レストラン訪問記:千種(名古屋)「ビストロ ダイア」
この日は名古屋でランチの予定でしたが、お店を色々と見ていてジビエコースがあるこちらのお店にいきつきました。
ジビエコースということで前菜も含めてジビエ料理の提供があるのかと期待していましたが、予約の際の店員さんの説明があまりよくなかったようで、お店に着いてメニューを見ると前菜は普通のお料理でちょっぴり残念でした。
とはいえ、初めての雷鳥を食べることができて総じて満足のいく食体験となりました。雷鳥といえば以前パリの三つ星店「ギー・サヴォワ」でものすごい値段で提供されていたのを見た記憶がありました。そこではお二人様からの注文とのことで、当時は食べることができなかったので、こうして名古屋で味わうことができてとてもラッキーでした。ビストロということでお値段抑えめで提供していただけてそれも良かったです。
ちなみにこの日いただいた雷鳥はスコットランド産とのことで、そういえばロンドンの老舗料理店などでも秋冬になると“ゲーム”と称していわゆるジビエを食すようで、スコットランド産雷鳥もメニューに上っていた気がします。
日本の雷鳥は天然記念物なので食卓に上がることはありえないでしょうね。

その雷鳥料理ですが、一人前が丁度半羽分とのことで、少しわかりづらいですが足が宙に浮くように斜めにこちらに向かうように置かれています。
ももの部分や胸の部分その他もう一つくらい他の部位のお肉が盛りだくさんでした。部位ごとに味わいが変わり、一番くせのあるところは鉄分が濃く、これぞ強い赤ワインとともにいただく醍醐味のあるお肉と思いました。

この日合わせて提供して頂いたのはシャトーヌフ・ドゥ・パープで、ブレンドするこのお酒はアルコール分が強い印象で元々あまり好きではありませんでしたが、この日の濃厚な野生肉には提案された中ではこれがやはり一番合っていたのかなと思いました。
雷鳥は青魚を食べるとシェフに教えて頂き、雷鳥を食べてみると確かに鯖の香りがしていて、食材とそのえさの関係の強さを改めて感じました。
メインのジビエ料理に入る前にスープ、前菜が供されましたが、どれも多彩な旬の食材を用いた素敵なお料理でした。お皿全体の印象としては、緻密に計算され構築されたお皿というよりは、どちらかというと自然の恵みを楽しむおおらかなお皿という感じがしました。

ピンク色が鮮やかな紅芯大根のポタージュスープには、地元産のむかご、信州産松茸、ズワイガニが入っています。贅沢です。

また、小樽のドナルドサーモンを瞬間燻製して、半生で供する前菜には、カリフラワームース、バジルソースの他に、パルメザンチーズのチュイル、生いくら、エシャロットの揚げたもの、コリンキー(フランス産南瓜)、小さな甘いトマト、黒オリーブの粉等々が載せられていて添え物が多彩です。さらに紫キャベツのソースが彩りを添えてくれていました。
ホワイトチョコと広島産レモンを使ったエスプーマを中に忍ばせた「ブラス」のショコラクランのようなデザートもまたすごくボリュームがあり満足です。客を最後まで涸れさせないお料理の数々に感心し、最後まで楽しい食事を堪能いたしました。
こちらはカウンターから厨房がそのまま見える造りになっていて、飽きさせさせませんね。調理の方々はそれだけ緊張感が高いかもしれません。
シェフは調理をもちろんされていますが、それよりもサービスをするスタイルのお店で、この日も最初のメニュー説明からつきっきりというくらいおつきあいいただいて、お料理のこと、食材のことお話を沢山聞けてとても楽しかったです。お皿も基本的にはシェフが運んで下さって、お客さんに美味しいものを届けるぞと言う熱意を感じていました。
ただこのお店で残念なことが一つありました。サービスがプロフェッショナルからはほど遠い、ということです。前言と矛盾するかのようですが、シェフがお皿を運んでくれたり、説明をしてくれたりと、それはそれでプロのお仕事と感じ入るのですが、本職のサービスの仕事ぶりが悲しくなるようなものでした。
ちょっとサービスのレベルが低い位では来るお客は減らないかもしれませんが、確実に来なくなっている客層もあるはずで、シェフの情熱やお料理などを考えるとそれはとても残念なことだと思わずにいられませんでした。
色々と挙げることができますが、一番は最後に所望したハーブティーのお代わりを、閉店時間を過ぎていますからと断られたこと。これまでグランドメゾンに限らず、カジュアル店でもそのような言葉は聞いたことがなく、驚きでした。
そしておそらく、これからもきっとそのような体験をすることはないでしょう。
別にお茶一杯で何が変わるわけでもないと思われるかも知れませんし、実際強く主張するほどでもないと思い、そのままにしましたが、美味しいお料理を頂いて余韻に浸っていて、最後にもう一息ついていこうかというところで出鼻をくじかれた感じでした。
その女性の頭の中ではここで茶を出すと洗い物が増える、自分の休憩時間が減るといったことしか頭になかったのでしょうか。そんな考慮を客にさせている時点でサービスを仕事とすることをやめた方がいいのではと思います。
ちなみに、お茶のお代わりは、そのお断りの文句を言ったサービスの女性にではなく、シェフではない料理人の方にお願いして受けてくださっていた状況でしたし、店内にはまだ複数のお客さんが滞留しているような状況でした。
このブログではあまりいい思いをしなかったお店については基本的に書かないことにしていますが、こちらのシェフがいいお料理、サービスをしてくださっていただけに何ともそのミスマッチが残念で、あえて書かせて頂きました。
今回の私の感想は多分に主観的なものでありますので、皆様ご自身でお料理やサービスを体験してご判断していただいたらと思います。
(いただいたもの)
ジビエ料理コース
本日のスープ:紅芯大根のポタージュスープ
前菜:瞬間燻製をかけたサーモンミディアム カリフラワームース バルサミコ バジル
箸休め:信州産松茸を使ったミニピザ
メイン:スコットランド産雷鳥のソテー 茸類、フォワグラ添え
本日のデザート:ホワイトチョコ、広島産レモンのエスプーマ入りビスキュイ
お酒(すべてグラスで)
・ キールロワイヤル(クレーム・ドゥ・カシス+ルイ・ロデレール)
・ 白ワイン:ボルドー(シャランデル)2012年
→シャーオーブリンにインスピレーションを得たという白ワイン

・ 赤ワイン:シャトーヌフ・ドゥ・パープ(クロ・ドゥ・ロラトワール・デ・パープ)2011年
ジビエコースということで前菜も含めてジビエ料理の提供があるのかと期待していましたが、予約の際の店員さんの説明があまりよくなかったようで、お店に着いてメニューを見ると前菜は普通のお料理でちょっぴり残念でした。
とはいえ、初めての雷鳥を食べることができて総じて満足のいく食体験となりました。雷鳥といえば以前パリの三つ星店「ギー・サヴォワ」でものすごい値段で提供されていたのを見た記憶がありました。そこではお二人様からの注文とのことで、当時は食べることができなかったので、こうして名古屋で味わうことができてとてもラッキーでした。ビストロということでお値段抑えめで提供していただけてそれも良かったです。
ちなみにこの日いただいた雷鳥はスコットランド産とのことで、そういえばロンドンの老舗料理店などでも秋冬になると“ゲーム”と称していわゆるジビエを食すようで、スコットランド産雷鳥もメニューに上っていた気がします。
日本の雷鳥は天然記念物なので食卓に上がることはありえないでしょうね。

その雷鳥料理ですが、一人前が丁度半羽分とのことで、少しわかりづらいですが足が宙に浮くように斜めにこちらに向かうように置かれています。
ももの部分や胸の部分その他もう一つくらい他の部位のお肉が盛りだくさんでした。部位ごとに味わいが変わり、一番くせのあるところは鉄分が濃く、これぞ強い赤ワインとともにいただく醍醐味のあるお肉と思いました。

この日合わせて提供して頂いたのはシャトーヌフ・ドゥ・パープで、ブレンドするこのお酒はアルコール分が強い印象で元々あまり好きではありませんでしたが、この日の濃厚な野生肉には提案された中ではこれがやはり一番合っていたのかなと思いました。
雷鳥は青魚を食べるとシェフに教えて頂き、雷鳥を食べてみると確かに鯖の香りがしていて、食材とそのえさの関係の強さを改めて感じました。
メインのジビエ料理に入る前にスープ、前菜が供されましたが、どれも多彩な旬の食材を用いた素敵なお料理でした。お皿全体の印象としては、緻密に計算され構築されたお皿というよりは、どちらかというと自然の恵みを楽しむおおらかなお皿という感じがしました。

ピンク色が鮮やかな紅芯大根のポタージュスープには、地元産のむかご、信州産松茸、ズワイガニが入っています。贅沢です。

また、小樽のドナルドサーモンを瞬間燻製して、半生で供する前菜には、カリフラワームース、バジルソースの他に、パルメザンチーズのチュイル、生いくら、エシャロットの揚げたもの、コリンキー(フランス産南瓜)、小さな甘いトマト、黒オリーブの粉等々が載せられていて添え物が多彩です。さらに紫キャベツのソースが彩りを添えてくれていました。
ホワイトチョコと広島産レモンを使ったエスプーマを中に忍ばせた「ブラス」のショコラクランのようなデザートもまたすごくボリュームがあり満足です。客を最後まで涸れさせないお料理の数々に感心し、最後まで楽しい食事を堪能いたしました。
こちらはカウンターから厨房がそのまま見える造りになっていて、飽きさせさせませんね。調理の方々はそれだけ緊張感が高いかもしれません。
シェフは調理をもちろんされていますが、それよりもサービスをするスタイルのお店で、この日も最初のメニュー説明からつきっきりというくらいおつきあいいただいて、お料理のこと、食材のことお話を沢山聞けてとても楽しかったです。お皿も基本的にはシェフが運んで下さって、お客さんに美味しいものを届けるぞと言う熱意を感じていました。
ただこのお店で残念なことが一つありました。サービスがプロフェッショナルからはほど遠い、ということです。前言と矛盾するかのようですが、シェフがお皿を運んでくれたり、説明をしてくれたりと、それはそれでプロのお仕事と感じ入るのですが、本職のサービスの仕事ぶりが悲しくなるようなものでした。
ちょっとサービスのレベルが低い位では来るお客は減らないかもしれませんが、確実に来なくなっている客層もあるはずで、シェフの情熱やお料理などを考えるとそれはとても残念なことだと思わずにいられませんでした。
色々と挙げることができますが、一番は最後に所望したハーブティーのお代わりを、閉店時間を過ぎていますからと断られたこと。これまでグランドメゾンに限らず、カジュアル店でもそのような言葉は聞いたことがなく、驚きでした。
そしておそらく、これからもきっとそのような体験をすることはないでしょう。
別にお茶一杯で何が変わるわけでもないと思われるかも知れませんし、実際強く主張するほどでもないと思い、そのままにしましたが、美味しいお料理を頂いて余韻に浸っていて、最後にもう一息ついていこうかというところで出鼻をくじかれた感じでした。
その女性の頭の中ではここで茶を出すと洗い物が増える、自分の休憩時間が減るといったことしか頭になかったのでしょうか。そんな考慮を客にさせている時点でサービスを仕事とすることをやめた方がいいのではと思います。
ちなみに、お茶のお代わりは、そのお断りの文句を言ったサービスの女性にではなく、シェフではない料理人の方にお願いして受けてくださっていた状況でしたし、店内にはまだ複数のお客さんが滞留しているような状況でした。
このブログではあまりいい思いをしなかったお店については基本的に書かないことにしていますが、こちらのシェフがいいお料理、サービスをしてくださっていただけに何ともそのミスマッチが残念で、あえて書かせて頂きました。
今回の私の感想は多分に主観的なものでありますので、皆様ご自身でお料理やサービスを体験してご判断していただいたらと思います。
(いただいたもの)
ジビエ料理コース
本日のスープ:紅芯大根のポタージュスープ
前菜:瞬間燻製をかけたサーモンミディアム カリフラワームース バルサミコ バジル
箸休め:信州産松茸を使ったミニピザ
メイン:スコットランド産雷鳥のソテー 茸類、フォワグラ添え
本日のデザート:ホワイトチョコ、広島産レモンのエスプーマ入りビスキュイ
お酒(すべてグラスで)
・ キールロワイヤル(クレーム・ドゥ・カシス+ルイ・ロデレール)
・ 白ワイン:ボルドー(シャランデル)2012年
→シャーオーブリンにインスピレーションを得たという白ワイン

・ 赤ワイン:シャトーヌフ・ドゥ・パープ(クロ・ドゥ・ロラトワール・デ・パープ)2011年
- 関連記事
-
- レストラン訪問記:表参道/六本木「レフェルヴェソンス」(★★)
- レストラン訪問記:千種(名古屋)「ビストロ ダイア」
- レーヌデプレ(京都・河原町丸太町)★