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レストラン訪問記:和歌山市「オテルドヨシノ」(★)

昨年11月に初めて伺ったこちらへ、季節の真鴨をリクエストした上での訪問でした。ところが、電話でしっかり打ち合わせていたにも関わらず、しれっと別の食材(マルカッサン(=仔猪))がメインに入り込んでいるのを最初に見つけ、一気にテンションが下がってしまいました。


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サルの様子

季節のど真ん中で、リクエストをしていて、他のお店(大阪市「イデアルビストロ」、伊賀市「レチュード」、京都市「祇園まんま」(記事未掲載))でもきちんと御用意くださっていたり、何ならリクエストなしに提供されたお店もあった(佐倉市「プレゼンテスギ」(記事未掲載))のに、何故ここはそれができないのかと、不信感が募りました。食事中、定期的にそのことが頭に去来して、今回はソムリエの方が色々なお酒をサービスしてくれていましたが、それでもその残念感は消えませんでした。

季節物とはいえ、自然相手のことですから、入手できないこともあるでしょうが、他のお店ではきちんと用意してくれていたこともあって、やはり努力が足りないのではと思いました。

電話予約の段階で、天然の真鴨をお願いすると、通常のコース料金では無理で、17,600円のコースなら可能とのことでしたので、そのコースをお願いしていました。先方としては、予約でそのコース料金を領収できることが確定していますから、正直利益相反というか、食材収集に対して大して熱意を持たなくても、ビジネス的には成立しているので、熱心に食材を探し求めなかったとも解釈できます。そうだとしたらなんとも残念です。

そのせいか分かりませんが、最後、シェフの挨拶はなく、ばつが悪くて出てこなかったと理解しました。あるいはこの日は御不在でしたでしょうか。いずれにしても、上記の、リクエストをしっかり聞いて果たしてくれた他のお店の誠実さや熱心さを思う時、これはシェフやお店としては大失態でしょう。

真鴨の代役としてメインに居座った仔猪ですが、やや身も固く、到底真鴨の代役を務めるに足りる役者ではありませんでした。

誠意のあるお店であれば、リクエストした食材が手に入らないなら、客に連絡をして、その食材はないが、他の良い食材(仔猪)があるから、それで良いか確認したでしょう。その食材を使うために高いコースにすることを店の方から要求した経緯があるからです。

正直食べたいと思ってお願いした真鴨に代わりうるような食材でなければ、17,600円のコースをお願いする動機はこちらにはなく、前回満足できた9680円のコースでお願いしたはずです。

もちろん高いコースなので、皿数が一皿だけ増え、食材が多少良くなっているのですが、それもちょっとだけキャビアが入った軽めの冷前菜が増え、コンソメに黒トリュフの浮き実が入ったり、パテにトリュフが少し入ったくらいの違いで、値段がほぼ倍増しているだけの価値あるものを提供されたとは到底感じられませんでした。リクエストしていたものが提供されていない段階で、相当に心くじかれていますので、それを挽回するだけのお料理は正直頂けませんでした。

こういうことがあると交通が不便であるのにそれをおしてまで再訪しようとはとても思えなくなります。客にそういう思いをさせていることを認識し、意識を改めないと、今後の発展は望めないのではないでしょうか。

最後に、ソムリエ氏から、春の食材としてモリーユ茸や仔牛、乳飲み仔羊のお料理の案内がありましたが、今回のようなことがあると正直怖くてまたすぐに行こうと思えません。そこまでお人好しではありません。

単純にお金だけの問題ではなく、着座してこちらが尋ねるまで、リクエストした真鴨のことは素知らぬ風でいた態度がまずもって問題だと思います。

いいお料理を出す、いいお店だと思っていましたが、少し認識を改めました。

お料理についても、まだ記事にしていませんが、東京で先日訪れた「エスキス」のお料理などと比べると、圧倒的にレベルの差が感じられましたし、この広い日本には素晴らしいお店がいくつもあるはずなので、無理して和歌山詣でをする必要もないのかなと思うようになりました。

いつになるか分かりませんが、次回訪れる際にはそのあたりの意識の改善がなされることを願っています。

今回は不思議と以前は存在しないと説明されたペアリングが用意されていて、食材がなかったことのお詫びの趣旨なのか色々とサービスをしてくれたように思います。ただそれでも残念な思いは拭われることなく、お店を後にしました。


(いただいたもの)

ムニュスペシャル17600(*サービス料10%別。以下同様。)
(ワインペアリング9350)
*ドリンク、グジェール、チーズ、アヴァンデセール、食後のお茶、小菓子以外は全てお店で頂いたメニュー表を転記したものです。


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テーブルセッティング

ミネラルウォーターボトル:アクアパンナ1320

グラスシャンパン:アンリジロー ナチュール2200
(→泡のキメが荒いです。少し残念なシャンパンでした。)


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シャンパンスナック:グジェール
(→チーズの濃厚さがやや足りない感じがしました。)


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紋甲イカのタルタル 
(→ポワロのムースが入っていて甘いです。イカはねっとりして口に絡み美味しいです。繊細な作りでした。)


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古座川の鹿
(→鹿のコンソメでした。前回お肉をいただいた鹿のコンソメでした。濃厚です。トリュフの浮き実が入っていますが、こちらは大して香りもなく、平凡でした。トリュフをコンソメスープに入れる料理は以前フランスの「トロワグロ」でも頂きましたが、あまり香っていませんでした。正直あまり良い相性ではないのかもと思います。)

グラス白ワイン:アモンティヤード(スペイン)
(→熟成された濃密な香りでブランデーのようだが丸い味できつくありません。トリュフの香りに合わせたお酒とのことでした。)


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甲殻類のジュレ カリフラワーのムース
(→カリフラワームース キャビア、足赤海老で作られていて、カリフラワーが繊細に香ります。ほのかな野菜の香りが楽しめて美味しかったです。)

グラス白ワイン:ドイツ 辛口リースリング 2019


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フォアグラとトリュフのマーブル
(→フォアグラテリーヌとブリオッシュという定番の組み合わせでした。安心安全の予定調和です。フォワグラに忍ばせたトリュフの香りが良く楽しいです。フォアグラの質も素敵でした。綺麗だし、これぞガストロノミーという感じで好印象でした。温めたブリオッシュも外さなかったです。ソーテルヌのジュレもいいです。)

グラスワイン:ラタフィアブルゴーニュ サントネープルミエクリュ


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和歌山の平目
(→繊細な身質は鮮度のせいでしょうか。前回は茄子でしたが、今回のキャベツづくしの付け合わせも楽しかったです。クエのテリーヌは、洋風焼き蒲鉾でした。川魚で作る洋風はんぺんのクネルより硬めな作りでした。)

グラス白ワイン:サビニエール2016


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和歌山の仔猪
(→脂が硬めですが濃厚な旨味があります。これはこれで良いですが、季節の真鴨の代役は到底務まりませんでした。)

グラス赤ワイン:サンモン


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チーズ2200:コンテ(2年半熟成)、モンドール、バノン はっさくのピール イチジクのドライフルーツ


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アヴァンデセール:ミルクシャーベット


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洋梨のサヴァラン
(→旨味、苦味、カリッとした食感など色々楽しめて美味しいです。もう少しアイスが欲しいですが、これで一皿として完成していてそれは良かったです。)

グラスデザートワイン:サヴォアの甘口


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食後のお茶:ハーブティー(ローズマリー、レモングラス、ほうじ茶のブレンド)
小菓子:チョコレートケーキ、カヌレ、カシスのパートドフリュイ






テーマ : グルメ情報!!
ジャンル : グルメ

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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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