ミシュラン東京・横浜・鎌倉 2011(3)神楽坂界隈/流れ星
少し日が経ってしまいましたが、ミシュラン東京の今年度版の最後の記事ということでおつきあい下さい。
神楽坂界隈
速報を見た時には単純にフレンチ一店と和食一店がめでたく新しい★つき店になって、神楽坂の勢力がさらに拡大と思っていたのですが、反面、流れ星になってしまった(=★をなくした)お店が二店あることに気づき、ちょっぴり残念な思いでした。
神楽坂の新しい★つきフレンチは「ルグドゥノム ブション リヨネ」(★)で、和食店は「蓮」(★★)でしたね。
前者は、以前二次会でワインだけ飲みに入店したことがありましたが、ソムリエらしき店員があまりにスノッブな風なので仰天した悪い記憶がありました。それ以来ここで食事するという概念が自分の中で完全に消えていました(笑)。
そういえば、カンテサンスでも同じような思いをしたことありました。
日本人のソムリエにはこういう人種がいるのが残念でなりません。フランスのソムリエは全員とは言いませんが、とってもハンサムで感じよい方が多いのですが…。
私見では、店主の意地があまりよくないゆえかと思っていたので、今回の昇格には正直驚きでした。
まあ、偏見に近いので、是非一度ご自身で味を見られるのがよいかと思います。
ブション(リヨン地方の地酒、郷土料理を供する特有の食堂)を気取っているだけあって、べらぼうな値付けというわけではないようです。のんびり週末のランチなどよいかもしれないですね。
フランスから輸入したという調度類のおかげで、雰囲気はなかなかよくできていますし。
それから、「蓮」の方は、「ルグドゥノム ブション リヨネ」から目と鼻の先にある近江屋ビルの四階にある小さなお店です。
目立たないお店だと思っていましたが、初登場でいきなり二ツ星で驚きました。開店からまだ一年少少しか経っていないはずです。今回の掲載で人気店になるのでしょうか。気になります。
神楽坂から少し離れますが、近隣の神保町で焼鳥屋と和食店がそれぞれ一ツ星を獲得しました。いずれもリーズナブルなお店のようです。
また四谷にも★つき居酒屋誕生とのことで、とても気になっています。店内禁煙のポリシーが素晴らしく、行く前から期待が高まります。
流れ星(=★の消失)
さて、最後に降格のお店について。
三ツ星、二ツ星からの降格あるいは不掲載は限られているのは前々回見た通りでした。
一ツ星からの降格は和食店だったり、そば屋だったりとありましたが、顕著な傾向としてはいくつかのフレンチが★を無くしたということがありました。
昨年のミシュランと単純に比較すればすぐにわかることですが、「シェトモ」、「ブノワ」、「ミラヴィル」、「オーベルジュドゥリルトーキョー」などが★を無くしています。
神楽坂からは「ラリアンス」と「ラトラス」がいずれも流れ星に…。
「ラリアンス」はお料理のレベルからいうと納得できる部分もありますが、昨年掲載(★)の「ラトラス」についてはどうなのでしょう。
こちらは行ったことがないので何とも言えませんが、口コミサイトの高評価やかつてのミシュランの評価(「ラトラス」のシェフは以前シェフとして勤めていた同じく神楽坂の「ラ・トゥーエル」でミシュラン東京2008にて★を獲得の経験あり)からするとちょっぴり残念な結果かもしれません。シェフ自身が一番納得いっていないことでしょう。
奇遇なことに(?)、「ラトラス」、「ブノワ」以外の今回の降格フレンチには行ったことがあり、「オーベルジュドゥリルトーキョー」を除けば、比較的リーズナブルな価格設定のお店が今回犠牲になった感があります。
これはあくまで推測ですが、フランスからミシュラン本社の人間が来て、一部の★つきフレンチのレベルにショックを受けたのかもしれません。
「ラリアンス」については少なくとも、フランスの★つきとは明らかに開きがある感じはありましたので。
「ブノワ」は価格設定を下げて、リーズナブルプライスにシフトしたことがマイナスになったのかもしれません。パリの本店は、デュカスに乗っ取られたとはいえ(笑)、それはそれはクラシックな名店で、現在も★を保っているのですが…。
和食店よりはフレンチのシェフの方がはるかにミシュランの★の上げ下げには敏感なはず。
その意味で今年は残念な思いをしたシェフが多かった年と言えるかもしれません。
幸い★は毎年更新ですで、来年に向けて是非頑張っていただきたいものですね。
フランスでも三ツ星から二ツ星に落ちて翌年返り咲くことはあることですから。
最後に、今年の新しい昇格店を見て思ったのは、掲載拒否とおぼしきお店のなんと多いこと。フランスならいやがる店は掲載しない流儀があるとうかがっているだけに無理矢理載せてしまうのはどうなのだろうと思ってしまいますが。日本とフランスではポリシーが違うのでしょうか。
掲載を拒否するシェフの考えは様々でしょうが、東京版の発行は今年ですでに四年目ということで、今頃何をのこのこうちの店に来ているんだという方もいることでしょう。その点、ミシュランも至らないことだらけでしょうが、そうした店の主とも少しずつよい関係を築くことを願っています。
色々なガイドが発達している日本では特にミシュランがすべてではありませんが、フランスではとてもお世話になりましたし、一つのレストラン文化の切り口としては参考にもなるので今回も色々と書いてみました。
神楽坂界隈
速報を見た時には単純にフレンチ一店と和食一店がめでたく新しい★つき店になって、神楽坂の勢力がさらに拡大と思っていたのですが、反面、流れ星になってしまった(=★をなくした)お店が二店あることに気づき、ちょっぴり残念な思いでした。
神楽坂の新しい★つきフレンチは「ルグドゥノム ブション リヨネ」(★)で、和食店は「蓮」(★★)でしたね。
前者は、以前二次会でワインだけ飲みに入店したことがありましたが、ソムリエらしき店員があまりにスノッブな風なので仰天した悪い記憶がありました。それ以来ここで食事するという概念が自分の中で完全に消えていました(笑)。
そういえば、カンテサンスでも同じような思いをしたことありました。
日本人のソムリエにはこういう人種がいるのが残念でなりません。フランスのソムリエは全員とは言いませんが、とってもハンサムで感じよい方が多いのですが…。
私見では、店主の意地があまりよくないゆえかと思っていたので、今回の昇格には正直驚きでした。
まあ、偏見に近いので、是非一度ご自身で味を見られるのがよいかと思います。
ブション(リヨン地方の地酒、郷土料理を供する特有の食堂)を気取っているだけあって、べらぼうな値付けというわけではないようです。のんびり週末のランチなどよいかもしれないですね。
フランスから輸入したという調度類のおかげで、雰囲気はなかなかよくできていますし。
それから、「蓮」の方は、「ルグドゥノム ブション リヨネ」から目と鼻の先にある近江屋ビルの四階にある小さなお店です。
目立たないお店だと思っていましたが、初登場でいきなり二ツ星で驚きました。開店からまだ一年少少しか経っていないはずです。今回の掲載で人気店になるのでしょうか。気になります。
神楽坂から少し離れますが、近隣の神保町で焼鳥屋と和食店がそれぞれ一ツ星を獲得しました。いずれもリーズナブルなお店のようです。
また四谷にも★つき居酒屋誕生とのことで、とても気になっています。店内禁煙のポリシーが素晴らしく、行く前から期待が高まります。
流れ星(=★の消失)
さて、最後に降格のお店について。
三ツ星、二ツ星からの降格あるいは不掲載は限られているのは前々回見た通りでした。
一ツ星からの降格は和食店だったり、そば屋だったりとありましたが、顕著な傾向としてはいくつかのフレンチが★を無くしたということがありました。
昨年のミシュランと単純に比較すればすぐにわかることですが、「シェトモ」、「ブノワ」、「ミラヴィル」、「オーベルジュドゥリルトーキョー」などが★を無くしています。
神楽坂からは「ラリアンス」と「ラトラス」がいずれも流れ星に…。
「ラリアンス」はお料理のレベルからいうと納得できる部分もありますが、昨年掲載(★)の「ラトラス」についてはどうなのでしょう。
こちらは行ったことがないので何とも言えませんが、口コミサイトの高評価やかつてのミシュランの評価(「ラトラス」のシェフは以前シェフとして勤めていた同じく神楽坂の「ラ・トゥーエル」でミシュラン東京2008にて★を獲得の経験あり)からするとちょっぴり残念な結果かもしれません。シェフ自身が一番納得いっていないことでしょう。
奇遇なことに(?)、「ラトラス」、「ブノワ」以外の今回の降格フレンチには行ったことがあり、「オーベルジュドゥリルトーキョー」を除けば、比較的リーズナブルな価格設定のお店が今回犠牲になった感があります。
これはあくまで推測ですが、フランスからミシュラン本社の人間が来て、一部の★つきフレンチのレベルにショックを受けたのかもしれません。
「ラリアンス」については少なくとも、フランスの★つきとは明らかに開きがある感じはありましたので。
「ブノワ」は価格設定を下げて、リーズナブルプライスにシフトしたことがマイナスになったのかもしれません。パリの本店は、デュカスに乗っ取られたとはいえ(笑)、それはそれはクラシックな名店で、現在も★を保っているのですが…。
和食店よりはフレンチのシェフの方がはるかにミシュランの★の上げ下げには敏感なはず。
その意味で今年は残念な思いをしたシェフが多かった年と言えるかもしれません。
幸い★は毎年更新ですで、来年に向けて是非頑張っていただきたいものですね。
フランスでも三ツ星から二ツ星に落ちて翌年返り咲くことはあることですから。
最後に、今年の新しい昇格店を見て思ったのは、掲載拒否とおぼしきお店のなんと多いこと。フランスならいやがる店は掲載しない流儀があるとうかがっているだけに無理矢理載せてしまうのはどうなのだろうと思ってしまいますが。日本とフランスではポリシーが違うのでしょうか。
掲載を拒否するシェフの考えは様々でしょうが、東京版の発行は今年ですでに四年目ということで、今頃何をのこのこうちの店に来ているんだという方もいることでしょう。その点、ミシュランも至らないことだらけでしょうが、そうした店の主とも少しずつよい関係を築くことを願っています。
色々なガイドが発達している日本では特にミシュランがすべてではありませんが、フランスではとてもお世話になりましたし、一つのレストラン文化の切り口としては参考にもなるので今回も色々と書いてみました。
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