イル ギオットーネ(京都・八坂上町)



お昼の「ささ木」に続いて、夜はこちら京都イタリアンの名店「イル ギオットーネ」へ。いずれも超人気店で、料理をしっかり楽しむためにできれば連続でというのは避けたかったですが、日程の都合でこうなってしまいました。
とはいえ、お昼の「ささ木」は和食ということもあり、昼夜連続してフランスの高級料亭に行くこともあったかつての日程からすればまだお腹に余裕があり、という感じでした。
夜のおまかせをお願いしましたが、出されたほぼすべてのお皿を堪能することができ、最後には満足してお店を後にしました。
お料理ですが、評判通りにオリジナリティ溢れる意欲的なお皿が次々と出てきて目でも、舌でも楽しませてもらいました。
イタリア料理を主体にしているお店なので、お料理のジャンルとしては”イタリアン”という先入観をもって臨んだのですが、コースで食べていく中で、ここはイタリアンの手法を使ったコンテンポラリーなお料理なのだなと感じるようになりました。ジャンルとして、イタリアンという型にはめるのは意味がないという感じです。
その点では現代のボーダーレス化するフランス料理に通じるところがあるかもしれません。例えば、手法もメニューを見て頂ければおわかりのように、フランス料理の手法であるピュレが多用されています。
しかし、このお店が自らの料理を公式にはイタリア料理としてプレゼンする意味があるとすれば、パスタやリゾットなどの、現代のフランス料理店では変則的に前菜あるいは口直しなどとして使われる料理の形態を堂々とコースの中に組み入れられる点にあるでしょう。その強みをこの日もいかんなく発揮していたように思いました。また、パスタ、リゾットともに存在感ありました。
オリジナルなアイデア、日本ならではのイタリアンということで、前者の部分は現代フランス料理に、後者は山形県鶴岡市にある“イタリアン”「アルケッチャーノ」に見いだせるものと言えるかもしれません。
イタリア料理店としての志の高さという点で言うならば「アルケッチャーノ」との対比は大変面白く、両者相通ずるものがある気がします。ただ、旬の地元の素材を活かし切るという点で言うならばとことんまで行っているアルケッチャーノの方が数段上を行く気がします。
ただ店内の内装や雰囲気、総合的なプレゼン力でいくならばやはり京都という地の利を得て、かつ丸の内にも店を出して勢いに乗っている「イル ギオットーネ」の方が上でしょう。
両店とも世界的文脈で見ても世界に誇る(コピーではない)日本のイタリアンと言うことができる点では全く同点とも言うことができるかもしれません。
これからもこの路線で大いに京都の食材を活かし切った美味しいものを提供し続けて欲しいと願います。
ここは純粋に食を楽しむ場所と言うよりも、雰囲気、味を大切な人たちと楽しみに来るワンランク上のレストランという感じがします。
とはいってもグランドメゾンほどの緊張感を感じさせないカジュアルさもあり、店のおしゃれ感とそのカジュアルさの適度なバランス、そして京都の旬の食材を活かし切ったお料理がここの魅力といえるのではないでしょうか。
(お料理)
1. つきだし:サーモンのタルタル蕪巻き・蕪蒸し・蕪のピュレ(キャビア載せ)
2. 前菜1:エンドウ豆のピュレ・温泉卵・タラの芽とウドのフリット
3. 前菜2:寒ブリのあぶり・聖護院蕪・紅芯大根・からすみのサラダ(写真下)
4. 前菜3:カリフラワーのパンナコッタ/活オマール海老・うに/ブロッコリのピュレ
5. 前菜4:フォワグラのソテー/ゆり根のピュレ/水菜のスープ(写真中)
6. パスタ:ふぐ・白子・九条葱のスパゲッティ(柚子の香り)
7. リゾット:猪とごぼうのリゾット(イタリア産黒トリュフがけ)(写真上)
8. メイン(肉料理):シャラン産鴨のグリル/各種野菜の炭火焼き
9. 口直し:イチゴアイス・シャンパンゼリー
10.デザート:マスカルポーネチーズのケーキ、イチゴのババロア、ティラミス、エスプレッソのパンナコッタ、ココナッツのブラマンジェ、クレームダンジェ(10種類のデザートの中から好きなだけ選択)
イル・ギオットーネ 京都店 (イタリアン / 四条、五条、河原町)
★☆☆☆☆ 0.0
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