レストラン訪問記:日比谷(帝国ホテル)「レセゾン」(★)
久しぶりに外食してきました。この日はシェフが不在とのことでしたが、日程が変えられないのでシェフ不在の中ではありましたが黒トリュフメニューをいただいてきました。
これからの記述はほぼお店の批判的な感想ですので、そういう文章を読まれたくない方はこれより下はお読みにならないほうがよいかと思います。ただお店選びで迷っている方には参考になる情報があるかもしれません。
こちらにも参考までに何枚か写真を載せますが、こちらにない写真はいずれインスタグラムの方に載せると思いますのでよろしければそちらもご覧いただけるとありがたいです。インスタグラムはアカウント登録などせずに閲覧だけすることも可能なようです。
さて、当日は名残の黒トリュフをいただく趣向の会ではあったのですがサービスの悪さが目についてあとからとても残念な思いがしました。シェフとサービス陣の連携がうまくできていないのか、あるいは予算が厳しくて色々なところを切り詰めてしまって一番大切なはずのサービスにしわ寄せがいっているのか。
白ワインやお水のグラスからはあってはならないグラスを拭いたときに残る不快な臭いが残っていてせっかくの美味しいアルザスのリースリングワインが台無しでした。清潔な布で拭けば起きるはずのない臭いで場末のワインバーでもそんな臭いがすることはまずありません。ソムリエはチェックしていないのでしょうか。
パンもおそらく前日以前に作られたもので、なおかつ直前に温めてもおらず硬い上に美味しさも感じられません。パンを出すという型があるから出している、そんな食べ物でした。バターもまったく塩気も香りも旨みも感じない代物です。あれだけの値段を出させるならパンもバターも特上のものが用意できるはずで、そうあるべきでしょう。予約数からある程度のパンの需要は読めるはずで残ったら翌日のランチに回せばよいだけでその日その日に焼けば何の問題もないでしょう。努力が足りなすぎると感じます。
ソムリエも事務的に作業を速やかに終えることに重点を置いているようで、こちらにあるはずのペースをなぜかむこうがもっていて、そそくさと会話もせずにサーブするなどの快くない対応が目立ちました。
お料理はさすがに三つ星でエグゼクティブシェフを務められたシェフのお店だけに一皿一皿はとてもよいのですが、構成やプレゼンテーションにマンネリが見られてとても残念でした。
牛蒡のカプチーノとポトフはほぼ同じクリーム系統のスープで、間に一皿別のお料理をはさんでいるもののほぼ立て続けに出てきた感じで、メニュー構成に緩急がなく単調で美味しいはずのお料理が美味しく感じられない構成でした。
またプレゼンテーションにも不満でしたが、どのようにして欲しかったかというと、例えば牛蒡のカプチーノなら小さなコーヒーカップなどでスマートに、ポトフは澄んだコンソメで出して欲しかったのです。クリームのポトフに埋没した野菜たちはそれぞれの質は高いのでしょうが、個性が全く見えてこない形でかわいそうでした。
フランス産という黒トリュフ自体は合計で3〜4個は食べた感じで、ざくざく、ほろほろというトリュフそのものの食感を感じられ、それはそれで大変な贅沢と感じましたが、季節も終わりのためでしょうか思った程香ってはいなかったですね。
それでもチーズやデザートは健闘していて、トリュフとシャンパーニュ地方の牛乳チーズであるシャウルスとシャンパーニュのサバイヨンのお皿はとてもいいマッチングでチーズの良さもトリュフの香りもいい感じで楽しめました。アヴァンデセールのパッションフルーツのアイスは果実の香りがとても感じられてよかったですし、黒トリュフ入りのチョコのベイニェも洗練された球形で最後の最後までトリュフの香りを楽しませてもらえて幸せでした。
さらに苦言を呈すると、最後時間が遅くなるにつれてまだまだ未熟なサービスの方あるいはレストランでのサービスが本業ではないサポートの方でしょうか、そういうスタッフの方がメインになっていくため、さらにサービスが安定感をなくしていくので残念でした。
小菓子の出し方も、一人一つしかないなら最初から全種類をまとめて一つずつ各人に全部出せば良いものを選ばせる体をとるのは、残るのがいやなのか、これだけの料金を取る店としてはあまりに底が浅いと感じます。多くの小菓子があって、好きな数だけ一人一人に選ばせるくらいでないとだめでしょう。また残った小菓子の持ち帰りについても対応してもらえず、居残り番のスタッフが最後のサービスを担当している矛盾を感じました。
事務的、官僚的に仕事をして定時まで仕事をささっと終えて、自分のお給料さえもらえればよいということでしょうか。サービスやソムリエとしての志が感じられず、あるいはそのスキルが低く、サービス陣全体としても客あしらいが三流以下のレベルでまた行こうとはとても思えませんでした。
万が一当日のスタッフの方がこれを読んでいても改善されるということはないのでしょうね。色々ともったいないなあと思います。
(いただいたもの)
黒トリュフメニュー
一口前菜:赤座エビのボンボン仕立て
アミューズ:ピスタチオとアオサのクリーム カンパチの刺身とジュレ

Salade de pommes de terre et truffes noires
黒トリュフとじゃがいものサラダ

Œuf poché à notre façon "HINOMARU"
独自のスタイルにしたウッフポシェ “日の丸”
Velouté de gobou aux truffes, servi comme un cappuccino
国産牛蒡のカプチーノ仕立て トリュフを浮かべて
Soba à la crème de truffe, epinard et sudachi
黒トリュフを香らせた蕎麦にほうれん草と酢橘
Légumes de saison en pot au feu à la fleur de sel et truffes
季節の野菜のポトフ 黒トリュフと花塩を散りばめて


La fameuse truffe en croûte comme du temps de Gérard Boyer aux Crayères
ジェラール・ボワイエ氏 直伝の黒トリュフのパイ包み焼き
Sur un sabayon au Champagne Chaource et truffe
シャンパーニュのサバイヨンの上にのせたシャウルスとトリュフ
アヴァンデセール:パッションフルーツのアイスとチョコレート入り白玉団子

Petits beignets de chocolat ganache à la truffe et sa glace
トリュフのガナッシュとベニエ(トリュフアイス添え)
オリジナルのハーブティーとチョコレートなど小菓子
トリュフ入りガナッシュ
これからの記述はほぼお店の批判的な感想ですので、そういう文章を読まれたくない方はこれより下はお読みにならないほうがよいかと思います。ただお店選びで迷っている方には参考になる情報があるかもしれません。
こちらにも参考までに何枚か写真を載せますが、こちらにない写真はいずれインスタグラムの方に載せると思いますのでよろしければそちらもご覧いただけるとありがたいです。インスタグラムはアカウント登録などせずに閲覧だけすることも可能なようです。
さて、当日は名残の黒トリュフをいただく趣向の会ではあったのですがサービスの悪さが目についてあとからとても残念な思いがしました。シェフとサービス陣の連携がうまくできていないのか、あるいは予算が厳しくて色々なところを切り詰めてしまって一番大切なはずのサービスにしわ寄せがいっているのか。
白ワインやお水のグラスからはあってはならないグラスを拭いたときに残る不快な臭いが残っていてせっかくの美味しいアルザスのリースリングワインが台無しでした。清潔な布で拭けば起きるはずのない臭いで場末のワインバーでもそんな臭いがすることはまずありません。ソムリエはチェックしていないのでしょうか。
パンもおそらく前日以前に作られたもので、なおかつ直前に温めてもおらず硬い上に美味しさも感じられません。パンを出すという型があるから出している、そんな食べ物でした。バターもまったく塩気も香りも旨みも感じない代物です。あれだけの値段を出させるならパンもバターも特上のものが用意できるはずで、そうあるべきでしょう。予約数からある程度のパンの需要は読めるはずで残ったら翌日のランチに回せばよいだけでその日その日に焼けば何の問題もないでしょう。努力が足りなすぎると感じます。
ソムリエも事務的に作業を速やかに終えることに重点を置いているようで、こちらにあるはずのペースをなぜかむこうがもっていて、そそくさと会話もせずにサーブするなどの快くない対応が目立ちました。
お料理はさすがに三つ星でエグゼクティブシェフを務められたシェフのお店だけに一皿一皿はとてもよいのですが、構成やプレゼンテーションにマンネリが見られてとても残念でした。
牛蒡のカプチーノとポトフはほぼ同じクリーム系統のスープで、間に一皿別のお料理をはさんでいるもののほぼ立て続けに出てきた感じで、メニュー構成に緩急がなく単調で美味しいはずのお料理が美味しく感じられない構成でした。
またプレゼンテーションにも不満でしたが、どのようにして欲しかったかというと、例えば牛蒡のカプチーノなら小さなコーヒーカップなどでスマートに、ポトフは澄んだコンソメで出して欲しかったのです。クリームのポトフに埋没した野菜たちはそれぞれの質は高いのでしょうが、個性が全く見えてこない形でかわいそうでした。
フランス産という黒トリュフ自体は合計で3〜4個は食べた感じで、ざくざく、ほろほろというトリュフそのものの食感を感じられ、それはそれで大変な贅沢と感じましたが、季節も終わりのためでしょうか思った程香ってはいなかったですね。
それでもチーズやデザートは健闘していて、トリュフとシャンパーニュ地方の牛乳チーズであるシャウルスとシャンパーニュのサバイヨンのお皿はとてもいいマッチングでチーズの良さもトリュフの香りもいい感じで楽しめました。アヴァンデセールのパッションフルーツのアイスは果実の香りがとても感じられてよかったですし、黒トリュフ入りのチョコのベイニェも洗練された球形で最後の最後までトリュフの香りを楽しませてもらえて幸せでした。
さらに苦言を呈すると、最後時間が遅くなるにつれてまだまだ未熟なサービスの方あるいはレストランでのサービスが本業ではないサポートの方でしょうか、そういうスタッフの方がメインになっていくため、さらにサービスが安定感をなくしていくので残念でした。
小菓子の出し方も、一人一つしかないなら最初から全種類をまとめて一つずつ各人に全部出せば良いものを選ばせる体をとるのは、残るのがいやなのか、これだけの料金を取る店としてはあまりに底が浅いと感じます。多くの小菓子があって、好きな数だけ一人一人に選ばせるくらいでないとだめでしょう。また残った小菓子の持ち帰りについても対応してもらえず、居残り番のスタッフが最後のサービスを担当している矛盾を感じました。
事務的、官僚的に仕事をして定時まで仕事をささっと終えて、自分のお給料さえもらえればよいということでしょうか。サービスやソムリエとしての志が感じられず、あるいはそのスキルが低く、サービス陣全体としても客あしらいが三流以下のレベルでまた行こうとはとても思えませんでした。
万が一当日のスタッフの方がこれを読んでいても改善されるということはないのでしょうね。色々ともったいないなあと思います。
(いただいたもの)
黒トリュフメニュー
一口前菜:赤座エビのボンボン仕立て
アミューズ:ピスタチオとアオサのクリーム カンパチの刺身とジュレ

Salade de pommes de terre et truffes noires
黒トリュフとじゃがいものサラダ

Œuf poché à notre façon "HINOMARU"
独自のスタイルにしたウッフポシェ “日の丸”
Velouté de gobou aux truffes, servi comme un cappuccino
国産牛蒡のカプチーノ仕立て トリュフを浮かべて
Soba à la crème de truffe, epinard et sudachi
黒トリュフを香らせた蕎麦にほうれん草と酢橘
Légumes de saison en pot au feu à la fleur de sel et truffes
季節の野菜のポトフ 黒トリュフと花塩を散りばめて


La fameuse truffe en croûte comme du temps de Gérard Boyer aux Crayères
ジェラール・ボワイエ氏 直伝の黒トリュフのパイ包み焼き
Sur un sabayon au Champagne Chaource et truffe
シャンパーニュのサバイヨンの上にのせたシャウルスとトリュフ
アヴァンデセール:パッションフルーツのアイスとチョコレート入り白玉団子

Petits beignets de chocolat ganache à la truffe et sa glace
トリュフのガナッシュとベニエ(トリュフアイス添え)
オリジナルのハーブティーとチョコレートなど小菓子
トリュフ入りガナッシュ
- 関連記事
-
- レストラン訪問記:高台寺桝屋町「ひらまつ 高台寺」(未掲載)
- レストラン訪問記:日比谷(帝国ホテル)「レセゾン」(★)
- レストラン訪問記:外苑前「アビス」(★)《12/24追記あり》