Michelin Tokyo 2014 ミシュラン東京 横浜 湘南 2014
今年は三ツ星昇格店がなく、あまり面白みのない内容だったミシュラン。
目玉としてビブグルマンマークつきのお店の掲載があったのでミシュランの営業的にはこれでよいということでしょうか。
ビブグルマンマークについては二年ほど前に発刊されたBonnes Petites Tablesという東京のフレンチレストランの特化したガイドですでに始まっていましたね。今回東京のフレンチに関してはそのアップデートで済んだという点ではミシュランとしても関西版よりは楽だったのかと想像いたします。顔ぶれも当時からあまり変わった感じもありませんね。神楽坂あたりはやはり強いです。
ビブグルマンマークのお店が掲載されるようになったことで、ミシュランが東京人、関西人にぐっと身近になったかもしれません。同じような値段でお得なお店というのは誰もが求めているところだと思います。こうしてブリコラージュ的に日本のミシュランは完成していくのでしょう。まだまだ道は遠いですね。色々な意味で。
関西版なら滋賀や和歌山を入れるべきでしょうし、ビブグルマンも他のジャンルにも欲しいところです。さらには、最近になって★をつけてへそをまげている(と勝手に想像しているのですが…)古参のお店への仁義をきって、いかにガイドに協力してもらうか、あるいは1年で掲載がなくなるようなお店をできるだけ減らすなど、課題は山積みでしょう。
さて、三ツ星に注目があたり、次に二ツ星なのですが、★をなくしたお店も個人的には気になるところですので、こちらに挙げておきましょう。落ちたお店への配慮か、大きなメディアでは取り上げられませんよね。
流れ星について
★★★→★★
七丁目京星(天ぷら)
★★→★
一凜(日本料理)
傳(新日本料理)
菱沼(日本料理)
★→無星
アバスク(フランス料理)
植むら本店(日本料理)
ゴードン・ラムゼイ(フランス料理)
三合庵(蕎麦)
次郎長(ふぐ)
たかはし(焼鳥)
チャイナブルー(中華料理)
ばさら(日本料理)
瓢亭(日本料理)
ます味(日本料理)
松の実(韓国料理)
ル・ブション(フランス料理)
レヴェランス(現代風フランス料理)
六覺燈(串揚げ)
こうして見ると星獲得の喜びの陰に、厳しい現実があることを知ります。まあ日本なので、フランスほど深刻でないかもしれませんし、星がなくてせいせいしている店もあるかもしれませんが。
個人的な印象としては、格安クーポンあるいはクーポン系サイトで特別メニューなどを出していたお店が一部含まれているなあということ。来る客が増えて、提供する物の質落ちたのであればなかなか残念な結果です(「菱沼」、「ます味」など)。あるいは店主が最近メディアによく出るようになったお店も含まれていますね(「一凜」など)。
「ゴードン・ラムゼイ」については店が衣替えして「コラージュ」になったようで、こちらはちゃんと新一ツ星店として掲載されているので、ホテルとしては変わりないというところでしょう。イギリスの御大は悔やんでいるでしょうが、三つ星シェフとはいえイギリスからの遠隔操作で二ツ星以上をとるのは思った以上にきつかったのでしょう。アラン・デュカスも同じ轍で苦しんでいる気がします。自分の名前を出しても星一つという結果ですから。他に、諦めて日本を去ったスターシェフ、有名店ちらほらありますよね(イルカランドリーノ、サドレル、エノテカなど…こうしてみるとイタリア系が多いですね)。
「松の実」が消えて新しく、二つ星として別の韓国料理店「尹家」が入りました。以前1年だけ一つ星になったお台場の韓国料理店がありましたが、韓国料理は洗練された店でないと載せない方針に固まりつつあるのでしょうか。「モランボン神宮前」も二つ星です。
コンラッドの中華「チャイナブルー」が消える一方で、マンダリンの中華「センス」が復活しました。ホテル中華の枠が減ったのでしょうか。勝手な想像です。
また、遠く横浜、湘南ではフランス料理店二店が全滅する事態に。基準が東京などと統一化されつつあるということでしょうか。なかなか厳しいですね。
新規昇格店からいくつか
復活組が大いに賑わせてくれている印象でした。
「サンパウ」が二つ星に戻り、トゥールダルジャン」や「ル・ブルギニョン」、上述「センス」もまた★つき店として復活掲載されています。
また、気になったところでは、日本で活躍するフランス人シェフのフランス料理店というくくりで二軒。
一軒はモダンビストロ風の「シェオリビエ」。市ヶ谷にあり、お昼には安いコースも出していました。サービスは素人という感じでしたが、お料理の志向はネオビストロの気がしました。とはいえ、店内の雰囲気があまりにカジュアルなので(空間設定があまり上手ではないせい?)、「ネオビストロ」とはいわずあえて「モダンビストロ」と言ってみました。
さらには、パリでは10年近く前からお店を出しているドミニク・ブシェ氏の「ドミニク・ブシェ」。今年の7月31日オープンとのことです。こちらは初登場二つ星で、やはり今のところ皆さん注目されているお店ではと思います。パリのお店が一つ星なので、東京が二つというのもなかなか複雑な心境かも。それでも嬉しいのは間違いないでしょう。
12月下旬まではドミニクシェフが滞在して自らお料理されているようなので、ご興味あればお早めにどうぞ。今回外してもまた来年1月末には日本にいらっしゃるとご本人が言っていました。そのようなわけで近いうちにこちらには訪問予定ですので、訪問次第レポートしたいと思います。
目玉としてビブグルマンマークつきのお店の掲載があったのでミシュランの営業的にはこれでよいということでしょうか。
ビブグルマンマークについては二年ほど前に発刊されたBonnes Petites Tablesという東京のフレンチレストランの特化したガイドですでに始まっていましたね。今回東京のフレンチに関してはそのアップデートで済んだという点ではミシュランとしても関西版よりは楽だったのかと想像いたします。顔ぶれも当時からあまり変わった感じもありませんね。神楽坂あたりはやはり強いです。
ビブグルマンマークのお店が掲載されるようになったことで、ミシュランが東京人、関西人にぐっと身近になったかもしれません。同じような値段でお得なお店というのは誰もが求めているところだと思います。こうしてブリコラージュ的に日本のミシュランは完成していくのでしょう。まだまだ道は遠いですね。色々な意味で。
関西版なら滋賀や和歌山を入れるべきでしょうし、ビブグルマンも他のジャンルにも欲しいところです。さらには、最近になって★をつけてへそをまげている(と勝手に想像しているのですが…)古参のお店への仁義をきって、いかにガイドに協力してもらうか、あるいは1年で掲載がなくなるようなお店をできるだけ減らすなど、課題は山積みでしょう。
さて、三ツ星に注目があたり、次に二ツ星なのですが、★をなくしたお店も個人的には気になるところですので、こちらに挙げておきましょう。落ちたお店への配慮か、大きなメディアでは取り上げられませんよね。
流れ星について
★★★→★★
七丁目京星(天ぷら)
★★→★
一凜(日本料理)
傳(新日本料理)
菱沼(日本料理)
★→無星
アバスク(フランス料理)
植むら本店(日本料理)
ゴードン・ラムゼイ(フランス料理)
三合庵(蕎麦)
次郎長(ふぐ)
たかはし(焼鳥)
チャイナブルー(中華料理)
ばさら(日本料理)
瓢亭(日本料理)
ます味(日本料理)
松の実(韓国料理)
ル・ブション(フランス料理)
レヴェランス(現代風フランス料理)
六覺燈(串揚げ)
こうして見ると星獲得の喜びの陰に、厳しい現実があることを知ります。まあ日本なので、フランスほど深刻でないかもしれませんし、星がなくてせいせいしている店もあるかもしれませんが。
個人的な印象としては、格安クーポンあるいはクーポン系サイトで特別メニューなどを出していたお店が一部含まれているなあということ。来る客が増えて、提供する物の質落ちたのであればなかなか残念な結果です(「菱沼」、「ます味」など)。あるいは店主が最近メディアによく出るようになったお店も含まれていますね(「一凜」など)。
「ゴードン・ラムゼイ」については店が衣替えして「コラージュ」になったようで、こちらはちゃんと新一ツ星店として掲載されているので、ホテルとしては変わりないというところでしょう。イギリスの御大は悔やんでいるでしょうが、三つ星シェフとはいえイギリスからの遠隔操作で二ツ星以上をとるのは思った以上にきつかったのでしょう。アラン・デュカスも同じ轍で苦しんでいる気がします。自分の名前を出しても星一つという結果ですから。他に、諦めて日本を去ったスターシェフ、有名店ちらほらありますよね(イルカランドリーノ、サドレル、エノテカなど…こうしてみるとイタリア系が多いですね)。
「松の実」が消えて新しく、二つ星として別の韓国料理店「尹家」が入りました。以前1年だけ一つ星になったお台場の韓国料理店がありましたが、韓国料理は洗練された店でないと載せない方針に固まりつつあるのでしょうか。「モランボン神宮前」も二つ星です。
コンラッドの中華「チャイナブルー」が消える一方で、マンダリンの中華「センス」が復活しました。ホテル中華の枠が減ったのでしょうか。勝手な想像です。
また、遠く横浜、湘南ではフランス料理店二店が全滅する事態に。基準が東京などと統一化されつつあるということでしょうか。なかなか厳しいですね。
新規昇格店からいくつか
復活組が大いに賑わせてくれている印象でした。
「サンパウ」が二つ星に戻り、トゥールダルジャン」や「ル・ブルギニョン」、上述「センス」もまた★つき店として復活掲載されています。
また、気になったところでは、日本で活躍するフランス人シェフのフランス料理店というくくりで二軒。
一軒はモダンビストロ風の「シェオリビエ」。市ヶ谷にあり、お昼には安いコースも出していました。サービスは素人という感じでしたが、お料理の志向はネオビストロの気がしました。とはいえ、店内の雰囲気があまりにカジュアルなので(空間設定があまり上手ではないせい?)、「ネオビストロ」とはいわずあえて「モダンビストロ」と言ってみました。
さらには、パリでは10年近く前からお店を出しているドミニク・ブシェ氏の「ドミニク・ブシェ」。今年の7月31日オープンとのことです。こちらは初登場二つ星で、やはり今のところ皆さん注目されているお店ではと思います。パリのお店が一つ星なので、東京が二つというのもなかなか複雑な心境かも。それでも嬉しいのは間違いないでしょう。
12月下旬まではドミニクシェフが滞在して自らお料理されているようなので、ご興味あればお早めにどうぞ。今回外してもまた来年1月末には日本にいらっしゃるとご本人が言っていました。そのようなわけで近いうちにこちらには訪問予定ですので、訪問次第レポートしたいと思います。
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