Koju*** (Tokyo) 小十(銀座八丁目)★★★
初めての三つ星和食を体験すべく銀座へ。銀座で夜を過ごすのはいかほどぶりのことか。
自分が枯れつつあるのがわかりさみしい限りです。が、しかしこの日は違いました。
この日は接待での文脈で訪問。お店には接待する方の特徴や苦手なもの、食事の趣旨など伝えてありました。
リクルート社の裏手、クラブが林立する小路にひっそりとあるのがこちらのお店。入り口も小さくとてもわかりづらいです。
静かに入店。するとお客様もほぼ同時に到着されて一緒に席につきました。
店内はとても小さく、カウンター6席と4人用個室が二つだけ。
カウンター席が文句なくお勧め席です。
それというのもこちらのカウンターの大きさが絶妙で、小さな箱の中に板場も客席も収まっているような造りで、ミニマルながらとてもくつろげるようになっているから。
目の前に見えるのが調理場という舞台なら、我々の座っている側はそれこそ劇場の客席さながら。
それでいて一席一席の空間はゆったりとしていて、とてもくつろげるのです。バランスがとてもよいのでしょう。不思議な体験です。
調理場の職人のてさばきがとてもきれいに見えるように照明も工夫されているようで、どこを見ていても見飽きることがありません。
私のお客様もまずはこの気の置けない感じの空間に感嘆していました。
この日は三つあるコースの中から一番お値段の張らないコースを予約してありました。
さて、お料理はというときれいな器に載せられた正当和食という感じでしょうか。
味だけでいうなら、また皿の上のたたずまいだけを見るならば京都のレベルの方が高いかもしれません。
けれども料理に工夫が感じられ、全体の流れでとても幸せな美食体験ができるのは確か。
ミシュランが三つ星を献じた理由は不明ですが、ここに一つの美食の高みがあることは否定できないと思われます。そのこぢんまりとしたカウンターの美しい空間もあいまって。
この日とてもよいと思えたのは、帆立の真丈のお椀、お造り(なかでもアオリイカ!)、天然鰻の小丼でしょうか。
アオリイカはとてもきれいに包丁が入れてあって、食べやすく、その質がそこいらのイカとは全く別物であることが明らかなお味。ねっとりと舌に絡む、それは初めてといってもいいくらいの体験でした。恥ずかしながら。
お酒について言えば、最初はまず生ビールから。陶製の器に入れられた生ビールの泡がとてもきめ細やかで美味しい。
さらに日本酒を注文します。日本酒は数種類あって、まずはお勧めの新酒を。高知の安芸虎の新酒をいただきましたが、とてもフルーティで大当たり。
ついで松の司の純米大吟醸を。メロンのかすかなニュアンスがある、何とも繊細なお酒。普段決して飲まないレベルなので、文字通り酔いしれました。
お客様との会話の7割はフランス語だったため、また予約の段階でお客様が外国の方であることを伝えてあったこともあるのか、とても丁寧に遇して頂いたのも確かなこと(笑)。ミシュラン効果がこんなところにもあって嬉しいことです。
まず席に着いた段階で店主からお名刺をいただきました。
それから、最後の小丼は、他のお客さんは鯛飯だったところを我々だけ別のもの(天然鰻の小丼)だったよう。
魚の格で言えばもちろん鯛が上位でしょうが、純粋に食材の入手しがたさ、貴重さで言えば天然鰻に軍配が上がるはず。店主の心意気をそこに感じたものでした。
天然の鰻は妙に脂っぽいところがなく(蒸しを入れていませんが)、肉に弾力があり、皮目はぱりぱりで、それは貴重な美食体験でした。
さらに最後には店主自ら見送りをして下さって、そのお心遣いに感じ入りました。
出てくるもの、その体験の貴重さからすればお勘定は極めてリーズナブル。さらに言えばお勘定の端数を切り捨てて請求して頂いたようでした。
また是非にうかがいたいと思います。
後日談があって、メニューをお願いしたところ郵送して下さるとのことでした。後日、自宅にてきれいに書かれたメニューを受け取り、丁寧な対応にさらに感じ入りました。
深夜までやっていて、9時以降はさらにリーズナブルなコースおよびアラカルトの注文が可能になるようで、なんとも使い勝手のよい名店だと感じます。
機会あればぜひ行かれて下さい。
今日頂いた一番リーズナブルなコースで十二分に満足するはずです。
また、たとえ4人であったとしても、やはりカウンターを体験すべきと思います。
(いただいたもの)
コース
・付出し(1):サヨリ、小柱、水菜 すだち和え
・付出し(2):渡り蟹 若布酢ゼリー
・お椀:帆立貝真丈 舞茸 (紅白の模様)
・お造り:本鮪(大間)、鮃(鳴門)、アオリイカ
・焼き物:鰆 味噌幽庵焼き
・炊き合わせ:かぶら、海老芋、穴子、京人参
・ご飯もの:天然鰻(熊本・天草)蒲焼き丼、おみそ汁、香の物
・デザート(1):ラ・フランス・巨峰 ゼリー寄せ
・デザート(2):鉄観音あんみつ(寒天寄せと鉄観音のアイス)
自分が枯れつつあるのがわかりさみしい限りです。が、しかしこの日は違いました。
この日は接待での文脈で訪問。お店には接待する方の特徴や苦手なもの、食事の趣旨など伝えてありました。
リクルート社の裏手、クラブが林立する小路にひっそりとあるのがこちらのお店。入り口も小さくとてもわかりづらいです。
静かに入店。するとお客様もほぼ同時に到着されて一緒に席につきました。
店内はとても小さく、カウンター6席と4人用個室が二つだけ。
カウンター席が文句なくお勧め席です。
それというのもこちらのカウンターの大きさが絶妙で、小さな箱の中に板場も客席も収まっているような造りで、ミニマルながらとてもくつろげるようになっているから。
目の前に見えるのが調理場という舞台なら、我々の座っている側はそれこそ劇場の客席さながら。
それでいて一席一席の空間はゆったりとしていて、とてもくつろげるのです。バランスがとてもよいのでしょう。不思議な体験です。
調理場の職人のてさばきがとてもきれいに見えるように照明も工夫されているようで、どこを見ていても見飽きることがありません。
私のお客様もまずはこの気の置けない感じの空間に感嘆していました。
この日は三つあるコースの中から一番お値段の張らないコースを予約してありました。
さて、お料理はというときれいな器に載せられた正当和食という感じでしょうか。
味だけでいうなら、また皿の上のたたずまいだけを見るならば京都のレベルの方が高いかもしれません。
けれども料理に工夫が感じられ、全体の流れでとても幸せな美食体験ができるのは確か。
ミシュランが三つ星を献じた理由は不明ですが、ここに一つの美食の高みがあることは否定できないと思われます。そのこぢんまりとしたカウンターの美しい空間もあいまって。
この日とてもよいと思えたのは、帆立の真丈のお椀、お造り(なかでもアオリイカ!)、天然鰻の小丼でしょうか。
アオリイカはとてもきれいに包丁が入れてあって、食べやすく、その質がそこいらのイカとは全く別物であることが明らかなお味。ねっとりと舌に絡む、それは初めてといってもいいくらいの体験でした。恥ずかしながら。
お酒について言えば、最初はまず生ビールから。陶製の器に入れられた生ビールの泡がとてもきめ細やかで美味しい。
さらに日本酒を注文します。日本酒は数種類あって、まずはお勧めの新酒を。高知の安芸虎の新酒をいただきましたが、とてもフルーティで大当たり。
ついで松の司の純米大吟醸を。メロンのかすかなニュアンスがある、何とも繊細なお酒。普段決して飲まないレベルなので、文字通り酔いしれました。
お客様との会話の7割はフランス語だったため、また予約の段階でお客様が外国の方であることを伝えてあったこともあるのか、とても丁寧に遇して頂いたのも確かなこと(笑)。ミシュラン効果がこんなところにもあって嬉しいことです。
まず席に着いた段階で店主からお名刺をいただきました。
それから、最後の小丼は、他のお客さんは鯛飯だったところを我々だけ別のもの(天然鰻の小丼)だったよう。
魚の格で言えばもちろん鯛が上位でしょうが、純粋に食材の入手しがたさ、貴重さで言えば天然鰻に軍配が上がるはず。店主の心意気をそこに感じたものでした。
天然の鰻は妙に脂っぽいところがなく(蒸しを入れていませんが)、肉に弾力があり、皮目はぱりぱりで、それは貴重な美食体験でした。
さらに最後には店主自ら見送りをして下さって、そのお心遣いに感じ入りました。
出てくるもの、その体験の貴重さからすればお勘定は極めてリーズナブル。さらに言えばお勘定の端数を切り捨てて請求して頂いたようでした。
また是非にうかがいたいと思います。
後日談があって、メニューをお願いしたところ郵送して下さるとのことでした。後日、自宅にてきれいに書かれたメニューを受け取り、丁寧な対応にさらに感じ入りました。
深夜までやっていて、9時以降はさらにリーズナブルなコースおよびアラカルトの注文が可能になるようで、なんとも使い勝手のよい名店だと感じます。
機会あればぜひ行かれて下さい。
今日頂いた一番リーズナブルなコースで十二分に満足するはずです。
また、たとえ4人であったとしても、やはりカウンターを体験すべきと思います。
(いただいたもの)
コース
・付出し(1):サヨリ、小柱、水菜 すだち和え
・付出し(2):渡り蟹 若布酢ゼリー
・お椀:帆立貝真丈 舞茸 (紅白の模様)
・お造り:本鮪(大間)、鮃(鳴門)、アオリイカ
・焼き物:鰆 味噌幽庵焼き
・炊き合わせ:かぶら、海老芋、穴子、京人参
・ご飯もの:天然鰻(熊本・天草)蒲焼き丼、おみそ汁、香の物
・デザート(1):ラ・フランス・巨峰 ゼリー寄せ
・デザート(2):鉄観音あんみつ(寒天寄せと鉄観音のアイス)
銀座 小十 (割烹・小料理 / 新橋、内幸町、銀座)
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