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ミシュラン東京・横浜・湘南 2012 (3)神楽坂とその周辺

前回記事で、居酒屋の「六角」が降格と書いてしまいましたが、私の勘違いでした。お詫びして訂正いたします。どこからか指摘があったというわけでもないのですが、ガイドを見て気づいた次第です。当該記事はすでに訂正済みですが、なお念のために。

流れ星の続きという訳でもないのですが、今日実際にガイドを見ておもったこと。初登場のフレンチ店、中でも経験豊富なシェフのお店は軒並み掲載拒否とおぼしきページ作りでした。

コートドール、北島亭…いずれもミシュラン発刊の年に候補として挙がっていたようなお店。前回書いたように、これらシェフのミシュラン東京への風当たりは想像以上なのかもと思っています。

一方で、初登場二ツ星の「カーエム」はこちらもキャリアが長いシェフがタクトをふるうお店だったはず(恵比寿のお店にはうかがったことありました)。こちらは掲載拒否している風ではなく。

ビブグルマンマークとの重複

さて、前回の続きで、今年気になったことの二つ目でしたね。色々な話が巻き起こってきて、本題忘れそうでした(笑)。

ミシュランは今年の夏にフレンチガイドを発刊しているのですが、こちらで日本で初めてビブグルマンマークが登場しました。その一方で、そちらでビブグルマンマークのついたお店に、今年の東京版でがつくという珍現象(?)が発生しています。

本来ミシュランは一年の賞味期限付きの印。同じ年に発刊されたガイドである意味両立し得ない印がつくのはどうなのでしょう。日本以外では起こりえなかったことでしょう。

気になってミシュランのフレンチガイドの方を見ると、発刊年の表示はなく、これはミシュランのうっかりミスなのかなと思ったりもしています。あるいは東京の編集の人間がミシュランのポリシーを知らないのか…?というのも、このフレンチガイドには昨年出たミシュラン東京版に準拠したつき店もいくつか掲載されていたから。

つまらないオチかも知れませんが、最新のもの、つまり本日発売の東京版の格付けに従うということでよいのでしょう。

しかし、夏のフレンチガイドに星付きとして紹介された「ヒロミチ」は、今回の東京版での掲載がなく(つまり降格でを失った…)、どうしたものでしょうか。こうした矛盾も日本のミシュランが信用できない要素の一つとして数えられてしまいますよね…。

そのようなわけで、ビブグルマンマークから星付きへの昇格(?)を果たしたのが、「ボンシュマン」、「ル・ブション」、「ル・コック」、「レ ロジェ エギュスキロール」の四店。けっこうな数です。

「レ ロジェ エギュスキロール」はフランスに本店があるお店で、本店も一つ星。ホテルレストランならともかく、デパート内の飲食店が★をとるのはおそらく史上初の快挙のはず(違ったらご指摘お願いいたします)。その意味でも歴史的な★かと思っています。

神楽坂とその周辺

神楽坂については降格はほとんどなく安泰。むしろ昇格、初登場がごろごろで街は喜びに包まれているのかも。

ただ、昨年はずれた「ラトラス」今年も復帰なりませんでした。こちらも一年での陥落だったので、シェフは解せないのではと思います。また、個人的は好きなフレンチの「ラ・マティエール」もまだまだおあずけの状態。「ラ・バリック」(イタリア料理)あたりもしばらく忘れられている感がありますね。

さて、今年の昇格では、新しいジャンルの韓国料理で路地裏の「松の実」が一ツ星に。リーズナブルなコース一本で勝負する、薬膳や宮廷料理のお店のはず。立地がいいです。

それから三ツ星「いしかわ」のセカンド(?)「虎白」(新日本料理)が初登場で二ツ星。こうした掲載のされ方がどうも信用をできないなあと思うのですが。

またご近所江戸川橋の「はし本」(鰻)が小さいお店ながら一ツ星に。けっこう地味な立地ですが、ミシュラン良く見つけましたね(笑)。もちろん皮肉です。

今後に期待、ということでいうと、閉店した東京の「竹やぶ」の元料理人が同店の調度品を譲り受けて開店したそば店でしょうか。開店して日が浅いため、今回は調査の対象にもなっていないと思われますが、来年は★がつくことでしょう。


今年のガイドを見て思ったのは、昨年は掲載拒否していたようなお店も今年は少しずつ受け入れているところがあるなあということ。「イカロ」(イタリア料理)、「秋本」(鰻)などが目につきました。一方で、ミシュランが好んでいた「笹田」(日本料理)は昨年の二ツ星から今年は掲載がなくなり、掲載拒否を申し出たのかなと個人的には思っています。

今回は非常に長い記事になりました。最後までおつきあいありがとうございました。
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なるほど

こんにちは、先日はご丁寧な返信ありがとうございました。

>フランスのガストロノミー文化はある意味ミシュランの★が先導した
>ために大きな価値、権威がそこにあるわけですが、東京の名店達は
>ミシュランのやってくるはるか前から営々とその文化を紡いできた
>のであって、ミシュランは己の非力を恥じつつ、謙虚にお店と
>向かい合う以外に長い目で見ての成功はないでしょう。

なるほど!目からウロコです。
これはたいへん深い知見ですね。
ミシュランが主導したフランスと、ミシュランが追いかける日本。
構造的に大きく違いますね。

まだまだミシュランが努力しないといけないですね。
いずれにしても正当な評価には時間を要するものですね。

今後も楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いします。

たびたびすみません(感謝)

たびたびのコメント感謝です。とてもマイナーなブログですが、ミシュランの記事のせいか最近は訪問者が多かったような…。またコメント等を通じて盛り上げて頂けるとうれしいです。

フランスだと星の付くお店は、星には関係ない普通のお店としつらえや客層が明らかに違っていて、日本のように雑踏に紛れてある数多くの星付きとは、星のあり方が全く異なるなあと感じています。
日本の飲食店のレベルが総じて高いとも言えるかも知れませんが、そもそもフランスでは星は舌、目、身体全体で堪能する美食文化のためにあったからとも言えるでしょうね。

とはいえ、フランスでも事情が少しずつ変わり、カジュアルなお店にも星が付くようになってきているかもしれません。
その流れのきっかけになったのが、2000年代初め頃にロブションがパリで開いたカウンターだけの「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」の星獲得だったのかなと思っています。二年で二ツ星にまでなって、六本木の支店も同じく二ツ星なのはご存じの通りです。

語り出すときりがないので、今日はこの辺まで。
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。

No title

Georgeさん、どうもです。

私も食べ歩きの趣味人として(やはり特にフレンチが好きなのですが)、ミシュランガイドの評価はそれ相応に気にしております。

試行錯誤しながら一定の評価に安定するまである程度(5~10年?)かかるものと思ってますが、ですかので、星の変遷記録から何か読み取れるかな~と思ってます。

こちらはようやく2012年版まで、まとめたものです。
よろしければぜひご覧ください。
 ↓ ↓ ↓
http://www.ogushi.jp

Georgeさんのご意見はとても参考になります。
また勉強させてください(笑)
よろしくです!

No title

連投で失礼します。

日本版「ミシュランガイド」は星付き店しか掲載してませんから、本国版にある「星なし」店っていうのがないのですよね。
よって、星がなくなったお店を非掲載にするのではなく、「星なし」として残せば良いのにと思っています。そうすれば過去の星取得店の情報も生きてくるし、ガイドブックとしての店舗情報もより充実すると思うのですが。

過去に星を取っているお店が「ボンヌ・プティット・ターブル東京」に掲載されているところを見ると、ちゃんとリサーチは続いているようですし。

①3つ星
②2つ星
③1つ星
④星なし
⑤掲載なし

この本来の5段階評価のうち、日本版はどうも④「星なし」と⑤「掲載なし」と「調査なし」の区別がつかないんですよね~。

そうですよね

そうなんです。フランスではミシュラン片手に各地に遠征していたので、私もミシュランの権威、やはり信頼していたいのです。ミシュランの名声に嫉妬して(?)、とって代わりたいとやっきになって自己主張するメディア群からは距離をとっていたい(笑)。でも、だからこそふにゃふにゃしている印象の今の日本のミシュランには批判的にならざるをえないのですよね。

ogushiさんのまとめ、拝見しました。労作ですね。とても利用価値が高い!今後ますます有用になっていくものと思われます。私もぜひ参考にさせて頂きます。ありがとうございます。

連投大歓迎(笑)

そうですね。東京だけでも半端ない数のお店が調査対象になっていると思われ、きっと星なしを載せるのは事実上不可能なのでしょうね。それにまだ東京でも都区内の一部しか調査対象になっていないため、今後のひとまずの目標は都下全域を調査対象にする方にあるのかなと思いますね。そう考えると、偉そうに星をつけていてもまだまだミシュランも半人前かなとの思いを強くするわけです。

一方で、フレンチ店のガイドはもしかしたら、将来の完全版(星なしも網羅したという意味で)の布石でもあるのかなとも思ったり。ミシュランのグルメガイドに年号が刻まれていないのはやはり違和感があって、このように解釈すると一応の筋は通るのかなと。

まあ、今後の展開、見守っていきましょう。次は北海道版が大きな動きですよね。注目のお店がいくつもあり、今から楽しみです。
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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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