夜上海(銀座)



かねてから興味のあったこちらが離日前最後の宴の場所に。友人との壮行会、美味しいものを食べて元気が出ました。
お店は「夜上海」と書いて、「いえしゃんはい」と読ませます。
上海や香港に店を構えるモダンチャイニーズのお店で、銀座出店に際しては各種メディアで取り上げられていたのでご存じの方も多いかと思います。
値段設定もそれなりですが、サービス、しつらえ等を見てもやはり銀座なお店です。
例えば、エレベータで店のある7階に上ると、まず出迎えてくれるのは長身のチャイニーズドレスをまとった女性。中華ならありがちなシチュエーションでしょうが、彼女たちはサービスのためではなく、あくまで入り口から席までの案内をするためだけにいるのです。ここにかけている人件費がもちろんお店のメニューの値段に反映されていくわけです。
席に着いてからの「本当の」サービスは黒服の女性、男性が仕切るスタイルでシックな感じを強調しているのでしょうか。彼らはお客さんに出すお料理のとりわけをそつなくこなします。
またおしぼりを途中2度ほど替えてもらったでしょうか。ここまでおしげもないサービスは初めてですが、とても気分はよいですね。
店内の内装は古き良き上海をイメージしたとかで、素敵な雰囲気です(写真下)。最初ボックス席にいましたが、雰囲気を味わいたくてテーブル席に移動。新しくできたミキモトビルがすぐそこに見えて垣間見えるゴージャスそうなレストランに興味津々でした。
お料理は「軽快な」とパンフに書かれている割にはややこってりめの味付けで、ものによっては味が強すぎるものも。濃いめに慣れた自分にはちょうどよいくらいですが、繊細な味に慣れた日本の上ろうには濃すぎだったかもしれません。
今回はコースではなくアラカルトでの選択で、お店の名物を色々楽しみました。松の実や鶏肉をパイ生地の袋に詰めて食べるもの(写真上)、上海のワタリガニのお料理(写真中)などがやはりよかったです。また、豚バラ肉を使ったスープも濃厚なとんこつのようですがくどくなく、とても美味です。
サービスのスタイルで気になったのは、ここのサービスがいわゆるプロパーな中華料理とは違って、一皿一皿食事を終えて次の皿が出てくるというスタイルをとっている点でした。これは欧州での中華料理の食べ方と全く一緒で、上海あたりではもしかしてこのスタイルがおしゃれ、だったりするのかも知れませんね。
飲み物も相応の値段設定ですが、幅広い価格帯のワインを世界の各種地域から選んで出していて好印象でした。もちろんフランスのグランヴァンもございます。
今回は生ビール(キリンのハートランド)ののち、イタリアはサルデーニャ州の赤ワインをボトルでいただきました。グルナッシュを使用しているとのことで、果実味があるフレッシュ感が美味しいワインでした。とても飲みやすい。実はこれ、一番お値頃な価格帯のボトルワインだったのでした(笑)。
アラカルトの種類が多くて色々と悩ましいのですが、二度、三度と来るうちに自分の好みもわかって楽しめるのかなと思いました。四人以上なら迷わずアラカルトでいった方がよいでしょう。この日は三人でしたが、アラカルトで大正解でした。
(いただいたもの)
・前菜(1):野菜の湯葉巻き(野菜のクリスピー湯葉包み)
・前菜(2):なまこのマイルドチリソース
・スープ:豚バラ肉の塩漬け、筍、豆腐のスープ
・ワタリガニと上海風餅の中国味噌炒め
・鶏肉と松の実の炒め物、胡麻パイ詰め
・筍と中国野菜のソテー
・小籠包
・夜上海特製チャーハン
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残念ながらこちらはその後閉店したとのことです。やはり人件費にお金がかかりすぎたのでしょうか(笑)。歴史的な記録として一応この記事を残しておきます。
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