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レストラン訪問記:京都市(烏丸御池駅)「NAKATSUKA」(★)

秋の紅葉の季節に、昨年発刊の最新版ミシュランにて一つ星に昇格されたフランス料理店に伺いました。京都ではどうしても懐石に足が向きがちなので、今回は気持ちを強く持って、こちらに行ってきました。


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お店の外観

今風の簡素な店内で、入って左手が道路に面していて、テーブルが2卓、右手にカウンターが奥に向かって伸びて、さらにその奥におそらく6名がけくらいのテーブルがあるようでした。

この日はカウンターの一人客ということで、できればテーブルが良かったですが、左手のテーブルには二人組の先客がいましたし、奥には4名のモンスター達がいたので、まあカウンターが無難でした。この日はそんな日と受け入れました。

モンスターと書きましたが、奥にいたお客さんの声の大きさよ。ここは居酒屋かと思うくらいの音量で、どうでも良い子供の話などを延々としていました。ここは大人が落ち着いて食事を楽しみに来る場所ではないのか。日本での星付き店は、残念ながらこういう下品な客が小銭を持って集まる場所にもなってしまっていて、大変残念です。お店としても客なのでむげにもできないでしょうが、他の静かな客にとっては大迷惑であることを銘記していただきたいと思います。

また、音の苦情ついでにいうと、調理に使うタイマーがややうるさく感じられました。こちらは少し気にしすぎかもしれませんが。

お料理は全般繊細な作りで良かったのですが、丁寧な調理をしているためでしょうか、皿の提供が遅めでした。そのため、食事の途中で悪い感じに満腹になってしまうと感じていました。席が半分も埋まっていない状況でこの提供の遅さは絶望的といえるかもしれません。

また、香りがコンセプトというわりには、それぞれの料理は丁寧な調理で美味しいものの、さほどはっとするような香りの体験はできなかったように思います。

ジャンルは違いますが、御近所の和食店「京料理 藤本」さんの方が、半額以下のコースで、はっとする食材の香りを感じさせられたこともあり、率直に料理としては上だと思ってしまいます。

飲み物については、食前酒としてアペリティフメゾン(特製カクテル)が用意されていたのはポイントが高かったです。

この日は巨峰を使ったカクテルで、シャンパンカクテルとして提供していただきました。また、リーズナブルな価格設定でペアリングも提案されていて、平均的というか、ポピュラーなお酒ではありましたが、良心的で良いと思います。

サービスについては、パンは聞かずにお代わり出して欲しかったです。それ以外の点では特に不愉快な点などはありませんでした。

最後、帰り際にシェフから焼き菓子二種が入ったお土産を頂けたのはうれしかったです。気が利いていますね。シェフは繊細そうな方で、上に不満を少々書きましたが、良いお仕事をされていると思います。


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テーブルセッティング

香りのコンセプトについてはメニュー表が用意されていて、こういう行き届いた心配りは嬉しくなります。「はじめのん」に続く箇所についてですが、左が香り、右が合わせる食材とのことです。

この日のランチコースの内容を、頂いたメニュー表から抜粋します。

はじめのん(アミューズ)
秋刀魚・赤海老・栗

ディル×かます
カチョカバロ×しらす
牡蠣×鰆
備長炭×南の島豚

スパイス×洋梨

〆のん
香るTea お茶菓子


食事は、食前酒から始まります。先ほど書いた、アペリティフメゾン(巨峰のオリジナルシロップ使用シャンパンカクテル)を頂きます。甘みがやや強めですが、良いお味でした。

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秋刀魚・赤海老・栗から秋刀魚・赤海老

アミューズ1:エビのスナック(右奥)と秋刀魚のタルト(左手前)
(→海老のスナックがビックリするくらい軽いのですが、すごく美味しいです。
また、薫香が素晴らしい秋刀魚と合っていました。紫蘇の花の香りもいいコンビです。下は牛蒡を入れて燻したものでした。)


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秋刀魚・赤海老・栗から栗

アミューズ2:フランス産栗のムース コーヒーのオイル ローストしたココナッツ
(→ほんのり甘くて優しい味です。甘味は、自然の栗の甘味にやや加糖しているとのことでした。)


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ディル×かます

前菜1:ディルとカマス
(→ディルの香りは感じにくいですが、富山産かますは質が良く、炙られていて良い脂を感じました。クスクスも香り、食感とも良くて楽しいです。見た目もきれいで、とても美味しい冷前菜でした。)

ペアリング白ワイン:ロワール(ソービニョンブラン) 
(→かなりポピュラーなお酒ですが、料理との相性は良くわかりませんでした。)


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カチョカバロ×しらす

前菜2:カチョカバロとしらす
(→アルザス地方のピザともいえる、タルトフランベ仕立てゆえか、合わせるワインは個人的に好きなアルザスワインでした。細かなチーズの香りが良く、しらすと出汁の相乗効果で、美味しくて秒速で食べ終えました。トリュフの香りを感じたので聞くと、サワークリームにトリュフオイル入っているとのことでした。温前菜ということで、皿を温めての提供で、良い印象でした。

ペアリング白ワイン:アルザス(リースリング) 2016
(→ミネラル強めのワインですが、キリッと辛口でしまっていてよい。不思議とタルトフランベとも合っていました。)


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牡蠣×鰆

魚料理:牡蠣と鰆
(→鰆は脂が乗っていました。半生半透明で抜群の火入れです。牡蠣のソースがまた良く香って美味かったです。こちらもきちんとお皿を温めて提供されていました。)

ペアリング白ワイン:オート・コート・ドゥ・ボーヌ 2019
(→バターのような豊かな香りです。滑らかで絡みつくワインでした。鼻に抜ける気高く、豊かな香りが心地良かったです。)

パン
(→外観は普通のバケットですが美味しいです。温めて提供してくれていました。バター、オリーブオイルはありませんでした。)


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備長炭×南の島豚

肉料理:南の島豚
(→ペリゴール産のトリュフはやや香るといった程度でした。量の問題でしょうか。豚の脂は美味しいのですが、コースのお値段からすると豚がメインなのは残念でした。また、お皿は温めてあったのですが、提供された時点ですでに冷めていて、肉も冷めてしまっていたのは残念でした。炭火焼きとのことでしたが、炭の香りは正直感じませんでした。)

ペアリング赤:リュリー 2017
(→軽めのピノノワールの赤とのことです。フランスでもランチのリーズナブルなグラスワインのラインナップに挙がるような手に入れやすいブルゴーニュの赤ですね。スパイシーで黒胡椒を感じます。お肉との相性は良くて、楽しめました。)


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スパイス×洋梨

デセール:洋梨のデセール
(→皿を温めて提供していたのが驚きでした。冷温の差を感じさせる趣向でしょう。スパイスがまさに決め手のデセールでした。アイスクリームもチャイティーで、香りが豊かです。烏龍茶ベースのフレイバーティーにしたのは、結果論ですが、我ながら良い選択だと思いました。)


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選べる茶葉

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選べる茶葉(説明)

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食後のお茶と小菓子

食後のお茶:烏龍茶ベースのお茶

小菓子:クッキー、プリン、栗とコーヒーのムースホワイトチョコ包み、シュー
(→上の記載の順で頂きました。どれも丁寧に作られていてとても美味しいです。ホワイトチョコ包みがより手が込んでいて感心しました。)

それなりに良いお値段を取る割にカウンターが主体というのが一人客には少し気になるところですし、また料理提供の速度が今のままでは厳しいというところもあり、個人的にはやや厳しめの評価になりますが、良いお店だとは思いますので、また季節を変えて伺いたいと思います。


(いただいたもの)

ランチコース7700

はじめのん(アミューズ)
秋刀魚・赤海老・栗

ディル×かます
カチョカバロ×しらす
牡蠣×鰆
備長炭×南の島豚

スパイス×洋梨

〆のん
香るTea お茶菓子(クッキー、プリン、栗とコーヒーのムースホワイトチョコ包み、シュー)


飲み物:
・巨峰のシャンパンカクテルメゾン1300
・グラスワインのペアリング(4杯)3300
(白)ロワール(ソーヴィニヨンブラン) 
(白)アルザス(リースリング) 2016
(白)オート・コート・ドゥ・ボーヌ 2019
(赤)リュリー 2017





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レストラン訪問記:大阪市中央区(天満橋駅)「イデアル・ビストロ」(★)

新年あけましておめでとうございます。昨年末はばたばたしていて、更新するすると言いつつ、できずに年が明けましたこと、どうか御容赦ください。

年始はのんびりしていましたが、これまでにためてきた記事を今年は定期的に(できれば週3くらいのペースで)アップしていきたいと思いますので、引き続き御愛顧のほどよろしくお願いいたします。今年から食事の金額もさりげなく注記していこうと思います。分かりにくいかもしれませんが、読み取って下さればと思います。

新年早々にまたいくつか行く予定のお店がありますし、月末には関東にも伺う予定です。

昨年紅葉の季節に大阪を訪ねた際の記事から再開です。この日は大阪のビストロを称した一つ星店へ伺いました。ビストロでも料理に繊細さがあれば、あるいは美味しければ、一つ星が普通につくことは、本家フランスでのミシュランでも実証済みです。

有名なところでは、パリの老舗ビストロ「ブノワ」でしょう。デュカス傘下に入ったことで、過去の家族経営のパリの小ビストロという在り方からは隔絶され、ワールドワイドに多店舗展開するブランドビストロとなってしまいましたが、それでも、過去星に輝いたその栄光の歴史は変わることはありません。

さて、「理想的なビストロ」と和訳できるこちらの「イデアル・ビストロ」ですが、前から読者様から良い評価を聞いていましたし、こちらのブログでも写真を何度も掲載させていただいていたので、ようやく初訪問ができたという感じでした。この日は初めましてのあいさつがわりにランチでの訪問でした。


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店内風景

サービスはマダムお一人で、小さい店内とはいえ、各所に目配せしていて的確なサービスです。つかず離れずで良い距離感でした。

着席した際、卓上にほんの少しのパン屑が残ったままでした。簡単にでもとってほしかったです。気付かなかったのかもしれませんが、残念でした。

また、訪問日はボジョレーヌーボー解禁日でしたが、ボジョレーヌーボーが置かれていないのもまた残念でした。商売としては、在庫が残る危険があるので扱いたくないのは分かりますが、かりそめにもビストロを名乗るならば、そこはリスクをとってでも提供していて欲しかったです。単なる客のわがままと言われそうで、その自覚もありますが、ビストロを中心とした食文化の発信という観点からすると、あながちそうとだけも言えないと思います。

ただ、グラスワインのリストを見て、グラムノンの白が提供されていたので、懐かしく思い出してお願いしました。良いお味で好みでした。食後、大して用事があったわけでもないのですが、アルコールはこれ一杯に抑えておきました。

ランチはシンプルな構成ですが、ちゃんとコースでスープ、サラダといった健康的な料理が楽しめるようになっています。


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アミューズ:栗かぼちゃとレモンのスープ フロマージュブランと柑橘のエスプーマ パンプキンシード アーモンド カレーオイル チョリソ
(→なめらかな口当たりです。丁寧な調理で、美しい外観もポイントが高いです。その一方で、濃厚で美味しく、ビストロの重厚さ感じさせる味でした。スープながら、色々なアイテムが入っているのが流行りの今風ですが、味変のため必要最小限の盛り込みに抑えている感があり、センスを感じました。)


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サラダ:パテドカンパーニュ
(→サラミの風味を感じさせる作りで、アコルドゥ、オテルドヨシノとの比較でいくとビストロ寄りと分かりますが、それでも丁寧な調理で美味しいです。サラダも質が良いのがよく分かり満足できました。)


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魚料理:真鯛のポワレ からすみ じゃがいも キノコ各種 帆立のブーダン
ブイヤベースソース
 
(→お魚は外がカリっとして、中がふわふわの絶妙な火入れです。ブーダンも帆立の香りが濃縮されていて美味しいです。ただ、ややくせのあるブイヤベースソースの甲殻類の香りが、真鯛の繊細な風味を感じさせない方向に働いてしまっていて、そこは残念でした。)


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パン


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デセール:ショコラ(キャフェアングレーズ,キャラメルチョコ、サブレ)
(→こちらのデセールについては、これまでと違い、運んできた時の説明が全くなかったのが残念でした。説明がないので、どれがどれか分からずじまいだったのです。また、ゆるい(水分主体の)ムース、ソースだけのデセールにはどうしても物足りなさを感じます。アイスクリームの一つでも出して欲しいところでした。)


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食後のお茶:紅茶(アールグレイ)
(→普通です。小菓子はありません。)

シェフの力量は分かりました。技術がありますし、志も感じます。退店間際、カウンター越しにこちらの目をしっかりと見てあいさつをしてくれたことも好印象でした。インスタグラムをフォローして下さっているので、お礼を言おうかなと思ったりもしましたが、機を逸してしまいました。

帰りは天満橋を歩いて渡って天満宮に伺い、その後歩いて梅田まで戻りました。紅葉がきれいな時期で、天満橋からの景色も素敵でした。

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天満橋から望む紅葉の景色

その後、夜にも伺いましたので、ペアリングも含めて頂いた夜のコースについてもいずれ記事にしたいと思います。


(いただいもの)

ランチコース(3200)
* ランチはランチコースの提供のみ。

アミューズ
栗カボチャとレモンのスープ フロマージュブランと柑橘のエスプーマ

前菜(サーモンリエットかパテから選択)
サラダ イデアル パテ ド カンパーニュ

メインディッシュ(鴨のコンフィか真鯛のポワレから選択)
真鯛のポワレ 帆立のブーダン ブイヤベースソース

デセール
ショコラ(キャフェアングレーズ,キャラメルチョコ、サブレ)

ドリンク(コーヒーから紅茶から選択)
紅茶(アールグレイ)


飲み物:
グラス白ワイン:コートデュローヌ 2016 グラムノン ヴィオニエ(1210)



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レストラン訪問記:和歌山市「オテル・ド・ヨシノ」(★)

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レストランが入る和歌山ビッグ愛

レストラン訪問記は現在、和歌山市内の割烹店「八百亀」で終わっていますが、和歌山訪問が和食一店で終わるわけもなく、三社ある紀伊国一宮を訪れる道すがら、帰り際にこちらでフランス料理を頂いてきました。今年発刊の特別版では一つ星がついています。

以前から、ブログ読者様等を通じて高名は伺っていましたが、なかなか行く機会に恵まれず、ようやく今回初めての訪問となりました。

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レストランのある12階からの眺め(和歌山城を望む)


サービスはフランクで気持ち良く、お料理はクラシックでありながら重さは感じさせず、とても美味しいお料理でした。

ここは、店名通り吉野建シェフのお料理を提供することを謳っているお店ではありますが、エグゼクティブシェフの手島シェフにかなりの権限があるように感じましたので、実質は吉野氏の看板で、手島シェフの個性的が感じられるお料理が味わえるお店だと思いました。

お店と同業(飲食業)のお客さんが多い印象だったお客さん方も、それ(手島シェフのお料理)目当てで来店されているように勝手に感じていました。

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お店の入口

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サルへの通路(左手が和歌山市街。ミシュランの星獲得を祝う胡蝶蘭が並びます。)


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(食後の)サルの様子

いずれにしても、サンパな(感じの良い)サービスも、軽やかな美味しいお料理も、手島シェフの力量によるところが大きいでしょう。

ただ、サービスで一番残念だったのは、お客さんの最初の食前酒やその後のお酒選びをソムリエが最初から統一して対応していない点でした。

フランスだと、ミシュランで星がつくくらいのお店になれば、必ずソムリエがそこを最初から仕切ってくれるので、安心して質問をしつつ、お酒を選んで、これから始まる料理といいタイミングでお酒を提供していただけたものでした。日本でもそうしたオペレーションのお店が多くなっているとは思いますが、こちらはそうではありませんでした。

最初に、ソムリエではないサービスの方が食前酒を聞きに来て、その後ペアリングが希望だった、とその方に伝えると、ソムリエに相談に行って、ソムリエがグラスワインからお勧めを選択して提供するという形になって、後手後手のばたばたした対応と感じられました。それがなんとも残念で、料理を万全の態勢で楽しむということにはならず、そこはがっかりでした。

そもそも、最初の段階で、グラスで飲むか、あるいはペアリングがとしてはこういう形でやっていて、それがいくらかなど、それについて説明する資質があり、客からの質問や要望にその場で応えられるスタッフがそこを受け持たないと、結局しわ寄せが客に行くことになってしまいます。

結論から言うと、ここではペアリングという形での飲料の提供はありません。再度の予約の際に話したのがたまたまソムリエの方で、料理内容が毎日変わることから、そのような提供は難しいと話されていたので間違いありません。

つまりこちらでは、ペアリングはなく、グラスワインとして提供している白、赤とも各二種類ずつほどでしょうか、そこから、ソムリエがこの皿にはこれというのを選んで提供するだけです。

お勘定がグラスワインを単純に積算した形になっていたので、それに気付いた次第でした。そういうやり方であることも含めて説明し、ソムリエがそれをお勧めする理由を説明した上で、何なら客の希望で、別の方のグラスワインをお願いすることを可能にするなどのコミュニケーションの余地を残して欲しかったです。

星をとるということは、そういうサービスも含むものだと勝手に思っていますので、是非次回訪問時までにオペレーションの再構築をお願いしたいと思いました。

色々と文句のような書き方をしましたが、ここのソムリエの方はとても感じが良くて、後半は話す機会が増えて、色々なお話が伺えて楽しかったです。


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卓上の様子

さて、ようやくお料理の紹介です。食事はここの定番であるグジェールから始まります。シャンパン用の軽いおつまみですね。


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グジェール
(→チーズ濃いめで普通に美味しいです。温めて提供されます。)


シャンパン ボランジェ
(→おそらく封切りでした。強めの泡が心地よいです。)


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みのしま産太刀魚 カチョカバロチーズ 銀杏のタルト
(→海と山、温と冷、柔らかいものと硬めのものなど、様々な対比があり面白く、かつ美味しくて気に入りました。和食店ほどの彩りはないものの、秋の実りが感じられる素晴らしい導入でした。)


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雉のコンソメ
(→おそらく熱々での提供です。獣の独特な香りがあり、何よりその濃厚さが印象に残ります。)


白ワイン:ジャニエール
(→ペアリングを頼むと、ソムリエのチョイスがこちらでした。飲みたいと思い、最初にお願いしていたワインでしたので合致して良かったです。)


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フォアグラとシャラン産鴨のパテアンクルート 鴨のコンソメジュレ レンズ豆のサラダ プルーンのコンフィチュール
(→どっしりとした量と、しっかりした味で抜群です。濃厚な旨味があります。レンズ豆のサラダも、アルデンテで良いですね。今時フランスでも同じようなクラシックなパテはなかなか食べられなくなっているはずです。その意味でも素晴らしい出会いでした。日本で出会える御縁に感謝でした。)


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パン:ライ麦パン(細長いもの・丸いもの)
(→パンは全て、温めない提供であるのは残念でした。また、以前読者様から聞いたことがありましたが、バターは脂分がやや少なめなのが残念でした。)


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魚料理:和歌山の舌平目 アルベールソース 茄子のチップス 茄子のピューレ シシトウ
(→食材からしてクラシックなお料理です。細かく解れる繊細な舌平目の身とパン粉のまぶしたものがいい味を作り上げています。ソースも本物ですね。付け合わせのなすは、ムースも焼きナスもいずれも美味でした。あえて難を言うとすると、見た目の洗練が感じられないところでしょうか。味は良いですが、茶色い外観はやや美しさに欠けるきらいがあります。また、粉をまぶしているのが良いですが、少しだけむらがあったりして、完璧な調理とはなっていなかったのが残念でした。)


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白ワイン:シャブリ プリミエクリュ 2016
(→ブランドテイスティングでは同業者もシャブリとは分からないとのことでした。色が濃いめのせいとのことでした。)


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肉料理:和歌山古座川産鹿ロース肉ロース ポワヴラードソース 菊芋 トランペット茸 ジロール茸 ビーツ じゃがいも ベリー
(→蓋付きで登場しました。鹿はフィレ肉かと思いましたが、確認したところ脂身をそぎ落としたロース肉とのことでした。繊細で適度な脂分があり美味です。ソースがごまかしない本物で、濃いめで素晴らしいです。きのこはやや塩が強めでした。菊芋は香ります。わずかなじゃがいもムースにロブションの技を感じられました。)


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赤ワイン:AOCサンモン 2010
(→濃厚で良い熟成の素敵なお酒でした。勧めてくれたソムリエ氏に感謝です。)


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卓上のお花


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アヴァンデセール:海南市黒沢牧場産牛乳のソルベ
(→さっぱりしていて好みでした。)


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デセール:無花果尽くし キャラメリゼした無花果 赤ワインと蜂蜜のゼリー 生石高原産山羊乳のアイスクリーム バルサミコソース スパイス香るメレンゲの泡 ローストピスタチオ 凍らせた無花果のスライス
(→山羊のミルクのアイスが良い風味です。無花果尽くしの素敵な一皿でした。)


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食後のお茶:ドライハーブティー
(→フレッシュに劣らない香りで良かったです。)


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小菓子:カヌレ、パートドフリュイ、ガトーショコラ
(→カヌレはカリカリ感があり良かったです。フランボワーズのパートドフリュイは果実味が濃厚でした。また、ガトーショコラですが、こちらも濃厚で小菓子としては満足以上の品でシャポーでした。)

色々と不満を述べましたが、期待があってこそですので、是非これからも手島シェフの下で、良いお料理を提供していっていただきたいと思います。また近いうちに冬の味覚を楽しみに訪れたいと思っています。


(いただいたもの)

ムニュ セゾン
(→和歌山とフランスの旬の食材を中心に用意するおまかせコースという位置づけです。)

太刀魚のリエット

雉のコンソメ

パテ・アン・クルート

和歌山の舌平目

古座川の鹿

無花果のキャラメリゼ

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レストラン訪問記:芦屋市「GENTO」(未掲載)

こちらは2020年7月15日開店とのことで、ミシュラン兵庫2016特別版には当然のことながら掲載はなく、未掲載表記となります。

今回、フランスレストランウィークの最後の食事ということで、お料理は特別コースでした。前から行ってみたいとは思っていましたので、少しリーズナブルなコースでお試しできると思って訪問しました。


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お店外観

ジャンル分けや、サービススタイル、料理の内容、順序からするとフランス料理店ということになるのでしょうが、食べ終わってみて、シェフの多彩な経験からか、枠にとらわれないお料理を出す印象でした。

今時、フレンチでも、和食といえるような料理を平気で出す時代ですから、枠にはめることにあまり意味は無いかもしれません。ここのお料理の特徴の一つを挙げると、全てのお野菜が兵庫県産というように、お野菜に力を入れているというところでしょうか。付け合わせにしても、それぞれの存在感があって、野菜が好きな方はそれだけでも来店する価値があるかもしれません。

例えば、魚料理に合わせられたアレクサンドラという茄子ですが、野菜自体の美味しさもさることながら、中身がとろりとするまできちんとした調理がされていて、とても美味しかったです。つい先日、「アッシュ」で魂の抜けたような、正直味のない焼き茄子もどきを食べさせられていたので、茄子の美味しさを改めて感じられる体験ができて嬉しかったです。

そのようなわけで、お料理は美味しいのですが、お一人でされていることもあってか、お料理が出てくるのが遅めの印象でした。時間に余裕がない方には向かないお店でしょう。また、それとも関連するかもしれませんが、熱々であればあるほど美味しいお料理も、かなり温度が下がった状態で出てきていて、美味しさの旬を逃している点で、店への評価はその点やや下がらざるをえませんでした。


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テーブルセッティング

サービスは、おそらくマダムと思われる女性が一人でされていて、入店時から笑顔で、丁寧に接して下さり、とても感じが良く、好印象でした。

また、もう一組のお客さんが、マナーモードにせずにLineの通知音を何度も店内に響かせていたので、お願いして注意してもらいました。その応対もきちんとされていましたので、感謝でした。

また、ここでは、一人であっても、料理と料理の間にはマスク着用するように言われていて、感染防止への意識が高いお店だと、ここでも良い印象しかありません。

それにも関わらず、件の客はマスクもせず複数名で大声で会話をし続けていたので、マダムに注意されていました。自分たちが世界の中心にいるという世界観は分かりますが、もう少し社会性をもっていただきたいとものだと、客層の悪さに辟易しましたが、それでも一応客なので、あまり邪険にしすぎることができないのがお店の辛いところでしょう。お察しいたします。

良いサービスの中で、一つ残念だったのは、卓上の美しいテーブルクロス上に、最初とても目立たないとはいえ、何か砂糖のようなくずがほんの少し残っていたことでした。

この日のお料理は、小さな秋と冬の味覚が詰まったアミューズから始まりました。


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アミューズ:相生産牡蠣 菊芋のピュレ 春菊のピュレ 神戸市西区産銀杏

さほど大きくはない牡蠣ですが、アミューズとして楽しんでもらうためでしょう、2つに切ってあります。こういうところにシェフの気配り、力量を感じます。お料理自体はほんのり温かみがあり、優しいお味です。これも和食といって良いでしょう。

今年の初牡蠣は、旬の銀杏と一緒になってきて、いい出会いとなりました。適度な少量といい、優しい味わいといい、アミューズとしてはとても良い出来でした。


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淡路島産ツバス(ハマチの幼魚) 塩ゆで新落花生、丹波産黒豆枝豆他旬のお野菜と果実 葡萄(紫玉)と玉葱のソース

見た目がとても鮮やかで華やかな、ツバスを使った旬のお野菜のサラダです。葡萄と玉葱を使った紫色の甘めのソースが良い味です。柿などの果物も入っていて、にぎやかです。短い旬の塩茹で新落花生、これも今が旬の黒枝豆がうれしいです。お野菜は、それぞれにきちんとした調理がされていて歯応え含めて楽しめました。ツバスのほのかな脂分もまたサラダにはちょうどいい感じです。見た目の華やかさだけではなく、美味しさも存分に感じられて良い前菜でした。


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明石産スズキのグリエ モンサンミッシェル産ムール貝と神戸市西区産紅花のソース ラタトゥイユ(魚の下) 神戸市西区産トマト(左奥) アレクサンドラ(茄子)(右奥)

焼いてから時間が経っているせいか、魚がやや冷めていたのは残念でした。皿も温められていませんでした。火入れはしっかりめにしてあり、普通に美味しいですが、最近「Uozen」でとびきりのお魚料理に会ったので、少し物足りなさを感じました。でも、これはこれでとても美味しいです。また、魚に切れ目が入れてあるのは親切で良いですね。魚の味付けは、やや塩気が強めです。

ソースやつけ合わせですが、ムール貝とサフランのソースが良い味を出していて、ラタトゥイユも美味しいです。トマトも神戸市西区産とのことで、フランス産ヴァージンオリーブオイルで48時間75度で火入れしたものとのことでした。すでに書きましたが、アレクサンドラという茄子(写真右奥)がトロトロで美味しかったです。


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フランス・ヴァンデ産ホロホロ鳥 ハンガリー産五種の野生キノコ(アミガサダケ(モリーユ)、クロラッパタケ(トロンペット・デ・モール)、シバフタケ、アンズタケ(シャントレル)、セップ)のクリームソース ピンクドラゴン(じゃがいも)のピュレ シャドークイーン 甘唐辛子 モロッコいんげん 里芋 れんこん 根付きニンニク

こちらも、魚同様提供された時点で冷めていて残念でした。焼き目もいい具合について、お肉自体の火入れは良く、そのお味も良いだけに残念さが増します。添えられた野菜はそれぞれにいいお味でした。ソースも、野生の茸が効いているのでしょう、香りがよく、濃厚でとても美味しかったです。

ただ、お皿に傾斜があったせいで、強くお肉を切ろうとすると(身質の関係で多少力を入れる必要があります)、皿が傾いてしまって危なかった(中身がこぼれそうになる又は飛んでいきそうになる)です。おしゃれを狙っていたのでしょうが、ここは安定する平皿を選択して欲しかったです。

ここまでパンの提供がありませんでしたが、メインのお肉料理の段階に至って初めてパンが提供されました。これは一般的なサービスではないので残念でした。この日のメニューであれば、ツバスのサラダの段階から提供するのが普通でしょう。


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パン(加古川産全粒粉使用)

パンは、加古川産全粒粉を使用したというパンでした。バター、オリーブオイルなどありませんでしたが、本物志向のパンは、玉城屋で頂いたハイジの白パンの対極にあるいわゆる玄米パンで、味は好みなのですが、やや乾燥した食感なので、その点からもバターかオリーブオイルは欲しかったです。


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丹波産黒豆のアイスクリーム 三田産ほうじ茶、シナモン、カルダモンのアイスクリーム 神戸市西区産シャインマスカット 水抜き丹波産ヨーグルト

アイスクリームが主体のデセールは、こくが感じられながらも、冷たくてさっぱりするので大好きなのですが、この日のデセールも、爽やかで美味しく、アイスクリームも、フルーツも、ヨーグルトもどれも好きでした。丹波産黒豆に郷土色が感じられます。アイスクリームの玉子と牛乳も丹波産とのことでした。


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食後のお茶:レモンティー
小菓子:フランス産ラズベリーとドミニク共和国産カカオのミニタルト

ここでもハーブティーについて尋ねましたが、好みのフレーバーがなかったので、紅茶でお願いしました。最近訪れた「シェローズ」のレモンティーでもそうでしたが、ここのレモンも明らかに市場に多く出回っている輸入物のレモンではありません。そういう意識の高さが好きです。小菓子は一つと寂しいですが、きちんと作られた一品で、美味しいので満足でした。

お店を出る段になって、それまで厨房にいらしたシェフが急にこちらに結構なスピードで近寄ってきたので、ちょっと驚きましたが、そのままマダムと二人でお見送りをしてくれました。

店内も簡素ながら現代風で落ち着く空間で、料理は安定して美味しく、サービスもとても気持ちが良かったので、また機会があれば是非訪れたいと思います。


(いただいたもの)

フランスレストランウィーク特別ランチメニュー

淡路島産ツバス

明石産スズキ

フランス産ホロホロ鳥、ルーマニア産野生キノコ色々

全粒粉パン

神戸市西区産シャインマスカット
三田産ほうじ茶、シナモン、カルダモン
丹波産黒豆、ヨーグルト

食後のお茶(レモンティー)

フランス産ラズベリー、ドミニカ共和国産カカオ

(以上の記載は、パンと食後のお茶の部分以外、頂いたメニュー表を転載したものです。)





テーマ : グルメ情報!!
ジャンル : グルメ

レストラン訪問記:神戸市(三宮駅)「アッシュ」(掲載のみ)

今はテレビでも御活躍華々しい山口浩シェフの総本山、神戸北野ホテルのメインダイニングにて夕食を頂いてきました。


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北野ホテル(昼の外観)

同シェフは、かつての「コートドール」(現「ルレ・ベルナール・ロワゾー」)で修業をされた、故ベルナール・ロワゾー氏の弟子筋に当たる方として有名です。


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北野ホテル(夜の外観)

ホテルは古い洋館風で、神戸らしさが感じられる北野異人館街付近の坂道の途中にある立地も含めて、昼も夜もいい雰囲気です。

店内は、手前にカジュアルダイニング、奥にガストロノミーゾーンと分かれていますが、その境界は曖昧でした。


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サルの様子

入店時の検温、手指消毒は時節柄分かるとしても、しばしの待ちの後、すぐに席に通されたのが少し解せませんでした。荷物を預かるのがまず最初でしょう。そこを飛ばされて、違和感を感じつつ座席へ座ります。上着は空いている椅子にかけざるを得ず、(自称?)グランドメゾンではありえない珍妙な光景が現出していました。こちらがサルまで持っていきますといって上着を預けなかったわけではないです。


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卓上の様子

卓上は、古式ゆかしいごたごたとカトラリーを盛り込んだ光景で、こういうセッティングになかなか最近出会うことがなかったので、逆に新鮮な思いでした。皮肉が多めに入っています。

食事が進むにつれて、こちらは、サービスの根本が少しずれていて、そのずれた独自のサービスの形が大切に代々承継されているのだということに気付かされました。

古めかしいサービスの在り方を否定するつもりはありませんが、サービスが客を活かすためのマナーだとすると、どうも客をないがしろにするサービスを平気でしている印象で、こちらの独特なサービスの在り方に否定的な思いしか湧きませんでした。

それでいて、サービス料は13%も徴収されます。正直、その数値に値するだけのサービスを受けたとは到底思えず、むしろハードルが上がっている分、大いに不満が募りました。

例えば、この日は例のごとくフランスレストランウィークの特別メニューを注文していたのですが、そこにはデフォルトで食前酒が組み込まれていたようでした。

得意げにそれを説明するサービスマン(おそらくソムリエ)に、その食前酒は何か問い、予想通り普通のスパークリングワインだったので、それを追加料金を払うのでシャンパンに換えられないかと交渉したところ、怪訝そうな、露骨に不服そうな表情を見せてきました。

一応その交渉を受けてくれたのですが、自分の言うことだけしか考えられていなくて余裕が全くない対応とはっきり感じられて、その態度に失望しました。

また、これは好みや趣味の話だと思いますが、卓上にフィンガーボウルが置かれていて、それもこれで指を洗って云々と言われたのですが、今時そんなもの大仰に要りますか、と思ってしまいました。おしぼり一本置いてくれればそれで十分ですし、そちらの方がスマートで良いです。大半の気の利いた店はおしぼりの提供になっています。

また、この日食事で使うカトラリーがあらかじめ全て置かれている古式ゆかしいサービスで、こちらもネガティブな方向に驚かされました。

さらに、たまに今風のサービスを少し取り入れているかなという場面があったにはあったのですが、しょぼいソースならわざわざテーブルでかけるパフォーマンスなどむしろやめた方が良いと思いました。

そして、最後の最後にまた不愉快な思いをさせてくれました。こちらが求めていないのに、サービスマンが会計票を勝手に持ってきて、こちらに一瞥もくれずに一方的にテーブルにさっと置いてそそくさと去っていったのでした。どういうことでしょうか。そうかと思えば、その後、支払おうとすると、サービスマンの誰もこちらをケアする様子がなく、全く寄りつかずにかなり長いこと放置されていました。ありえないでしょう。

お料理については、全般的に味つけがきちんとしていなかったり(味が全くしない焼き茄子)、料理とお皿が明らかに不整合であったり(スープといいつつ一口分くらいの量のスープを大きな平皿で提供)と、不満に感じることがあまりに多くあって、三つ星で修業したシェフが出す料理とはとても思えませんでした。

山口シェフはもうこの店の料理を手掛けていないし、ちゃんと献立作りに絡んでいないのだとはっきり分かりました。テレビに出て名前を売るのも良いですが、拠って立つべき総本山がしっかりしていないと、シェフとして存在する意味はもはやないのではないかと批判的に思ってしまいます。

また、細かいですが、チーズを追加で頂きたく思ってお願いしたのですが、この日はなんと用意がないとのことで食べることができませんでした。グランドメゾンを装いながら、チーズがないとはなんという体たらくと、この店のレベルをそんなところでも知ってしまったように思いました。


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メインの魚料理(鰆)

サービスについても、料理についてもかなり否定的なことを並べましたが、メインとして出されたお魚とお肉はそれぞれとても美味しかったです。ただ、魚料理はつけ合わせの食材も含めて完全に和食の焼き魚でした。


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メインの肉料理(神戸高見牛(黒毛和牛))

お肉については、燻製にしている点で、新潟の玉城屋旅館の夕食で頂いたのとほとんど同じお料理でしたが、こちらは神戸高見牛という黒毛和牛を使っていた分、国産牛を使っていた玉城屋さんのお料理と味の違いは歴然で、こちらの方が明らかに美味しくて、そこは満足しました。

ただ、独特な発展を遂げ、客を大切にしないのにべらぼうに高いサービス料をとるサービスや、質のばらつきが大きい安定しないお料理を考えると、再訪したいとはとても思えませんでした。

フランスレストランウィークの特別メニューはまだリーズナブルでしたが、本来ここのディナーはなかなかいい価格設定がされていますので、残念ながら食通からは見放されていく運命にあるお店だと認識しました。


(いただいたもの)

フランスレストランウィーク特別ディナーメニュー

飲物:
・ グラスシャンパーニュ(ボランジェ スペシャルキュベ N.M.)
・ グラスシャンパーニュ(ボランジェ PNVZ16(ブランドノワール) N.M.)
(→濃厚な味です。グラスも違いました。封切りというのも嬉しかったです。)
・ グラス白ワイン(AOCアルザス リースリング トリンバック 2019)
・ グラス赤ワイン(ボルドー シャトー・タイヤック キュベ・ルビィ 2017)
・ グラス甘口白ワイン(ミュスカドボームドヴニーズ シャプティエ 2018)


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お楽しみのアミューズ(栗のスープ トリュフソース)
(→ぬるい上、味がぼやけていました。また、既述ですが、スープというなら深い器に入れるべきでしょう。あるいは一口なら、現代ではカプチーノカップ一択でしょう。また、質問をしたところスタッフが明らかに間違った説明をしていました。サービス料をとれるレベルではないです。)


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サスティナブルシーフード(金目鯛のセモリナ粉フリット 焼き茄子)
(→焼き茄子は味がないです。焼き茄子はペーストにして香ばしさを抽出するからこそ意外性があるのであって、焼き茄子そのものを出すならちゃんと美味しく仕上げて欲しいです。このお料理で、一つ星は絶対に無理だと感じました。また、既述ですが、ソースが少ないのに、わざわざソースをもってきてかけるパフォーマンスをする意味が不明でした。)


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〜歴史〜丹波黒豆とフォアグラのガトー仕立て
(→ごちゃっとして全く美しくはないのですが、味は美味しいです。)

〜アルチザン〜さわらのコンフィ しっとりと仕上げた葱とご一緒に
(→「ねぎと生姜と低温調理のサワラ かぼす ネギと生姜出汁ダレ」です。これは和食の焼き魚ですが、低温調理のおかげでしっとりしていてとても美味しかったです。)


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〜大自然〜神戸高見牛・藁の香り
(→「高見牛 56℃で7時間 高見牧場の銀杏 里芋 壬生菜 山椒牛蒡」です。藁の燻した香りが良く、とても美味しく、大満足でした。これには、大して美味しくもないこざかしいつけ合わせより、グラタンドフィノワなどのポテトが欲しかったです。)


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デセール(フォンダンショコラ・ヴァローナ社のチョコレートアイス)


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パン/バター
(→パンは美味しいですし、温めて提供してくれました。バターはふのり入りの岩塩バターです。美味しいですが、バターのお代わりはありませんでした。)


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小菓子(青リンゴとハーブのムース)
(→工夫があり楽しいです。ただ、小菓子一つはさみしかったです。)

コーヒーまたは紅茶(乾燥のスペアミントティー)
(→フレッシュではないのは明らかでした。デセールの途中にお茶をもってくる独特のサービスが炸裂していました。やはり、ここはサービスが分かっていないのだなと改めて思いました。)

(以上の記載は、飲物と括弧内の記載以外、頂いたメニュー表を転載したものです。)






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Author:VV George VV

La marque "***", "**","*"
signifie des étoiles de
Michelin au moment de la
visite.

長期フランス滞在中、さる”グランドメゾン”(高級料亭)での午餐を契機に”ガストロノミー・フランセーズ”(フランス流美食)に開眼。
爾来、真の美食を求めて東奔西走の日々。

インスタグラム始めました!→https://www.instagram.com/george_gastro/

* お店の名前脇の★はミシュランガイドでの星による評価(訪問時のもの)に対応しています。

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