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レストラン訪問記:広島「なかしま」(★★★)

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広島の特別版で唯一三つ星評価を受けている和食店に伺った際の記事になります。

料理やそれを受け止める器、料理を作り出す大将や職人さんたちの技術や心意気、女将さんの朗らかなサービスが一体となって、とても心地よい空間で美味しい食事を楽しむことができました。

一斉スタートでカウンターの向こうで全員分のお料理を盛り付けている様子が見えてそれも楽しいのですが、大将の、今日はこんな美味しいものを食べてもらいますよという雰囲気が感じられてとても好ましく思えました。

大将の志もあるのでしょうし、女将の器もあるのでしょう、働いている方がみな一様にキビキビしていて感じが良く、おもてなしの心が感じられて良かったです。


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カウンターの様子

お酒については、女将が選んでいるようで、良いものが出てきて満足できました。それぞれのお酒にストーリーがあって、それもまた食事を楽しくしてくれます。

料理を盛り付ける器もここでは食事の楽しみの一つなのでしょう。割烹では普段あまり見かけないような漆器が出てきたりして、芸術品を目で楽しむ喜びもあり、食事がより贅沢な時間になりました。

一つ残念だったのは、店内にコバエがいたことでした。

訪問は2022年5月になりますので、その点御了解ください。

この日のお会計ですが、コースが1万7320円、生ビールが700円、日本酒半合がいずれも600円、柚子レモン酒が700円でした。飲み物については税サ別料金です。サービス料は5%とのことです。

当時はコースが上記の金額でしたが、今の値段は2万円を超えています。高級店は軒並み数千円程度の値上げをされている印象で、昨今の物価高を考えると仕方ないのかなと思います。


(頂いたもの)

夜のコース17320円


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卓上のしつらえ


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生ビール:マスターズドリーム

味は濃いめですが、繊細で美しい泡の生ビールで感心します。また、さすが店の格に合うビールを置かれていて納得します。これは770円でしたがとても安い値付けで、下手な泡よりよほど良いと思いました。


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七草や筍のお粥 からすみかけ

からすみのコクと苦味、山菜の苦味が合っていました。熱々のお椀も、少し肌寒いこの時期(5月)の気候にぴったりで、そのあたりへの配慮にレベルの高さを感じました。輪島塗の美しい細工の器も素敵です。


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日本酒(半合):雨後の月 純米吟醸

味はあっさりめですが、華やかな香りで自分好みでした。


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お造り1:天然真鯛 藻塩と土佐醤油

薄いものは塩で頂きます。しかし鯛の味はあっさり目で、やはり明石の鯛には負けるかとそんな印象を持ちました。広島産の大型山葵は香りが強めでした。


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厚切りは、肉厚でぶりっとした食感でほぐれる感じがありました。食べ応えがあって、美味しいですが、明石鯛とは楽しみ方が違うのかもしれませんね。個人的には明石鯛の旨味が濃い方が好みでした。

こちらも花鳥の輪島塗で素敵です。


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お造り2:宮崎産初鰹 自家製ポン酢

藁で燻した皮が美味しいです。薬味が各種あって良いですね。胡麻が特に効いていました。


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日本酒(半合):富久長 純米吟醸 八反草(今井酒造)

女性杜氏の醸す酒とのことでその方の記事が置いてあり読ませていただきましたが、有名な方のようですね。華やかでかつ濃醇で美味い酒ですごかったです。


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お椀:鱸(すずき) 広島産筍 わかめのお椀 一番出汁

出汁は味が濃いめです。鱸も塩味がしっかりしてありました。


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焼き物1:対馬産のどぐろ炭火焼き 姫大根 もろみ味噌

のどぐろは熱々とろとろで脂が半端ないです。ほのかな炭の香りが美味しいです。熱々ほど美味いく感じられます。寿司屋で頂く生ののどぐろとの対比が楽しいです。どちらもそれぞれの良さあるという結論になります。古伊万里の器で頂けました。


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焼き物2:地鶏の炭火焼き

右が胸、真ん中がもも、左が皮とのことでした。ももは噛む必要があるが旨味がたっぷりでした。肉が出る時点でいわゆる懐石ではないですね。美味いもの出す大阪の系譜という感じがしました。ブレス鶏を食べる感じがありました。脂の美味しさを堪能しました。


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果実酒:富久長 純米 ゆずレモン酒

柑橘の香りが強く印象に残りました。甘さがありますが、辛口の美味しいお酒でした。


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揚げ物:岩国蓮根使用蓮根饅頭

さっくりもちもちで、揚げてあるのでこくもあり美味しいです。ただ単体では、奈良桜井の「味の風にしむら」の蓮根饅頭の方が好みかもしれません。濃い目の醤油味で、海苔もあって、磯部焼きの趣でした。


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平貝の和物

特別サービスで入れてくれた、地の赤ウニが甘いです。また、こちらは春野菜のキャベツ、アスパラの味付けが優しい塩味で貝と合っていました。貝も炙ってあって甘味がありました。素敵な調和でした。食後底にある寿の字が見える京焼の器でした。


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お食事:筍御飯 香の物 お味噌汁

大将自らよそい、説明してくださいました。胡麻が特徴的で食事がゴージャスになる印象でした。味付けは京都風の優しい味付けで好みでした。広島の筍で、訪問は5月上旬でしたが、これでお店としては筍は終わりとのことでした。残ったご飯はお土産で持たせてくれるのが有り難いですね。

香の物のすぐきのようなものは甘めの醤油味でした。また大根もやや甘く、これはやはり広島の味付けなのかと思いました。

味噌汁も甘口で、にらでしょうか、青いものが入っていました。


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デザート:抹茶のチーズケーキ

最後まで美味しく頂けました。最後に出していただいたお茶はほうじ茶だったと思います。




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レストラン訪問記:京都・祇園「祇園いわさ起」(★)

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新潟に行く前に京都で伺った割烹のお店の記事をお届けします。訪問は昨年2022年4月上旬になります。

お店との最初の電話のやりとりから女将の礼儀正しさに触れ、訪問前から印象が良かったです。実際にお目にかかるととても品のある方で、他のお店以上におもてなししていただいている感じがしました。

そして大将からも、まず最初にお名刺の御挨拶がありました。とても感じが良いです。


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こちらはグラスでシャンパンを提供する割烹店という一つの売りがあって、グラスシャンパンの揃えはこの日は4種類でした。せっかくなのでリュイナールブランドブランボランジェと2杯のグラスシャンパンを頂きました。

またランチコースはいくつか価格設定があり、この日は少しお値段が高めの1万円コースをお願いしていました。お値段が低いコースと大きな献立の違いはないようでしたが、それぞれのお皿で使われる食材のグレードが上がる印象でした。

例えば、お造りにカマトロが入ったり、炊き合わせが鯛のカマになっていたり、本モロコが提供されたりといったところは、おそらく上のコースのみの提供だったように思います。

大将はホテルの和食店が修行の原点だったようです。単なる偏見かもしれませんが、そのせいか、お料理自体は正直バナル(平凡)な印象でした。

この日のお会計ですが、この日は1万円のランチコースを頂き、シャンパン2杯(ルイナールブランドブラン2300、ボランジェ2000)、日本酒(まつもと純米)を半合(値段は記録がなく不詳)を頂いておそらく15,000円程度だったと思います。現金払いのみのお店なので行かれる方はその点御注意下さい。


(頂いたもの)

ランチコース10000


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八寸
おひたし(お麩入りで上品です。)
てっぱい(新鮮で、繊細でした。)
そら豆(上品なお味です。)
玉子焼き(質が高いです。くるみが上に載っていました。)
きんぴら(油のこくありました。滋賀の赤こんにゃく入りです。)
(やや甘い味付けです。)
鯛の小袖寿司(上品です。)
蕗の薹天ぷら(当たり前ですが苦味があります。田楽味噌のコクがありました。)
鱈の子(とても優しい炊き上がりで山椒の葉が効いていました。)
(全体に丁寧な作りでお酒の良い当てになるので好ましいのですが、全ておばんざいの域を出ない印象でした。)


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お造り
◯真鯛(厚みがすごいです。また、身はぶりんぶりんで美味いです。)
★紋甲烏賊(ねっとり感がすごいです。美味いです。お勧めのごま油塩が良く合っていました。)
★鮪のカマトロ(辛味大根、わさび、塩柚漬け全てを包み込む脂の尊さがありました。異次元の美味さです。)


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お椀 貝柱真薯 筍 菜の花
(優しい吸い地で良いですが、帆立はバナルな印象でした。)



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焼物 鰆の幽庵焼き くわいせんべい 花豆蜜煮
(熱々です。お皿も温めてくれていました。脂が乗り美味しいです。せんべいも温かいのが良いです。蜜煮も繊細な甘さがありました。)


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お口直し 塩トマト白ワイン煮 琵琶湖本モロコの南蛮漬け
(トマトは甘くデザートの趣きです。モロコは残念ながら玉子がほぼありませんでしたが、京都の春の味覚を楽しむ趣向でしょう。)


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炊き合わせ 明石鯛カブト 筍 フキ
(美味しいし贅沢ですが、吸い地が甘いのが残念でした。美味しい鯛を頂く時に砂糖はいらないです。)


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お食事 大原産筍ご飯 長芋の味噌汁 
香の物 大根ビール煮 すぐきの葉 白菜
(ご飯は、こちらもやや甘口なのと山椒強めなのが残念でした。米の炊き加減は完璧ですね。)


食後のお茶 ほうじ茶
(スモーキーでした。)


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水菓子
沖縄産パッションフルーツ
宇和島ブラッドオレンジ
佐賀ほのか(苺)


塩キャラメルのプリン
(熱々です。黒糖で味付けしたようです。)





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レストラン訪問記:熊本市「瑠璃紺」(★★)

まだまだ大した経験もない中ですが、個人的には地方でミシュラン二つ星になっている和食店との相性が良くないようです。

新潟でも三重でも良い思いをしませんでした。そして今回熊本でしたが、三度目の正直とはならず、二度あることは三度あるとなってしまいました。こちら熊本の二つ星店の訪問は昨年の3月下旬でした。


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店の外観

入店すると店内は店員すらおらず、御覧のとおりギャランドゥーの状態で、この夜はそれなりの広さがある店内で一人貸切状態での夕食となりました。食べ進むうち、その理由が段々と分かっていきました。


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店内の様子

正直2度と行くことはありませんので長々書くのも野暮ですが、ブログ読者様の今後の参考にでもなればと備忘の記録を残す趣旨で記事にします。

料理もたいがいでしたが、サービスがまた酷い。サービスの女性が自分中心にものを運ぼうとして窮屈でしたし、愉快ではありませんでした。サービスとは何か考えたことがないのでしょう。

また、お値段が正直高いです。良いものであれば、高いお値段でも納得して満足して店を出られますが、物価が比較的安い九州にあってあり得ないパフォーマンスでした。これでは誰も来ないよ、とつぶやいて店内がらんどうの理由を自ら発掘してしまっていました。

また、2度ほどとんちんかんな説教が店主からありましたが、客が嫌な思いになるだけです。予約時間の変更を前もってお願いしていたのに、それが通じていなくて、遅刻して来たように捉えられていたようで、遅刻に対する説教がまずありました。遅刻していないです。時間をきちんと伝えていました。また、写真撮影について了解を頂いて撮っていましたが、この点についても後から文句を言ってきてまさかのダメ出しをされました。驚きでした。

最近ポジティブな投稿がなくて恐縮です。次回は博多の三つ星寿司店の記事を書く予定で、今回よりははるかに前向きな内容になるはずですのでどうか御期待ください。


(頂いたもの)

ディナーコース11,770円
(確か3種類あるコースのうちの一番高いコースでした。)


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生ビール アサヒスーパードライ
(美しい泡のビールでレベルは高いですが、味はやはり好みではないアサヒです。エビスやプレミアムモルツでもおけば良いのにと思います。一応二つ星というこのお店の格にはミスマッチな気がします。今時居酒屋でもプレモル生を出してくれます。)


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先付け:晩白柚の白和え
(晩白柚は熊本特産の柑橘でこれも熊本産でした。甘い味付けの突き出しが地方の味だと思わせます。晩白柚の甘み、苦味などを白和えで楽しめました。)


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炊き合わせ:キャベツのつぼみ、エゴマ、油揚げ
(温かくて美味しいのですが、普通のおばんざいです。小料理屋でも普通に出てくるでしょう。連続で普通の食材のお料理となるとちょっとがっかりな気持ちになります。)


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お造り:天草産石鯛、サヨリの昆布締め
(石鯛は食べ応えある厚みで良かったです。サヨリの昆布締めはしっかり味が入っていて美味でした。石鯛も脂あり美味しいです。薬味は混ざっていて、味が複雑で楽しく、いいアクセントでした。ただ、お造りの種類が少ないですし、華やかさもゼロでした。これは残念でした。)


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日本酒 秋鹿 純米吟醸 生原酒
(生らしい美味しいお酒でした。しっかり酸があり良い香りが鼻に抜けていきました。)


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お椀:山菜(鱈の目、うど、わらび、菜の花、木の芽)
(山の恵みの季節とはいえ、あっさりしすぎでしょう。お魚などの具材がないとただのベジタリアンに感じてしまいます。センスを感じないですし、満足度が低すぎます。真薯や季節の魚を入れて欲しかったです。予算的にカットされている印象しかなく、安くあげられていると感じました。)


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焼き物:甘鯛 蕗味噌 筍 いずれも熊本県産
(甘鯛は繊細で熱々で良いです。蕗味噌の独特な香りが合ってもいました。ただ季節柄、丁度熊本産が旬だった筍はせっかくなので主役として出して欲しかったです。また、筍はあまり味付けがされていなくてそこも残念でした。)

日本酒 黒龍 春しぼり


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毛蟹 焼きセロリ
(この時期に毛蟹しかも熊本でと疑問になりました。私の勉強が足りていないだけでしょうか。ただ、味は強く美味しいです。しかしながら処理が甘く、骨がところどころにありました。自己中サービスが、前のお料理を私がまだ食べ終えていない段階でフライングで毛蟹を持ってきて、そのまましれっと置いていこうとしたので、呆れて抗議し、一度下げてもらいました。ここは居酒屋か。)


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穴子の蓮蒸し
(焼いた穴子と蓮根のすりおろしを和えたものです。銀餡がかかっていていかにも和食でした。季節感あるそら豆が添えられているのは嬉しいです。熱々で美味しいのですが、これも骨の処理が甘く、いくつも骨が口に当たり、残すことになりました。)


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食事:白ご飯 味噌汁 香の物
(それなりのお値段で最後の食事が白ご飯でがっかりです。白米は柔らかいだけで大して美味しくもありません。香の物は季節ものですが、キャベツの塩気が多すぎました。また香の物は白、黒、茶と彩がなく地味すぎです。

食後のお茶:番茶 
(スモーキーすぎでした。)


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甘味:百合根のきんとん 緑茶
(やや粘り気があり、風味は抹茶のようでした。ただ、甘みが足りない感じで、個人的な味覚からすると失敗作でした。この季節ですから水菓子として苺が欲しかったです。また、最後の飲み物であった緑茶はカルキ臭がして、あまりいい匂いがしませんでした。)






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レストラン訪問記:橿原市(畝傍駅)「懐石森本」(★)

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店の入口


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廊下(玄関左手にのびています)


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店内の様子(廊下をしばらく行って左に入るとそこが食堂になっています)


訪問は昨年3月下旬で、桜の季節にこちらでランチを頂いてきました。


出される料理には満足できました。この値段でこれだけのものを出してくれて、店主の誠意を感じました。2017年のミシュラン奈良特別版で一つ星になり、昨年発刊された2022年版、WEB上でアップデートされた最新版でも星を維持されています。

一方で、店主の性格もあるのでしょうが、厚い歓待を期待すべき場所ではありませんので、うやうやしいサービスを求める方にはお勧めできない場所です。まず入店しても誰からも挨拶がありません。お店の人がそこにいるのにも関わらずです。客として予約までして行っているのですから、少なくとも店主は挨拶をして欲しかったです。他には店主のお母様とおぼしき方がカウンター内にいらっしゃいました。

また、比較的リーズナブルな価格でお昼を提供していただいていることもあってか、若年層のお客さんがそれなりにいらっしゃるようです。この日も3人組の若い女性連れがLINEの通知音を平気で何度も鳴らしていたので、店主に注意してもらいましたが、かなり席が離れているのに聞こえるような声でマナーモードとかしなくて良くない、などと言っているのが聞こえてきて、こんな人達と食事しなければいけないことが正直情けなくなりました。お店もそのあたりの意識をしっかりして欲しいところです。

また、料理が出るのが極端に遅く、12時に招集がかけられていました(一斉スタートの趣旨)が、先付け提供開始が12時半を過ぎていました。遅すぎるでしょう。段取りが悪すぎです。

ただ、最初はその無礼な若い女性連れとよく話していた店主も、最後の方にはこちらとも色々とお話をしてくれるようになり、また一応店内での携帯音はさすがに消えたので、後半に行くにつれて気持ちは和らぎました。

店主はかつて、私も何度か訪ねた桜井市の「味の風にしむら」で修業されていた方で、その厨房にいる時にお目にかかったことがありました。そんなこともあってか、ランチの献立構成やお値段は「にしむら」さんと同じような感じになっていて、比較的気軽に本格的な和食を頂けるようになっています。

かなり良心的なお値段で季節の献立を仕立てて出してくれますので、奈良では魅力的なお店の一つだと思います。

懐石という屋号に対して、客からこれ懐石じゃないでしょという指摘があったりするとかで悩まれていましたね。今はもしかしたら「懐石」の名前を下ろされているかもしれません。

この日のお会計は、合計で4550円でした。下記のとおり、お昼のコースが3850円、生ビールが700円で、その合計になります。現在はお昼のコースが税込みで4500円になっています。値上げされていますが、値上げ幅は控えめですね。


(頂いたもの)

ランチコース3850


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生ビール(アサヒ・スーパードライ) 700


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◯先付け:泉州産鳥貝 スナップエンドウ アメーラトマト 酢味噌
(新鮮な鳥貝のお刺身を使っていますが、やや火入れした生で美味しいです。ただ少し硬さが最後残るのは不快でした。トマトは甘いですが食べにくいので切って欲しかったです。スナップエンドウは普通でした。調理法がまるで違うとは言え、先日の「天白」のものにははるかにかなわなかったですね。)


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◯お椀 玉子豆腐(葛) 北海道産帆立 菜の花
(お出汁はあっさりめですが、美味しいです。葛でもっちりの玉子豆腐が意外でしたが口に絡んで美味しいです。ただ玉子感は低めでした。)


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★お造り:岡山産ケンケン鰹 塩たたき
(脂が乗っていて、いい具合に炭で炙っていてとても美味しく仕上がっていました。これは文句なしに美味しい一品でした。)


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◎焼き物:神戸産太刀魚 白髪ネギ ほうれん草
(網採りの太刀魚とのことです。脂が乗って美味しかったです。ほんのりかかったからすみがまたいいお味でした。ほうれん草のおひたしは冷たかったです。)


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◯ホタルイカの天ぷら 新物生青のり
(ホタルイカはわたも一緒なので濃くあり、天ぷらは一番美味しい食べ方ではないかと思いました。新物の青海苔が香ばしいですね。)


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◯石川産岩モズク ほしそ 山形産ウルイのジュレ
(上品なお味で、サッパリして良かったです。)


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★桜鱒のご飯 菜の花入り 香の物(自家製べったら漬け) 味噌汁
(ご飯の粒が立っていて美味しいです。油分があるのでこくを感じました。油分は炒めた菜の花を後から入れることで入るとのことでした。)


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★あんみつ
(全て手作りとのことです。素晴らしいですね。白玉が美味しいです。また、苺はコンポートになっていました。)





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レストラン訪問記:一乗寺下り松町「一乗寺乃り英」(★)

もう1年以上前の昨年2月のことですが、京都の懐石料理店でランチを楽しんできました。

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こちらのお店がある場所は宮本武蔵と吉岡一門との決闘で有名な一乗寺下り松からすぐの場所で、京都の中心部から見ると北東方向にあり、交通の便が良いとは言えませんね。

ただ、周辺には見るべき寺社仏閣が点在しており、散策のため訪れても楽しい場所だとは思います。

さてこちらはミシュラン星付きでリーズナブルなランチを提供するお店を巡る旅の中で伺いました。

予約の電話から女将さんのぐいぐいくる感じがすごかったのですが、客商売をちゃんと分かっていらっしゃる絶妙な距離の取り方で、最初から最後まで気持ち良く、楽しく食事ができました。

この日(訪問月は2月)のお造りは例えばオコゼでした。鬼に見立てて節分の際に食べる風習があるとかで、そんな話も楽しかったです。

季節ごとに美味しい食材を集めて提供されているようで、うに、あこう、オコゼ等が揃う7、8月が特に面白そうだと思いました。他に、天然鰻(四万十川、静岡など)、丹波の松茸(8万円くらい)、大原の筍間人(たいざ)の蟹(4万円くらい)などの扱いもあるとのことで、それらの季節には楽しそうです。これら特上の食材もかなりリーズナブルに提供してくれる印象で興味がそそられました。

さて今回はお試しで一番リーズナブルなランチのコースをお願いしていました。訪問時は税込みで5500円でした。ちなみに今回のコースには、焼き物、止め椀(味噌汁)は入っていませんでした。

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お酒はその日あるものを見せていただいて、その中から説明を受けつつ好みのものをお願いするスタイルです。他ではあまり見かけないお酒が多かった印象でした。

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はじめのしつらい


グラス日本酒:純吟 近江米のしずく(滋賀) 
キリッと辛口でアルコール高めです。微かに香りあり、強い酒でした。


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先付け:鰯 鰹節まぶし 升入りの八つの福(カボチャ、金時人参、豆、蓮根、飯蛸、えんどう豆他)
素朴な食べ物ですが、丁寧な作りで美味しいですね。


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お椀:蛤真薯 九州産筍 ワカメ
春先取りの楽しく、熱々のお椀でした。まだ寒いので体に染みました。


日本酒:立春 大吉(京都)
華やかな香りがしました。京都の柔らかい水を感じられる名酒でした。


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お造り:おこぜ その肝と ボウフウ
おこぜをこの季節に食べるのは、おかぜを鬼に見立ててのことと伺い、面白いと思いました。


日本酒:にごり酒
とろっとしてやや甘口です。飲みやすく危険でした。季節のお酒で、八寸に良く合っていた印象です。


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八寸:雲子豆腐、鰆幽庵焼き、毛蟹の茶碗蒸し、わらび・豆・白魚、山口産赤貝のヌタ
酒飲みが喜ぶ物が揃い、目にも鮮やか、また春の先取り感が素晴らしいです。

八寸の各皿の感想は以下のとおりです。
雲子豆腐→なめらかでつるんとした味。白子は感じにくいが食感良い。
鰆幽庵焼き→少し身が固いのですが熱々で良いです。よく噛むと旨味あり。べっこう生姜、柚子のパートドフリュイ様のものが付け合わせでした。
毛蟹の茶碗蒸し→蟹が甘く、これも熱々が嬉しいです。
わらび・豆・白魚→春の到来を先取りしている様で素敵です。それぞれに優しい味付けがしてあります。
山口産赤貝のヌタ→味噌が濃いめで、赤貝もまた味が濃くて良いです。酒に最高に合いました。


日本酒:新潟の無濾過生酒
飲みやすい。無濾過らしいクリアな味が好みでした。味にやや苦味のような特徴がありました。


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揚げ物:天ぷら(穴子、からすみ大根、蕗の薹) レモン
細かな衣でした。これが京都風ということでしょうか。季節のネタが嬉しいです。からすみ大根の天ぷらは初めてですが、これが酒に合わないわけがない。素晴らしい。


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食事:うすい豆ご飯 香の物(すぐきあり)
グリーンピースの豆ご飯とはいいところをついてきます。ほくほくして美味しく頂きました。


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水物:愛媛の柑橘、淡雪(福岡の苺)

柑橘の甘いこと。これを出すのはセンスがあると感じました。ただの水物ではないのが素晴らしいです。苺も繊細な甘さがありました。

今回のお会計ですが、お昼のコースが税込みで5500円で、お酒が1650円となっていました。少量とはいえ4種類の日本酒をお勧めのままに楽しんでこの値段は破格でしょう。

お昼の一番軽いコースで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。もちろんこれだけのものを出していただいたらまた行きたいと思います。その日食事している間にも再訪決定となりました。

食後は女将さんが丁寧にお見送りをしてくださいました。料理もサービスも隙がないです。



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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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