レストラン訪問記:三宮「エスピス」(掲載なし)
シェフは以前系列の「ノット」で一つ星を取られた方のようです。ただ、結論から言うと、技術、志ある点も見られ、大失点はありませんでしたが、シェフのセンスが欠けると思うところもあり、またサービスその他で気になったところがあり、基本再訪は厳しいと思いました。
料理の量は多すぎずちょうど良い感じではありました。ただ、ノンアルコールのカクテルの量があまりに少なく、出てくるスナックの量とアンバランスで、食事を十分に楽しむことができませんでした。
サービスは基本ファミレスレベルと感じます。客が口にものを入れている時、食事を一番楽しんでいるはずの時に声を掛けるのは論外ですが、それが二度もありました。何も考えていないか、自分が中心になっているのでしょう。食事を楽しみに来ているのに、その食事を中断させてまで話させる大事な話があるのでしょうか。客のことを考えたらまずできない動きです。
また、料理、サービスとは関係ないですが、座ったカウンター席はトイレの洗剤の香りが強くて食事の邪魔をしていました。これはお店がちゃんと考えるべきところでしょう。
(頂いたもの)
ランチコース7623(税サ込み)
カトラリー(引き出しの中)と当日のメニュー
テーブルセッティング (右下)おしぼり クランベリーの香りで
いくら(普通に美味しいです。)
ウニ(磯の香りと茄子の燻製香強かったです。)
人参(普通のキャロットラペのタルトでした。)
コンテチーズ(甘いです。)
ポルチーニ(枯れた香りです。)
シャンパンスナック5種:いくら、ウニ、人参、コンテチーズ、ポルチーニ
オリジナルノンアルコールカクテル1155(税サ込み)
(量がとても少ないです。香りがやや強い印象でした。食材の香りを邪魔するかもしれません。)
鰆
(鰆は燻してあり香りがあります。ものは良いだろうに、塩気が全くないので美味しいと感じる要素がありませんでした。ソース、オイルと一緒に食すという趣旨かもしれませんが、食べにくいです。こういうところにセンスの欠如を感じます。)
カリフラワー
(甘いホワイトチョコを使っていて違和感ありました。キャビア使用のソース(左の灰色の塊)は魚卵の濃い味で良いのですが、二つの背反する方向の味付けとなり、どっちつかずで、何を目指しているのか分かりにくい皿でした。)
パン
(温めて提供されます。二種のオリジナルバターで。パンは有名なお店のものとのこと。もっちりしていて美味しいです。)
パンの端材のブランマンジェ
(趣向は素敵ですね。パリの「アストランス」(当時売り出し始めでまだ一つ星でした)でこれ何のスープでしょうかと支配人に問われてパンのスープが出されたことを思い出します。白かびのような形状の胡椒の泡が載っているのですが、これらを全部一緒に食べると香りがわからなくなりました。皿は温めていませんでした。)
鮟鱇
(火入れは良いです。繊細な白身で、新鮮と感じました。ある意味定番のフランス料理の調理でしょうか。肝も使えると良かったですが、身だけ仕入れているので無理なのでしょう。最後にかけたソースはたしかにポルチーニの香りがしました。皿は温めて提供されていました。)
蝦夷鹿
(皿は温めて提供されていました。ロゼの焼き加減が良く、柔らかくてジューシーなお肉で、旨味あり美味しかったです。日本蕎麦の焼きそばは意外ですが、味が濃い目でこれも良いです。トリュフはやや香る程度でした。作りは荒いですがトリュフ入りのマッシュポテトもうれしかったです。茶色のソースはたしかにレーズンの香り、甘味がありました。灰色のソースは牛蒡が香っていました。)
お口直しの水:水出しの酢橘、ミント、レモンバウム、ローズマリーの水
(結構香ります。香りの元はレモンバウム、ローズマリーでしょうか。)
デセール:牛蒡
(オリジナルを追求しているのは良いでしょう。牛蒡のデセールは斬新です。季節でもあり、一つのデセールとして完成させている思いは評価できました。ただ、苺が旬の季節にあえて牛蒡をメインのデセールに据える勇気は評価しますが、苺を圧倒的に超えなければ意味がないのであって、チャレンジは完全に裏目に出ていました。二品出るうちの一つがこれというならまだ良かったのでしょうが。)
フレッシュミントティー
フレッシュのハーブティーは貴重で有り難いのですが、おかわりなかったのは残念でした。
マドレーヌ(味は普通ですが小さ過ぎです。)
カヌレ(香りありますが、マカロンほどの美味しさはなかったです。)
マカロン(メイプルの香り良く美味しかったです。)
ミニャルディーズ:マドレーヌ、カヌレ、マカロン