レストラン訪問記:表参道/六本木「レフェルヴェソンス」(★★)
昨年発売のミシュラン東京2015にて二つ星に昇格したフランス料理店でランチをいただいてきました。この日はお祝いの文脈でしたので、すべてお任せといった感じでしたが、とても楽しい時間をすごすことができました。

店内入るとまずは右手にある打ちっ放しが印象的なややカジュアルな印象のサロンに通されます。外から見える場所でもあり、光が入る分くだけた感じがします。ただ備え付けのソファーはとても豪勢な革張りでとても快適ですね。
しばらくして店内に案内されましたが、時間に余裕があればサロンで食前酒を頂いたり、あるいは食後お茶を頂いたりもできるのでしょうか。ちょっと気になりました。
さて店内の作りは少しイレギュラーで、サルの真ん中に下に降りる階段が備えられていて、ここからトイレにいく形になります。
下にはトイレ以外に個室、キッチンがあり、階段から降りると丁度キッチンの方々と対面する形なので少しばつが悪い感じ。声を掛けてもらえるのですが、ちょっぴり申し訳ない気になったりもします。
もっと大きなサルをイメージしていましたが、階段が中央にあることもあり、実はあまり大きくないのかなと思います。半個室風の席、普通のテーブル席が奥に並び、手前には数卓独立の丸テーブルがあります。
端にいると落ち着くかも知れませんが、お店の華になるのはやはり中央の独立の丸テーブルの方でしょう。ドレスアップした紳士、淑女はこちらに席を得るべきではと思います。
この日は夜のお料理を縮小版で提供して下さるという方のやや長めのコースをいただきました。
お料理は私の好きな現代風で、「ブラス」や「ファット・ダック」などの現代風フレンチの三つ星店出身というシェフのご経歴からして前々から興味がひかれていたお店でした。
和食風の料理名で和風な風味付けのお料理であったり、シンプルな野菜の料理であったり、軽やかな美しい盛りつけであったりと変化に富んでいて見た目にも楽しめるお料理の数々でした。
鮟鱇はフランス料理でも冬にはある意味定番の食材で、淡泊すぎる身が正直あまり好みではなく、この日は外側をきれいにバターで仕上げてくれていましたが、それでもやや水分が身に残っていて調理の難しさを感じていました。


ただ、ふきよせと題されたお料理は、盛りつけがとても美しいです。柚子皮をちらしてあって、お料理の名前だけではなく盛りつけや風味にも和の趣を存分に感じました。
一番印象的だったのは、お店のスペシャリテという蕪のお料理でした。
通年通して提供されるとのことですが、旬の今の時期に味わうことができてよかったです。
4時間調理されているとのことですが、そんな余計な知識を軽く飛び越えていく食感とお味で、これは一度味わうべき一品でしょう。口の中に広がる旨味がすごい。二切れありましたが、二切れ目の方がより旨味を感じた気がして、もしかしたらその辺りも計算されているのかなと思いました。

フォワグラはとてもさっぱりとした仕上がりのナチュレルというお料理で、名前だけは最近ちらほら見かけていましたが、フォワグラの美味しいところだけを抽出してヘルシーに食べられるようにしてある感じで、しつこさ、重さ、臭みをみじんも感じさせません。フォワグラのいいとこ取りをしているお料理で、技が光っています。
鴨は外側が炭火で焼かれていてぱりっとしていますが、半生の焼き加減がまた絶妙で、赤身ですが脂身では楽しめない美味しさを存分に楽しめました。

デザートのモンブランは現代風の新解釈でといったところでしょうか。
メレンゲの壁を崩しつつ、茨城産の栗のクリームであったり、ブールノワゼットのアイスだったりを少しずつ発見していく趣向で楽しく、美味しく頂きました。
パンは三種類頂きましたが、毎回きちんと温めてあり、それぞれとても美味しく、相当にこだわっている感じがしました。
また、お料理とともにグラスワインを頂きましたが、白であれば半量での提案もして頂けたりして、ロワール地方の自然派の甘口も楽しめたりして楽しかったです。
サービスはすきがなく、適切なプロのサービスで頭が下がります。
トイレに行く際には必ず案内してくれる方が一人つくようで、階段がそこそこ急なのでこれはありがたいですね。とはいえ、ここではお酒の飲み過ぎにはくれぐれも注意が必要でしょう。
最後シェフが全卓をまわられていましたが、初めてお目にかかったシェフは繊細でとても礼儀正しい方という印象でした。いい意味で少年のような目をされていたような。こちらも色々と質問すればよかったのでしょうが、この日はあまり余裕がなくごあいさつするので一杯でした。また次回以降色々おしゃべりできたらと思います。
お料理やらそれに付随するパンやお茶、それにサービスのレベルを考えると、ランチはとてもお値打ちだと感じます。週末はやはり予約が取りづらそうですが、また近いうちにうかがいたいなあと思っていました。
他にもいきたいお店はいくらもあるのですが、定番をさがす旅の途上でまた一つよい出会いがあったとしみじみ感じたすてきなランチ体験でした。
(いただいたもの)
おでかけ(=コース名)
(飲み物は別料金)
食前酒:
季節のカクテル(苺のシャンパンカクテル)
(→繊細でとても美味しいカクテルでした。)
あん肝、根セロリ、セロリを2口で〜
ふきよせ〜
鮟鱇のロティ&大根、ムール貝、白味噌、辛子水菜、百合根、柚子
定点〜
丸ごと火入れした蕪とイタリアンパセリのエミュルション、
バスク黒豚のジャンボンセック&ブリオッシュ
グラス白ワイン(半量):
AOC コート・デュ・ジュラ
レ・ゴドレット(シャルドネ)
2010年
フォワグラのナチュレルと金柑のコンポート、
生姜、フロマージュブラン、菊芋のピュレとクリュ、春菊の葉
グラス白ワイン(半量):
ロワール地方シュナン・ブラン(自然派甘口ワイン)
カラクテール
2011年
炎〜
フランス・シャラン産鴨胸肉のロティ、
ビーツのピュレ&日本酒に漬けた干し柿、カーボロネロ、シャントレル茸、黒胡椒
グラス赤ワイン:
AOC コルビエール
ラ・バロンヌ “アラリック”
2011年
熟成和栗のクリームと竹炭プララン、
ブールノワゼットのアイスクリーム、黒オリーブ、タカラ牧場の「小さなトム」のムース
おしゃべりのひととき(小菓子)
パン:三種

店内入るとまずは右手にある打ちっ放しが印象的なややカジュアルな印象のサロンに通されます。外から見える場所でもあり、光が入る分くだけた感じがします。ただ備え付けのソファーはとても豪勢な革張りでとても快適ですね。
しばらくして店内に案内されましたが、時間に余裕があればサロンで食前酒を頂いたり、あるいは食後お茶を頂いたりもできるのでしょうか。ちょっと気になりました。
さて店内の作りは少しイレギュラーで、サルの真ん中に下に降りる階段が備えられていて、ここからトイレにいく形になります。
下にはトイレ以外に個室、キッチンがあり、階段から降りると丁度キッチンの方々と対面する形なので少しばつが悪い感じ。声を掛けてもらえるのですが、ちょっぴり申し訳ない気になったりもします。
もっと大きなサルをイメージしていましたが、階段が中央にあることもあり、実はあまり大きくないのかなと思います。半個室風の席、普通のテーブル席が奥に並び、手前には数卓独立の丸テーブルがあります。
端にいると落ち着くかも知れませんが、お店の華になるのはやはり中央の独立の丸テーブルの方でしょう。ドレスアップした紳士、淑女はこちらに席を得るべきではと思います。
この日は夜のお料理を縮小版で提供して下さるという方のやや長めのコースをいただきました。
お料理は私の好きな現代風で、「ブラス」や「ファット・ダック」などの現代風フレンチの三つ星店出身というシェフのご経歴からして前々から興味がひかれていたお店でした。
和食風の料理名で和風な風味付けのお料理であったり、シンプルな野菜の料理であったり、軽やかな美しい盛りつけであったりと変化に富んでいて見た目にも楽しめるお料理の数々でした。
鮟鱇はフランス料理でも冬にはある意味定番の食材で、淡泊すぎる身が正直あまり好みではなく、この日は外側をきれいにバターで仕上げてくれていましたが、それでもやや水分が身に残っていて調理の難しさを感じていました。


ただ、ふきよせと題されたお料理は、盛りつけがとても美しいです。柚子皮をちらしてあって、お料理の名前だけではなく盛りつけや風味にも和の趣を存分に感じました。
一番印象的だったのは、お店のスペシャリテという蕪のお料理でした。
通年通して提供されるとのことですが、旬の今の時期に味わうことができてよかったです。
4時間調理されているとのことですが、そんな余計な知識を軽く飛び越えていく食感とお味で、これは一度味わうべき一品でしょう。口の中に広がる旨味がすごい。二切れありましたが、二切れ目の方がより旨味を感じた気がして、もしかしたらその辺りも計算されているのかなと思いました。

フォワグラはとてもさっぱりとした仕上がりのナチュレルというお料理で、名前だけは最近ちらほら見かけていましたが、フォワグラの美味しいところだけを抽出してヘルシーに食べられるようにしてある感じで、しつこさ、重さ、臭みをみじんも感じさせません。フォワグラのいいとこ取りをしているお料理で、技が光っています。
鴨は外側が炭火で焼かれていてぱりっとしていますが、半生の焼き加減がまた絶妙で、赤身ですが脂身では楽しめない美味しさを存分に楽しめました。

デザートのモンブランは現代風の新解釈でといったところでしょうか。
メレンゲの壁を崩しつつ、茨城産の栗のクリームであったり、ブールノワゼットのアイスだったりを少しずつ発見していく趣向で楽しく、美味しく頂きました。
パンは三種類頂きましたが、毎回きちんと温めてあり、それぞれとても美味しく、相当にこだわっている感じがしました。
また、お料理とともにグラスワインを頂きましたが、白であれば半量での提案もして頂けたりして、ロワール地方の自然派の甘口も楽しめたりして楽しかったです。
サービスはすきがなく、適切なプロのサービスで頭が下がります。
トイレに行く際には必ず案内してくれる方が一人つくようで、階段がそこそこ急なのでこれはありがたいですね。とはいえ、ここではお酒の飲み過ぎにはくれぐれも注意が必要でしょう。
最後シェフが全卓をまわられていましたが、初めてお目にかかったシェフは繊細でとても礼儀正しい方という印象でした。いい意味で少年のような目をされていたような。こちらも色々と質問すればよかったのでしょうが、この日はあまり余裕がなくごあいさつするので一杯でした。また次回以降色々おしゃべりできたらと思います。
お料理やらそれに付随するパンやお茶、それにサービスのレベルを考えると、ランチはとてもお値打ちだと感じます。週末はやはり予約が取りづらそうですが、また近いうちにうかがいたいなあと思っていました。
他にもいきたいお店はいくらもあるのですが、定番をさがす旅の途上でまた一つよい出会いがあったとしみじみ感じたすてきなランチ体験でした。
(いただいたもの)
おでかけ(=コース名)
(飲み物は別料金)
食前酒:
季節のカクテル(苺のシャンパンカクテル)
(→繊細でとても美味しいカクテルでした。)
あん肝、根セロリ、セロリを2口で〜
ふきよせ〜
鮟鱇のロティ&大根、ムール貝、白味噌、辛子水菜、百合根、柚子
定点〜
丸ごと火入れした蕪とイタリアンパセリのエミュルション、
バスク黒豚のジャンボンセック&ブリオッシュ
グラス白ワイン(半量):
AOC コート・デュ・ジュラ
レ・ゴドレット(シャルドネ)
2010年
フォワグラのナチュレルと金柑のコンポート、
生姜、フロマージュブラン、菊芋のピュレとクリュ、春菊の葉
グラス白ワイン(半量):
ロワール地方シュナン・ブラン(自然派甘口ワイン)
カラクテール
2011年
炎〜
フランス・シャラン産鴨胸肉のロティ、
ビーツのピュレ&日本酒に漬けた干し柿、カーボロネロ、シャントレル茸、黒胡椒
グラス赤ワイン:
AOC コルビエール
ラ・バロンヌ “アラリック”
2011年
熟成和栗のクリームと竹炭プララン、
ブールノワゼットのアイスクリーム、黒オリーブ、タカラ牧場の「小さなトム」のムース
おしゃべりのひととき(小菓子)
パン:三種
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