ささ木(京都・祗園)



約五ヶ月ぶりに祗園の地、夏に訪問して以来二度目のささ木へ。
今回は超常連さんのおばさま方の隣に座ったこともあって、目の前の料理人のお兄さんとも、またおばさま方とも会話が楽しめ、大変気持ちよい時間を過ごすことができました。ますますこのお店に夢中です。
ここはカウンター式の割烹で、靴を脱いであがるということもあり、やはりお客さん同士がおしゃべりしやすく、仲良くなる要素がある気がします。一人で来ているからには、色々な方と交流できるのはありがたいことで、今回もたくさんのことを教えて頂きました。
料理は、前回同様7品+デザートという構成で、お値段は変わらず。コストパフォーマンスおよび質の高さは世界一といっても過言ではないでしょう。
お酒はエビスに続いて、辛口のお酒を注文して竹筒で「王祿(おうろく)」(島根)というお酒を頂きました(写真中の竹筒)。竹筒には保温性があるとのことで、確かに最後まで冷たく、楽しめました。
さて、気になるお料理ですが。
八寸:秋
テーマは秋ということで、レンコンの揚げたもの、キノコとほうれん草のおひたし(すだち風味)、牡蠣のしぐれ煮、鯛の手まり寿司、白身の入った厚焼き卵、ゆり根饅頭、すけ子の炊いたものが紅葉のお皿に盛られてきます。紅葉葉もまた添えられていて、見た目も鮮やか。それぞれに美味しいお味ですが、おまんじゅうと繊細なすけ子の味が気に入りました。
お椀:小蕪のお椀(鯛の揚げ物入り)(写真左)
相変わらず上品な吸い地。小蕪は今がまさに旬でたねに選ばれたとのこと。きれいにお椀におさまっていて、見た目も美しいお料理。揚げてあるという鯛が香ばしく、また味がぎゅっとつまっていて大変いいアクセントになっています。
お造り:三種盛り(いか、平目、よこわ)
前回はとびきり美味しかったお刺身ですが、今回は今ひとつという印象。それでもいかは透き通る色で、適度な歯ごたえもあり、鮮度の良さがよくわかります。まぐろの稚魚という「よこわ」を食せたのは勉強になりました。平目はちり酢(ポン酢+一味唐辛子)で。縁側は脂がのっていて美味です。
焼き物:鰆の幽庵焼き朴葉包み(キノコ、八幡こんにゃく、すだち)(写真中)
鰆は場所によって旬が違うようで、今回出てきたものは抜群の脂ののりで美味しく、つまりは今が旬ということなのでしょう。添えられたのは舞茸(?)でしょうか。お魚の下には赤いこんにゃくが。関東ではあまり縁がないのですが、京都ではしばしばお目にかかる滋賀県名産のこんにゃくです。今回も熱々にした「那智黒」(碁石にも使われる黒い石)の上に載せられたお魚を自分でとる趣向で、那智黒の名前は隣のおばさまに教えて頂きました。
お口直し:なめたけと長芋の冷たい吸い物
お魚が続いたということで口直しが出されます。これは細長い陶器のお茶碗でいただくもので、すだちをしぼっただしがベースになっています。口がすっきりして、いい感じです。
小鍋:白子、胡麻豆腐(紅葉おろし)、壬生菜、おあげ(写真右)
お食事前、最後のお皿がこちらの小鍋です。陶器の器がいい感じ。掬う方のさじが磁器で対比の妙があります。白子は文字通りとろける食感で、最高のこく。地の壬生菜もいいお味です。胡麻豆腐は手作りとのこと。濃厚で、鍋をひきたててくれます。冬らしいあたたまる一品、さすがです。
ご飯:鯛飯
美味しい鯛の身が沢山入っているご飯はお代わり自由。3杯頂きましたが、これにて打ち止め。4杯目も勧められましたが、さすがに自重しました。香の物はいつもながら味が濃厚。今回は白菜、大根(?)、赤蕪でした。
デザート:盛り合わせ(フルーツ盛り合わせヤマブドウのゼリーがけ+黒蜜がけのブラマンジェ、ティラミス、チーズケーキ、麩饅頭)
いつもながらすべてを楽しませてもらいます。甘すぎず上品な味付けです。前回同様全品頂き、大満足。隣のおばさま方もフルコースいっていました。さすがです。
12時にはいって2時過ぎにお食事は終わり、みな三々五々お店を出て行きます。今日は若い女性の二人連れが多かったような。十一名のお客の中で、男性は自分を含めて二名(!)でした。女性の方が味覚に関してはやはり楽しみ方を知っているのだなと実感。昨日のフレンチ、B(べー)でもそれを感じましたが(こちらは八名中男子一名でした)。
最後に、楽しい時間を共有できたおばさま方にもお礼を述べて別れてきました。またここでお会いできるでしょうか。これからもますます目が離せないお店です。
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