Clos des Sens (2) (Annecy) ★
前回の続きで、Clos des Sens(クロデサンス)のお料理を紹介します。
前菜(1):フォワグラとフェラ(ふなの一種)の薫製
少し不思議な取り合わせ、川魚の薫製と赤ワイン漬けしたりんご、フォワグラという組み立てです。バニュルスという赤いワインを煮詰めたソースも添えられています。
最近はフォワグラを食べることもありませんでしたが、とてもきれいな盛りつけで、美味しくいただけました。
前菜(2):レマン湖のエクレヴィス、アスパラ添え

アスパラは薄くむいたものだけが添えられ、フレンチガストロノミーでも重用されるレマン湖のエクレヴィスが贅沢に使われていました。下にはゼリー状のものがありますが、これはアスパラを使ったものだとのことでした。味付けに少し唐辛子を刻んだものが少し入っていて辛味があります。
エクレヴィスは少し水っぽくて残念でしたが、夏の味覚を楽しめました。
メイン(魚):アヌシー湖の天然鱒、オリーブオイルの凍結

エルブジ風のプレゼンテーションがとても興味深い一皿でした。まず運ばれたお皿にはエミュルジョンのオリーブオイルに周りをおおわれた鱒に、セルブールのお兄さんが上から凍結されたオリーブオイルをかけてくれます。
こうすると下のエミュルジョンのオリーブオイルの熱で凍結されたオリーブオイルが溶けて、ドライアイスを溶かした時のような煙(?)がたちます。みるみる溶けていくので写真を撮り終えた頃にはまた様子が変わっています。
鱒自体はしっかりと骨も抜かれ、半生で美味しかったです。ただ川魚の生というのは少し怖くもありますが、問題ありませんでした。最初見たときはもしかしてサーモン?と思ったのですが。
地元のものを食べられるのは嬉しいことです。
メイン(肉):鳩のポシェ、サリエットのソースとコートドゥブレット

そういえば昨年末にパリの二つ星でも鳩のポシェをいただきましたが、こちらの味の方が美味しかったような気がします。鳩は調理がうまくないと臭みがするものですが、臭みもなく、生に近いロゼの火入れ具合ですが味がうまく閉じこもっていました。
添えられコートドゥブレットは素朴なお野菜で、左の長いものがそれです。エノキが添えられているのがおわかりでしょうか。最近はフレンチでも、ガニエールなどが使っているようです。
ポシェされた鳩と別に、足の部分はこんがりと焼かれていてこちらも旨味充分です。
サリエットのソースは、奥の小さなぐい飲みのような入れ物に入っています。クリームが濃厚ですが、サリエット独特の香りがします。
チーズ:
地元(サヴォワ地方)のものしかなく、自分の好みで盛ってもらいました。
いただいたものは、ボフォール、ロブロション、トム二種類、山羊乳一種類という構成でした。やはり本場のボフォール(アルパージュ製の特上)は違います。熟成の時間が長いのでしょうか。
チーズはワゴンからお好みを選ぶというチョイスの他に、フロマージュブランもしくはアミューズのようにアイス仕立てでも出してくれるとのことで、今回は一番クラシックなワゴンでしたが、次回はアイス仕立ても試してみたいと思いました。
デザート(1):オリーブオイルのアイスと二層のムース
オリーブオイルのアイスは特に濃厚さは感じない普通のお味。
ムースの上方は人参と生姜、下の方はバジリコでした。いずれも甘口です。
デザート(2):赤い果実のデザート
赤い果実は夏の風物詩ですが、ここのデザートは盛りつけも料理同様さわやかで、典型的なデザートとはいえ、とても洗練されています。
苺のアイス、ちょっとした果実の盛り合わせ、かりかりの生地で挟んだバニラクリーム(?)がそれぞれお皿に盛られています。
以上でコースは終わりで、お茶菓子(三種類)とお茶で締めになりました。
頼んだミントティーはさすがにフレッシュではありませんでしたが、お料理自体に大満足で気持ちよい時間を過ごすことができました。
★と言っても、お店によって目指している方向も異なるわけで、それぞれに持ち味があります。
個人的な好みで言えばやはりこの日のような現代風の味付け、盛りつけがやはり好みで、気持ちよい空間と相まって最高の時間でした。
現代風ということでいえば、パリのAstrance(つい最近二つ星に昇格)やピエール・ガニエール、またはミシェル・ブラスと同じ方向を行っているような感じがします(もちろんそれぞれに特徴があり違うのですが)。
さらに言えば、色々と新しい試みも積極的にしており、守りに入っている二つ星以上のお店よりも好感が持てます。勢いも感じるのでこれからさらに伸びていくのではないでしょうか。そう、この調子でいけば二つ星はそう遠い夢ではないのではないでしょう(*)。
二日前の二つ星「ピラミッド」よりも自分としては評価出来ます。
ただ残念だったのが、最後のお会計でワインのボトルが一本余計につけられていた点でした。気に入ったレストランなので、故意ではないと思いたいのですが。日本人はこのあたり少々チェックが甘くなりがちなので、どのレストランでも気をつけた方がよいでしょうね。
部屋数は少ないものの、泊まるための部屋もあり、またレストランには個室もあるので、色々な使い方ができるでしょう。
お近くに寄られた際には是非行かれてみて下さい。
* こちらのお店はその後、2007年に見事二つ星に昇格しました。
前菜(1):フォワグラとフェラ(ふなの一種)の薫製
少し不思議な取り合わせ、川魚の薫製と赤ワイン漬けしたりんご、フォワグラという組み立てです。バニュルスという赤いワインを煮詰めたソースも添えられています。
最近はフォワグラを食べることもありませんでしたが、とてもきれいな盛りつけで、美味しくいただけました。
前菜(2):レマン湖のエクレヴィス、アスパラ添え

アスパラは薄くむいたものだけが添えられ、フレンチガストロノミーでも重用されるレマン湖のエクレヴィスが贅沢に使われていました。下にはゼリー状のものがありますが、これはアスパラを使ったものだとのことでした。味付けに少し唐辛子を刻んだものが少し入っていて辛味があります。
エクレヴィスは少し水っぽくて残念でしたが、夏の味覚を楽しめました。
メイン(魚):アヌシー湖の天然鱒、オリーブオイルの凍結

エルブジ風のプレゼンテーションがとても興味深い一皿でした。まず運ばれたお皿にはエミュルジョンのオリーブオイルに周りをおおわれた鱒に、セルブールのお兄さんが上から凍結されたオリーブオイルをかけてくれます。
こうすると下のエミュルジョンのオリーブオイルの熱で凍結されたオリーブオイルが溶けて、ドライアイスを溶かした時のような煙(?)がたちます。みるみる溶けていくので写真を撮り終えた頃にはまた様子が変わっています。
鱒自体はしっかりと骨も抜かれ、半生で美味しかったです。ただ川魚の生というのは少し怖くもありますが、問題ありませんでした。最初見たときはもしかしてサーモン?と思ったのですが。
地元のものを食べられるのは嬉しいことです。
メイン(肉):鳩のポシェ、サリエットのソースとコートドゥブレット

そういえば昨年末にパリの二つ星でも鳩のポシェをいただきましたが、こちらの味の方が美味しかったような気がします。鳩は調理がうまくないと臭みがするものですが、臭みもなく、生に近いロゼの火入れ具合ですが味がうまく閉じこもっていました。
添えられコートドゥブレットは素朴なお野菜で、左の長いものがそれです。エノキが添えられているのがおわかりでしょうか。最近はフレンチでも、ガニエールなどが使っているようです。
ポシェされた鳩と別に、足の部分はこんがりと焼かれていてこちらも旨味充分です。
サリエットのソースは、奥の小さなぐい飲みのような入れ物に入っています。クリームが濃厚ですが、サリエット独特の香りがします。
チーズ:
地元(サヴォワ地方)のものしかなく、自分の好みで盛ってもらいました。
いただいたものは、ボフォール、ロブロション、トム二種類、山羊乳一種類という構成でした。やはり本場のボフォール(アルパージュ製の特上)は違います。熟成の時間が長いのでしょうか。
チーズはワゴンからお好みを選ぶというチョイスの他に、フロマージュブランもしくはアミューズのようにアイス仕立てでも出してくれるとのことで、今回は一番クラシックなワゴンでしたが、次回はアイス仕立ても試してみたいと思いました。
デザート(1):オリーブオイルのアイスと二層のムース
オリーブオイルのアイスは特に濃厚さは感じない普通のお味。
ムースの上方は人参と生姜、下の方はバジリコでした。いずれも甘口です。
デザート(2):赤い果実のデザート
赤い果実は夏の風物詩ですが、ここのデザートは盛りつけも料理同様さわやかで、典型的なデザートとはいえ、とても洗練されています。
苺のアイス、ちょっとした果実の盛り合わせ、かりかりの生地で挟んだバニラクリーム(?)がそれぞれお皿に盛られています。
以上でコースは終わりで、お茶菓子(三種類)とお茶で締めになりました。
頼んだミントティーはさすがにフレッシュではありませんでしたが、お料理自体に大満足で気持ちよい時間を過ごすことができました。
★と言っても、お店によって目指している方向も異なるわけで、それぞれに持ち味があります。
個人的な好みで言えばやはりこの日のような現代風の味付け、盛りつけがやはり好みで、気持ちよい空間と相まって最高の時間でした。
現代風ということでいえば、パリのAstrance(つい最近二つ星に昇格)やピエール・ガニエール、またはミシェル・ブラスと同じ方向を行っているような感じがします(もちろんそれぞれに特徴があり違うのですが)。
さらに言えば、色々と新しい試みも積極的にしており、守りに入っている二つ星以上のお店よりも好感が持てます。勢いも感じるのでこれからさらに伸びていくのではないでしょうか。そう、この調子でいけば二つ星はそう遠い夢ではないのではないでしょう(*)。
二日前の二つ星「ピラミッド」よりも自分としては評価出来ます。
ただ残念だったのが、最後のお会計でワインのボトルが一本余計につけられていた点でした。気に入ったレストランなので、故意ではないと思いたいのですが。日本人はこのあたり少々チェックが甘くなりがちなので、どのレストランでも気をつけた方がよいでしょうね。
部屋数は少ないものの、泊まるための部屋もあり、またレストランには個室もあるので、色々な使い方ができるでしょう。
お近くに寄られた際には是非行かれてみて下さい。
* こちらのお店はその後、2007年に見事二つ星に昇格しました。
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