタール、グリュイエール(ドゥ、ミサレ、サレ、キャラメルの四種)
デザート(シャーベット・アイス):
シャーベット:カシス、アプリコット、苺
アイス:キャラメル、バニラ、イタリアのレモン

デザート(ワゴン):
・ボルドー風タルト
フルーツのコンポート:苺、パイナップル、キュウイ、ラズベリー、グレープフルーツ、メロン
パン:オリーブ、胡麻、セレアル
ワイン:(白)プティトゥアルビンヌとシャサーニュモンラッシェ、(赤)ヴァレー州のシラ(ハーフボトル)
スイスには二軒の三つ星がありますが、高名なこちらのお店には未踏だったため、ふと思い出して行ってきた次第でした。前の週から予約は入れてあったのですが。
場所で言えば、ジュネーブから電車で40分のところにあるローザンヌ郊外のお店で、ローザンヌ駅からタクシーで20分ほどでしょうか。小さな町の中心にある簡素なお館のたたずまいのお店です。
かつては20世紀最高のシェフとうたわれたフィリップ・ジラルデが指揮を執っていたこちらのお店、現在は店名のお弟子さんが引き継いでいます。
正直に言うとこのお店への期待度はさほど高くなかったのですが、こちらで時を過ごし、色々なお皿を味わう中で、とても快適な空間であることを感じ、最後にはとても気に入っていました。
まずはこちらの客層がとてもよいことが挙げられるでしょう。フランスでは地方のお店ではお昼にネクタイを締めて食事をしている人はあまり見かけませんが、こちらに来ていたお客さん達はみなきりっとした感じで、ノーネクタイの自分が少し浮いていたくらいであったこと。静かに会話を楽しみながらそれぞれのテーブルがどこもとても楽しそうでした。
清潔な感じの小さな町(村)の中にあり、周囲は平穏そのもので食事中外の車の音など聞こえることもなく、とても落ち着いて食事を楽しむことができる申し分のない環境にあります。
店内の広さも、広すぎず、狭すぎず細やかなサービスができるちょうどよい大きさの空間であり、ここがスイスであることが信じられないくらいサービスの方の心配りがあり、安心してテーブルについていられました。
最後に挙げるならやはり料理でしょう。確かに現代の料理からするとクラシックな料理ではあるのですが。きちっと美味しいものを出してくれるので楽しめます。
前菜のスープに入っていたシャントゥレルはとてもいい香りがして、それが極上の素材であることがすぐにわかったものでした。
またお昼のコースはとてもコストパフォーマンスがよく、最後にはシャーベット・アイス、ワゴンで注文ができますが、いずれもよくできていて、ジラルデのエスプリは健在と何となく思ったものでした。
シャーベット・アイスは絶妙なとろけ具合でサービスするのが理想でしょうが、こちらではそれがしっかりと守られています。それも偶然だとは感じさせない安定したサービスなのです。そしてシャーベット、アイスそれぞれの美味しさ、質の高さはいうまでもありません。
最後にパンについて書くと、ここのパンは店で焼いているようですが、とてつもなく美味しいパンが揃っていて、五種類ほどはあったでしょうか。
いただいたのはオリーブのパン、胡麻のパン、セレアルのパンでしたが、あまりに美味しくて、三つほど食べてしまいました。一緒に出されるバターも濃厚で楽しめました。
普段こういうお店では基本的にパンは食べないのですが、ここのは美味しくて困りました。バターはすぐに一つ消費してしまい、すべてが無くなる前に何も言わずとも二つめもすっともってきてくれました。さすがです。
さて、こちらのワインですが、そんなに大きくはないリストに色々なものが並んでいたようです。場所柄スイスの美味しいワインが揃っているので、スイスワインを識るという点でも面白いかもしれません。ハーフボトルも充実しています。またお値段がかなりお手頃なものが多いです。
この日いただいた地元ヴォー州の「プティトゥアルビンヌ」という独特のセパージュからつくった白が濃厚でとても美味しかったのでした。勧めていただいたヴァレー州の赤は今ひとつパンチが足りない感じで残念でした。
こんなに楽しめるのだったならもっと来る機会があってもよかったなと今更後悔していました。
次回こちらに来る際にはまた是非うかがって、今度はとても充実している印象のアラカルトで頼んでみたいなあと思うのでした。
正直なところジラルデの名前が強すぎて印象が薄いシェフだったのですが、会ってみると精悍なそれでいて細やかさの感じる立派な感じの方でした。お昼ですが各テーブルを回っていて、私も彼が来たときにがっちりと握手してもらいました。
この時すでに食事もかなり進んでいたので、その感想とともにお礼も述べました。
また彼とも写真を撮ってもらい、スイス出立のいい記念になりました。
彼も日本には毎年来ているようで、その時には同門の三國のお店で腕を振るとのこと。彼の食事会にも参加したいなあと思うのでした。
(いただいたもの)
食前酒:シャンパーニュ(ブランドゥブラン)ーロシャブランド
お昼のメニュー
アミューズ:メロンのエスプーマ、モーリーのジュレ、イベリコハム
前菜(サラダ):オマール海老のコロンボ、グリーンピース

前菜(スープ):ボレのスープ、シャントゥレル(茸の一種)入り
メイン:ジンメンタール仔牛のフィレ肉、キャロット入りのジャガイモのムースリーヌ

チーズ:(スイス産のみ)
・シェーブル(オリーブオイル、塩、胡椒で)
・地元の州のクリーミーチーズ、エメンタール、グリュイエール(ドゥ、ミサレ、サレ、キャラメルの四種)
デザート(シャーベット・アイス):
シャーベット:カシス、アプリコット、苺
アイス:キャラメル、バニラ、イタリアのレモン

デザート(ワゴン):
・ボルドー風タルト
フルーツのコンポート:苺、パイナップル、キュウイ、ラズベリー、グレープフルーツ、メロン
パン:オリーブ、胡麻、セレアル
ワイン:(白)プティトゥアルビンヌとシャサーニュモンラッシェ、(赤)ヴァレー州のシラ(ハーフボトル)
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